【秘】 夜明の先へ ニーノ → リヴィオ「あはは。 尊敬とか感謝は、勝手に手渡されちゃうんだよ。 貰うべきじゃないって思っても……貰って? だってせんぱいがしてきたことの結果なんだ」 例えそれが貴方が本当に見せたい姿じゃなかったとして。 その中で救われた人間がいたことをどうか覚えていてほしかった。 肩に触れられるのを拒んだりしない、あの夜と同じ。 誰かに触れられるのはずっと怖かったけれど、今は目を瞑ることも震えることもない。 時計の針がようやく動いた気がした、だからこちらからも体重を少し返す。 「……うん、ありがとう。 せんぱいの大丈夫のおまじないは、効くからなあ」 「でも大丈夫じゃなくなっても、すぐには来れないかも。 オレ、この街を出ようと思っててさ。 事情は〜……ややこしいんだけど、居ない方がよくって。 顔を知ってる人に色々見られるのが困るっていうか……」 見回りだけは元気に行っていたものだから、警官としてのニーノを知る住人は多い。顔見知りも。 彼等にはニーノは死んだことにしないといけない、提出された死亡診断書が真実となるように。 だから。 「……だからね。 今までみたいに毎日って会えなくても。 忘れないでいてほしいし、……見守ってくれてたら嬉しいって、なんというか」 「こ、心で……?」 言葉通りの見守りというよりかは、心持ちというか、こう……言葉が少しふんわりした。 (-357) mspn 2023/09/30(Sat) 22:20:19 |