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人狼物語 三日月国

164 夏の想いのひとかけら【R18】


【人】 元子役 辺世 流

「えっと、じゃあ歩ける?行くよ。」

割と酔っていそうだから少し心配はしたけれど、手を引いて歩き出す。珠梨さんのペースにあわせてゆっくりと。

向かうのは海沿いの道の途中、道路から少し入ったところにある、海に面した、砂場の上に作ったようにこんもりした小さな山。
何十段かだけ登ると、何かの小さな社があって、側には小さな展望台と座る場所だけがある。
どうやら僕達の他には誰もいないみたいで、展望台に着く少し前に、花火の弾ける音がした。

「おっと、始まったみたい。」

上に着くと、海と砂浜を見下ろせる場所。明るければ遠くにひとなつ荘も見えるだろう。登る頃にはいくつも大輪が打ち上がり、弾けるたびに僕たちの周りが少しだけ明るくなる。
(269) 2022/08/02(Tue) 23:49:10