【秘】 陶酔飛行 バーナード → ボディガード テンガン「いいや?褒めてるつもりだったんだがねぇ。 じゃないとお前に妬みも憎悪も抱けねぇよ」 グラスがテーブルに触れた衝撃音を環境音の様に聞き流す。 理解ができないとばかりに一口グラスを呷って空のグラスを置く。 「その、“当然の様に”って思ってるのがまずおかしい。 完全にお前さんの生きる糧にしてるじゃねぇか。 別の動力源となる感情があるなら別だが、復讐だか憎悪だかさ、 “何か”はある筈なのに全部否定してきやがる。 本当に欠片も希望を抱いてない奴は動きすらしねぇよ。」 憎悪も愛も否定された。じゃあなんなんだ? 「機械だって“命令者”がいないと一人でには動かない。 生きる糧にする感情を問うてるのに、 お前に頼み込んできた奴がいたのか?自己判断だろ? 賭けってのはそもそも勝つ気がねぇと成り立たねぇんだよ。 テンガンさぁ、お前、別に暴く気なんて実際は微塵もなく、 ──単に己の“死に場所”が欲しいだけじゃねえの?」 (-264) poru 2021/07/03(Sat) 12:37:15 |
【人】 ボディガード テンガン>>163 夜のプールサイド 人の気が少ないために、 その水音はやけに目立って耳に入ることだろう。 月が映り、淡くきらめく水面を、 肩胛骨がまるで蝶が如く羽搏いていく。 対岸について、濡れて顔に張り付いた髪を、 思い切り手で撫で上げて、一息吐いた。 滴が伝い落ちていく、均整の取れた体躯。鍛え抜かれたその肉体を惜し気もなく月光のもとに晒して。 ただ、それ以上に異彩を放っているのが、 露わになった右目─── 色の抜けた、真っ白な瞳。 プールサイドに背を預け、両肘をつき、 ぼんやりと夜空を見上げている…… (169) backador 2021/07/03(Sat) 12:50:27 |
【秘】 ボディガード テンガン → 陶酔飛行 バーナード「───……」 死に場所を求めている、わけではない。 死ぬことを意識していないだけであって。 でも、行く宛。生きる糧の終着点は、ここであり。 そう。 暴き立ててどうこうという気持ちはない。 それよりか、自分もろとも奴らを破滅させる、 という気持ちで行動してる、のがしっくりくる。 否定する言葉を、自分は持ち合わせてはいなかった。 「また浅慮を気付かされてしまったな」 ただ、微塵も動揺を見せない。 少しだけ変わった。ただそれだけ。 「余った人生の使い道を、 こうして終わらせようとしているのか、俺は」 自己分析をするかのように、呟いた。 (-269) backador 2021/07/03(Sat) 13:07:27 |
テンガンは、写真を散り散りに破り捨てた。 (a94) backador 2021/07/03(Sat) 13:08:47 |
【置】 ボディガード テンガン仮面とナイフを弄んで、 一人 厭に豪華な 部屋で物思いに耽る。やはりというべきか、 予想以上というべきか。噂は本当だった。 豪華な装飾の下には、 狂おしいほどの ”真実” が眠っている。「それで」 俺は、何をする? 何をしてでも止める? 被害者を救う? 同じ目に遭わせる? 答えは未だでない。 ───ノックの音。思考をそこで打ち切った。 (L1) backador 2021/07/03(Sat) 13:18:36 公開: 2021/07/03(Sat) 13:30:00 |
【人】 ボディガード テンガン>>172 ラサルハグ 声を掛けられたほうから、 僅かに、何かに弾かれたかのように右の目を逸らす。 「……こんばんは。 人が少なかったので、つい」 相変わらず堅い表情。 だが、気の済むまで泳いだからか、どこか満足気だ。 「ラサルハグ。貴方も泳ぎに此処へ?」 朝見た時から変わらない服装に、 恐らくふらふらと出歩いていただけだろう、と推測はしつつ。 (175) backador 2021/07/03(Sat) 13:44:11 |
【人】 ボディガード テンガン「ナイフは各自、 お近くの従業員に預けてくださいね」 ただ、今は業務を全うするだけだ。 各々の動向を、鋭い目で見守っているだろう。 (177) backador 2021/07/03(Sat) 13:53:35 |
【秘】 陶酔飛行 バーナード → ボディガード テンガン「……おいおい、もっと反論しろよ。逆に困るだろ、…………」 “恨ませてくれ”なんて。 言っても、何も変わらないのは知っているのだ。 何度捨てようとしても捨てられない“物”がある時点で。 「余ってる人生があるだけで充分羨ましい奴らも多いだろうに、 本当にお前は人を苛立たせる才能があるかもしれないな」 彼の事をそう評価しているのなんて、自分だけとも理解している。 ふぅ、と、力が抜けたように背もたれに思い切り凭れ掛かった。 煙草を吸う気力さえ起きない。正確には別のものが吸いたい。 「やる気、なさすぎんだよな。 情報が全部手に入るからそうなったのかい? “従業員”の立場なら、好き勝手選べるだろ。 ……何でもいいって言うなら、 次のターゲットが誰かくらいは慰めに教えてほしいがね」 どうせ俺には止められないんだしと諦観したように溜息を吐いた。 (-280) poru 2021/07/03(Sat) 14:34:00 |
