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![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ決してヴィンセンツォという男を甘く見ていたわけではなかった。 しかし自分のボスにまで手を伸ばして調べて居たら誰も居ない場所で報復を恐れて縮こまっていただろう。 頭の中に詰め込まれていくことに普段なら安心するはずの知識に何処となく暗雲が立ち込めている。 丁寧に丁寧に教え込まれる度に冷や汗が滲んできて、せめて目立たぬよう掌をぬぐいながら漸くアタッシュケースを掴みなおした。 「……あ、あんた。なんて性格しているんだ」 ひくりと、その笑みを浮かべるような妖艶な仕草に思わずつばを飲み込んだ。 その語気にからかいなど全く見えない、まるで子供にされた悪戯程度気にする必要すらないように。 相手にされてなさ過ぎて逆に楽になってきたような気もする、少しは気にかけて貰えているようだが。 「あれは確かに、……空っぽの馬鹿野郎だが義理は果たす男だ」 隣でなくとも十年は傍にいた上司の名、貴方のその態度と言いぐさから嫌な信頼だけがひしひしと伝わった。 表に出されていない感情を言語化できるほどの仲なのか、年の功というものなのか。 やはり、少し苦手だ。甘ちゃんは親を早くに無くしてから叱られたことがほとんどない。 言われた通りに促されたアタッシュケースを開ける。 ――貴方の態度にどうしてそこまで諦念が見られるのか。 その理由があるのかと開いた鋼の箱は、希望も光も何もないパンドラの箱であった。 → (-141) toumi_ 2023/09/21(Thu) 8:31:04 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ「――あ」 これは、見て居られない。 上司、部下、同僚、友人達が関わっているどころではない。 個人の手に負えるはずもない、最大級の罪の形。 少し読んだだけでも叫び出したい程の感情を理性を抑え込めば、その塊はいつの間にか吐き気に変わっていった。 ルチアーノという男の両親はファミリーとは無関係だが反社会組織に殺されている。 その殺人事件は犯人が捕まらず一時期話題になったが、当時若頭のオルランドはその異質さよりも殺された理由に目を付けていた。 ルチアーノの両親の持っていた技術はとても優れており様々な企業に役立っていた、それは独占すれば危険だと命を狙われるほどに。 そんな彼らの血を引いた一人息子は、運よくか運悪くかそのままにしておかれず。 孤児院に連れていかれる前に引き取られ、直後黒眼鏡の部下となってファミリーの一員になったのだ。 時期さえ違えば、また偶然かち合えば自分も彼らのようになっていたかもしれない。 「…ぅ……ッ……あ”……」 血の気が引いてきて、喉元をせりあがってくる何かを必死にせき止める。 息を整え、また責め続けるようにやってくるそれを零れそうになる涙と一緒に強く堪えた。 「…はぁ…はぁっ…………なん、で。 どうしてこんな残酷な真似をしたんだヴィンセンツィオ!!」 それは怒りを含んだ嘆き、甘ったれはこれでもまだ貴方が非道な人間であると思いたくなかった。 逃避でもしなければ怒りか恐怖で震える体を落ち着かせることが出来そうにない。 (-142) toumi_ 2023/09/21(Thu) 8:36:13 |
![]() | 【秘】 無敵の リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ「どうやらそうらしい。 素敵な逢瀬になりそうだ。君もそう思うだろう?」 親しげに話す男の姿は、 誰が見ても気の許した友人と話しているように見えるだろう。 取締法さえなければ、実際にその通りだったのかもしれない。 「……もちろん、構わないよ。 最近どうにも仕事が忙しくてね。 そろそろ肉を食べたい気分だったんだ」 栄養食ばかりでは気も滅入ってしまう。 女には甘くもない誘い文句でも、 男にとってはとても素敵な誘い文句だった。 「夕方には仕事を終わらせて向かうよ。 日が暮れる前には辿り着くとしよう」 少し遅れても許してくれよと付け足して、 これ以上何もなければ電話を切ろうとするだろう。 その時はきっと、出会うのは約束通りの今日の夜。 (-146) sinorit 2023/09/21(Thu) 8:54:55 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡「快適そうでよかった。 