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【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 路地の花 フィオレ『仕方ない、つけておいてやる。払えよ』 そう言って公務員の給料二ヶ月分ほどのあまり安くはない金額が告げられた。直ぐに払えとは言わなかった。 『黒眼鏡はほぼあいつの自業自得だ、気にするな』 『ニーノは』 『騒動に巻き込まれる前に保護の目的で検挙された。 法の執行役として働かされているなら止めるためにもだ』 『納得しろとは言わん、だがそこに悪意はなかった。 それだけは保証してやる』 『俺はなあこうして派手に嗅ぎ回ったもんで。 もしかしたら狙われてるかもしれん、覚悟しておいてくれるか?』 (-374) toumi_ 2023/09/19(Tue) 12:59:58 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ「まだ決まったわけじゃあないし、順序は……あー。 候補にいるだけだから心配するな」 男はこの日危ない橋を2つ渡っている。 どちらも渡りきれば無事であるのだ。遅かれ早かれ捕まると思ってるが。 「あと殺される理由は」 「 女を泣かせたせいだから俺は抵抗が出来ない 」突然の殺害され予告はかなりの別件らしい。 「いつも迷惑かけてすまんな。 俺は俺なりに一人でやれることはやってきたんだが、 ……どうもお前にはふざけたことでも言いやすくてなあ」 「そうだ、改めて俺に頼みたいことはないか。 あの店のパンでもなんでも買い占めてやるぞ?」 金ならあるからなと、貴方が何も言わなければまたふらりと何処かに出歩くつもりで踵を返した。 (-376) toumi_ 2023/09/19(Tue) 13:17:46 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ「俺は帰ってこれるのかね……」 そこそこ弱音が混じったのは、如何せん罪の数が多すぎるから。 今回のことがなくても一度捕まれば厄介なことになる自覚があった。 「一端のソルジャーなんぞ捨てやすいと思うが」 「……ロメオに言われちゃあ戻らんとな、猫も子猫ちゃんも待ってるし」 それでもこうやってついてこようとしてくれる仲間がいることが酷く恵まれていて、名残惜しく感じる。 失った人間も縁もあるが、その分を埋めて溢れるほどのものが手に入っていて、十二分に贅沢をしてしまっていたと思う。 「無茶なんて」 どら猫がどこで一匹でくたばろうと誰も気にもとめないだろう。 足を止めて振り返る、貴方が心配するようないつもの顔を見せてやる。 「俺は楽になりたいわけじゃないんだ」 それは、皆に言う男の一つの嘘だった。 (-386) toumi_ 2023/09/19(Tue) 14:29:15 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 徒花 テオドロ「 ……俺が情けないのか、お前が強いのかわからんな 」想像しうる様々な可能性を遥かに超えた回答が返ってきて、一瞬口元を引きつらせてしまった。これは両方かもしれない。 都合なんて悪いことばかり、酒癖は悪いから口を滑らしても良いように個室の店をわざわざ選んで、話の内容と裏の顔の格差はどんどんと開いていて。 関わるだけ損で、いつかは貴方のために縁を切らねばとも考えたこともあったか。 「不器用なのは同じなんでね。 ……なんだ……避けもしないのに写真うつりが悪いのか。 教えてやろうかあ? 色男に見える角度ってのがある。 今のうちに撮っておくのも悪かないな」 実際はここに損得なぞ存在しておらず、無くなるものがあるとすればそれこそ話す機会だけ。 法案の件がなくとも、諦めるつもりはこの瞬間になくなっていた。 「たまには懐いてくれてもいいんだぞ、猫の扱いには慣れてるが」 「俺はいつでも世話焼きの愚痴を聞くのを楽しみにしているからな」 男にとっての裏切りは、貴方の前から姿を消すこと。 裏の顔を考えれば当たり前で、誰かにとっては些細なことになるのかもしれないが。 たとえ裏切ることになっても変わらず貴方らしく生きてほしいと願うのは酷く傲慢なのだろう。 だから甘えは之っきりにしようと決めたのだ。 「さ、逃げも隠れも出来ない場所だ。 