08:48:25

人狼物語 三日月国


77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


プロローグ

【人】 マモノ

 
オイ、そろそろ慣れたかよ?
 
(0) 2021/06/15(Tue) 8:22:03
村の設定が変更されました。

到着:幸せな花嫁 シーナ

【人】 幸せな花嫁 シーナ

 
……ええ、おかげさまで。
 
(1) 2021/06/15(Tue) 8:25:45


天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
2021/06/15(Tue) 8:31:38

幸せな花嫁 シーナは、メモを貼った。
(a0) 2021/06/15(Tue) 8:32:02

村の設定が変更されました。

村の設定が変更されました。

到着: 水分神

到着: 龍之介

【人】 水分神

 
[村を見下ろす山の頂。

 澄んだ湖の中心にぽつりと浮かぶように
 大きな屋敷が構えられている。

 山の神、そして水の分配を司る神として
 信仰されている種族が
 人の世で過ごす際に棲まう家だ。

 姿形はヒトに良く似ているが
 ヒトではない。

 彼らは人々から
 ミズガミさま、ミクマリさまと呼ばれた。*]
 
(2) 2021/06/15(Tue) 9:34:05
到着:鬼 紅鉄坊

【人】 鬼 紅鉄坊



千だ
私が娶るのは、あの子にする

[ 低くも穏やかな声と裏腹、
 その紅い片目は冷ややかに目の前の人間を見下ろしていた。 ]
(3) 2021/06/15(Tue) 9:49:42

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 幾度も村人が落ち着きなく振り返る短い石段の先にある木製の門は、
 すっかり朽ちて見窄らしく、そして腐り果てている。
 彼が訪れているこの建物の屋根も、
 遠くから見ればところどころ穴が空いていることが分かるだろう。

 廃寺は山の比較的低地、村から近く開けた場所に存在する。
 それでも役目を果たしていない屋根から、
 今は閉ざされていない入口から光が届いていないように見えるのは
 空を覆う五月雨の鈍色のせいだけではなく。 ]
(4) 2021/06/15(Tue) 9:50:02

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 小さな寺の、人間の寸法で作られた戸は狭い。
 少し身を屈めて尚、村人の視界は殆ど覆われているのだ。

 日に焼けた農夫とも違う浅黒い肌、右半身に目立つ焦げたような跡。
 捻れた四本の角が人道を外れた存在であることを示している。

 此処は神にも人にも見放された土地。
 清浄をとうに喪った寺には、鬼が棲まう。]
(5) 2021/06/15(Tue) 9:50:49

【人】 鬼 紅鉄坊




聞こえなかったのか?

お前たちが幼き頃から閉じ込めているあの子の名前だが?
それとも、知らないとでも思ったか?

[ 語気が強まるのはこの鬼にとって珍しいことだった。

 人と妖怪とが契った古の約束に従い、
 この季に両者を仲介し輿入れを見届ける役目。
 山の妖怪の中でも優れた腕っぷしだけではなく、
 人間と平穏に関われる気質を持ってあるから担えるもの。

 ぎり、と頭上から聞こえる音に村人が小さく短い悲鳴を上げた。
 怒りを露にする程に、口にした名に思うことがある。 ]
(6) 2021/06/15(Tue) 9:51:06

【人】 鬼 紅鉄坊




貴様らはさとの遺した子を、鬼の子などと呼び──**
(7) 2021/06/15(Tue) 9:51:29
到着:鬼の子 千

【人】 鬼の子 千




 今、なんて言った?

[訪問者に一切の興味を示さず読み耽っていた書物を無造作に放り、床に積み上がる他の一部とした。

そうして千は、両者の間を分かつ木製の格子に齧りつく勢いで顔を近付ける。
随分と日に当たっていない、幽鬼じみた肌に色素の失せ伸びっぱなしの髪、よく似た白い、しかし質は良く見える無地の着物。
爛々と輝く目の下の酷く目立つ隈だけがこの座敷牢の薄闇に見合う色をしていた。]
(8) 2021/06/15(Tue) 9:53:00

【人】 鬼の子 千



 ひひッ、そりゃあ随分と酔狂な鬼様だ
 ……俺も流石に驚いた

 しかしなァ
 鬼子が鬼に輿入れなんて、ひひひひッ!傑作じゃねえの!

[仰け反るように退く訪問者の、忌々しげな悪態を気にする様子も無く。
腹を抱えて笑い始める。酸素を求めて薄い胸が上下するまで、それは続いた。
首も身体も痩せて細い、しかし男であることは見目から声から明白。]
(9) 2021/06/15(Tue) 9:54:13

【人】 鬼の子 千



 いいねぇ、楽しくなってきたよ
 あんたらも厄介者を捨てられて万々歳
 誰も損しないなんて最高だ、なぁ?

 ……自分の手は汚したくない、それがこの村だもんな?