だが今ファミリー引きの話を聞かんかったらぶん殴ってたぞ。 今の俺の機嫌は取っておいた方がいい。 それとやけに怪我が派手なのはどうしてだろうなあ。 ……イレネオ以外にやられてたら一発殴らせてくれ」 部屋に充満していたのは既に練習していた分の残り香のようで。 男が取り出した袋からテーブルに置いたのは肉とチーズが挟まれたロゼッタにホットドッグ。 立ち上がってふらりと沸かした湯の元に向かっていけばフィルターをつまんで珈琲を作りはじめる。 最低限の設備からにしては整われたコーヒーブレイクが始まろうとしていた。 「やっぱあんたみたいに上手くならないな……あー」 「悪い話といい話を持ってきた。聞くか? 聞かんでもいいぞ。 いい話は執行役が確実に減ってることと。 ――ノッテに裏切り者が一人もいなかったことだ」 ルチアーノから告げられるその言葉がどのような意味を持っているかは貴方が一番わかるだろう。 肩の力を抜いて話していることからも無理に納得付けをしている様子もないだろう。 男の自認だけであれば裏切り者は自分であるのだが。 (-147) toumi_ 2023/09/21(Thu) 9:03:45 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ夜の海風が肌を撫ぜる。対岸の島には行きつけのバーがあった。 いつか貴方を誘って連れて行こうとしたが、すれ違い様に話すのが好きでほんの少しの時間だけでも満足してしまっていたのだ。 本当は語らう時間なぞいくらあっても足りはしない、この取締法が落ち着けばそんな日も来るのだろうか。 「ここの肉は味がちいと濃いんだがな、ロゼッタで挟むと丁度いいんだ。これを食べるのが好きでなー」 高い服を着る割に路地裏や屋台の店を知っているのはシマの把握の為に一軒一軒その足で見て回っているから。 仕事に悩む女性を喜ばせるための隠れ家的な店まで把握している男は、 どんな相手や場所や時間でも、 正直な言葉 ばかりを伝えていることを心掛けている。「ほれ、店が閉まる前に安くなってたパンを買い占めてきた。 好きな肉買ったら向こうで食うぞ」 そう言いパンの入った紙袋を持ち上げて。大人の贅沢をまねをする子供のようにあなたに笑いかけた。 (-149) toumi_ 2023/09/21(Thu) 9:26:46 |
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![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオその日ルチアーノの部下から貴方の部屋へ白い猫のゲージが持ってこられた。『なーん』。 白い猫はもうわが物顔で貴方の部屋を満喫している。 『あの……ぐす、えぐ……ロメオさん、ルチアーノさんがっ、 すんっ……、その……。迷惑かけて、 ずっ ……すみません……』ちなみにこの部下は猫アレルギー。 マスクをつけながら涙目で距離を取っている。 (-155) toumi_ 2023/09/21(Thu) 10:18:44 |
![]() | 【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ「今日はジョークはこれで品切れだ。 次回入荷は未定だから、よく味わってくれ。 おいおい、男の機嫌のとりかたなんか知らねえぞ〜」 珍しく腹が減っていたのか、ホットドッグが置かれるなりひっつかみ、がぶりと齧る。 そうすると顔の腫れが痛むのか、僅かに顔をしかめながらもがふがふと咀嚼をやめることはない。 「いーてて…アア大丈夫、あの駄犬だけだよ。 飼い主にも文句いっといた」 そうして頬をかるくおさえながら、香り立つ珈琲の色には鼻を鳴らして、 「いや、いいんじゃねえか。 細かいこたわかんねえよ、俺も」 …珈琲好きとは思えない雑な言葉で褒めたりはしながらも、 あなたの話を静かに聞いた。 「ま、悪いかいいかを決めるのは俺だ。 …一人も? 変なごまかしはいらんぞ」 いいつつも報告を聞いて、ご苦労さん、と手が周囲を彷徨って─なにか渡そうとしたのだろう─何もなかったのでとりあえずグッと親指を立てる。 「あとでお前の見立てでいいから、わかっていることを教えてくれ。 外の情報がはいらなくてな。…で、悪い話は? 俺は嫌いなものを先に食べる派なんだが」 …外の情報が入らないのは、牢屋でごろごろ寝転がっているからだろうけど。 (-157) gt 2023/09/21(Thu) 10:33:54 |
