情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[|<] [<<] [<] [1] [2] [3] ... [>] [>>] [>|]
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ「駄目ならここに来てない」 やっぱり素直に頷かずにそっぽを向いた。頷いたも同じである。 男は狼とはよく言うが、僕だって男であるはずなのにどうしてこう、狼を迎え入れるような気分になっているんだろうか。 何度も同じパトカーなどで乗り合わせたことはあるから、運転技術は疑ってない。 運転を申し出られたなら、じゃあよろしくと、鍵を押し付けて助手席に乗り込んでいく。 自分の車なのに、助手席で景色を眺めるなどというのは珍しく、別のことでソワソワして、あまり乗り心地は良くなかった。 「キミはちゃんと食べて良いんだよ?」 なんて、夕食を選ぶ際は意見も出しただろうが、軽くつまむ程度の軽食はありがたく思ってるだろう。 家は一人暮らしのマンションの一角。 一人暮らしだからそこまで広くはないものの、セキュリティはしっかりした新しい建物だ。 扉を開けば、シン……とした空気が二人を出迎える。 あまり生活感のないモノトーンで統一された部屋は、冷淡な猫には似合いだった。 (-6) eve_1224 2023/09/17(Sun) 21:20:39 |
【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡「いい兆候だ。」 「大胆な改革というものは、凡夫には理解できないものだから。」 貴方を捕らえているからか、自由を奪っているという自負があるのか。 こちらの口の方が、いつもより回っているようだった。なんとなく高揚しているように見えるかもしれない。 それでも左右に揺れる視線を追うことはなく、一意に貴方を見つめている。 「駄目だ。」 「洗い浚い吐いてもらう。」 「お前たちには相応の罰が必要だ。」 貴方の取引未満の言葉に応じる気は当然ない。 自分が作成した資料のコピーを捲り、さてと詰問を始めようとする。 貴方の言葉が続いたのは、捲ったページの先の彼と目が合った時だろうか。 それを聞いても、男は表情を変えず。 目を紙面からあげることもなく、言った。 「ああ。」 「それについては問題ないよ。お前の気にすることでもない。」 「寝不足か。因果応報ってやつか?」 「自分の商品を使えばよかったのに。」 (-14) rik_kr 2023/09/17(Sun) 22:09:40 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノいくらか付き合いのある中で、貴方のことは分からないなりに分かってきたつもりでいた。 それでも、一面でしかなかったのだと当然なことを理解していく。向けられた表情の種類はこの一日だけで随分増えて、それがやっぱり、嫌ではなかった。 そっぽを向かれればまた口の端をきゅうと持ち上げたんだろう。ああ、そういう顔は、案外分かりやすい人なんだ。 助手席で落ち着かない様子でいるのだって、なんだか年下のようで可笑しかった。こちらに気遣いながらも、少ない食事に安心を隠さない様も。無性に可愛らしく見えて、撫でてやりたくなった。 その度に少し口角をあげたのを、貴方は気づいていただろうか。 貴方の住処に案内されれば、まずは物珍しげに見回したんだろう。 遠慮のない視線。もし万一隠したいものがあったのであれば、隠しておくべきだったと思ったかもしれない。 「良いところですね。」 とまれ、初めの感想はその一言。 おそらく、セキュリティの硬さに対して。 (-35) rik_kr 2023/09/17(Sun) 23:22:01 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ隠したいものは特になかったけれど、そもそも言ったその日のうちに来てるのだから、片付ける時間なんてなかっただろう。 深酒して寝に帰るくらいしかしないものだから、そもそもが物が少ない。 必需品の家電や家具の他は、ノートパソコンと、本棚くらいしかない。 本を読むのが好きなのか、本棚には推理系の小説と、チェスの本などが並んでいる。 「見すぎ」 「車の中でだって、止まるたびにこっち見てた」 どうやら視線には気づいていたらしい。 見られるたびにその顔が笑ってたから、乗り心地の悪さには拍車がかかっていたはずだ。 仏頂面がこんなに表情を崩したままなのは珍しいにもほどがあるだろう? 本当に。 調子が狂うからやめてほしい。 「まぁね……警察ってだけで信用されるからいい部屋探しやすいし。