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![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ取調室。 そこは最早男の定位置になりつつあった。捕まってからこっち、牢で暮らす時間よりもここにいる方が長いように思う。 嘆かわしいことだ。それはそれだけ、この国に悪人がいたということの証左で。 ため息を吐き、資料に印字された名前を見て眉を顰める。リヴィオ・アリエスト。それは男の先輩であり、同僚であり、善良な警察官であったはずの男の名だった。 そうこうしているうちに、ノックの音。 男は顔を上げて貴方を迎えるだろう。瞳にはかつて向けていたものとは違う、軽蔑の色。 貴方を連れてきた警官らにいつも通り会釈して。 さて。ほとんどルーチン化した作業。ペンで紙面を叩き、席に着けと促した。 (-492) rik_kr 2023/09/26(Tue) 2:17:31 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラガシャン。 突如、大きな音が響いた。 それは男が膝で机を蹴り上げた音。 痺れを切らした男が実力行使に出ようとした音。 「俺は。」 「選ばれたんだよ、ダニエラ。」 「正当な仕事を言い渡されてここにいる。」 たん。 たん。たん。 だん。 苛立ちの証拠。ペンの音が大きく、だんだん攻撃的になっていく。 迂遠な言葉は、それでも貴方の知りたい一端になったかもしれない。 「三度目だ。」 「それだけ答えろ。」 「事実か?」 (-493) rik_kr 2023/09/26(Tue) 2:24:25 |
![]() | 【秘】 リヴィオ → 幕の中で イレネオ取調室前に辿り着いて、一人の看守が扉を開ける。 中に入るよう促され歩けば、手元で冷たく重い鎖の音がした。 正直なところ、そこにいる人物に予想外だとは思わない。 だから、"いつも通り"、男は口を開いて。 「…やぁ、イレネオ。君に会うのは随分と久しい気がするよ」 無駄口。傍の看守から鋭い眼光を感じるが無視だ。 何もしていないとは言わないが、ここにいる人間に そのような視線を向けられる何かをしたとも言えない。 君の軽蔑の色も緩やかな微笑みで受け止めて、 促されるままに席に着いた。 男の顔色は良いとは言えないが、 収容所で死んだように眠っていた人物と同一だとは思えない。 ぱっと見てその形跡があるとすれば小さく跳ねた髪くらい。 勿論、近付けば見える額に滲む汗も、また。 (-494) sinorit 2023/09/26(Tue) 2:37:31 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ男は考えている。貴方の扱いを。 それは酷く傲慢で横暴な様だ。男に課された目的は尋問であり、自白の強要であり、こんなお遊びではない。 男は貴方と違う。何も薬剤を投与されているわけではない。 今は。 それでも脳を染めていくのは心地よい、奇妙な万能感。目の前の貴方を自分は好きにできるのだという勘違い。 もう一突きもすれば崩れるかな。 力の抜ける貴方の手を感じて男は思う。 何が? 貴方の理性。何のために? 何の────そう、問いの答えを得るために。 問いって? なんだっけ。 まあいいか。 片手は貴方の背中に添えている。 貴方が暴れたから、机の位置は少し遠くなった。 それを認めて、男はうん、と頷いた。 ▽ (-496) rik_kr 2023/09/26(Tue) 3:27:28 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ貴方の身体を机の方に倒させる。 そうすれば背がそこに乗るだろう。男の手による支えはいらなくなる。背中を机に支えられ両足を床に着く姿勢。半端なブリッヂのような姿勢、で伝わるだろうか。 自由になった両手をあなたの身体の両側に着く。さあ、こうすれば貴方は逃げられなくなる。 そうして、そのまま。 身体を添わせるようにして、男は貴方に自らの影を重ね。 これまでもそうしてきたように、 貴方の唇に、自身のそれを重ねようと────勿論、貴方の抵抗がなければの話。それでも男は正気だった。 悪法に身を委ね、狂法に賛成し、その手先となっても。 男はずっと正気だった。これは真面目な警官だ。 正気のまま、貴方を辱めている。 (-497) rik_kr 2023/09/26(Tue) 3:27:43 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ「…あは。」 大きな音。女は肩を竦めた。 「選ばれたあ」 「ふうん」 怯むことなく、間延びした声。 いつも通りの笑顔。 笑うのだけは、得意だった。 ぱた。 ぱた。ぱた。ぱた。 「正当な仕事……ああ。」 「つまり、 これ のことですかあ。」「大変ですねえ。イレネオさん」 「何人くらいとお話したんですう?」 「もしかして、ここに来た人全員ですかあ?」 「忙しそお。」 