観念して正体明かすんだな」 お互いに、なんて。そんな明け透けに語らうまで仲良くないが、やはりこのぐらいで丁度いい。 (-427) toumi_ 2023/09/19(Tue) 19:00:48 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ「そうかい、ダヴィードが掌を返してお前らの為に気が変わらないってなら。 俺から見たこちら側の黒は――ヴィットーレだけだ」 残りのマフィアは白だと、他人を信用しきれない人間は言い切った。 わざわざ名前を出すのも彼だけだ。残りは無条件かそれなりに。 「……連中はマフィアをねらってるだけじゃなかったんだったか。 そこそこ……絞れはしてるんだがな」 これも、全て勘だ。警察の知り合いが多すぎる男はある程度の人柄をその目と耳で聞きに行っている。 だから嫌でもわかってしまう、眼の前の人間が自分にどれだけ心を開いているかも。 「遺言でも置いといてやろうかあ……? そうだなー……。 まー、予想があたってんなら。 明日にその主導がひとりは飛ばされるんじゃねえかな。 ……ここまで来たら一部隊解体させてやるからな本気で……」 そいつは俺の顔見知りで、彼自身の幼馴染のことで心を痛めていたはずの男だったか。 死んだ魚のような目をしながらやる気のなさそうな声で殺る気のありそうなことを呟いている。 (-434) toumi_ 2023/09/19(Tue) 19:40:05 |
【念】 口に金貨を ルチアーノ「……顔洗ってケアをしてくれ。 流石に美人の顔が台無しだ明日に響く」 爪は、と言いかけてまたなにかの琴線に引っかかっても困ると口を噤んだ。 女が泣いているとき口は災いの元、余計なことは言わない方がいい。身を持って学んだ。 「泣かすだけなら良くするんだがなあ……」 対処法と止め方を知らない無法者はため息をつく。 そうしているとその一通の電話がやってしまった。 (!20) toumi_ 2023/09/19(Tue) 20:39:05 |
【念】 口に金貨を ルチアーノその電話から届いた連絡で男は固まり動かなくなる。 そうして次に息を吐くころには怒りの形相になっていた。 『……の奴から定期連絡がなくなりました』 『電波が傍受されてる可能性が』 『あの時と同じ場所から、これは警――』 「Cavolo!! あんのクソッタレ……!」 床に携帯を投げつけそうになったのを抑え息を整えた。 貴方は男慣れをしていないと言っていたのに、ここで声を荒げるのも良くない。 「……悪いなお嬢さん、少々仕事に不手際があったみたいだ。 実は俺は人気者なんだ、お陰で随分ご執心なお客様が居てなあ。 部下が数人連絡がつかなくなった、 警察を嗅ぎ回ってるのがバレたんだろう」 運が悪かった、と。それにしても悪いことは重なるものだ。 「今日中にこの場所を移動できるか? そうだなあ……三日月島まで行けとは言わんが」 と適当なホテルの場所を言いながら貴方とは視線を合わせない。 (!21) toumi_ 2023/09/19(Tue) 20:47:01 |
【念】 口に金貨を ルチアーノ「狙われてるのは俺だ。 その上次の執行対象にも上がってるらしくて中々笑えん。 主催の方は他の候補者もいる、後回しの可能性はあるが…… しばらく顔を合わせん方がいいよなあ?」 貴方を一人にさせてしまうことにひどい罪悪感があった。 本当は今日までのように会話は少なくとも顔を確認したくあるのだ。 それでも、仕方ないことだってある。 だからかその言葉はこれまでで一番静かに、 わかりやすく哀愁を帯びて落とされた。男は存外正直者だ。 (!22) toumi_ 2023/09/19(Tue) 20:49:06 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ「……もう危険な目に遭う覚悟はできてるさ。 こうして連絡してしまった時点でな」 間違って後悔の色を混ぜた声にならぬよう最大の配慮をしつつ、その場所へ向かうと返事をすれば短い応答の末通信を切った。 声は震えてなかったか、俺のせいだと言うのも烏滸がましい。 今から会う相手には自分の事情など一切関係ないのだ。 だから引き締めなければいけないというのに、緊張で普段通りはできそうになかった。 「お人好しの馬鹿野郎と思われたほうが気が楽か?」 一体何様のつもりで俺はと電話の向こうにいた主のことを考える。 心は処刑台に向かう気分でその待ち合わせ場所に向かっていった。 勿論誰にも知らせず嗅ぎ付けられないように、行き場所の情報は徹底して隠しておいて。 (-458) toumi_ 2023/09/19(Tue) 21:10:18 |