無駄に変なの入ってこないから助かってる。 ……何か飲むかい?」 部屋の感想については、セキュリティの話だろうなと判断して答えて。 荷物をソファに置けば、とりあえず冷蔵庫へ向かった。 お茶と珈琲もあるけれど、確かあなたもお酒は好きだったはず。 軽食のお供の飲み物には最適だと思うが、どうだろうか。 (-55) eve_1224 2023/09/17(Sun) 23:46:25 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノどうやら気づかれていたらしい。 拗ねたように、皮肉るように突き付けられた言葉には少し面食らった。 ああ、そうか、自分が見ていたのだ。 今日はやけに貴方の表情が目に入るのも、その瞳の色を花浅葱だと知ったのも、困ったように視線を逸らす軌跡が網膜に残像を刻んだのも、全部自分が見ていたからだったのだ。 そんなことに今更気づいて、少しの間口ごもる。 「……。」 「嫌でしたか。」 やや困ったように問いかけるのはそんなこと。 聞かれた方が困るだろうことを、これは簡単に口にする。 「そうですね。いいことだ、警察に信用があるのは。」 「裏切りたくないものですね。ああ、いただきます。」 酒を飲むと眠りが浅くなるとは言うけれど、少しくらいなら構わないだろう。 貴方の今晩の相手は自分であって酒ではない。酔い潰れるために飲むわけではないのだ。 そう知っているから、貴方の好意に男は甘えた。 「ここに出していいですか。」 その間に持ってきたものをテーブルに出そうとしている。 皿に出すのではなくパックやケースのままで気にしないたちらしい。どうもズボラなところが見て取れた。 (-72) rik_kr 2023/09/18(Mon) 0:24:11 |
【独】 法の下に イレネオ「どうして俺なんです!」 身柄を拘束された男は当然激しく吠え立てた。 それもそうだろう。男は実質正義の徒だ。 男がマフィアと繋がったり取引をしている事実は一切なかった。それは男自身が誰より知っていた。むしろそういうことを嫌悪していて、それで同職に食ってかかったことさえあるくらいなのだ。 硬く、硬く、先鋭化された目的意識。 ノッテファミリーを撃滅する。 悪しき組織を打ち砕き、この国のマフィアを正しい在り方に戻す。それに手足が着いて生きているような男だった。ノッテファミリーは唾棄すべき怨敵である。だからこそ、それがどれだけ賢い手だったとしても、奴らを利用するなんて選択肢にも入らない。ましてや慣れ合おうなんて、これまでは勿論、今後一切思うことはない! (-90) rik_kr 2023/09/18(Mon) 0:48:52 |
【独】 法の下に イレネオ男は口を開いて吠えた。鋭い犬歯がよく見えたことだろう。 けれど警察の対応は冷たいものだった。 イレネオ・デ・マリアは内通の嫌疑をかけられ拘留される。 どのような異論も、一切認められない。 自分の所持しているデータの全てを引き渡す。解析してくれ。 否認させてくれ。誓ってそんな事実はないと弁明させてくれ。 しかし、しかし、しかし。その全ては聞き入れられなかった。 男の誇る正義が、男の敬う法が、男の愛する警察組織そのものが、男を否定したのだ。 (-93) rik_kr 2023/09/18(Mon) 0:50:48 |
【独】 法の下に イレネオこの逮捕は痛かった。 男の精神を揺さぶった。屈辱を与えて傷つけた。 その牢からは、押し殺したような呻きが聞こえるだろう。 それが、今の彼に出来る全てだったから。 (-94) rik_kr 2023/09/18(Mon) 0:51:24 |
イレネオは、牢の中にいる。 (c0) rik_kr 2023/09/18(Mon) 0:52:40 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 檻の中で イレネオ「嫌じゃ…………ないけど」 「困る。 ……調子が狂うから 」聞かれたことにぼそぼそ答えて、そんなに種類を置いてるわけではないけれど、食事に合わせやすいビールのモレッティや、ワインを出して持ってきてテーブルに置いた。 案外ズボラなのも知ってるし皿に出すまではしなくていいけれど、取皿やコップ、フォークくらいは必要だと、それぞれ準備してくるだろう。 酒の量も、ちゃんと人並みの控えめだ。 たくさん飲んでしまっては意味がないことはちゃんとわかっているけれど、全くの素面というのも……この後が気恥ずかしいだろうから。 ――困るけど。 やることなすこと、別に嫌ではないから始末に負えない。 嬉しそうによく笑うのも。 