205 【身内】いちごの国の三月うさぎ
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今、どうしようもなく、君を抱きたいって
思ってしまって、
[ 君に
溺れたい
この体のほうが、言葉よりも
よほど素直かもしれない。
背を撫でる手を、するりと形の良い尻へ滑らせて ]
いいかな
[ 問うた。
粘液でぬるついているほうの手も
決して受け入れるための場所ではない、
そこへ、向かわせながら。* ]
[テレビの向こうで活躍する姿を見たのは、
その日の夜が初めてだったと言ってもいい。
MVで見た彼の姿が過去の彼に重なって、
ようやく同一人物だと理解したぐらいの知識。
それまでは耳で得られた彼が懐かしく話す声しか知らなかった。
俺が惹かれていったのは、液晶の向こうではなく、
優しく穏やかな声で月を想うような、
Hare悪戯めいたサービスを思いつくような、
大事そうに俺が作ったデザートを写真に収めるような
そんな、あなただったから。
触れたい、と、思う。
まだ知らないあなたを。
スクリーンの向こうに居るあなたも、全て。
――――欲しい。]
[彼の手をまた汚してしまうくらいに吐き出した欲。
擦り合わせた額が痛いぐらい、
擦り付けぐちゃぐちゃになった前髪がら絡み合う。
射精後のぼうっとした感覚を味わいながら、肩で息をして。
は、……と鼻先に熱を零す。
達した後なのは彼も同じ。
互いに上がった体温で肌が汗ばんでいる。
近いからこそ、紡がれる呼吸が少し荒いでいるのが分かる。
切なげに呼ばれた名前を、今更頭の中で反芻して。
甘えるみたいにまた前髪を擦り合わせたなら。
落とされる溜め息に気づいて、首を少し傾けた。
のに、と続く音。]
…………、……?
[柔らかく抱きしめられて、腰を引き寄せられたなら。
達したはずの彼のモノがまだ硬さを保持していることに、気づいて。
ぁ、と触れた瞬間、甘い声が零れた。]
[ゆっくりと彼の手が背を撫でる。
まるで落ち着かせるみたいに動くその手に、
身を委ねながら、紡がれる言葉に耳を傾けて。
男同士のSEXについて、考えていたことを知る。
気持ちいいこと、の次に口にした
痛いかもしれないこと。
その言葉に想像する先は予習済みの身には、容易くて。
つう、と優しく背を撫でていた手が滑り落ちていく。]
……ぁ、ッ、
[腰筋を辿り、やがて指が辿り着くのは。
男女では想定されていない場所。]
[抱きたい、というストレートな物言いと、
向けられる熱の篭った視線が情欲を孕んでいるのが分かる。
肩に添えた手に僅かに力が篭もる。
想定してない訳じゃなかった。
ネットで調べた知識、動画を見ることは躊躇ってしまったけれど。
その。
彼が俺を見詰める瞳の奥に何度か。
今日と同じような色を感じる事が、あった。]
[はく、と唇で酸素を取り込むみたいに喘がせて。
肩を掴む指先で彼の背を軽く撫ぜる。
口にすることを躊躇ってしまうけれど。
真摯に求められる思いに、応えたい気持ちはある、から。]
自分じゃ、……気持ち悦く、できなくて……
感じるか、分からない、けど、
[瞳を伏せて、彼を受け入れる為の準備を、していたと。
伝えたなら、それは。応と言ったことになるだろうか。
かぁ、とこれ以上ないくらい頬が熱くなって、羞恥が浮かぶ。今までで一番恥ずかしい。*]
|
[ 好物を前に、どうにも機嫌が上がるのが止まらない。 まるで子どものようにはしゃいでしまったことに気付き、 やや気恥ずかしそうにはにかんで、「えへ」と笑い声ひとつ。 彼も別の意味でブレーキが壊れそうなのは知らずとも、 恋人同士は似てくるという説を立証出来そうな二人だ。 ]
はっ……天才の言い訳です……!