[一時細められる声は、囁くように態とらしい優しさを持って響く。
嗜虐じみた感情が、思わず逸らされた相手の視線を追う白い顔に浮かんでいた。]
(10) 2021/06/15(Tue) 9:54:28

【人】 鬼の子 千



 紅鉄坊、紅鉄坊ね……

[人には慣れない作りの名前を幾度も呟き、さも甘美な飴玉を舌で転がす如く笑む。
もう相手のことは興味の外へ追いやり、拾い上げた書物の背表紙を意味も無く撫で見つめる。
そうして此処からは遠い、村を取り囲むようなあの山に思いを馳せている。

再び空間が闇に閉ざされても、その声は暫く途切れることは無かった。**]
(11) 2021/06/15(Tue) 9:54:48
鬼 紅鉄坊は、メモを貼った。
(a1) 2021/06/15(Tue) 10:01:11

鬼の子 千は、メモを貼った。
(a2) 2021/06/15(Tue) 10:03:26

鬼の子 千は、メモを貼った。
(a3) 2021/06/15(Tue) 11:55:23

到着:『 大蛇 』 ラサルハグ

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




      
  ラサルハグ

      『 大蛇 』の起源を語るため

         話は一度、数千年前へと遡る。



(12) 2021/06/15(Tue) 12:29:24

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   『 大蛇 』はとある魔術師が研究の為に
   生み出した存在であった。

   後に医学の神と呼ばれるその魔術師は
   世界に医術という救いを吹き込んでいき、
   隷する『 大蛇 』は魔術師に付き従うように
   救われる人々をその蛇目に焼き付けていく。

   世界が救われるその様をただ静かに見届けた末。
   英雄とまで謳われた魔術師とその下僕は崇められ
   いつしか『 大蛇 』は医術のシンボルとなり、

   人々は『 大蛇 』に祈りを捧げるようになった。

   

(13) 2021/06/15(Tue) 12:38:11

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ





   しかし後世には決して語られないだろう。

   祈りを捧げる人々の骨の髄の一片まで
   『 大蛇 』が冷酷な目で見下げ果てていたなど。



        『 大蛇 』の怒りなど、決して―――。**





(14) 2021/06/15(Tue) 12:41:46

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ


   

  『 大蛇 』は人々を蔑如した。




       医術を吹き込む魔術師を全ての人間が
       受け入れることなど起こるはずもなく、
       懐疑的な目を向けた者も少なくはない。

       石を投げられ頭から鮮血を流す主の姿も
       『 大蛇 』の脳裏には焼き付いている。




   しかしどうしたことか。
   我が主をペテンと切って捨てた者達まで
   『 大蛇 』に祈りを捧げ、崇め始めたのだ。
   主の受けた心の傷が癒えることはない。
   にも関わらず己は傷が癒える事を祈るのだ。




       それは『 大蛇 』にとって
       怒りを感じるには充分すぎる光景だ。




(15) 2021/06/15(Tue) 13:42:33

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   怒りに心を焼かれた『 大蛇 』は、
   ある時ついに人々に鋭利な鉄槌を下した。

   初めて口にした人間の血肉を
   口に入った砂のように吐き捨てる。
   噛み砕いた骨は美味とは程遠く、
   立ち上がる悲鳴の嵐は怒りを更に掻き立てる。


   人々の祈りを絶望に染めるかの如く
   幾多の人間が『 大蛇 』の犠牲となり
   世界は髑髏で溢れかえっていった。


   そんな悲劇がきっかけかそれとも否か。


   今では『 大蛇 』は医術のシンボルと同時に、
   人間を喰らう化け物とも伝えられるようになった。

   


(16) 2021/06/15(Tue) 13:48:02

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   しかしながら世界を救ったのはまたも英雄。


   『 大蛇 』を諭し、その怒りを鎮め。
   犠牲となった者達を医術を駆使しながら
   この世界へと蘇らせていく。
   それが神の怒りを買う禁忌だと知りながら
   英雄は一切の躊躇いすら持ちはしない。



   その器の広さを目の当たりにして、
   『 大蛇 』は主への忠誠を再度胸に刻む。


   そうして事態は終息を見る.........はずだった。



(17) 2021/06/15(Tue) 13:54:16

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   それから間もなく。



     『 大蛇 』の主は神の矢に裁かれた。



   冥土に送られる魂達を蘇生させた罰として

   その命は贖罪のV犠牲Vとなり
   その魂は、いつしか星となりて


            主は今ではこう呼ばれている。



(18) 2021/06/15(Tue) 13:56:41

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ







        
Rasalhague

      『へびつかい座』と。






(19) 2021/06/15(Tue) 13:58:26

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



 ***


   『 大蛇 』は主と別れた後、世界を渡り。

   それからというものの。
   数百年前からずっと辺境の地にある
   洞窟の中で今なお、在り続けていた。

   それはいつから在ったのだったか。
   少なくともここを訪れた時にはなかったはずだ。


   周辺には小さな村が在り、森林が恵みを運んでいる。
   

   それは楽園エデンに生きる神達の真似事だと
   『 大蛇 』は酷く侮蔑の感情を覚えていた。


   
(20) 2021/06/15(Tue) 14:00:22

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ





     そんな小さな村と『 大蛇 』の間で結ばれた
     あの歪な協定が己の運命を大きく変えるなどとは。


       ――― 『 大蛇 』は未だ知る由もない。**


(21) 2021/06/15(Tue) 14:03:33
『 大蛇 』 ラサルハグは、メモを貼った。
(a4) 2021/06/15(Tue) 14:15:39