【魂】 口に金貨を ルチアーノ「そこまで目利きは悪くない、いつか同じぐらいで売れるだろ。 それかどこぞのマダムか馬鹿野郎に貢ぐさ」 言い訳はしつつもこの後はどこかに行くつもりはないのか注意は聞いたようだ。 質問の内容も予想通りだったのかあまり表情は変わらず、代わりに小さく安堵の息を吐いた。 「あーよかった、お前が普通のやつで」 どこか一つトーンを上げて愉快にそうに言えば腕は離すように退ける。 「だけどなあ簡単に身体は明け渡すなよ、それも立派な資産だ。 好いてるやつにも堅いぐらいが丁度いいんだ。 女相手にも安売りはするなよ、自分の価値ぐらい自分で測れ」 貴方のためになるようで何人にも言ってきた言葉を大げさに言う。 相手の好きにさせる、そんな答えをするやつは本当にいくらでもいたから。 「……何の話だったか。ああ」 「エル、しばらく俺に近寄るな。 ……次の執行候補に上がっている。もってあと数日だ。 お前まで連れて行かれたら病院に迷惑がかかるだろ」 (_8) toumi_ 2023/09/19(Tue) 22:18:51 |
【念】 口に金貨を ルチアーノ「……いやだねえ、ここで泣かれてもそんな振る舞いされてもちっとも安心できやしない」 「貰った前金は返さんがもう報酬はいらん。 その分ネイルや服に使ってくれ。あと豪華な食事。 散財するほどにはならんかっただろうが、十分あの出費は痛手になっただろ」 ああ金はどこからかとかも気になる事はまだ残ってるな。 だが女は謎が残ってる方が輝くかだとか、また余計なことが頭をよぎった。 やはり中々に自分は疲れているし誰かの為に動くなど性に合っていない。 しかしここが一番踏ん張らなければいけない時間である。 (!25) toumi_ 2023/09/19(Tue) 22:31:07 |
【念】 口に金貨を ルチアーノ「俺は早い所自分のものを片付けに行くとする」 これ以上自分のせいで誰かを巻き込みたくなどないから。 「勿論? また連絡する、平気な顔してな」 せめて貴方だけでも無事で居て欲しい。 余計な約束をしてでも、甘ったれはそう願わずには居られなかった。 (!26) toumi_ 2023/09/19(Tue) 22:32:38 |
【魂】 口に金貨を ルチアーノ「そうかい、自分の価値を下げる人間はごまんとみてきた。 それも飽きるほどにな」 「何人もにその価値を伝えてきた、価値を商品にする方法もだ」 「……なんでそれが言えるのかお前に分かるか。わからんでいい」 望むのなら与えていいが? その刹那の三ヶ月を。 それはもうきっと甘く愛して手放すだろうな、まるでそれが夢の中であったかのように。 そんな関係が長くあれるものだと男も思っていない。 だが貴方はまだ想像がついていないのだろう、この男が抱えてる妙な弱みが。 「おいおい許さないも何も……俺は悪いやつなんだよ。 とんでもない悪事を働いてなくとも連れて行かれる理由がある。 だから行くな。……ちょっとはお前が痛い目に遭うのも悪くないが捕まって欲しいとまでは願わん」 「大人しく言うことを聞いてくれんか。 また無事に出れたら、……一緒に酒でも飲もうや。それでいいだろ」 (_10) toumi_ 2023/09/20(Wed) 1:58:59 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ誰も訪れることがなくなった建物に、乾いた音が鳴り響いた。 時間が止まったようなその空間で長いコートは翻される。 その整ったシルエットから導き出された身軽さの違和感に気づけば疑念で眉をしかめつつも、 その出で立ちに圧倒されてしまった男は安々と席につくことなどできず、がら空きのソファを眺めるだけしかできなかった。 「どうも、ご丁寧に。 ……どこに行っても安心できない中嬉しいね」 「さてどうしてだって? 言ったとおり無罪のやつが放り込まれるのが嫌だったからだ。 でも其れが一番じゃあない」 「俺は例の法案の実行役を見つけるために情報を漁っていた。 その時にあんたの名前をあげたんだんだが……」 男の口から語られたのは貴方の身辺を詳しく調べようとした事実だ。 