【人】 ボディガード テンガン>>178 ラサルハグ 「……いえ、別に構わない。 まあ、どちらにせよ、 粗方泳ぎ倒した後ですから」 軽く伸びをして、手をつき、 身体を引き揚げて腰掛ける。 「もう二日目の夜になりますが…… あれから、楽しめていますか? 業務の間も、少しだけ気にかけておりましたが」 (184) backador 2021/07/03(Sat) 14:35:12 |
【秘】 ボディガード テンガン → 陶酔飛行 バーナード「世話焼きだな、バーナード。 これでもやる気には満ち溢れているのだが」 またグラスを持ち上げて、一口。 ゆったりと、楽しんで…… 気怠さの透ける彼を、冷静に見つめて。 「別に、俺には大した権限はない。 ましてや全ての情報なんか手元にあるはずない。 むしろ脅かされる立場ですらあって…… 従業員と客の悪い所取りをしたような状況だ。 ただ。まあ、そうだな。数少ない手札からみて、 “船そのもの”を相手取るのは選択肢から外した。 『勝ち目がない賭けはしない』から、な」 ほのかに酔いの熱が回ってきたところで、 重さの減った口も、また回り始める。 「そう言うお前も中々、ただの諜報にしては私情を感じられるのだが。楽しいばかりじゃないかね、この船は」 (-283) backador 2021/07/03(Sat) 14:51:41 |
【秘】 陶酔飛行 バーナード → ボディガード テンガン「うっせえ。世話を焼くのは気分だ気分。 ……悪いとこ取りで脅かされるってなんだよ? 正直お前のその動機だと、他人を攫って首謀者達の協力者になってでも、情報を得るなり、他の『従業員』にされた奴を解放するなりは考えてると思ったんだがね。そこまで滑り込めてねえのか」 つまり端的に、貴方が『協力者』じゃないのかと。 男は馬鹿正直に、真正面から尋ねているのである。 気怠げだった態度も、気付くと貴方の目をジッと見据えた。 「……諜報そのものより、お前の方に私情を向けてる。 あとあの赤い……ラサルハグ?だっけ? 朝なんか変な顔して見てただろ。アレなんだよ」 (-286) poru 2021/07/03(Sat) 15:11:39 |
【秘】 ボディガード テンガン → 陶酔飛行 バーナード「くはは、そこまで踏み込まれたら、 隠しておく必要もあるまい」 「ああ、“できる”。 曲がりなりにも四号業務を与えられているからな。 逮捕の権利はないが、 現場判断で曲者を捕らえることくらいは容易い」 そして、その者の末路など、 火を見るより明らかだろう、と付け足して。 「ただ、それ以上はない。 船の裏側や、それに加担する者などは、 何一つ知らされていないから。 だから迂闊な動きをすれば、 どうなるかわかったものではない」 顔は正面に向けたまま、 左目だけで視線を受け止めて。 「……男の嫉妬は可愛くないぞ。 単純に珈琲の飲み過ぎが気になっただけだ。 五杯までと言った筈なのに六杯目に手をつけていた。 決して浮気などではない」 また、皮肉げに笑った。 (-287) backador 2021/07/03(Sat) 15:25:02 |
【秘】 陶酔飛行 バーナード → ボディガード テンガン「おーいおいおい、その権利って情報が一番大事じゃねぇのそれ。それならもっと早くから乗り気で手を組めよ。最初、お前の見た目だけなら「それっぽい」って思ったのに、全く探ってこねえから実は違うのかと思い直してたくらいだぜ。変に深読みして損した」 あ、笑った。と思ったけれど、これでもこちらも諜報員だ。 業務内容的にツッコミを入れる方が先に口をついて出た。 「下手すると、無垢な俺みたいなイイ男が殺されてたかもしれないんじゃねぇの?まあ俺は別に殺されるような事もできねぇし、しねぇから万が一狙われてたり警戒されてても問題なかったけどよぉ。警戒してる奴いんの?」 机に肘をついて、顎に手を当てながら尋ねて。 嫉妬、と言われるとおかしくて思わず吹き出した。 ものすごく正しくて、ものすごく正しくない。 「嫉妬じゃなくて、何かアイツについて白か黒か目星をつけたのかと思って聞いたんだっつの。珈琲の飲みすぎて。……ほう、ほほうテンガン様。浮気と否定するなら、本日の警戒対象は珈琲をこっそりに飲まないかとその方にされたらどうですの?」 憎ませろだの嫉妬するだの言ってた癖に、酒が入ったからかなんだか当初より随分素直になってきているからか、毒気を抜かれてきた気がする。 「……真面目な話よぉ。もう守りたい物もないなら、流されんのも一種の手じゃねぇの。喜んで構いたい“お客様”が山の様にいると思うぜ?」 (-300) poru 2021/07/03(Sat) 16:26:34 |
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