到着: ソフィア

到着:将軍 かんぅ

【人】 将軍 かんぅ



[かんぅはまだ16(40)歳だから]
 
 
(22) 2021/06/15(Tue) 19:42:49

【人】 将軍 かんぅ

[かんぅがその話を聞いたのは
狩りの帰りに立ち寄った村であった。数人の部下とともに訪れた其処は嘆きに溢れていた。若い娘が一人生贄にされるのだという。その魔物が生贄…花嫁を求めたのは初めてらしい。だが、何時か輿入れが来る事は語り継がれてきた話。

矢に当たったのは老夫婦の娘だという。
水を貰い、腰を下ろした椅子より
悲嘆にくれるその娘を目にかんぅは]
(23) 2021/06/15(Tue) 19:43:39

【人】 将軍 かんぅ



 …このかんぅが参ろう。


[国随一の将軍の言葉に村の者たちは目を見開いた。
部下たちが、突然何を。と驚く。傲慢さが聊かあるものの、清廉潔白。無敗の将は民に優しい。娘の境遇に心を痛めたのだろう。どよめく民衆、部下たちに再度かんぅが告げる]
(24) 2021/06/15(Tue) 19:43:59

【人】 将軍 かんぅ




 このかんぅが魔物に嫁ごう。



[――そして、輿入れが決まった。]
(25) 2021/06/15(Tue) 19:44:32

【人】 将軍 かんぅ

[とはいえすぐに嫁ぐ訳ではなかった。
まずは用意が必要である。部下たちには自らが魔物の花嫁になることを主に告げる筆を取った。部下たちが反対をしたこと、自分を止めきれなかったことは罪ではないと、懐の刀を持たせ、これを今生の別れとせよ。と告げれば
村娘の為に自らの命を投げ出す将軍に
部下たちは男泣きをした。

どうかご武運を。と部下たちは口々にいう。
中には供をと望むものも居たが、其れをかんぅは断った]


 よい、かんぅにはこの青龍偃月刀がある。


[それにちょうひぃ。もいる。
将軍の部下たちは説得をあきらめたのは一度決めた事を将軍が曲げぬことを知っていたからである。先の戦で国には平穏が訪れ、民たちは平和を享受している。その中で魔物に怯える村があるのを将軍は許せないのだろう。

そう考えて、心に決着をつけ
去っていったのである]
(26) 2021/06/15(Tue) 19:50:49

【人】 将軍 かんぅ

[部下を見送り
纏ったのは、花嫁衣裳。
娘が着るためにと用意された其れは、腰回りどころか、色んな処がきついのを村の女たちが必死に繕い、伸ばして伸ばして大きくしてくれた。このようなものしか用意できない事を申し訳なさげな村のものたちに、よい。と告げたかんぅはまさに将の器であった。


村人たちから出立の宴を催され
細やかだが祝い水を飲み
かんぅ、40歳。青龍偃月刀を片手にいざ嫁ぐ。]
(27) 2021/06/15(Tue) 19:51:28

【人】 将軍 かんぅ

[ご指名の場所。
山の奥、滝の前へは一人でやってきた。ついていきたがる村人たちに何があるやもしれぬと告げて青龍偃月刀を手に。心に弟ちょうひぃを抱えてである。民を思う将軍の気持ちに村人たちはみな涙した。貴方の名は末代まで語ります。という言葉に、そのような気遣いは無用だ。と返し。

花嫁衣裳で山を登った男は今、滝の前にいる。
大きな滝を仁王立ちで見つめ
肩に青龍偃月刀をかけて]


 頼もう―――。



[何処にも怯える花嫁らしさはなく
堂々と『婿殿はどこである』と言ったのである*]
(28) 2021/06/15(Tue) 19:54:41
将軍 かんぅは、メモを貼った。
(a5) 2021/06/15(Tue) 19:58:37

【人】 『生贄の女』 ソフィア

 

  化粧を施し、身を華やかな布で着飾って。
  こんな姿になったことなんて一度もないものだからか
  支度を手伝ってくれた友人は
  うるうるとした瞳で私を見た。


   「 ……泣かないで、大丈夫よ。
     私は大丈夫。 だから、ね。 」


  慰めの言葉をどう感じたのか。
  ぎゅう、と私を抱きしめてくれる手に、
  私の目だって潤んできてしまう。

  それでも、涙は落とさない。
  流れ落ちれば折角塗った化粧が崩れてしまうし
  なにより、今は悲しむ時では無いから。
 
(29) 2021/06/15(Tue) 20:00:57

【人】 ソフィア

 

  ─── この村の近くには、生と死を司る神様がいる。

  物心がついてまず教えられるのはその事だ。

  敬えば恵みを与え、侮れば罰を下す。
  日々糧を得られるのは神様のおかげ。

  大人たちは教えを信じ、
  日々神様に感謝して生きている。
 
(30) 2021/06/15(Tue) 20:02:26

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  そんな世界を疑問に思った私は
  きっと変わり者だったのだろう。
  
  本当に神様なんているのか。
  どうして毎年一人、
  神様に連れていかれなければならないのか。
  罰なんて本当にあるのか。

  ……だから私は、神様に会いに行こうと思ったんだ。
  
  
── ▷ 森の中  ──   

 
(31) 2021/06/15(Tue) 20:03:56

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  神様が居ると言われている場所へと向かうため
  幼い私は森の大変さも知らず
  闇雲に探すという困難さも知らず。
  気軽な気持ちでその迷宮の中へと入っていった。

