「はい、監察官殿。“好きにしろ”とおっしゃるのであればそのようにいたしましょう。お任せください」

監察官が話す間、人間らしくほんの少しの緊張を顔に滲ませていた青年は、微笑みを浮かべると柔らかな動作で礼と、声を返した。

その胸中で、彼女も現実ではまた違う姿をしているのかもな、とシェルタンは考えていた。彼女ではなく、彼かもしれない。
この思考もログに残ったりするかな、とも。

・あなたのお名前は？
「シェルタン・マタル・マフフーズ。主人がくださったフルネームだから、この名乗りを許してくれると嬉しいかな」

・あなたはどのような目的で作られたアンドロイドですか？
「介護用。といっても、今は主人のためだけの僕だけれどね」

・得意料理はありますか？
「最近は粥のレパートリーばかり増えてしまったかなぁ、ははは」

・ひとこと
「分野の近いものがいて嬉しいよ。よろしくね」