しかし妨害に遭い調査は中止、いくつかの連絡先は手に入ったが目立つ情報は集まらなかったという。 そして、あくまでも確率が一番高いとされる推測を男は続けた。 悪事を裁く執行の目がいつの間にか自分ではなく、貴方にターゲットを移したこと。 もし、自分が貴方を調べようとしなければ貴方は危険にさらされることなんてなかったのではないかということ。 「妨害を起こしてきた輩とあんたを嵌めようとしている警官は同一人物だ。 タイミングが良すぎる。その上で俺は……矛先が向いたのを自分のせいだって思っている。 これで捕まりでもしたら目覚めが悪い。 だから……こんな偽善、全部自分のためだ」 (-542) toumi_ 2023/09/20(Wed) 5:11:20 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ「……なるほどなあ、だからあんなに可愛がられてんのか」 自分が黒眼鏡の管轄から離れたあと、面倒を見られている子供がいる噂は聞いていた。 ペネロペの家族まで関わっているのは詳しく知らなかったが、見ていれば懐いているのもわかる。 経緯を知れば万が一もなさそうだと納得した。 それはそうと、一度顔を見ないと信用はしないが一瞬で終わるだろうとも思った。 男は後で結局そんなアソシエーテの一人をビビらすことになる。 (-544) toumi_ 2023/09/20(Wed) 6:16:26 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ「死ぬ気はないさ、死んでもいいだけだ」 あまり変わらないだろうが大事なニュアンスであることを此処の連中は知っているだろう。 だが誰かに命を捧げるという言い方は敢えて誰にも言っていない。 しばらく静かな時間が車内に流れる。 男は昔の話が出たついでにいつかの頃の自分を思い出していた。 黒眼鏡の上司の突然の事件のあと、新しい上司に変わって暮らしも見える景色も何もかもが入れ替えられたような感覚に陥って。 「っ、……ぁ……?」 息苦しい、そんな感覚に陥れば自分の胸元を押さえて息を整える。 最近になって起こるようになったそれは、何故か過去のいなくなった上司の顔を思い起こさせる。 昔はただただ 大切な人間 を失った寂しさや辛さがこの発作を起こすのだと思っていた、周りにもそう見えていたはずだ。それは、今のルチアーノにとってそれはおかしいことであった。 「なん、で」 何故ならあの姿を思い出す暇なんて無い程、この時間や皆との暮らしで自分は十分満たされている。 ましてや今の今で誰かをぶち殺したい感情には目覚めど、昔の誰かで悲しむ隙も情もない。 「すまん、車停めて少し休ませてくれるかぁ。 5分でいい。……信じられんと思うが 頭の中 がおかしくなってきた」「? ペネロペ……俺、大分お前らのこと好きだよなあ」 あの頃と最近に起きた突然の奇行の発作、無心に猫を拾って来ていたのは誰かの真似事。 だが今となっては好きでもないことをさせられていたようにも思えた。 (-548) toumi_ 2023/09/20(Wed) 6:48:53 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 路地の花 フィオレ『そうかい、ならよかった』 他にもつかんでいる情報はあれど不安にさせるものばかり。 何でもかんでも話してしまうのは悪手であるとその身をもって学んでいる。 『逃げる準備をしてるから部屋も片付けることにしている』 『だから驚かせると思うが名前が上がらんことを祈ってくれ』 こんな時に突然抜け出したソルジャーとでも笑われてしまうかもしれない。 それでもやれるだけのことはやってあなた達に降りかかる被害を避けたいと考えている。 『お前いつかティラミスが気に入ったケーキの店があっただろ。 なにかあったらそこのお嬢さんに手紙でも物でも渡してくれ』 『捕まってなかったら俺に届くようになってる。 そしてお前宛にもなにか用意しておくよ』 泣くなとは言えないのは情けなかったが。 もうあなたのことは端から無条件に信じていたのだ、これぐらい許して欲しい。 『フィオレ、俺はお前を置いていかん。信じろ』 (-550) toumi_ 2023/09/20(Wed) 7:18:58 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 門を潜り ダヴィード「怪我は特に無いが……。