ひとつ答えるとまた次が湧く。尋問とはそういうものだろう。 女は決して尋問をしているわけではなかったが。 また楽しそうにけらけらと笑う。これは必要な事だから。 ………ほんとうは、こわい。すごく。 けれど本心なんてひとつも見せず笑うのだけは、女は得意だった。 (-503) oO832mk 2023/09/26(Tue) 5:37:44 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 幕の中で イレネオ「……? おー。そうだな」 男は大体の懲悪勧善主義は五月蠅い御託を並べるものだと思っていた。 しかしそれは単純明快かつ、自分の問いとはまったく噛み合わず、されど理解が出来てしまった。 この男、一体どこの忠犬なのかと。警察に所属しているのではなかったのか? それにしても、こんな人間早々いないだろうとも思った。 不遜であることも倫理観からして承知だが、 ここ数日で人間らしくない人間を連続で見てしまって感覚が麻痺してきていた。 教えられた通りのことを信じて疑わず、一途にその手をふるって裁きを下す。 本当に、似たものばかりが集まっているのかこの煮凝りのような牢獄は。 「この国をめちゃくちゃにした輩がのうのうと暮らすのが悪い。 ここにきて罰を受け自分が悪人であると、わからなければいけない」 「そこに償いは? 罰を受けた後は赦されてもいいんじゃないか」 「お前、――自分が悪人でないと思っていないか。 世間はお前を罰を受けて償いをしなければいけない存在だと捉えている。 そして、俺も、ここに入るべくして入った輩だと思っている。 思想が違う人間皆悪人だなんて言わないよな」 (-505) toumi_ 2023/09/26(Tue) 5:51:05 |
![]() | 【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオふうん、と鼻を鳴らして。 「アリソン女史のことか? まぁ昔の知り合いだね」 にやにやとした笑みを崩さず、答える。 「彼女は面白いヤツでな、三日月島の朝焼けが好きだというんだ。 ずっとこの島にいるとそういう気はしないもんだし、 ノンキに海を眺めるなんてこともそうないんだが… そう言われて海を見てみると、不思議と今まで見たことがない景色だったような気にもなる。 ヤア、そうなると、心持も違ってくるというものだ」 ぽろぽろと零れ落ちるように、 捜査に役立ちそうなにもないことばかり。 「だが女のことをどんくらい知ってるなんて、 紳士的に見ればあまり話すべきじゃないしなあ。 残念ながら好きな下着とかスリーサイズは知らないよ」 (-508) gt 2023/09/26(Tue) 6:21:41 |
![]() | 【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ男は既に、薬で意識が朦朧で それでも理性を保っているのは 他でもない弟妹と、守らねばと決めた人の為。 何かが違う気がする…けれどそれがきっと一番。 けれど、目の前の男が何を考えているかだとか そんな事を考える余裕は最早なかった。 されるがままに、力が抜けるままに机に倒されて 顔が近づいてようやっと、何をされそうか気付いた時には その唇は重なっていただろう。 「ッ…!」 女程ではないにせよ、柔らかい感触を感じて 最後に出来た抵抗は、唇を引き結ぶことのみだった。 (-519) ぴんじぃ 2023/09/26(Tue) 8:35:14 |
![]() | 【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ一撃は確かに貴方の頬を捉えた筈だった。 されど──首元の圧迫感は変わらぬまま。 「────ッ」 ならばその手を離そうかと指先を動かそうとしたところで。 あ、だめだ、 先程の一撃で痛みが酷く言うことを効かない。足掻こうとした最中にも真っ直ぐとぶつけられる。 所以の分からない激情が、憎悪が、怒りが。 その理由を知りたいと望んだところで……もう、遅いのだろう。 ────くらり。 「…………ぁ、」 大した音は漏れなかった。 ぷつんと電源が切れたみたいに。 男の身体から力が抜ける。 がくんと首が傾く。 先に限界を迎えたのはこちらの意識だった。 名を呼ばれても、痛みを与えても。 しばらくはぴくりとも反応しない。 気を失った男は、ただの物同然となることだろう。 全てを手放すその前。 怒りと敵意の渦巻く奥底に未だ見る。 あなたの隣人で居たかった、などと。 悲しみを抱く弱さは、 矢張り警官に向くものではないのかもしれない。 (-524) mspn 2023/09/26(Tue) 9:52:56 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ首を傾げる貴方。それに、こくりと頷く。 理由については説明しづらいのだろうか。何も追及してこない貴方に甘えて、それ以上口に出すこともなく、ただ大人しくしている。 誰にも言うつもりはなかった。 強い意志で隠していたのではない。単に、必要なかった。 誰にでもあるだろう幼少期の記憶。そのひとつ。 かさついたあたたかい手に撫でられた想い出。 その人だけが、自分をそう呼んだ。 いい子で待てたら、と言われればそれにも小さく頷いたはずだ。 少し俯いたまま、少し視線を逸らしたまま。それでも安心したように、表情を緩めてはにかんだ。 それは、 勇気を出して渡した宝物を、 受け取ってもらえた子どものような。 そんな顔だった。 ▽ (-543) rik_kr 2023/09/26(Tue) 12:46:00 |