……それは、お店で、で良いんですか? 家でお菓子作ってるときも、実はちょっとだけ 隠れてつまみ食い、……してますけど。
[ これはちょっぴりの懺悔です。 美味しそうな季節のフルーツや煮込んだ後のお肉やら、 彼が見ていない隙にしれっとつまみ食い、してるので。
かわいい姿、を他の人に見せたくないと 以前言っていたのを思い出し、揶揄うように問いかける。 ついでに言うなら、家ではリラックスしているから 表情や声音もいっそう緩んだものが見れますよ? ……なんてことまでは、彼が気付くまで内緒の話。 ]
(26) 2023/03/23(Thu) 12:16:43 |
| っふふ、そうですね? じゃあそういうことにしちゃいましょう。 [ 1月22日生まれ。それはまだ知らない貴方の話だ。 冬が過ぎ去ったばかりの頃に恋が赤く実ったから、 具体的な日付を聞くのを失念していた。 きっと、遠からず思い至って、ちゃんと訊くに違いない。 物は言いようの彼の気遣いに思い至れぬまま >>10 くすくす無邪気に笑い、練乳付きのいちごを頬張る。 ] (27) 2023/03/23(Thu) 12:16:56 |
|
[ 彼女に連れ回される彼氏のような構図で、 あっちへこっちへ効率度外視で散策しながら。 ]
"とちおとめ"、一番好きなんです ──スカイベリーも美味しいけど、私はこっちかな。
夜綿さんは、お気に入りの品種とかあります?
[ そんな話をしながら。 時間になるまではきっと、ご機嫌なまま いちご狩りを楽しんで。** ]
(28) 2023/03/23(Thu) 12:17:30 |
[ 触れ合わせるような動きをしなくても、
触れ合う鼻先、唇、吐息もまた、
互いの熱を冷ますに至らないほど、熱いまま。
甘えるように額を押し付けて擦り寄せてくる
愛おしい存在に、胸がいっぱいになる。
快楽に追い詰められる顔も、
達する顔も、そして達した後の
くったりとした表情も、全部が全部、
愛おしくて、仕方がないのに ]
俺も、こんな風になる俺のこと
知らなかった。
[ 抱き締めたことで、ぴたりと重なり合う体は
鼓動の音すら誤魔化せない。
硬いままのそれに気づいたのか、
甘い声が耳を擽って、ふ、と笑う。 ]
[ このまま、くったりとした身体を
優しく撫でながら眠りたいと言えたなら
優しいだけの男で居られただろうか。
性にしても、愛にしても、
これほど欲深だとは、思わなかった。
次々と湧いて出てくる性欲を、
そんな風になったことはないから、
飼い慣らすように、堪えることすら
楽しいとすら思っていたのに。
腰から下へ伸びていく手に、声が上がれば
また。新しい自分を知った。 ]
[ そこまでは、想定していなかっただろうと
決めつけてしまっていたのは、やはり
愛する覚悟はあっても、愛される覚悟が
足りていなかった何よりの証だと思うし、
恋人になって欲しいと願った日があって
泊まりたいと提案された日があったと言うのに
それを何処か、
「自分に応えるため」に「そうしてくれたのだろう」
と、君の気持ちを、君が傾けてくれている心を、
これだけでいいからと おざなりにしていたのだ。
――好きと伝えることに、戸惑いがなくても
伝えられたものを上手に受け取ることが
出来ずに、遠慮されるなんて、
どれほど、切ないことだろう。 ]
………? え、
[ 君のほうが余程、どちらの覚悟も
決まっていたのだと思い知らされて、
目を丸くさせてしまった。
自分じゃ、……できなくて、
真っ赤になって、それを伝えてくれて
今度こそ、息ができないくらい、
胸が詰まった。 ]
[ 恋とはこんなにも、恐ろしく苦しく、
そして、泣きたいくらい胸が詰まるものだったのか。
臆病な俺は卑怯にも、
目の前のいとしいからだをきつく抱きしめて、
その涙を隠してしまうけれど、
どうか、責めないでほしい。
愛
を知るのは、はじめてなのだ。 ]
痛みは?