![]() | 【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「おおすげえなお前」 朝から見えない姿に、何かしらを察していた。 それからあの猫の件はどうなったかと考えていた頃、 ゲージが持ってこられて少しほっとしたのは分かる。 まさか顔面グズグズの人間を 遣わせてくるとは思っていなかったが。 頭の中であの人が言ってたのってお前の事か、と納得する。 「……ありがとございまーす。マジで大丈夫?」 「これ……お駄賃の代わりに持ってきな。ティッシュ一箱」 おそらくこれも今日中と言わず数時間のうちに 無くなりそうな雰囲気ではあるが。 はい、と新品を部下くんに手渡した。 ゲージから解放され、ベッドの上で丸まった白猫は そんな事知った事ではなさそうだ。 「……あん人、どこ行ったの」 知らなくても良いけど、気になるから。 ダメ元で一つだけ尋ねてみた。 (-158) susuya 2023/09/21(Thu) 10:34:15 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡「一応、誤魔化してはないなあ。 ほとんどの奴の目を見たうえで言っている。 強いて言えば俺が出て行った後に自分の店を燃やした馬鹿な奴がいるんだが……」 この甘ったれは時々起きたことを見て結果的に裏切りであったかどうかで判断している。 染みるぞ、と言いながら珈琲を置いてやって向かいのソファーに座った。 見立ても何もと何から話してやろうかと頭を巡らす。 5割以上が自分の想像だ、正確な情報しか話したくないが仕方なく口を開いた。 「確実に執行役であったのは警察に所属しているニコロと、アリーチェ・チェステだ。 所属している理由はわからん。 ただそこの二人は昔馴染みでアリーチェはニコロの妹分だ。 二人は何か執行役にならにゃあかん理由があったんだろう。 その上で――……ほかに可能性があるのはヴィットーレ。 あいつは俺が精査する前に牢に行ったからわからん。 わからんが、やったんなら。ガイオの件かもな あとは……。 ……リヴィオ・アリオスト。 俺のいい話し相手だ、後で会いに行く。 後は怪しいと思えなかった、ここ三日で金と部下使って調べさせたのが以上だ」 つらつらと連ねられるのはここで話すにしても問題がある内容には違う無いのだが。 もうすでに手は回しているのか、ここで機密の話をするのは気には止めていないようだ。 (1/2) (-171) toumi_ 2023/09/21(Thu) 11:34:52 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡「因みにもうオハナシをしたかもしれないが。 あんたがしょっ引かれた日にはイレネオ・デ・マリアと ヴィットーレとニーノ・サヴィアが飛ばされている。 今日連れていかれたのは、カンターミネ。 そしてニコロとテオドロ・アストーリ。 そのうちニーノとニコロは 俺が 指示したようなもんかもしれん。それと、……」 貴方が此処に居るのも自分が貴方に情報を流したから。 そして、今から告げる男も自分が彼を調べようとしてしまったから。 ルチアーノは全部自分のせいで、と、心の中で呟いて。 「ヴィンセンツィオ・ベルティ・デ・マリアが検挙された」 「悪い話は、ヴィンセンツィオについてだ」 そう言って、やけに目立つアタッシュケースに視線を移した。 「そこに、――二年前からの、 あんたのシマを荒らした資料が入ってる」 (2/2) (-175) toumi_ 2023/09/21(Thu) 11:47:37 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ『あり、えぐ、ありがとうございます…… ずーーーーーー!! ルチアーノさんは散歩してると思いまず……。 アッ!! ふざけてるわけじゃなくて、 同じ場所に居ない方が足取りが掴まれにくいからって』 新品は新品でなくなった。 『それと執行役は全員見つけたから最後の奴にあってくると。 場所はすみません、本当にわからなくて。 お気に入りのケーキ屋の場所なら言えるんですが……』 お気に入りのケーキ屋。ルチアーノが部下や特定の人間と極秘のやり取りをしているときに使われる店だ。 一番最新の知らせを間接的にやり取りする役割を持つ。 『……あの』 『ルチアーノさん、最近調子悪そうで。 何もない変な場所見たり、急に胸抑えたり、動かなくなったり様子が変で……』 『もしかして、……チュールでも食べたんですかね』 部下くんは真剣に上司を心配しているようだ。 決して馬鹿にしているわけでも猫扱いしているわけでもない。 (-181) toumi_ 2023/09/21(Thu) 12:19:34 |