幕の中で イレネオ(匿名)は、メモを貼った。 ![]() rik_kr 2023/09/26(Tue) 12:47:53 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノそうして、続く言葉にもう一度頷いて。 「ありがとうございます。」 ようやく目を合わせた男は、憑き物が落ちたようにすっきりと言った。 それは先の約束へのものに聞こえたかもしれないし、単に差し入れに対してに聞こえたかもしれない。 最後にひとつ、名残を惜しむように肌を撫でた。それだけ。 引き留めることはせずに、貴方の背を目で追って見送った。 (-544) rik_kr 2023/09/26(Tue) 12:48:45 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ強い腕が貴方を引き寄せる。 それは何もロマンチックな話ではない。場合によっては暴行と呼ばれる点でのみ共通する。 隘路に潜む獲物を引きずり出し、己に有利な状況に持ち込むように。 貴方が連れ出されるのは、先程よりは広い路地だ。 ぶつかっただろう。倒れ込む形。 そうして捕まった。 「逃げたな。」 暗い夜の路地裏。暗い色をした衣服を着た長身の男。 端的な一言は、まるで悪役だ。 「ノッテファミリーか。」 「仕事帰りか? 臭うぞ。」 (-545) rik_kr 2023/09/26(Tue) 12:56:47 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ「そうですね。」 犬は受けた恩を忘れない。 貴方が自分の先輩であったこと、共に働いたことを忘れているわけでは当然ない。 だから一層嘆かわしい。だから一層恨めしい。だから一層憎らしい。 「俺も会いたくなかったですよ。」 そう言った言葉に、実際どれ程の感情が籠っていたのか。 男のかんばせに傷心は浮かんでいない。ただ冴えて冷えた蔑みだけがあった。貴方も見たことがあるかもしれない、それは男が悪人に向ける顔。 こん。 こん、こん。 響く音はここ数日で癖になったもの。 しかし男は、この仕事を、作業にしてはいなかった。 (-548) rik_kr 2023/09/26(Tue) 13:14:42 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラばん。 音。大きな音。 それは男が机を叩いた音。 単純な威圧。分かりやすく、安直な。 「ダニエラ。」 これで、貴方が止めないなら。 それは慈悲だ。男の────善性と言うのは乱暴か。 それでも、ここが境界。越えさせれば、貴方は傷を負うことになる。 男はまた、椅子を鳴らして立ち上がり。 貴方より長いリーチをいいことにして。 その襟元を、締め上げるように掴むはずだ。 (-549) rik_kr 2023/09/26(Tue) 13:28:47 |
![]() | 【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ倒れ込んだ先。 自分の手を掴んで引き込んだのは、助けに来た"家族"なんかではなくて。 先程、自分に探りを入れた男。 やっぱり全部聞いてたんじゃない。と舌打ちでも出てしまいそうだ。 「逃げて当然でしょう。電話の内容を不躾に尋ねた上で、かまをかけてくるような男。信用ならないもの」 口では余裕ぶってそう言うものの。 ぐ、と掴まれた腕を振りほどこうと力を込める。 「離して」 「あなたに話したことが全てよ」 冷や汗。 冷静を装ってこそいるが、あなたの前にいることは自分に得がないと分かっている。 知らない振りでまだ、やり過ごせやしないだろうかと。 広い路地の、逃げ道を探る。 暗がりに目を凝らすその時間は、明確な隙になるだろう。 (-550) otomizu 2023/09/26(Tue) 13:29:30 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 口に金貨を ルチアーノ男は警察である。模範的で、至極真っ当な警官である。 真面目だから法に従う。 真面目だから忠実でいる。 その病的なまでの生真面目さを育んだのは誰だったのだろう。 さて。 貴方の言葉に対し、男は片眉を持ち上げた。 心底意味が解らない。 それは、そんな表情。 「罰なんか受けちゃいないだろう。」 「ここは留置所だぞ。刑務所じゃない。」 連日に渡って振るった暴力は、何も裁きのためのものではない。 