  最初は意気揚々としていたこと。
  木の根によりでこぼことしている地面や
  動物の鳴き声を気にせず進んで。

  しかし、次第に疲れは蓄積し。
  どれだけ歩いても見えない目的地に
  ついに適当な木の下に座り込む。
 
(32) 2021/06/15(Tue) 20:05:00

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

   「 ここ、どこだろう。
     どこにいるんだろう、神様。 」


  森の中、ひとりぽっちで呟いた。
  誰にも聞かれることはきっとないまま
  縮こまって暗くなる世界から目を逸らした。**
 
(33) 2021/06/15(Tue) 20:05:21
『ただの子供』 ソフィアは、メモを貼った。
(a6) 2021/06/15(Tue) 20:11:09

到着:白竜 ヤオディ

【人】 白竜 ヤオディ

そうだな。歳の頃は16くらいの。
 若い娘がよいぞ。
 よろしゅう頼む。


[たまたま自分の棲まう滝の側にいた村人に声をかけたのは気まぐれだった。
村人にお願いしたのは、しごく簡単なこと……と本人は思っていた。
若い娘を一人話し相手としてよこしてほしいというのは、そんなに難しいことでもないと思われたからだ。
ただ単に、女人の友人なるものが自分にはいなく、神仙の身、異界の者での知り合いは男……雄のみで。

自分ももういい歳なのだから、少しは女人なるものを身近におき、知っておこうという好奇心と、ちょっぴりの下心がそこにはあるだけだけだった]
(34) 2021/06/15(Tue) 22:23:38

【人】 白竜 ヤオディ

[問題だったのは、自分が恵の雨を降らし、実りを与えるという存在として、その地域に神のように崇められている存在であったことだった。

その望みをきいた人間によって彼の意図を曲解されてしまったのだ。


単なる友達が欲しいとお願いしたつもりだったのに、それが伝言ゲームのように伝えていくうちに、竜神様は花嫁をご所望という話になり、それが花嫁という名の生贄となり……。

その伝言を聞いた日から、村は葬式のような重々しい空気が流れていたが、そんなことは白竜様は知らない。
そして、一人の漢が名乗りを上げたことも知らず。

ヤオディの元に花嫁が参りますという通達が届いたのは、断ることもできない当日の朝であった]
(35) 2021/06/15(Tue) 22:24:52

【人】 白竜 ヤオディ

 え? 嫁?
 そんな、余はそのようなことは申しつけてはおらぬ。
 ただ、おなごの友達がいればよいな、と思っただけだったのになぁ〜。


[もじもじ、と裾の縫い目を指先でいじいじしている水を司る白竜様(推定800歳)。
しかし、期待いっぱいでその女子とやらがやってくるのをそわそわそわそわと待っていた。
人の気配がしないかどうか、全身を耳にして、むやみやたらと行ったり来たりしている。
いざ、誰かが歩いてくる気配がしたら、大きく息を吸って、吐いてと緊張をほぐし。
すぐに行ったらがっついていると思われるかも、と少し余裕を見せなければと鏡をのぞきこみ、身だしなみをチェックした。


この竜、もちろん童貞である]
(36) 2021/06/15(Tue) 22:25:55

【人】 白竜 ヤオディ


[そこに、頼もう、と野太い声がした。

きた!と見た目は落ち着き払って、にやつきそうになるのを必死に堪えて静かに歩いて出迎える。
先ほどの声は男のもの。先触れの下僕を連れてくるということは、身分の高い女人なのだろうか。
それならばきっとたおやかで麗しい人に違いない、と期待で胸ははちきれんばかりになるが声だけは厳かに返した]



 誰ぞ。
 余こそが、この明泉洞の主にして白糸滝に棲まう白竜ヤオディである。

 村よりおいでになったという女人は……女人は…………。
(37) 2021/06/15(Tue) 22:26:55

【人】 白竜 ヤオディ

 女人は何処に?



[目の前には女装している中年男しかいない。しかも背にはでかい刀を背負って。
変質者!?いやこれは罠に違いない!
そう身の危険を感じたとしてもおかしくはあるまい。
大体、今では神だのなんだのと言われて大人しくしているヤオディだが、昔は結構やんちゃもしていて、その度に人間の勇者だの騎士だのというのからコテンパンにのされたり叱られたりもしていたのだ。
それだけでなく、単なる腕自慢どもの討伐の対象にされてもいたり。