![]() | 【秘】 無敵の リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ「へぇ、そんな食べ方があるのか。 知らなかったな、今度後輩達に食べさせてあげたいな」 その今度が来るかどうかは未来の話で。 ただの願望であるうちはきっと叶わないだろうし、 これはきっと、願望のまま終わる話だ。 君の行きつけのバーだって、きっと今知れば今の男には 「行けたらいいね」と約束の形には出来なかっただろう。 「はは、俺達二人だけじゃあ勿体ないくらいの贅沢だね」 君の笑顔につられるように、男も笑い返し、 スープの時と同じようにおすすめを問いかけた。 いつだって君の勧めるものに外れはないんだ。 だからつい、甘えるように問いかけてしまう。 そういう時間だけはずっと、本当の意味で楽しかった。 (-188) sinorit 2023/09/21(Thu) 12:57:12 |
![]() | 【魂】 口に金貨を ルチアーノ「……夢の中あ? それは別に、信じてやってもいいが……」 何言ってるんだ、と言いたくもなったが思い当たらないこともなかった。 だからそのまま呑み込んで届けられた言葉に耳を傾ける。 「は……? そうか」 ぽつり、とつぶやいて。腑に落ちたような何も納得できないようなそんな顔を見せる。 ふらついて、貴方の腕を掴めばそのままずるりと、体重をかけてもたれこんだ。 「……何処でもいい、連れてけ」 「……また日が暮れたらに、行かなきゃいけない場所がある」 「それまで一緒に居ろ、寝かしつけでも何でもしてやるから」 ああ、どうしてだろうな。また動けなくなった。 動きたくなくなった。それでも、誰かの為に歩かにゃならんくて。 それをどうして大事な奴に頼らなくちゃいけないのだろうなあ。 この体も自分勝手で嫌になる、貴方が断らないと思ってすがって助けを求めている。 全てその場しのぎの綱渡りであるのにどうしようもなく手を伸ばしたくなるのだから、本当にこれ以上ない程お前のことは信用しているのかもしれないと今になって自覚した。 (_2) toumi_ 2023/09/21(Thu) 13:10:32 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ生が良ければ、塩漬けの豚肉パンチェッタ。 焼いたのが良ければ牛のステーキ。 ソーセージのようなものが好みなら、サルシッチャ。 貴方は好きなものを横に半分に割られたロゼッタに挟むことが出来る。 中身が空洞であるその薔薇のパンはシンプルな味付けが故にどの肉と合わされてもそれに馴染むのだという。 それを持って貴方を導いたのは海を臨める広場の一角だ。 近くにベンチがあるのにも関わらず、海岸と分けられるように柵が続いた煉瓦路に向かえば、幼子には少し高いそれに肘をついた。 「……改めて、お勤めご苦労様。 このご時世だ、周りが辞めたりして仕事が忙しくなったんじゃないか? リヴィオがどんな部署かは知らんが、書類でも外回りでも人員不足はきついだろう。 お前も休みを取ったらどうだ、有給だとかな」 (-193) toumi_ 2023/09/21(Thu) 13:33:33 |
![]() | 【魂】 口に金貨を ルチアーノその男を上手く扱いたいなら強引なぐらいが丁度いい。 プライドがありそうに見えるが、大抵言うことを聞くだろう。 ごねるようなら何かで縛り付けてやっても良い。 暴力だろうが、快楽だろうが、癒やしだろうが、 無理やり押し付ければ大人しく受け取って甘受する。 そんなふうに全てに抵抗をしなくなったのはどうしてだったか。 男はその理由を自覚していない、ただ、昔そうであるように 教え込まされた ような気がする。それが正しいことであると、ずっと思っていた。 「此処にさっき買ったランプでも置いていってやろうか」 物があれど生活感がなさすぎる、と。 連れてこられた部屋に入って早々男は文句を言っている。 (_4) toumi_ 2023/09/21(Thu) 14:17:30 |