それは手段だった。任務を遂行するための。仕事に熱心な男の、ただの仕事の一部だった。 私刑の意図など毛の先程もない。 「そうだな。受けた後ならいいんじゃないか。」 「それがどうした?」 お前は何を、当然のことを。 そう言いたげな声音は、男が心からそう考えていることの証左だった。 この男は、法に忠実だ。 法がそう裁いたなら、ひとつの文句も出しはしない。 法がそう裁いたなら。 (-551) rik_kr 2023/09/26(Tue) 13:47:16 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡「そういう話は聞いていない。」 にやついた笑顔、対していつも通りの渋面。 聞きたいのは思い出話でも、女の趣味の話でもない。 「どうしてお前が知っている?」 「彼女の……話は」 「極秘事項だったはずだが。」 彼女の素性。彼女の献金。彼女の交渉。 それらは全て、署長代理との間で行われた物のはずだった。 マフィアである貴方が知りようはずもない。 この男でさえ知らない話だったのだ。あの日まで。それもまた、気に食わない。 「どこで繋がった?」 「どういう話をしたんだ。」 彼女の行動にマフィアの息がかかっていたら。 それを探れ。主人の命令だ。 搦手の使えぬ男には荷が重いだろうに。 (-553) rik_kr 2023/09/26(Tue) 14:15:12 |
![]() | 【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ「どうしてだと思う? ……というか」 器用に手錠をしたまま、頬杖をつく。 ここに看守がいれば態度が悪いと指導をしただろうが、 ここには今あなたしかいない。 「そこまでいけば、簡単な話だと思うがね。 ──聞いてねえのか? 飼い主から」 答えはすでにそこにある。 少し意外そうな顔をして、尋ねた。 (-554) gt 2023/09/26(Tue) 14:21:02 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロここまでしておいて。 こうまでしておいて。 それでもなおこの男は、 貴方に欲情していない。 これは欲からくる行為ではない。 眼鏡が邪魔だ。 気付いて寸前でそれを外せば、貴方が唇を引き結ぶ最後の抵抗が見えた。 死にかけのうさぎのようなささやかなそれに、口角が上がる。 ▽ (-557) rik_kr 2023/09/26(Tue) 14:51:51 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ一度。 唇を重ねる。押し付けるような、触れあうだけのそれ。 同時に男は手の位置を移動させた。貴方が逃げないことを知って閉じ込めるのを止める。片手は貴方の頭に回る。 具合を確かめるようにもう一度。 「口」 「開けましょうよ」 片手は貴方の下肢に回る。 直接は触れない。付け根を撫でるだけ、けれど。 声ひとつが漏れれば、滑り込ませる隙はある。 (-558) rik_kr 2023/09/26(Tue) 14:52:08 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノこれはその後の話。 気を失った貴方の姿に、これは大きく舌を打ち。 けれどその身体を、手酷く投げ捨てるなどということはしなかった。 ゆっくりと息を吸う。 それを長く吐く。 そうして目を閉じれば、そこにあるのはいつもの顔。 冷静で生真面目で四角四面で、正義漢のイレネオ・デ・マリア。 貴方を椅子に座らせて、男は落ち着いて人を呼んだ。 やはり体調が悪い。 治療を優先するように。 男が貴方にしたことは、それきり。 きっと、もう会うこともないだろう。 男にとって、貴方は隣人であった。 それでも、しかし。 隣人を須らく愛するほどには、 男は情深い人間ではなかった。 (-559) rik_kr 2023/09/26(Tue) 15:22:00 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ「…なんですかあ。」 「いいじゃないですかあ、別にい」 「あたしは」 「イレネオさんをおもって、言ってるんですよお」 間延びした声で、女は述べた。 女にとって、必要なことを。 そしてあなたにとって、不必要なことを。 ――つ、と一瞬。呼吸が奪われるのはその頃か。 そんな状態で、女の口許はやおらに弧を描いた。 「…もういっかい、聞きます、けどお…、」 絞り出すような声。 塞がれた両手が抵抗を許さないから、そのままの姿勢で。 「 これ 、何人くらいに、したんです、かあ?」なんの危険も感じていなさそうに振る舞う。 こわい。こわい。こわい。こわい。でも。…でも。 (-561) oO832mk 2023/09/26(Tue) 15:36:35 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ「離すと思うか。」 「全てなら尚更。」 焦った様子の貴方に対して男は高揚を見せない。 これは仕事である。これは責務である。これは使命である。 男の楽しみはそこにない。これから齎されることにもまた。 単に遂行する。過剰なまでにやり遂げる。これは法の犬だ。 隙を、見せてはいけなかった。 がん。 足元に衝撃。払うように一閃すれば貴方の身体は宙を舞うだろうか。そのまま地に叩きつけられるだろうか。 一瞬動きが止まってくれればいい。その一瞬、男の四肢が自由になったなら。 次の瞬間にはより有利な体制に持ち込める。貴方の四肢を上から抑え、携帯を取り上げて────顔認証でもあれば、解除は楽なのだが。 (-562) rik_kr 2023/09/26(Tue) 15:37:34 |
