246 幾星霜のメモワール
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| (a3) 2024/02/08(Thu) 22:05:54 |
| (a5) 2024/02/08(Thu) 22:56:20 |
| 未だ光らない己の痣を眺める。衣服に阻まれたそれは見える位置にはないけれど、自然と腹部に指が這う。
「……」
周囲は祝福し、称え、その恩恵にあやかろうとする者から、これまで目立たなかった己を激励する声までする。 早く光ると良いな、祝福があれば良いな。 確かにそれは喜ばしいもののはずで、込められた期待は冷やかしではなく本意だろう。 滅多にない機会なのだから。きっと間違いはないのだ。 (2) 2024/02/09(Fri) 0:07:41 |
むかし、むかし。
まだ聖女とも呼ばれてもいなかったその子供は、
その力でひとつの世界を創り上げました。
――― 幾星霜のメモワール。
その世界を模したことだって、
何の意味もないわけではありません。
だってその世界は、誰もが知るほど愛されているはずでした。
例えば、だ。
自分の大好物がケーキであったとする。
そのケーキが"食べられないこと"を不幸と呼ぶのならば、
そのケーキを"他の誰かに食べられてしまうこと"という
更なる不幸が生まれると俺は思う。
だから、事故のことを、俺は未だに許せない。
隣に座る明るく意気投合した女も。
目の前に座っていた髪の長いいい匂いがする女も。
後ろに座った足を俺の座席に掛けてきた女も。
全部、自分が選ぶことが出来る"ケーキ"だったはずなのに。
それら全てを奪って行ったその瞬間。
せめて隣に居る女だけでもと手を伸ばした細首が。
そこに巻き付く自分の掌の感触が。
こんなハリボテのような体になっても、
未だに俺を俺たらしめてさせているのだ。
だからきっと。
俺の"刻印"は、その時
"親指を強く捻じ込んだ""顎"に浮かんだんだと思う。
――そうだろう、女神様。
▽
こちらの世界で俺はその運命の相手を探していた。
俺の"人生"で唯一殺せなかったその女は、
きっと俺と同じ境遇で世界のどこかに居るはずなんだ。
温度のない肌と血の流れていない身体に残る、
その感覚だけが荒唐無稽で温度のない
自動人形の中に封印されていてなお、
自分が血の通った殺人鬼である事を思い出させてくれたから。
ありとあらゆる方法で他人に近寄った。
人は、その人だけが知っている情報を明らかにされると、
急激に距離を縮めてくれる。
俺にとって言葉は警戒を解くための呪文で、
俺にとってこの図体は
警戒を解くための前準備でしかなかった。
まあ、魔女ちゃんやシヴァピッピみたいに、
簡単には靡かない人もいて、そういう相手は丁寧に丁寧に
時間を掛けて解していかないといけなかった。
そんな時には逆にこの朽ちない身体が、
その邪念を上手く包み込んでくれた。
そうして時間を掛ければ、
相手の首に手が届くか、
相手の首に手を掛ける必要がないかの二拓で、
その相手との関係は殺人鬼にとって"正常化"された。
▽
武骨な武人でありながら本性は軽快。
軽薄な態度でありながら本性は沈思。
男性的な側面を持ちつつ本性は女性。
大人のような身の丈でも本性は子供。
様々な仮面を纏うには、
嘘が表情に現れないこの自動人形の身体は、
随分と味方してくれたように思う。
その仮面も、この祭りが終われば用済みだ。
グノウという名も、今の立場も捨てて、
またどこかの街で獣の自動人形として、
人々の心の隙間に滑り込もうと思う。
その時はどんな仮面を被るだろうな。
今回覚えた、何人かのような振る舞いをすれば、
少なくともそいつがこの祭りで勝ちえた信頼くらいは、
自分も勝ち得ることができるだろうか。
そしてその仮面でなら、
あの時手を掛けようとした運命の相手は、
――俺に喜んで殺されてくれるだろうか。
――俺に殺されて悦んでくれるだろうか。
▽
なあ。
多分、もうこの思念の共有も、
既に切れているだろうけど。
最後にここで、
一つ言えることがあるとすれば。
もし、運命の相手がキミであるならば。
大人しく俺に、首を絞めて殺されてくれ。
世界中の、感覚共鳴者に向けて。
俺は笑顔で思念を送った。
さあ。
次は誰と会話を試みよう。
| 予定していた仕事のノルマを終えて、広場へと足を運ぶ。 相変わらず人々は楽しそうに歩いていたり、開けた場所では踊っていたり歌っていたりと様々だった。 民衆の熱気から逃げるように彼らを横目に過ぎていく。 尾引くようなローズの香りが彼女の跡を辿るようにふわりと舞っていた。 (12) 2024/02/10(Sat) 16:56:12 |
| >>+18 カリナ 「カリナさん、こんにちは。 今日はちょっとだけオトナっぽい感じに背伸びしています。商売人ですから、身だしなみはきちんとしたいので」 駆け寄ってきたあなたを見止めると歩みを止める。 あなたからの誘いに、ああそうだったと言いたげに反応した。 「勿論良いですよ。食べ歩きに行きましょう。 ……既に色々食べていらっしゃったようですね。香ばしいパンの匂いと甘い匂いがしますから」 (16) 2024/02/11(Sun) 2:14:05 |
| >>+21 カリナ 「あ、いえ全然。こう……お祭りの期間ですから、華やかなほうが雰囲気としては良いかなって。 小さいですし未熟な身ですが、それっぽく見せた方が売り上げも伸びるかななんて」 概ねあなたが思考を巡らせた内容と合致するものだった。 自分なりの効率的な手法でもあるのだけど。 とはいえ、もう仕事も終わったところ。色気より食い気、花より団子のタイミングだ。 「あ、ありがとうございます。 実はアドバイスを受けて、店構えや出している品物を変えてみたら結構繁盛してて、今日もてんやわんやでして」 ご飯を食べ損ねていたことも思い出して、真似するようにお腹を撫でて苦笑いを浮かべた。 (17) 2024/02/11(Sun) 20:24:48 |
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