そんな風に眉を落とすと、叱られた大きな犬にしか見えなくなってしまうのも。 今までとは全然、違って見えてしまう。 そういうのが、全部時分が原因かと思うと戸惑ったっておかしくないはずだ。 だからついには、寝る時は部屋着を貸してもいいけれど、10cmも違えば僕のは小さいだろうな……、なんて。 明後日なことを考え出していた。 (-100) eve_1224 2023/09/18(Mon) 1:01:17 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ「はいはい、まあ、付き合いますよ」 めんどうくせえなあ、なんていいながら、特に拘泥する様子はない。 ──彼にとっては、それは余燼。 そして、あなたという若者がなす今と現在。 ならば少しは手助けしてやろう。…そんな態度すら垣間見えて。 「ふうん」 大変だね、なんて零してから。 「商品に手をだすようじゃ、この稼業やっていけねえよ」 からから、と笑う。 その態度はなんともぶしつけで、無遠慮で。 「んじゃ、始めようか」 追及されるされるべき立場の男は、 「いうべきことはなんにもない。 弁護士の到着を待とう」 しれ、っと。 そういって、笑いもせずに目を閉じた。 (-109) gt 2023/09/18(Mon) 1:18:45 |
【秘】 檻の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノそう言われれば、安心したようにゆっくりと瞬きをした。 それから言うことには、 「先輩。」 「眼鏡、外してもいいですか。」 きっと、貴方には意味がわからないだろう。男が署内でこれを外したことはない。 視力について言及することもされることもなかったのだから、単に目が悪いのだろうと認識されているはずだ。なんのことはない、視力矯正の補助器具。そのはずで。 食事が並べられたテーブルの隅を指で叩いて、ここに、と示している。 明後日の方向にいった貴方の意識は、その音で引き戻されるだろうか。 (-136) rik_kr 2023/09/18(Mon) 9:38:30 |
【秘】 檻の中で イレネオ → 黒眼鏡貴方のその、横柄な態度。 いかにも自分は真面目です、という態度。 悪党のくせに、悪人のくせに、それを焦って否定することはなく。それなのに開き直って、俺は真っ当な悪人だと言いたげな態度。 チ、と鋭い舌打ちが空気を裂いた。 目を閉じる貴方の正面で、男は目を眇めていた。 骨ばった手が眼鏡のつるを掴む。かちゃ、と音を立てた。 ペースを握られてはいけない。 それは自分の手元にあるべきものだ。 平常心、を保とうとする。保とうとして、小指の先がテーブルを叩いた。 「入手ルートは。」 さて。 黙秘はさせないと言うばかりに問うていくが、貴方の答えはあるだろうか。 (-144) rik_kr 2023/09/18(Mon) 10:12:31 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ「どこだったかな。 そうそう、知ってるか? 三日月島一番のジェラート屋。 あそこのイチゴが一番うまい」 それが言うべきことなのだろうか。 ふてぶてしくも足を組み、ふんぞり返る姿が見えるようだ。 …今はその姿勢はとれないが。 「あんたも少し冷たいものを食べようぜ。 頭を冷やした方がいい。 一夜漬けして湯だった頭だと、 なんでも仕事が効率的に思えるだろう? あれは勿論脳内麻薬による錯覚で、 しっかり休んだ方がパフォーマンスはいい。当然のことだよな。 あんたも多分、分かってるはずだと思うんだが」 …これは間違いなく、言うべきことではないだろう。 途中で止められなければ、舌が回るだけ見当違いな講釈を垂れる。 (-146) gt 2023/09/18(Mon) 10:26:40 |
【秘】 檻の中で イレネオ → 黒眼鏡「そんなことは聞いていない。薬で脳まで溶けたか?」 断ち切る言葉にはけんがある。 「お前がしていいのは俺の質問に答えることだけ。」 「許されているのはそれだけだ。判るか? 黒眼鏡。」 明らかに苛立った声音は勿論貴方に煽られたもの。 低く唸るような言葉は勿論貴方が引き出したもの。 貴方が目を開いていたなら見えただろう。 男は人差し指を立て、貴方の眉間に強く突きつけた。 ぎりぎり触れない距離だ。それがきっと、理性の境。 「調子がいいのも大概にしておけよ。」 口を回せと言っておきながら、随分な言い草である。 (-152) rik_kr 2023/09/18(Mon) 10:58:43 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ「許されている、というのは誰にだ? お前にか? ああ勘違いするな、これはきちんとお前の疑問に答えるものだ。 