だから、目の前の男が自分を成敗しにきた者だと思うのは、龍族にとっての常識であったのだ*]
(38) 2021/06/15(Tue) 22:28:23

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   『 大蛇 』は神などではない。


   たとえ村の者達が神と敬服しようとも
   『 大蛇 』はただの『 大蛇 』に過ぎない。

   本来村の人間を襲わないことも
   彼らを外敵から守ることも

   『 大蛇 』にとっては守る価値の無い契。


   だが『 大蛇 』は村の人間の言葉を聞き入れる。
   己の主が『 大蛇 』に遺した言葉がそうさせるのだ。




   
(39) 2021/06/15(Tue) 22:40:57

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



   しかし『 大蛇 』は神などではない。


   だからこそ村の申し出を聞き入れることに
   代償を強いることに固執する。

   無償の善は人の心を腐らせる。
   自身の平穏は誰かの犠牲の上に成り立つのだと
   それを彼らに忘れさせないために。



     「我の力を借ろうならば
      オマエ達の中から一人、
      その命運を我に差し出せ。」



   蛇の姿で数百年前の村人に伝えたという逸話が
   今なお村の者達に語り継がれているかは不明だが。


   村人達が首を縦に振ったのをきっかけに
   『 大蛇 』は村を守る存在へと成っていく。


(40) 2021/06/15(Tue) 22:43:41

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



 ***


   人間の子というのは奇怪な生き物だ。
   危ないからよせと言うのに凝りもなく森の中へと
   やってきては『 大蛇 』の声に説教を受ける。
   中にはそこが危険だと知っていたにも関わらず
   足を踏み入れた子供もいる。


      (こいつらは死なねば分からぬのか......?)



   数百年と森に入る者を叱りつけている内に
   『 大蛇 』はしきりに顔を顰めていた。
   


(41) 2021/06/15(Tue) 22:44:55

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



   そしてある時もまた子供が迷い込む。>>31

   そんなに外に興味があるのならば
   いっそ行って死ぬのもよかろう。
   それとも人攫いに連れて行かれて売られるも良い
   その時は.....それがその子供の運命だ。


   そう思い始めていた頃、
   子どもの声が『 大蛇 』にも届く。

   同時に鳥の声が止まり、空気の流れが変わる。
   目を閉じて神経を張り巡らせれば
   『ただの子供』がどこにいるかなど
   すぐに知ることが出来るのだが。

   しかし......この子どもは他の子どもとは
   明らかに目的が異なっている。

   『ただの子供』の呟き>>33
   それを物語っているようにも感じられた。


(42) 2021/06/15(Tue) 22:48:47

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ





      (―――面白い。)




   この子供の真の目的など『 大蛇 』にはわからぬ。
   しかし村の人間に犠牲を強いる『神』とやらに
   逢おうなどというのだから。

   『 大蛇 』は『ただの子供』の内なる心を知る為に
   自ら人間の元へ歩みよろうとする。



(43) 2021/06/15(Tue) 22:53:53

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ





      「―――子どもよ。」




   『 大蛇 』の声があたり一面に木霊する。
   暗がりの中に影を作る蛇が人の姿へと変わる
   その瞬間が『ただの子供』に見えていたかどうか。



      「そこで何をしている。
       貴様のような子どもが
       立ち入っていい場所ではないぞ。」




   『 大蛇 』は未だ姿を隠したまま
   子を叱るように声を響かせ始めただろう。*




(44) 2021/06/15(Tue) 22:56:39
到着:書生 茅

【人】 書生 茅

[茅という青年は、善良さを絵に描いたような性質を持っていた。
同時に、愚直で一途、つまりは一歩間違えば阿呆が服を着て歩いているようなものだった。
残念なことに、彼の周囲の人間は彼ほどに善良ではなかったので、茅という青年は大小様々損をしていたのだが、その善良さ故に、それが誰かの悪意によるものだということに全く気付くことが出来なかった。

まぁつまり……阿呆だったのである。]

 お嬢さん、お嬢さん。
 助けに来たよ。

[囁いて青年は、古びた小さなカギを揺らして見せた。
盗みと呼べるような行為をしたのはこれが初めてだったものだから、心臓はばくばく言っている。
けれど構いはしなかった。
青年にとってこのお嬢さんは命の恩人で、どうにかして救いたい相手だった。
お嬢さんだけじゃない。
あの村の人たちは皆、青年にとってはとても大切な人たちだった。
だって、行き場のなかった青年を拾って、労働を与え、屋根を与えてくれた。
決して頭の良くない青年を、捨てずにおいてくれたのだ。]
(45) 2021/06/15(Tue) 23:04:23

【人】 書生 茅

[
あぁやっと来たの、遅かったじゃないの。


責めるお嬢さんの声が、気丈に突っ張ってるみたいで、青年はつい、ごめんよ、と返す。
山奥の洞窟の中、質素な敷布の上にお嬢さんは座っている。
白無垢を纏ったお嬢さんは、とても綺麗だった。
つい見とれかけて、また急かされる。

早くして、山神さまが来たらどうするの。


数年に一度、嫁を要求する代わり、山麓の村を守ってくれるという山神さま。
今回はうちの村の番で、年頃の娘といえば、村長の娘であるお嬢さんしかいなかった。
もうしばらく前からそれは決まっていたことで、お嬢さんはひどく泣き暮らしていたのを、家に置いてもらっていた青年は知っていた。

青年は、考えた。
いささか足りない頭で必死に考えた。
考えた。

誰かが言っていた。
嫁と言っても要はただの生贄だろう、娘でなくても良いだろうに……と。
閃いた。]
(46) 2021/06/15(Tue) 23:05:10

【人】 書生 茅

 ごめんね、お嬢さん。
 ちょっとだけ、触るよ。

[洞穴の中に穿たれた楔、そこからつながる鎖の先、武骨な足かせが、お嬢さんの白くてきれいな足を縛めていた。
薄暗い洞窟の中、灯りを忘れた青年は、たどたどしく指先で鎖を辿る。
その先に、足かせを見つけると、また指先で鍵穴を探す。

