失格 セナハラは、メモを貼った。 (a4) wazakideath 2021/07/13(Tue) 0:00:24 |
【秘】 失格 セナハラ → 遊惰 ロク男からすれば、貴方も充分に子供である。 生きるべきだと諭そうとして、 「……。まあ、自分の命ですから。 自由にすれば良いと思いますけど」 自分が教わった事を思い出し、やめた。 死ぬべきだとされる事と、生きるべきだとされる事。 その二つに差など無い。 せめて貴方達には自分の意思で決めて欲しい、 男はそう願っている。 「そこに新しい封筒と糊がありますから、 入れて封をしておいてください。 僕がこうして頼んだ事は伏せたまま、 メイジ君に渡して頂けますか? ……僕がここに居る、とは知られたくないもので」 小さく苦笑した。 彼に合わせる顔が無いのだった。 たとえ彼から見えないとしても。 (-29) wazakideath 2021/07/13(Tue) 0:56:57 |
【秘】 失格 セナハラ → 遊惰 ロク「ま、完全無罪ってのも難しいでしょうから。 特赦さえ得られれば良いですよ。 世間が彼を被害者と扱うのであれば、それでいい」 加害者として生きる事の苦痛は、知っているつもりだ。 被害者として生きる事の苦痛は、知らないのだが。 「他に頼む事はありませんよ。……あ、いや」 会話を終わらせようとして、思い出したように貴方を見る。 “彼方” の共犯者 にはしておいて“此方”にはしない、というのは筋が通らないだろう。 「少しの間だけで良いので、目を閉じてもらえませんか」 (-41) wazakideath 2021/07/13(Tue) 20:50:47 |
【秘】 失格 セナハラ → 遊惰 ロクその頭部に手を伸ばす。 案の定触れる事はできず、ただ虚しくすり抜ける。 それでも。 撫でるように、掌で頭の形をなぞった。 「……はい、おしまい。 もう目を開けて良いですよ」 貴方が目を開ける頃には、もう手を下ろしている。 本当は見られても構わなかったが、貴方は拒むだろう。 貴方がこの手を求めていたのは今ではなく、 ずっと幼い頃だったであろうから。 全てが過ぎ去り、今となってはどうしようもない事だと理解しながら──、 そうしたかったという只の自己満足だ。 (-45) wazakideath 2021/07/13(Tue) 22:27:08 |
【秘】 失格 セナハラ → 遊惰 ロク視界の隅に捉えたままの少年に、一瞬目をやった。 「そうですね。 まあ、僕はニエカワくん次第ですが」 貴方がどんな選択をしようと、 停滞する己から見れば進むことに変わりはない。 だからこそ、別れの言葉はこのひとつしかなかった。 「……いってらっしゃい」 (-69) wazakideath 2021/07/14(Wed) 13:15:20 |
【秘】 失格 セナハラ → 首枷 ニエカワ「……お待たせしました」 短くそう言うと、貴方の傍らへやってくる。 たとえ目の届く場所にいても、やはり離れるのは不安だった。 「ニエカワくんはこれからどうしますか? 僕はその、きみの傍にいますから。きみが決めてください」 (-70) wazakideath 2021/07/14(Wed) 13:22:50 |
【秘】 失格 セナハラ → 首枷 ニエカワ手を握られれば、僅かに身体が強ばってしまう。 それを悟られないように、笑みで誤魔化した。 「成仏は……できないと思うので。 僕が行くのは浄土ではなく、地獄でしょうから」 男は己を加害者とみなしている。 対して貴方は間違いなく被害者であり、 生前の行いに非などひとつもない。 この地を離れれば二度と会うことはないだろうと、思っている。 ──そうなってしまえば、己の罪は一体誰が許してくれるというのだろう? 「僕も、ね。ニエカワくんがいてくれれば、良いんです」 貴方と同じ言葉を返す。 されどその言葉の裏には、天と地程の差があった。 (-73) wazakideath 2021/07/14(Wed) 14:09:41 |
【秘】 失格 セナハラ → 首枷 ニエカワひゅ、と止まった筈の息が詰まる。 首筋に触れる手が、まるで首輪のように思えた。 己を罰する男の魂は、 愛情という名の呪いによってのみこの地に留まるだろう。 「……、はい。誓います」 永遠を誓う言葉を、小さく呟く。 その永遠に未来などひとつも無く。 ──……結ばれた縁の色は、もう見えない。 (-77) wazakideath 2021/07/14(Wed) 15:52:32 |
【秘】 失格 セナハラ → 首枷 ニエカワ何の抵抗もせず口付けを受け入れる。 覆水は盆に返らず、後戻りなどできやしない。 目を細め笑う少年を見て、思う。 自分はいつかきっと、逃げたくなる。 しかし貴方は、絶対に自分を離さない。 だからこそ、赦されたと安堵できるのだ。 ……一人では難しい約束も、二人でなら守れるから。 この枷は、罰を求め続けた男に相応しい。 (-79) wazakideath 2021/07/14(Wed) 18:25:04 |
セナハラは、遠くから見守っている。 (a18) wazakideath 2021/07/14(Wed) 20:56:40 |
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