いいか、よく聞け、一字一句聞き逃すなよ。 本来こういうのはお前が全部筋道たてて、これこれこういうものだから間違いないよな、ほら認めろと 俺の首根っこをひっつかんで額で判を押させるものだ。 前に捕まった時はそうだったぞ。 んで、違うよな。法は個人ではないのだから、個人が振るうものは法ではない。 お前が拠るべきは正当性とは、つまり法だ。 法に則るから正義で、法に反するから悪。 そういう意味で言えば入手ルートについては法に触れちゃいないんだ。 違法じゃない品物を運んでることになってるんだから。 それを認めたのはどこだ? 行政だな 真面目に仕事してるとこういうことが通りやすくていいよな。 さあシンプルなものの考えじゃないか。俺にもお前にも分かりやすい」 突きつけられた人差し指がたとえ額を抉ろうとも、 アレッサンドロは顔を逸らすことも下げることも無い。 結局のところ、 実行される暴力 に晒され続けたものは、痛くも痒くもないものを痛がったりはけしてしない。 「サテ、この取締法が、多額の献金によって設立したことは知っているか?」 いつもなら、ぱちんと手でも打っていただろう。 「金で法律を作れるンだから、正義というのもなんだ、もしかしたらレシートが出たりするんじゃないか? 是非見せてほしいものだ、帳簿付けは得意だ、任せてほしい」 (-154) gt 2023/09/18(Mon) 11:14:28 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 檻の中で イレネオ「え、眼鏡?」 急に思考が呼び戻されて、ぱちぱちと2回、瞬きをした。 テーブルをこんこん叩く指を見て、問い返しながらも小さく頷く。 「良いけど……、何も見えなくなるんじゃないのかい?」 いつも眼鏡をかけているから、視力が悪いのだろうと思ってたけれど。 眼鏡が曇る……ような料理はないし、実は伊達メガネだったりとかするんだろうか。 サラダのハムを口にしながら、はて、と首を傾げた。 (-172) eve_1224 2023/09/18(Mon) 13:28:13 |
【秘】 檻の中で イレネオ → 黒眼鏡がたん。 一際大きな音が広くない部屋に響いた。 男が立ち上がった音だ。椅子が揺れて細かに反響した。同時に左の手が貴方の胸ぐらを掴んだ。ぐ、と力を込めて引き寄せれば、眼前に額を突き合わせた形になるか。 燃える瞳が至近に映る。金の瞳。激昂に色濃く、ぎらぎらと炎をちらつかせる瞳だった。 「これだからノッテの奴らは嫌いだ」 「伝統に砂をかける、規則に泥を塗る、法に唾を吐きかける────他人のことなんぞ自分の食い物にしか思っていないんだろう、下衆が!」 食い締めた歯は鋭い。 肉食の獣のようなそれを有為に晒して男は貴方に詰め寄る。 ▽ (-175) rik_kr 2023/09/18(Mon) 14:09:20 |
【秘】 檻の中で イレネオ → 黒眼鏡「ご教示どうもありがとう」 「アレッサンドロ・ルカーニア、お前は現行の、反社会組織取締法によって悪だ。ようやくお前に追いついた。お前が目を向けるべきなのは帳簿じゃない、自分自身の末路だよ」 は、────と、笑う。 勝ち誇っているようにも見えた。単に、激昂の興奮があるだけにも見えた。 「お望みならそうしてやる」 「額で判を、だったか。どうせなら血判にでもしてみるか?」 手は胸ぐらから襟首へ。 貴方が何もしないのであれば、次には顔から机に激突することになるだろう────この、頭に血が上った獣の手によって。 (-176) rik_kr 2023/09/18(Mon) 14:10:18 |
【秘】 檻の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ貴方の疑問は最もで、だから男は首を振った。 これは誰にも言ったことがない話。言う必要がなかったから、言ったことがない話だ。 「目はいいんですよ。」 「両目とも、2.0あります。落ちたことはない、だから」 無骨な指がつるの部分にかかった。話を続けながら、ゆっくり外していく。 「だから」 「見えすぎるんですよね。」 「向こうの方に掲示されてる嫌なニュースとか目に入るでしょう。特に署内だと。」 「つい読んでしまって嫌な気分になるので、ぼやかしてるんですよ。」 レンズを上にして、汚れないよう机の上に。 語る視線は落ちていた。そのままテーブルの上を滑って、貴方の手指から上半身を上っていく。 「今はいいので。」 かちり。 ハムを齧る貴方のかんばせに眼差しが合った。 それからまた逸れて、テーブルの上の軽食に落ち着くのだろう。 