[ ぬるつく指を、こわごわとその場所に侵入させていく。
異物感は拭えないだろうが、それでも
優しく少しずつ。
おもったよりもすんなりと、指一本飲み込んで
いくので、ああ本当に自分で試していたのだと
知り、不謹慎にもその姿を思い描き、
密かに、興奮してしまいながら ]
……あったかい。
ゆっくり、抜き挿しするね
[ 中で指を少し曲げて、宣言通り、
ゆっくり、その動作を繰り返しながら、
気を散らせようと、胸の突起に歯を立てる。
二人分の体液が纏わり付いた指が
行き来すると、卑猥な水音が響いて。
気が逸ってしまうから。* ]
[合わさった肌を通して感じる鼓動。
その速さと、知らなかった、と呟く彼を
笑える余裕は自分にもなかった。
同じぐらい速い鼓動、興奮と胸の高鳴りが混ざって、
どうしようもないから、収め方を教えて欲しい。
吐き出されるように笑う息すら肌を擽るから、
彼の動き一つで、身体が敏感になっていくのが分かる。
じゃれ合いの延長だと思っていた撫でる手も、
気持ちを伝えるためのキスも、何もかも。
小さな快感を掬い上げていくみたいに、確かめられて。
――俺で、感じて。
そう言われるままに、身体が彼を
覚えていく。]
[恋人として、彼と向き合うと考えたあの日から。
今日に至るまでを考えていなかった訳じゃない。
それは、泊まりたいと口にした時も変わらず。
恋の延長線上に性愛があることは、
恋をした人間ならば、誰もが経験することだろう。
手を繋ぐだけ、隣に居るだけ。
それだけでも「幸せ」と呼べるのだろう。
だけど。
欲情を隠した瞳と視線を交えた時から。
彼が、四葉のチョコレートソースを口にした時から。
そんな予感は、していたし。
そのことに嫌悪どころか、心臓が跳ねたから。]
[抵抗がなかったわけじゃない。
彼との性交との拒否反応というよりも、
自身で、双丘の奥底に触れて解すという行為に。
躊躇って、踏み込めなくて。
何度か断念して。
滑りを助けるというローションすら買うことすら出来ず。
自身の唾液と吐き出したもので、触れた。
襲ってきたのは、異物感と苦しさ。
快感なんて、すぐに拾えるはずもなくて、
何度か、指を往復させても、慣れなくて。]
…………
は、
[達することも出来ないまま、指を引き抜いた。
自身の気持ち悦さを得ることよりも、
彼の欲に応えられるのか、という。
そちらの方が気になって、溜息を洩らしたのは。
まだ、彼にも知られていない。]
[それを、今、口にしたことで。
固まってしまった彼に、少し後悔を覚えながら、
朱に染まった顔を、背ける。
これじゃあ、俺のほうが欲しいって言ってるみたいだ。
あながち間違っては、居ないけど。
もしかして、そこまで考えていなかったんだろうか。
でも、さっきは「抱きたい」って言ったし。
ぐるぐると思考が困惑と動揺で揺らぐ。
やっぱり、不味かっただろうか。
先走りすぎてしまっただろうか。
どう言い訳しよう、なんて。
視線を泳がせながら、必死に脳をフル回転させていたら。
先に言葉を落としたのは、彼の方で。
口をついたものが謝罪の言葉であれば。]
……また、謝ってる。
[ふ、と苦笑を浮かべ、眉尻を下げて笑ってしまった。]
[きつく身体を引き寄せられて、隙間すらなくなるくらい。
感謝よりも謝罪の言葉を先に口にしてしまう。
そんな彼の脆さに、寄り添うように背を撫でて。
胸元に埋まった頭を緩く抱き込んだ。
胸元に濡れた感触がしたとしても、
気づかないふりをして、艶やかな髪に唇を落とす。]
言ったでしょう、触れて欲しいって。
たくさん、触って。
景斗さんの手で、全部。
[そんなわがままをまた口にして、目を細める。]
[臀部を辿った手が双丘の間に割入っていく。
粘液を伴った手が、ぬるりと双丘を撫でて、
その奥の蕾へと伸びていく。
最初は指先だけ、それからゆっくり一関節。]
……ッ、 ……
く、
ンっ
痛み、は、ない……けど、っ
[やっぱり最初に感じるのは異物感だけど。
自身で触れた時よりも、前触れがないせいか、