![]() | 【秘】 無敵の リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノそれじゃあ焼いたもの──牛のステーキにしようか。 君からひとつロゼッタを受け取り、それへと挟み込む。 食欲がある状態であればそれはとても、 ご馳走に感じるのだろう。 君に導かれ、広場の一角へと向かう。 ベンチを通り過ぎる時、横目にそれを見やるが、 だからといってあそこに座ろうと口にする気はない。 「…あぁ、お気遣いありがとう。 お察しの通り人が減りすぎて仕事量で困っているよ。 だからといって挫けるわけじゃないけどね」 俺は無敵だからね。それくらいじゃ折れないんだ。 「休みは……そうだな。落ち着いたら取るとしよう。 今はまだなかなか難しそうだからね。 その時は有給を使い切る気で届けを叩きつけようかな」 (-199) sinorit 2023/09/21(Thu) 15:23:18 |
![]() | 【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ「お前の目利きならいいんだ。 ……店は〜……保険どうなってた? あそこ」 アレッサンドロが”一番信頼“しているのは自分自身だ。 その次に、彼いわく”ほっといても良い奴ら“が入ってくる。 …つまりは彼の“放任主義”を体感している者たちだ。 たとえば、あなたのような。 だからあなたの見立てを、口腔の傷にしみる熱に顔をしかめながらも、静かに黙って聞いていた。 「摘発チームは3人編成らしいな。 あとひとりか」 足を組み一度目をつぶる。 瞼の奥に熱が閉ざされ、籠もり、煮え滾る。 目を開いて。 「……その条件で、俺を候補から外した理由がわからんが?」 ひ、と。意地悪そうに笑った。 あとはアリーチェとニコロに関係があるらしいのは俺も知ってるとか、 カンターミネが引っ張られてるんだからマフィア側で入れ知恵したやつがいるかも…いやあいつ目立つしな… とか、 ぽつぽつと意見を加えるくらいで。 (1/2) (-201) gt 2023/09/21(Thu) 15:47:28 |
![]() | 【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノそして、”悪い話“を聞けば。 「旦那がね」 反応が薄い。 少しだけ困ったような顔。 「なんかしてるのは知ってたが、何かやられてるのはわからんかったな。 見ていいのか?」 アタッシュケースを顎で指す。 2/2() (-202) gt 2023/09/21(Thu) 15:48:10 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ「……そうかい、たまには俺と遊んでほしかったんだがなあ」 とってつけた放蕩息子らしく振る舞ってみながら一度目を伏せる。 思えば、本当に。あなたからは基本理想の言葉しか返ってこなかった。 だから疑いなんて一度もしていなくて、ただ何もしてないない証拠もなかっただけ。 その上で何か気になることがあったとしたら。 「なあリヴィオ、……お前無理してないかあ。 俺はお前に嫌われてはないと思ってるが、心を開かれてるとは思えん。 仲良くなれと言ってるんじゃない、その顔、いつもしてるんだろ。ちゃんと休ませてるか?」 そういうところが、自分とよく似ていた。 俺は作ってることまで正直に晒しているがな。 (-204) toumi_ 2023/09/21(Thu) 15:54:56 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡「……黒眼鏡が俺たちを捨てるわけないだろ? それとも言い換えて欲しいのか、その 名前 黒猫を押し付けたときとは違う響きでそれは届けられた。 駆け回った分だけ情報のピースが集まってきて、気付きたくもない事実が手に入ってくる。 俺はそういう星のもとにいたのかもしれんな。 「物食ってる時に見るもんじゃねえが、どうぞ。 ……直接本人から受け取ったんだ」 アタッシュケースを開けば、そこには帳簿が入っていた。 『記されていたのは、ここ2年間を中心とした、20年近くにも及ぶ悪行だ。 孤児院にいた子どもたちの臓器売買、ヴィンセンツィオが主導していた旨がそこに記されていた。 帳簿には子供ひとりひとりの値段、どこにどんな部品が売り捌かれたか、 その残渣はどんなふうに処理されたか、そうしたことが載っている。 中には子どもたちが元気な時の写真も、バラバラの死体になった後の写真もあった。』 (1/2) (-211) toumi_ 2023/09/21(Thu) 16:49:34 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡「あの旦那が実行犯じゃあない。ただ、……。 