「俺も食べようかな。それ、美味いですか。」 (-178) rik_kr 2023/09/18(Mon) 14:41:01 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 檻の中で イレネオ「へぇ……」 つまりは、なんだ。 視力は良いのに度のある眼鏡をかけて逆に視界を悪くしていたということか。 嫌なニュースなどを避けたいというのは、わからないでもないけれど。 「………………」 思わず眼鏡を置く骨ばった手を目で追って。 だんだんと上がってくるあなたの視線を強く感じて、その視線を合わせた。 確かに。 見るなとは言ってない、けれど。 嫌なニュースなんかはこの部屋にはない、けれど。 つまり、それは。 レンズで濁さずに見たい、と言ってるんだろう? 「……おっ、美味しい、けど。欲しいならあげるよ」 喋る言葉が詰まる。その視線だけで頭が茹だりそうだ。 だからいつもなら、どうぞとサラダごと渡すのだけど。 なんとなくその視線を外したさに、ハムと野菜が刺さったフォークをあなたに突き出した。 (-181) eve_1224 2023/09/18(Mon) 15:09:27 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ引っこ抜くように持ち上げられたその腕に、 のけ反って体重をひっかけながらからからと笑う。 金の瞳が焔ならば、それは燻る堅炭だ。 黒く黒く歪まず濡れて、しかしぐらぐらと煮え滾るように熱を孕む。 「犯罪者を相手にぐだぐだ言うのがお前の流儀なんだな。 どこで喧嘩を学んだんだ、ボクササイズ・ジムか? 薄着の女がいないとアドレナリンも出せないか」 顎先を引き、ぎちぎちと襟が引き絞られて、 それでもなお余裕を湛えたような顔で。 「やれよ、ドさんぴん。 マンマのポリッジをひっくり返すのとはワケが違うぞ、 デスクワークで鍛えた筋力を見せてみろよ」 嘲笑う。 (-183) gt 2023/09/18(Mon) 15:17:20 |
【秘】 檻の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノそれを貴方が言葉にしていたなら、男の口元はまた弧を描いていたはずだ。その表情は自分の欲求を自覚しての苦笑でもあり、やはり言葉にしない肯定でもあるのだろう。 貴方が男を意識しているのと同様、こちらもまた貴方を意識するようになっていた。 だってそうだろう。いちいちそんな顔をされては堪らない。 自分の一言に、一仕草に呼応するように色を変える表情。 時に開かれ、時に閉じられ、時に逸らされる鮮やかな瞳。 男の性質はおおよそ犬に似ていた。 肉食の生き物は、動くものによく反応する。 今だってそう。 貴方の突き出したフォークを、男は受け取らなかった。 代わりに身を乗り出してそちらに迫る。そうしてそのまま、ぱくりと。突き出されたものをそのまま食べてしまった。噛み付く時の微かな衝撃が貴方の手に伝わったかもしれない。 「ん。」 「美味いですね。本当だ。」 そろそろと身体を戻せばそんなふうに言ってのける。 感想は簡潔だが肯定的だ。気に入ったらしい。 (-196) rik_kr 2023/09/18(Mon) 17:05:40 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 檻の中で イレネオ絶対わざとだ。 フォークを受け取ればいいのに、テーブル越しに身を乗り出して食べた。 わずかに触れたフォークの振動が、心臓に悪。 いつもの自分が出せないのは、どうにももどかしい。 「そ、れなら良かった」 「……ん、これも美味しいね」 トマトのカプレーゼをひとつ頬張って食べて見せ、うんうんと頷く。 こういうのなら食べやすいし、お酒にも合うというものだ。 いつもとは違って空きっ腹に入れてるわけではないから、酔の周りも遅くちょうどいい塩梅だろう。 そうしていくらかつまみのような食事を少量ずつ食べて、もうお腹いっぱいだとフォークを下ろす。 いつもは食べないから、すごく食べたような気がして、ほうっと息をつくだろう。 「僕はこれ片付けておくから、シャワー浴びておいで」 満腹からくる安心感か、にこりと目を細めてそう言って。 食べ終える頃のあなたに声をかけるだろう。 (-203) eve_1224 2023/09/18(Mon) 18:56:18 |
[|<] [<<] [<] [1] [2] [3] ... [>] [>>] [>|]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新