まあ、そういうんなら。 ちなみにペネロペからもお前は大丈夫とのお墨付きだったんで喜んどけ。 今のこれは口を滑らせたんで本人には内緒な」 今真実を知っているものの中で、自分のせいと責めるのは大凡この男だけだ。 それでも無茶をさせるきっかけを与えたことには違いない。 「何と言うか、ダヴィードにはそのまま過ごしてほしいね。 俺がお前ぐらいの頃は……」 そう話しているとふいに口元を抑え言葉を止める。 なにか驚いているように何度が瞬きすれば深呼吸をして。 「……? ん、すまん気分が悪くなった。 水飲んだら治る。というわけで面会や後のことは頼んだ。 ……今のうちに俺に聞いておきたいことや相談はあるか?」 「多分俺はしばらく顔を見せん、これは明日には通じない俺の個人の連絡先だ」 何故か明日には通じないプライベート用の連絡を渡して苦笑いをした。 (-557) toumi_ 2023/09/20(Wed) 7:59:54 |
【魂】 口に金貨を ルチアーノ「……一言言えば解決するがな。 言ったら怒りそうだから言わん」 始終貴方の混乱したような様子にくつくつと笑っている。 貴方に対して言いにくい隠し事などこのぐらいなのに、その一つが本当に大きいのだなと。 「そーいうってのが何処までかはしらんが、色んな奴の話は聞いてやったり斡旋はしたなあ。 自分の魅力もわからんで悩んてる宝石の原石がいたら磨いて一番いいところにあてがってやるのが俺の仕事だ」 ちっともわかってないと態とらしくため息をつく。 仕事の問題ではない、貴方の望みがはっきりとわからないのだ。 漠然とした祈りを捧げるにはこちらは自由気ままがすぎる故に。 「要するに、自分すら大切にできないやつが 俺をどうにかすると大口叩くんじゃないと言っているんだ」 「俺から何もいらんのならとやかく言うな」 その上、こだわりも強い。 こちらは貴方よりも難しいことは言っていないの忠告を聞かないではないか。 健康に過ごして眠って、元気な姿を見せてくれて飲めれば良い。 なにか自分たちの願いは違ったことはあるか? 「 ……その後輩が捕まった理由も知らんくせに 」「俺はマフィアだ、立派な悪党だ。 素直に捕まってやるわけないだろ、警察さんよ」 (_12) toumi_ 2023/09/20(Wed) 10:13:27 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ上部層にいるわけでもない一端のマフィアと、上級警官である貴方を捕まえるのならたしかに旨味の軍配はそちらに上がるだろう。 高圧的だが不動たる貴方が揺れる姿を望むものは多いように思えた。 「オル……あの人は今、 ―――は? それ、は」 ボスは今はバカンスだとはっきり言いそうであった愚か者は、その差し出されたものに息をのんだ。 アタッシュケースに目を見開いてから改めて貴方の表情を見る、中身はこの際関係はない、続く言葉を聞いた瞬間にそれは大きな意味を持ってしまったが。 反応が遅れてぞんざいにされたそれの動きまで様になってるなと、場違いな感想を持つほどにこの行動を理解することが出来なかった。 「なんで……。 あんたは今ここで俺をしょっ引くことぐらい余裕なのに」 あくまで警察だ、殺されはしないと踏んでいたが何らかの処罰や拘留は覚悟していた。 もしかしたらまだこれからこの事実を告げられるのかもしれないが、今渡されたのは手土産のように思える。 「今ならまだ身を隠せば捕まらんかもしれないだろ! 捕まったらどうせろくな目に、たとえ……くそ……っ」 ああ、貴方は何処にとっても何か仄暗いものを持っている男であったのか。 自分の敬愛する上司の事件にも関わっていれば、十二分にマフィアとの縁も捕捉されている。 その上自分はすぐに恨み言すら吐けない甘ちゃんだ、たしかに無罪とはもうこの口から言えなくなってしまっていた。 「……黒眼鏡もあんたが務所にぶち込まれて喜ぶやつじゃないだろ」 「どうにか、ならんのか。ただ俺は……」 一番誰かを責めたいのは、此処で理不尽な目に合うのは貴方だと言うのに。 男は貴方が検挙されることを愚図って嫌がる子供のように意味もない言葉を吐いた。 (-571) toumi_ 2023/09/20(Wed) 11:01:19 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の葉 ニコロその日の男も忙しなかった。 