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【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム「……まさか聞いてないの?…まあ、それは一旦置いといて。 私の旅路はいつだって良いものだとも。 たとえ一人であっても。一人ではできない事もあるだけでさ」 空を、風を読む事はできるけれど。それは読んで初めてわかる事。 だから先の事を知っているからつまらないなんて事も無い。 行きあたりばったりに風に吹かれて、 行きあたりばったりに雨に濡れる事もある。 案外、この風の子は人と同じような旅路を歩んでいる。 「にしても…あの時のまま、あの時のまま、か。 なあテレベルム、本当に何一つ変わってないと思う? 私は君の記憶の中のある一点で、君の記憶の中の私のまま 今も立ち止まったままで居るのかな?」 「世界は案外、日々知らない事が増えているものだよ。 形の遷ろうものもあれば、新たに作り出されるものもある。 どんなものも、全てを知り尽くす日はそうそう来やしない。 もしも何一つ変わっていないように見えるとしたら、それは。 きっとまだ君が知らない側面があるという事を知らないからだ」 つらつらと問い、それから続く言葉を投げ掛けながら。 一歩、二歩、そちらへ歩み寄って、両手を伸ばして── (-47) 2022/03/31(Thu) 9:39:16 |
【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム「──つまり、私も少しは進歩してるってこと!」 白いフードをがっしり掴んで、ぐっと引っ張り寄せて。 サプライズを仕掛けた子供じみていたずらに笑ってみせた。 いくら人ならざるものとて、数十年もあれば。 多少の人の情緒は理解が及ぶようになってきた頃だ。 そして、ただ気紛れに吹く風というばかりでもない。 こうして何かを捕まえる事も、まあたまにある。 「とはいえまだまだ勉強中の身だという事も確かなことだ。 たとえば私は君達の"寂しい"はまだわからないけど、でも わからないって事はこれから知るってことでもあるだろ? だから君が教えてくれよ、テレベルム。 別れを惜しむ気持ちはわかるから、もう一歩のはずなんだ」 ──強いて言うなら好きなものは楽しいこと、 ──楽しいことは知らないものを知ること! そうして人を知って、人を理解して、同じ点を見付けて。 何となく気付き始めた頃ではあった。 世界には、連れ合いの居ない気儘な旅雀である限り 決して知る事のできない事もあるのだと。 「それに、それにだ。そもそもの話だけど… 『君と話がしたい』 という望みを君以外の誰かが叶えられると思う?」 (-48) 2022/03/31(Thu) 9:39:51 |
【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム「もちろん、答えはノーだよな! つまるところ、君と旅路を共にして その中で他愛ない話をしたい、という事は、必然的に。 君だから、君でなければ──という事になるんじゃないかと 私はそう思うんだけど、君はどう思う?」 なんて、問い掛けの形にしてはいるけれど。 あなたが何と言おうと、この旅人の中ではそういう事になった。 何も全てが揃いではないとしても、 決して揃いのものがそれだけとも限らない。 つまりは何を言ったとしても、 私はそうは思わないけどね、で終わる事。 勝手に期待をされたなら、こちらも勝手を返すだけ。 「それに、確かに風というものは気紛れなものだけどさ。 私達はただ気紛れに吹く風というだけのものじゃない。 それぞれに意思があり、言葉によって意思の疎通ができる。 そして私は引き留められれば留まる質ではあるし──」 「そうでなくとも、もしも気紛れを起こしたくなった時は。 私が楽しそうだと思った方に君も引き摺って行くさ。 それが嫌なら、気紛れを起こさないよう捕まえててよ!」 ぱっと手を放し、あっけらかんとそう言い放って。 あいも変わらず髪の上では白と青の花飾りが揺れた。 (-49) 2022/03/31(Thu) 9:40:38 |
【秘】 学生 ニア → 行商人 テレベルム白いふわふわが訪れれば、嬉しそうに両の手を差し伸べて。 もし乗ってくれるのならば、そのまま頬に寄せるだろう。 「……ふふ。まさかこちらの声が聞かれてると思わなくて。 ごめんなさい、可愛いふわふわさん達。蜜は頂きます。 でも、そう……思い出してもらえた……?」 不思議そうに目を細めたけれど、小瓶を預って。 物が食べれるのならば、飴の一つでも奢ってから帰そうかな。 (-50) 2022/03/31(Thu) 11:38:53 |
【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル「立ち止まってとは言わんが……そういうものか。 変わったり執着はすることは無いのは、 知らなかったな……?」 あなたの伸ばされた指を目で追う。 一歩、二歩。後ろに下がろうとした同時に 白いフードが風にさらわれてしまって、逃げることがうまく出来ない。 それでも、その笑顔が見たかったんだ。 「なんだ、そうか。 少しは――人間のようなことも感じるのか、ユピテル。 きっと悪くは無い、新しいものを知ることも体験することも。 お前のためにそれを見つけてくれ、だがな」 突き放したくあったのに、気分が良くなってしまった。 困るな、あくまで予防線をはっておきたいのが人間の心情だというのに。初めての外の友人と仲違いは、幸先がとても、わるい。 (-53) 2022/04/01(Fri) 4:01:48 |