今は牢屋に入ったがもうほとんどの罪状が報道がされた。 これは事件の――本物の物的証拠だ。 主導者ヴィンセンツィオ・ベルティ・デ・マリア。 ……俺はこのブツをあんたやボスに渡す前に、ノッテに引き渡すのは出来なかった。 何をされるかわかったもんじゃない、それに――何処に居ても箱から出された瞬間に 討たれる 危険性があるだろ。俺は、ある程度の 最悪の予想が出来てしまった 。だがなあ、分かっても、その未来をどうしたらいいかわからんのだ」 このまま対処もせず放っておけば、あの大罪人は 叩かれて嗤われて、そして殺されるだろう。 そうなっておかしくない罪を犯してきた。 この牢獄内でも無事かどうかわからない。 貴方に答えを出してほしいというわけではなかった。 ただ、貴方ならどんな答えを出すのかを聞きに来たのだ。 (2/2) (-212) toumi_ 2023/09/21(Thu) 16:50:43 |
![]() | 【魂】 口に金貨を ルチアーノ「アンティークは育てるんだ……。知らんのか。 一年で色の深みも変われば雰囲気も……。 敢えて大事にするために家に帰ってきて、ついでに寝てくれんか」 ソファーに連れていかれ手を離されればそのまま重力に逆らわず横に倒れた。やる気がない。 「……」 写真立てに目を細めてから、そのまま閉じた。 眠るつもりはないが、開けているよりずっと楽だから。 考え事をするにも何も見えない方が捗る。 「お前本当……なんてことを教えてくれたんだ……」 時にこの時の男は、頭にかすみがかったような嫌なものがはびこっており、それを払うためにも驚くような刺激や物理的な衝撃を求めていた。 そして先ほどの情報は相当だったものらしく、余計なものは驚くほど吹っ飛んで行ってすっきりしている。 代わりに何もかもやる気をなくしたが、これは頻繁に起こることなので後は気力が回復するのを待てばいいだけだ。 「さっきの、黒眼鏡に言いに行くのか……?」 (_6) toumi_ 2023/09/21(Thu) 17:01:21 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ「俺を信用するなよそこで」 思わず苦笑いをしてしまう。 貴方が牢屋に行く原因を作った男だぞ、と言いたくても言えやしないのだが。 「……俺はお前たちのしていることを正しいだなんて言わん。 世間は賛成の声よりも困惑や文句の方が大きい。 だから、何かができるってんなら、 俺はこれ以上お前たちの手を汚させる前に止めさせるね。 おっとこれに返答はするな、急に口からこぼれたお気持ちだ。 聞こえなかったことにしろ」 「どういう話をしたと思う? 苦手に思われてるって思うことは苦手に思ってるってことだ」 「――あいつはちゃんと逃げずにどんな話でも聞くだろうさ。 言いたいこと言って、正直になった方がずっといい」 あなた達がもうすでに何か話したかは知らないが、自分はそんな感想を持ったと。 グラスに入った赤を飲んで、また置いた。 (-216) toumi_ 2023/09/21(Thu) 17:19:34 |
![]() | 【念】 口に金貨を ルチアーノ貴方が新しいアジトに潜ってどれぐらいの時間が経っただろうか。 いつまでも閉じこもってはいなかっただろう、 飲み物か何かの用事で外に出ればその足元に一匹の猫がまとわりついた。 その“灰色”の猫は『ぐるる』と喉を鳴らして何故か懐いて離れない。 その毛並みはきれいに整えられていたが、何処からか逃げ出してきたのか新しめの葉っぱや泥がついていた。 (!1) toumi_ 2023/09/21(Thu) 17:24:00 |
![]() | 【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ景気の良い鼻かみ音に、ヨシ……と頷いた。 ティッシュは有用だったようだ。 「成程な。賢い。つかそこまでしてたんすね? ケーキ屋ね。ケーキ屋……」 一応聞いといてもいいすか、とその場所を尋ねるだろう。 教えてくれれば、携帯端末にそれをメモする。 「……」 疑問の果てに辿り着いたトンチキな心配は置いておいて。 その内容は、あまり聞き捨てならない物で。 「マジで具合が悪い……か」 「マジで心労がすごい、の二択すね。それ」 「もしあの人が帰ってきたら休ませてあげてください。 あの人、頑張りすぎなんすわ。……」 「まあ……スゲー嫌そうだし。この件」 片腕で自分の肩を揉みながら、 ほとんど重たいため息みたいに言って遠い目をした。 「良い上司だもんな。心配だろ」 「あの人の邪魔にならないように様子でも見に行ってみるよ。 猫、ありがとうございました」 「あとチュールは食ってないと思います。安心していいよ」 (-219) susuya 2023/09/21(Thu) 17:26:19 |