息を吐き出したタイミングを測って埋まっていく指を
戸惑いながらも受け入れていく。]
[彼の長い指が探るように中で蠢いて。
中の温度を伝えられたら、羞恥に埋まりたくなる。]
……、
言
わなくて、いい、からッ……
[少し慌てるみたいに、ツンと髪を一束引いて。
気を逸らさせたのに。
言葉通りに指がゆっくりと抜き差しされて、
いやでもその感覚を覚えさせられていく。
伏した瞳を、睫毛で覆い隠して、小さく震え。
胸の尖りを食まれたら、さっきは感じなかったはずの
甘い痺れが背を駆け抜けていく。]
……ぅ、
[思わず、びくと肩が跳ねて、
自分でも驚いたみたいに目を瞬かせ。
戸惑いの色を浮かべたまま、顔を見合わせて。*]
[ 求める、応える、それだけで
成立していた関係ではないのに。
気持ちを疑うような日々があったことへの
後悔と、そう感じさせてしまっていたであろうことへの
謝罪と、
それなのに、僅かな欲を感じ取って
受け入れるための場所ではないと知っていながら
準備をしてきてくれたことへの謝罪。
また、と言われれば、胸に埋まりながら、
今日もそうして謝ってばかりだった。
いつまでたっても、こちらの行動に、
思いに、付き合ってもらって ごめん
などと言っては居られない。
ほろり、一筋の涙が肌を滑っていく。
降ってくる言葉に、頷いて。
瞬き、五つ分の間、自分と同じように
早くなっている心音を、息遣いを聞いた。 ]
[ したい、さわって、脱がせて
今日だけでも、もう何度も、
求めてくれていた。
それに応えて、触れて。
体は正直に、求めて、応えて。
愛されるのも、愛するのも、
同じだけ覚えていたというのに。
情けないったらないな。
漸く顔を上げて、 ]
うん、全部。触らせて。
[ 愛しいわがままをくれる唇に、
噛みつくことしかできないなんて。 ]
よかった、もう少し進むよ
[ 痛みはなくとも、異物感が強いのだろう。
苦しげに、言葉を途切れさせるのを見て
力の抜けたタイミングでゆっくりと、押し入っていく。
――仕入れた知識によれば、
徐々に数日かけて開くことを勧められていたか。
感じられるようになる箇所はあるが、
乱暴に暴いて行為自体に恐怖を覚えて
しまわないように、だとかも。
その箇所とて、個体差に寄るため
すぐに探し当てることは敵わない。ので慎重に。 ]
ん、……
[ 言わなくていい、と余計な言葉を
咎めるように髪を一束引かれて、ついまた
謝罪を口にしてしまいそうだったので、
本音を口にすることで、それを封じようと ]
ここ、入ったらどうなるだろうって
考えちゃって。溶けそう。
[ してみたが、余計に煽るような事を
言っている自覚は、あまりない。
小さく震えながら、指を受け入れていくから
快感に変えることは難しくとも、
せめて少しでも気を散らせようと考えた末の行為に
びく、と肩を震わせて驚いたように
こちらを見られたので、 ]
ふふ、じゃ、
ン、 こっちに 集中して
[ 言って、もう一度ちゅく、と突起を含んで、吸う。
あったかい、と言った時は意地悪を言って
いるつもりはなかったけど、今度は少し
そういう色が滲んだかもしれないな。 ]
[ そのまま指はゆっくりを抜き挿しを繰り返し、
唇は覚えたばかりの快感を、忘れてしまわないように
反復するように、より覚えさせるように、
唇で、舌で、歯で、可愛がって。 ]
横になって?
[ 指一本に慣れてきたのを感じ取ったら、
一度指を抜いて、横になるよう促して、 ]
もう少し拡げるから、痛かったら
すぐ言って
[ 脚の間に身体を割り込ませて、
チェストの上からローションをたっぷり指に
塗りつけて、から再び中へと挿入し ]
――ン、
[ 空いた手で片足を立てるように持ち上げて、
膝の近くから、足の付根に向かって順に
触れるだけの口付けを贈る。
愛おしげな表情を浮かべたままで、
精を吐き出したばかりの、その場所にも。* ]
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