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人狼物語 三日月国

184 【R-18G】ヴンダーカンマーの狂馨


【人】 住職 チグサ

 ──現在:慈厳寺──

ぼぉ……ん
          ぼぉ……ん


[龍龍たる体躯の修行僧が、夕刻の鐘をつきました。
 秋色に染まった梢を、夕陽がさらに赤く染めています。]

 ……お勤めご苦労様でした。
 あなたはもう寺院にお戻りなさい。
 私もまもなく。

[修行僧を見送りながら、私はしばらくの間ひやりとした夕方の風に身を晒していました。
 袈裟の下には、例の赤布を忍ばせています。

 枯葉の香りの中に、粘りつくような甘い腐臭を感じた気がしました。
 深いため息を、秋風にひとつ交えました。]

   我昔所造諸悪業
   皆由無始貪瞋痴
   従身口意之所生
   一切我今皆懺悔

我れ昔より造る所の諸の悪業は、
皆な無始の頓・瞋・痴に由る、
身・口・意従り生ずる所なり。
一切、我れ今皆な懺悔したてまつる。

[懺悔文を三回。唱え終えるころには、香りははっきりと強く為っていました。
 渾沌の時が来ます。己の罪を、見つめましょう。]**
(13) 2022/11/07(Mon) 6:29:26