![]() | 【秘】 リヴィオ → 幕の中で イレネオ「おや、君は誤解しているようだ。 俺は別に、 会いたくない とは言ってないだろ?」あぁ、でも君は そう なんだな。微笑みを崩さないまま、翠眼を細めて君を見ている。 「…さて、ひとつ君に先に伝えておこうと思うんだが。 俺は 銃の所持以外に疑われることは何もない 。上が何を考えて俺を呼んだのかは分からないが……」 「……俺を嫌いなあの狐目の警部補先輩が、 俺を貶めるためだけに銃をかっぱらってきた」 それだけが事実だ。 勿論、その後に手元に置いていた事実も認めよう。 現物は出頭時に渡しているからね、直ぐに分かるはず。 手錠で縛られた両手を軽く揺らして、 君がどう反応を示すのか待っている。 これで済むなら、君はここに居ないんだろうが。 (-567) sinorit 2023/09/26(Tue) 16:06:03 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡金属のぶつかる軽い音と共に貴方が姿勢を変える。 それに男は少し身を引いて、僅かに顔を顰めた。 言っても無駄だということは何度も噛みつこうとして知っているし、敵意のない行動をいちいち咎めるのは正義に反する。 顔を顰めるだけ。歯をかち、と鳴らしただけだ。 男は何も知らない。 何も教えられていない。 この男は、過激派一派にとって一員ではない。 足切りが効く程度の駒。 放てば走る忠実な猟犬。 加えて、その一派もまた一枚岩ではない。 指令は、常に最上から最下層に下るわけではない。 鳴らした歯を不機嫌そうに噛み締めて男は黙った。 この男は、そう頭がいいわけではない。 思考するより行動する方が余程得意だ。 おまけにこの歳まで来た頭の固さ。 加えて世の中の複雑さを知らぬ純粋培養。 簡単に導けるはずの答えは、偏見に阻まれて出てこない。 (-568) rik_kr 2023/09/26(Tue) 16:09:08 |
![]() | 【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ「………はー。 ほんと、なんだかな。 おまえら、もうちょい互いに信頼したほうがいいんじゃねえの」 頬杖をついたまま、かちゃり、と音。 指があなたのほうをむいて。 「お前の飼い主が近く、公表するさ。 それを待てよ。 俺から聞くより、よっぽど信じられるだろ? 俺も何度も同じこと話したくないんだわ、お前ら警察に」 それを知らないふりをして、投げやりに答える。 『そうでない』と認めるのなら、話してやるよ─と言外に。 で。と、続け。 「他には?」 (-569) gt 2023/09/26(Tue) 16:19:33 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラさあな。 とは、言わなかった。 男の腕が貴方の呼吸を奪う。 命まで取るつもりはない。そうすれば貴方は話せない。だから、 ばちん。 頬を打つ音がまず、ひとつ。 一番単純な、一番簡単な、暴力のかたち。 衝撃は貴方の顔にどれくらい伝わったか。 少なくとも横向くくらいはしただろう。それを無理矢理正面に戻させる。 「五人目だよ。」 「お前でな。」 男は真面目な警官だった。 職務に対して真摯だった。 だからこそこの取調べも、 流れ作業にはしていない。 一人一人に対し、きちんと向き合っている。 「一言で答えろ。」 「まだ許してやる。」 「マフィアを幇助する目的でA.C.Aの情報を売ったのは、事実か?」 (-570) rik_kr 2023/09/26(Tue) 16:26:56 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ「拘留者同士で罪の擦り付け合いですか。」 こん。こん。こん。 「嘆かわしいな。」 「警察はいつからこうなったんだ。」 こん。こん。こん。 「お前には。」 「マフィアの内通者である、と。容疑がかけられている。」 貴方の口から出る以上の事実を男は求めている。 話せ、と単調な音が急いた。 (-571) rik_kr 2023/09/26(Tue) 16:40:14 |
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