しかし他でもない 貴方から の誘いだ、勿論と言って快諾した。此方のおすすめの場所でよければ個室が充実しているバーを紹介される。 勿論貴方の行きつけの場所でも構わないが気分は個室だったらしい。 そうして時間通りに訪れれば、その男は既に黒革のソファーの席につき足を延ばして寛いでいただろう。 「おう、やっと来たかニコロ。好きな酒を頼め。 今なら気分がいいから半分の金を出してやっていい」 どうやら本日は飲めば飲むほど相手に金額を上乗せできるシステムだ。 (-575) toumi_ 2023/09/20(Wed) 11:38:10 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ「色男と美女とのデートで忙しくてなあ」 毎度言うこの台詞が本当に嘘ではないのをあなたは察せられる。 本当にデートと言えるほど遊んでいるか語らっているので。 「おー、ワインか。帰り道はちゃんと歩けるようにセーブできるか? 俺は飲んだくれを運んでいってやらんぞ」 (-577) toumi_ 2023/09/20(Wed) 12:45:19 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 門を潜り ダヴィード「フィオレに? あー……」 もしかしてあいつはちゃんと食べてなくて、寝てなくて、元気でいないのだろうか。 「………… フィオレに? 」二度言った。そんなことない気がしていたんだがな。 何かこの俺が自分の部下の調子を見逃しているとでも言うのだろうか。もしくは眼の前の貴方が心配性なだけかもしれない。 「ほお、そうかそうか。ちゃんと伝えておいてやる……。 今はあいつも混乱してるんだろ、そんな風に引っ込んでないで話しかけてやってくれ。 同じ寂しがりやだから、会えたほうがほうが喜ぶ」 自分と違って交流が広い彼女のことを思いながら頬を緩ませる。 出生からして貴方も彼女もこのファミリーを裏切ることも離れることもないだろう、だから更に微笑ましく思えて。 「それじゃあ、そろそろお暇しよう。時間を取らせた。 またなにか 聴きたいこと があったり金が借りたくなったら言いにこい。俺の貸す金は旦那の金じゃねえからな」 話の端々でわかったかもしれないが、男の取ってつけたようなプライドとこだわりの間には妙な甘さが残っている。 その上そこそこ誰かに、ここでは例の上司に貸しを作っていることも嫌なことであるようだったそうな。 (-581) toumi_ 2023/09/20(Wed) 13:06:00 |
【魂】 口に金貨を ルチアーノ「居なくなってないだろお、牢屋の中にも住所はあるぞ」 一体何を心配しているんだか。 捕まったあとのことは分からないが、貴方が見たり周りがなにかしてしまうんだろう分かっている。 そこまでして捕まえることにこだわってる理由がわからない。 「あー、そうだなあ」 期待がないと言ったら大きな嘘になるし、期待があると言ったら聞いてくるのだろうな。 それは困るんだ、言われてなってほしいわけじゃない。 「俺が大事にしてる幼なじみが何処かの誰かに暴力を振るわれていたら苛つくのは当然だろ」 「そんな単純な話だ。 俺はなあ……怒るのも喧嘩するのも得意じゃないんだ。 だから極々普通の表社会に住んでるご友人は、それらしく過ごしていてくれと月並みな言葉しか言えん」 「そう拗ねるな、全くお前は……」 貴方はまだ知らない。 ルチアーノの首にはもう古ぼけた首輪がつけられていることを。 それは今はまだ効力こそないが彼の精神を確実に捕まえている。 「俺は知ってるがな、その理由。イレネオも、ニーノも。 教えたら行かんでくれるのか?」 そして望んでもないそのことに男自身も気付いてはいないのだ。 (_14) toumi_ 2023/09/20(Wed) 15:37:32 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ「俺はお前のことを見くびっていたよニコロ。 思ったよりやんちゃして遊んでるのはそっちじゃないのか?」 適当につまめるもの、と言いながらここからここまでと雑に頼んだ。 面倒くさがりだ。酒も飯もここのは美味い。 しばらくして届いたグラスとボトル。 注いでやろうかとコルクを抜けばあなたの方へと注ぎ口を傾けた。 