何で灯りを持ってこないのよ、どんくさいわね


そう責めるお嬢さんにまた、ごめんよ、と返す。
村長さんが置き忘れたカギを目にした瞬間、それを誰にも見つからないようにって懐に隠して、ここまで持ってくるのに精いっぱいで。
他のものは、すっかり忘れてしまったんだ。
赦してほしい。
外はまだ明るさの残る時間。
お嬢さんの帰る路は、きっとまだ見えるから。

かちゃり、錠が解けた音がした。]
(47) 2021/06/15(Tue) 23:05:32

【人】 書生 茅

[足かせの外れたお嬢さんは、ふ、とひとつ笑った…きっとほっとしたのだろうと、青年は思う。
背を向けた青年の後ろで、お嬢さんは着替えて身なりを整えた。
声をかけられた青年が振り返ると、敷布の上に脱ぎ捨てられた白い打掛と、角隠しが目に入る。
手を伸ばした青年を、お嬢さんは黙って見守った。]

 ……どうかな?

[花嫁衣装を身に纏い、冗談交じりに問うた青年に、お嬢さんは何も言わずに匕首を手渡した。
それは、『嫁入り』を前に、村長さんからお嬢さんに贈られたはずの、うつくしい小刀だった。

わかるわね、


お嬢さんは問うた。]
(48) 2021/06/15(Tue) 23:05:53

【人】 書生 茅

 わかるよ、

[青年は答える。
けれど青年は知らない。
山神さまへ嫁ぐ娘に、親が持たせる餞の風習。
その『意味』を、青年は知らない。
せめてその最期が、苦しいものでないように。

知らないから、
『なるほどこれで山神さまを斬ればよいのだな』
などと思っている。
たかだが1尺にも満たない刃で、一体何が斬れるというのか。

残念ながら青年は、善良故に阿呆なのだった。]
(49) 2021/06/15(Tue) 23:06:25

【人】 書生 茅

[お嬢さんに促されるまま花嫁衣裳に身を隠した青年は敷布に座る。
その足首に、足かせが嵌め込まれた。

ちゃんとしておかないと、ばれちゃうものね、


お嬢さんに言われ、なるほどと頷く。
乙女と比べれば幾分太い足首に、鉄の足かせが食い込む痛みは飲み込んだ。
じゃあ、と洞窟を後にしようとするお嬢さんの向こうに、沈みゆく日の光が漏れる。
影法師が、消えた。]

 お嬢さん。
 ……どうか、幸せに。


[ただ、生きて欲しいと願った。
その願いをそっと、口ずさむ。

お嬢さんには想い人がいることを、青年は知っていた。
誰でも良いならお嬢さんじゃなくたって、俺だって構わないだろうと、そのくらいの気持ちだった。
そしてあわよくば、
生贄など要求する神さまなんて殺してしまっても良いだろう?
と。

そんな、ごくごく単純な考えだったのだ。**]
(50) 2021/06/15(Tue) 23:07:22
書生 茅は、メモを貼った。
(a7) 2021/06/15(Tue) 23:09:09

【人】 将軍 かんぅ


 
女人は此処にいるぞ。



[いない。
花嫁衣裳の男(40歳)しかいない。
背にある青龍偃月刀はもはや体の一部である。現れた白竜を名乗る男は意外に愛らしい顔をしていた。何故見えるのかかんぅアイは遠くをもとらえて離さない。正確には戦場で常勝を繰り返す武人の観察眼である。神弓の使い手の弓を額で受けながした程の実力を持つ程の眼力である。眼力ってなんだっけ。将軍はずんずんと近づいた。

ああ、滝、滝の中に入らないでぇぇ
と何処からか聞こえてきそう

だがかんぅの脳内には「いけえ、兄者。そこだ!いけ」
というノリノリのイマジナリー弟ちょうひぃしかいない]
(51) 2021/06/15(Tue) 23:10:25

【人】 将軍 かんぅ


 ヤオディと言ったか
 我こそは、貴殿の花嫁であるかんぅである。



[水をずんずんと進む。
水を含んで重くなる花嫁衣裳もなんのその。花婿殿の処にいく足枷にはなりはしない。そう、花婿殿である。かんぅは花嫁、それも魔物の花嫁に憧れるごく一般的な男性であった。

故に心るんるん踊り、脳内弟は歓喜している。
このような運命があっていいものか。
これぞ天命。日頃の行いが良すぎたやもしれぬ。

やはり毎朝の掃除は必要な事であった。

まさか一人話し相手を求めていた>>34など知らず]
(52) 2021/06/15(Tue) 23:11:28

【人】 将軍 かんぅ


 よろしく頼むぞ、婿殿。


[容赦なく白糸滝の中に入り。
その手を取り、しかと抱きしめようとしたであろう。しかもずいと顔を近づけて尊顔を容赦なく見ようとする。ああ近すぎます。神様に近すぎます。花嫁だから問題ない。そうだね。