【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル「時々はもう少し考えて……。 素直だったり正直すぎるのも困る、 なんでも楽しそうだからと出かけてしまえば足並みが揃わん。 俺も、その……。お前がちゃんと旅をしてくれた方が お前を土産がわりとして大いに自慢が出来るし。 友と互いに認知していても、 俺が面白いと感じない関係を持って帰って喜ぶほど、 子供でも大人でも無いからな」 お揃いを願掛けに揺らし。 やられてしまったなと苦笑いをしつつ。 「だからほどほどに……んー……。 つまらなくなったら先に言ってから居なくなってくれ」 「置いていかせるなよ。退屈な旅はごめんだ」 (-54) 2022/04/01(Fri) 4:07:05 |
【秘】 行商人 テレベルム → 学生 ニア『おう! 聞いてくれよ、思い出したらぽいだぜあいつ! 最後まで世話したらお別れって約束だったがそれはないぜ! あ、可愛い黒猫ちゃんにも声が聞こえるようにしてやったぜ〜。 たんともふもふしてくれ〜』 白いふわふわは、ぐちぐち言いつつもあっさりしているのか。 あまり悔しそうだったり辛そうでは無い。 彼らにとって出会いも別れもよくあることなのだろうか。 楽しいことしか考えていないだけなのかも。 『飴ちゃんくれるのか! ニアはいいやつだな! それじゃ〜テレベルムにもお礼させるようにいってやらねえと、仕方ねえな〜。 勝てればいいな、ニア! あいつもオレも応援して居るぞ〜』 謎の吸収力ですぽんとおさめられた飴。 ほのかにふわふわから甘い香りが漂って、あなたの髪を一度ふわりと揺らした。 (-57) 2022/04/01(Fri) 5:22:47 |
【秘】 行商人 テレベルム → 学生 ニア・・・・・・・ ・・・・ ・・ ・ そうして決着がついた日、おや、と首をかしげる。 髪を揺らして、違う妖精達の陣営の勝利を見つけてしまった。 勝利陣営の一人には傷をつけたが、 条件に偶然合ったことで手に入れてしまった景品。 さてどうしてくれよう、と、悩んでいれば その顔面に白いふわふわがぶつかってきた。 『おいテレベルム!! ニアに飴を貰ったんだ、いいだろ〜 いいだろ!』 「……たかったのか?」 『オレはそんな卑しい妖精じゃないやい!!! お、随分豪華な景品ゲットしてんじゃねえか、それどうするんだ?』 「ニアにあげようと……して、いたが。 どうにかして会わないで渡せないか……恥ずかしいのだが」 『家にでも置いておけばどうだ? 引っ越したばっかなんだろ! 聞けばすぐわかるって』 「越したばかりの女の子の家の前に贈り物を……? 正気か?」 『テレベルムが言いはじめたことだぞ』 後日こっそりと。 花弁の入ったはちみつの瓶、ハーブティ。 お花の形をした木の実のクッキーとポプリのセット それらを入れた籠を家へと届けに行きつつ。 見つかってしまえば少し不器用に笑って渡すのだろう。 (-58) 2022/04/01(Fri) 5:33:21 |
【人】 行商人 テレベルム>>26 ラサルハグ 「今の目的はそうだ。土産になるものを持って帰るのを目的としている。 故郷は若干鎖国気味だが俺がいればはいるのはかんた、 ラサルハグ? 近い 近い 近い 」突き飛ばしたくなる手を必死に押さえて顔を背ける。 とんだ天然が付きまとうようだ、おかしいなこんなはずではなかったのに。 「やめろ、色々、ストップだ!! ……服が汚れるぞ、まったく」 「 うる……黙っ ……き、気遣ってくれてどうもありがとう……。 もう気にされた方がましかもしれないが 下手に演技しても無駄だろう。なるようにさせる」 「……お、お前は……俺の本心を察しながら ほどよい距離でいてくれ……。頼んだぞ、……頼んだぞ」 フォローの仕方に距離感、難儀な関係になるとこの瞬間に気づく。 未来を察してしまったが嬉しいものは嬉しいので。 困ったように、喜ぶように。 ため息をつきながら頬を緩ませていた。 (27) 2022/04/01(Fri) 10:49:57 |
【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム「なるほど、そうだな…… ──じゃあ、また一つ。"約束"ということにしようか?」 ユピテルという旅人は、約束は守るたちだ。 それが単なる口約束であったとしても、 多少の不手際はあっても。約束そのものは破りはしない。 毎年春にはこの街を訪れると決めてはいた。 それはあなたと約束を交わす以前からの事で、それでも。 絶対にこの街でなければならないような理由は無かった。 気が向けば、いつでも他の街に行く事はできた。 それでも、約束を交わしたあの日から。 この街を訪れなかった春は一度もなかった。 つまるところ、この風の子はそういう奴だった。 「たとえば何処に行きたいだとか、何かしたいと思った時は。 私は行動に移す前に、ちゃんと君にも意見を尋ねる事にする。 それで、君も何か行動する前には提案という形で伝えてくれよ。 これなら君も私も置いてけぼりにはされないだろ?」 互いに互いの考えを聞いた上で、異なる道を行くとすれば。 それは互いに納得した上で、違う道を選ぶという事だ。 まあ何も、いずれそうなる時が来るとは限らないのだけど。 (-59) 2022/04/01(Fri) 17:03:29 |
【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム「だから、出立の日が決まったらちゃんと教えてくれよ? 置いていかせるなよ、なんて言った以上はさ。 何なら今ここで指切りでもしようか!」 なんて、苦笑いにいたずらな笑みを返して。 投げ掛ける言葉は、あくまでも冗談じみたもの。 事ここに至ってなお一人で行ってしまうとは思っていない。 どのみち、街を発つ者が居れば、きっと。 親切な"風のうわさ"が教えてくれるだろうから。 そういう意味でも、何一つとして心配してはいない。 「君の土産話が一つでも多くなるように、 そして私の楽しみが一つでも多くなるように。 ──我が友よ、なあテレベルム! 互いに退屈する間も無い旅にしようじゃないか!」 そう言って浮かべた笑顔はもう既に随分楽しげなもので。 穏やかな春風がまた一つ、坂の上から下へ吹き抜けていった。 (-60) 2022/04/01(Fri) 17:04:09 |
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