「 お勤めご苦労さま 。俺みたいなちゃらんぽらんと違って精が出るなあお巡りさん」 (-599) toumi_ 2023/09/20(Wed) 15:44:11 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ「俺も何処からも狙われる人気者らしいからなあ」 「しかし美人と色男天秤に乗せたら、そりゃあ美人に傾くよな」 何の話と言う訳でもなくただただ赤い液体と一緒に言葉を注いでいく。 機嫌は悪くない、もうこちらも片付けは済ませているから。 「ふーん……大変そうだねえ。 野良猫でも署内を駆け回ってるんじゃないかあ? ちゃんと捕まえてゲージに入れるか首輪でもつけてやらんと暴れるぞ」 (-602) toumi_ 2023/09/20(Wed) 16:16:04 |
【魂】 口に金貨を ルチアーノ「何を持っていなくなったと言ってるんだ……。その辺にいたさ」 住む家が変わって仕事を手に入れただけ。 やはり貴方は大げさだなと思う。 たしかに頻繁にあわなくなったし、連絡もかなりなくなったが。 「おう、やるときはやるぞ。弱くとも喧嘩は習ってる 殺していいなら殺すがそれをやると怒られるんでな。 どうしてもトラブルにあうなら撃ち殺してもいい奴に殴られろ」 そんな、無茶を言った。何が何でも殴るのは確定らしい。 「すまん、そいつは名前しか知らん。 実情には何も触れとらんのだ」 「俺はただ、調べ物が得意などら猫だ。 まあ会いに行くぐらいは好きにすればいいさ。 それでも変なやつに直接会いに行くな、今はほっとけ」 「執行役なんて奴らは全員 俺たち が片付けてやるから」 (_16) toumi_ 2023/09/20(Wed) 16:30:05 |
【魂】 口に金貨を ルチアーノ「お前は俺に負けず劣らず意気地なしだな……」 貴方はあまり感じていないようだが、男は自分の事をさほど高く見ていない。 「イレネオが狙われたのは目に余るから。 警察だろうとマフィアだろうと何でもかんでも私刑にする勢いだと俺も思ったね」 かなり簡略化したが、執行役が狙うと決めたのだ。 そうとう目に余ったんだろう。此方も覗いたものだ。 「ニーノは保護のためだ、悪意はない。 ただ巻き込まれる前に誰の手にも届かないところに連れて行った。 それこそ執行役なら止めるために、だ」 「これでいいか? ちなみにこの情報量は本来なら給料4.5ヶ月分貰ってる。 俺はお前が何でそっちの方を知ってるのかが気になるがね」 (_18) toumi_ 2023/09/20(Wed) 18:47:55 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 徒花 テオドロ「今なら本気で金を払ってやってもいいな。言い値で買おう」 無事を祈るような野暮なことはしないし、とやかくうるさく言うことも思いつきはしない。 ただ大怪我をされると勝手に友人面をして喧嘩をふっかけに行ってしまうかもしれない。 「……まあ文句は聞き入れられるかはわからんが? 他のやつよりは俺は融通がきくんでね、口説き文句だけ封じてくれるな」 考えれば考えるほど、共に歩いて話している姿は周りからどう映るのか見ものだ。 「お前ってやつは。 そうやって何人落としてきたんだが」 この瞬間だけは信じてもいいだろう。 何でもかんでも判定が甘くなって行く気もするが。 自分にとってはしばらく味わえない最後の長い息抜きだ。 だから、その手を掴むのはきっとまた違う形で。 たとえ何処へ行こうと、また知りにいってやろうとその日男は心のなかで決めたのだ。 (-640) toumi_ 2023/09/20(Wed) 20:04:00 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ「そんな大事なお方お断りだね」 酒は注がれながらくつくつと笑う。 貴方もそんなに調子が良くて良いのだろうか。 まあ、気にしたほうが今は負けかもしれない。 「……あーそうだテオドロのことだが。 別にお前のことは嫌いじゃないってよ」 直接聞いた訳では無いが、何が話すことはあったらしい。 (-644) toumi_ 2023/09/20(Wed) 20:19:03 |
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