尚、残念なことに交代は効かない。推定800歳の白竜様>>36は逃げられない。やったね、嫁が>>35来たよ。可愛さが足りぬというのなら片目瞑り(ウィンク)の一つや二つしてみせよう。何せ一騎当千の将>>38

出来ぬ事などありはせぬ。*]
(53) 2021/06/15(Tue) 23:12:48
到着:  天狗

【人】   天狗

外道に堕ちたる悪童が
何の因果か守り人に
天狗と呼ぶは名ばかりの
傍若無人の振る舞いに
歯噛みはすれど術はなく
此度も赤き花咲くころに
さも当然と「それ」を求めた
(54) 2021/06/15(Tue) 23:19:09

【人】   天狗

「おなごを一人、いつもの場所まで連れてこい」
(55) 2021/06/15(Tue) 23:19:53

【人】   天狗

天狗は「嫁」と呼び、村人は「贄」という
娶られた娘が帰ることはなく
食われたか殺されたか、そんな話だけが密やかに

村の外れの山奥にひっそりと洞穴を利用した岩屋がある
村でも極々一部しか知らぬその場所に
繋がれるのは果たして誰ぞ?*
(56) 2021/06/15(Tue) 23:22:31

【人】   天狗

―― ここまでの話 ――

[天狗は元から天狗であったわけではない
見れば体躯こそ巨漢だが人そのものである

そう、元は人として生まれたのだ
とはいえ、それはとても奇異な出生であったのだが

母親の胎内に宿って産み月を越えてもなお居座り続け
一年、二年、三年経っても腹は膨れ続け
ついには耐えきれず母体が死に掛け、その腹を裂いて取り上げた子だった
すでに歯も生え揃い、毛髪も爪も伸びたその姿は異様で

母親を食らって生まれてきた物の怪の子、と周囲は畏れた
そして、それからすぐに「ヒトならざる力を持つ」と知れて
幽閉され都合よく祭り上げられ数年

生まれた村が飢饉に陥った]
(57) 2021/06/15(Tue) 23:23:46

【人】   天狗

[日照り続きに雨乞いしても雨は降らず
村人たちは誰ともなく口にする、贄を、人柱を
誰にする、アレがいい、あのおかしな力を持った子供なら

特別な子なら神も喜ぶだろうなんてのはただの言い訳
本当は厄介払いをしたかっただけなのだと、当の子供は気付いていた
さんざん厄介者扱いしておいて、村のため、皆のため
嫌だと言えば恩着せがましく今までの世話を口にする

子供には全部わかっていた
醜い人々の胸の内、人ならざる力の一片で
一度たりとて、子供を大事になど思っていなかったことも
ああ醜い、ヒトというものはこんなにも醜い

それならば、いっそ]
(58) 2021/06/15(Tue) 23:25:56

【人】   天狗

 ――……こんな村、滅びてしまえ
(59) 2021/06/15(Tue) 23:27:05

【人】   天狗

[言霊は草木を枯らし、人を枯らした
生ける者のいなくなったその地を離れ彷徨うが
どこに行ってもその力故に疎まれ、そのたびに人を殺し村を絶やし
そうして長い長い時が過ぎた
力故か年も取らず、死なずにどれだけの時が過ぎたか
化け物がいるとの噂だけを引き連れて、辿り着いたその山には
麓の村に山神様と崇められた天狗がいた

作物が育ちにくいその土地に力を与え、荒れやすい天候を穏やかにし
ヒトとの共存を謳うその天狗が忌々しく思えた

だから、殺したのだ
その力をすべて奪い取って]
(60) 2021/06/15(Tue) 23:28:49

【人】   天狗

 「……ふ、ははは、私を殺すか、面白い
 これで、お前は背負うことになる、この山を、村を守ることを
 私が先代に託されたそれを、お前に呪いとして負わせよう

 まあ、どのように守るかは、お前の自由だがな
 この地を離れることは、私が赦さぬ」
(61) 2021/06/15(Tue) 23:29:55

【人】   天狗

[言葉を吐く天狗の首を撥ねて、その首を持って村へと降りた
村から離れようとすれば、確かに何かに阻まれたから
恐れおののく村人に天狗の首を投げて、笑って言い放つ]

 ……今日からワシが山の主だ
 守れと言われたから仕方ねえ、守ってやる

 代わりに娘を一人寄越せ、嫁だ
 そいつ次第で村はどうとでもなると思え

[そう言って村を見回し、一人の娘を指し有無を言わさず連れ去ろうとした
去り際、名を問う声に面倒くさそうに振り返り]

 山の主だ、天狗でよかろう?
 山神様でも構わんがな

[そう名乗ると舞い上がり姿を消した]
(62) 2021/06/15(Tue) 23:31:46

【人】   天狗

[何しろ、名乗るような名前など
生まれてこの方持ち合わせていなかったので
**]
(63) 2021/06/15(Tue) 23:32:48
  天狗は、メモを貼った。
(a8) 2021/06/15(Tue) 23:45:53

2021/06/16(Wed) 0:06:14

【人】 水分神

 
  
── 山頂の屋敷、上段の間 ──


[脇息に右肘を置き、頬杖をつきて
 にたにたと笑みを浮かべ
 下段の間にいるものを見下ろす女が居る。

 真紅の瞳を悪戯に煌めかせ
 艶やかな紫の長き髪を背中に流し
 足を崩して座り
 着物の裾から覗かせるは裸足。

 ────此れが、妾の姿じゃ。]