![]() | 【魂】 口に金貨を ルチアーノ「……酒やめろお前ー……夢見悪いならそれ専用に生活を変えろ。 やれること全部やってからだな……。 付きっきりになってほしいのか?」 本気で改善させるぞ、とやる気なさそうに言う。 言葉と態度が今だけはチグハグだ。 「重要どころか、これを俺はどうすりゃいいんだ。 その上あいつに先に言うのはお前だろ? ……もーいい、全部吹っ切れた、しらねえ……。 俺がエルと縁があったのが旦那の運の尽きだ……」 とんでもない上司がいたものだ、それでも嫌いになどなれないし裏切り者だとは思えないから。 「…………エルってそういうときだけ俺に似てるっつーか。 馬鹿っぽくなるよな……。せいぜい頑張れ。 明日俺が聞き出せなかったら情報横流ししてくれ」 そんなに真っ直ぐ直接聞くなよ、とか。 黒眼鏡相手には馬鹿正直にホウレンソウをする自分のこと棚上げで話している。 (_8) toumi_ 2023/09/21(Thu) 18:12:06 |
![]() | 【念】 口に金貨を ルチアーノ協力者であった男が傍にいたならば。 猫に触ったことない人間は多いだとか誰しも初めてはあるからとフォローしていたのだが。 生憎あれから連絡はないし、アジトを突き止める音沙汰もない。 その猫は誰かに飼われていたのだろう、 葉っぱを払われた猫はペットショップにいる彼らと遜色ない清潔さがあった。『ぬぁん……』 そしてやけに懐いてくる。強い衝撃を与えたり尻尾を握らなければ、あと落とさなければ抱きかかえることも容易である。 ……逃げはしないだけで挙動不審がすぎれば抱えられてくれないかもしれないが。 その猫と暫し貴方が格闘していれば細い革の首輪がついているのにきづくだろうか。 タグこそついてないが、その革には文字が刻まれていて。 少し離れた通りの名前と、一軒のケーキ屋の名前が読み取れるかもしれない。 (!3) toumi_ 2023/09/21(Thu) 18:27:32 |
![]() | 【秘】 無敵の リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ「…おや、君は俺に構って欲しかったのか。 それはすまない、愛しの君のラブコールに気付けなかったよ」 それなら君のためにも有給を取ろうかと、 冗談めかすような笑顔は張り付いたように浮かんでいて。 リヴィオは、リヴィオ・アリオストはいつだってそうだった。 こんな状況でさえ、"いつも通り"だった。 君に問われて尚、変わらない笑みを浮かべていた。 「……ふむ、何か心配事でもあったのかい? 無理をした覚えはないんだが、参ったね。 君にそんな心配をかけてしまうなんて不甲斐ない」 嫌われていない。心を開かれてるとは思えない。 そのどちらをも否定せずに言葉を並べ、 おどけるように肩を竦めてみせる。 きっとこれは、きっかけなんだと感じながら、それでも。 (-226) sinorit 2023/09/21(Thu) 18:29:50 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオケーキ屋はメモすることが出来る。 通りに面した何の変哲もないスイーツ店だった、調べるとティラミスがちょこっとだけ有名。 『俺たちが何言っても休まない人なんで上の人がぶん殴る必要があると思います。 勿論俺たちは殴れません、運よく引っ張れてベッドに連れてっても携帯離さないんです』 真面目なんですよね、と楽し気に言うのは愚痴として言ってるようではないらしい。 『いい上司は俺に猫のゲージは運ばせないと思いますけど心配です』 『でも猫の餌食ってないならよかった〜。 食事抜かない人が何も食べない日が続くと何するかわからないんで!』 この部下くんは上司に似て正直者であった。 それじゃあ、ティッシュありがとうございましたと斜め45度ぐらいのお辞儀をすればラウルという部下くんは去っていった。 アレルギーは多分服を着替えてシャワーでも浴びれまマシになるだろうが、果たしてどうなったのかはわからぬままだ。 (-229) toumi_ 2023/09/21(Thu) 18:53:22 |
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