    今年輿入れされてきたのはお主じゃな
    くく。何を呆っとしておる
        近う寄って顔を見せよ


[ふりるのたっぷりあしらわれた袖を
 ゆったり、優雅に動かし
 細く長い手指に波を打たせ近寄るよう促した。]
 
(64) 2021/06/16(Wed) 0:30:58

【人】 水分神

 
[近づいてきたなら、顔へと手を伸ばす。
 察して屈むならば良し。
 察せぬなら「屈め」と一言。
 遠慮なしにぺたぺた、触れながら検めよう。

 そうして大きくつぶらな瞳を持つ
 中々、可愛い顔立ちの美男だと判れば。
 ……詰まらぬが、そうであろうと納得する。]


    ふむ。及第点、と言ったところじゃな
    よもや不細工を寄越すとは
           思っておらぬが


[先祖どもが古に結びし約束ごとがある。

 ヒトの子を娶る代わりに
 彼らヒト族に手出しをせぬという
 まっこと、下らぬ────約束が。]
 
(65) 2021/06/16(Wed) 0:31:02

【人】 水分神

 
[いつの時代も
 人の世に存する水分神は独りだけ。

 数百年の務めを果たし元の世へ還った先代と
 入れ替わりに妾が其の任を継いでからは
 村から男を捧げられるたびに

 やれ顔が好みでないだの
 家事がまともに出来ぬだのと
 難癖をつけては追い返してきていた。

 何年も拒み続けているゆえ
 人間どももそう簡単には
 下手を打たなくなってきておるということじゃな。]
 
(66) 2021/06/16(Wed) 0:33:58

【人】 水分神

 
[じゃが、この男も必ず追い返してやる。

 妾は、村がまともな婿を
 差し出せなかったことを理由に
 今日まで続いてきた約束を反故とし
 近隣の村を落とす算段じゃ。

 
そうして、妾は────…。



    前の男は直ぐに逃げ出してのう
    屋敷の中がすっかり荒れておる
         早速、綺麗にせよ


[顔から手を下ろすと
 来たばかりの男に
 名を訊ねることもなしにそう命じた。

 識る必要性を感じておらぬ。
 保って数ヶ月、否、数日の関係じゃ。]
 
(67) 2021/06/16(Wed) 0:34:13

【人】 水分神

 
[屋敷は広い。

 床には埃が溜まっており
 あっちへ行き、こっちへ行き
 気まぐれに書き物(人間には読めぬ文字じゃ)や
 お絵かき(お花とかちょうちょとかな)をしては
 紙と道具を片付けぬまま
 放置してある部屋が幾つもある。
 筆や硯はかぴかぴに固まってるだろう。

 食い散らかした菓子の袋や粉も
 そこら中に落ちておる。
 かみさまぱわーで屋敷の中に
 アリンコが湧くことはないがの。

 全て綺麗にするまで一体何日かかるやら。
 ────否、その前にも逃げ出すだろうか?]
 
(68) 2021/06/16(Wed) 0:34:38

【人】 水分神

 
[命じた妾は────ごろごろ、するのじゃ。
 また新たに部屋を汚しながら、な。

 くふふ!**]
 
(69) 2021/06/16(Wed) 0:34:58

【人】 鬼 紅鉄坊

─ 幾度かの日が巡り ─


[ 弱く小さな村人に激情を見せてしまった失敗は今は過ぎ。
 己を落ち着かせ、改めて思い返し省察出来る程の時間が経った。

 あの時から山に訪れた変化といえば、
 何処か落ち着きなくざわめく木々と人ならざる者らの声と
 廃寺の周囲が冷えを伴わない純白で彩られていること。

 数日前まで蕾であった花々が、六枚の弁を開き咲き誇っていた。

 白く、芳しく。
 直ぐに美を喪い地に落ちる運命の、一時の儚さ
 それはまさしく村の犠牲となる花嫁たちのように。

 娘らの輿入れを祝っているのか、はたまた嘆き慰めているのか。
 毎年この約束の日に蕾を綻ばせる。 ]
(70) 2021/06/16(Wed) 1:52:26
到着:五色 冥桜

【人】 五色 冥桜

―― 予


  ほぅ、予の奏でる音が聞きたい者がいると。
  それも朝から晩まで毎日と――。


[手に持つ撥で絃を弾く。
明朗なる音は今の心境を表すかのようであった]


  よかろうよかろうすぐにでも奏でてやろう。
  してその稀有な者は何処に居るのだ。
  ……ん、何?
  風呂に入り着替えて輿に乗れと。
  何だ、村の地主の処か?
  違う……では國のか。
  ……なんと、それも違うと。
  

[絃を弾き響く音に不協が混じる。
眉間にもありありと不信を示す皺が出ていた]
(71) 2021/06/16(Wed) 1:52:33

【人】 鬼 紅鉄坊



[ それを見つめるのは、
 役目を終えた後の鬼にはよくあることだった。

 鬼は人間にとって見上げる程の異形の大男であり、
 襤褸のように変わり果てた着物姿で、廃墟に棲まい暮らす。

 獣を狩り、ただ火で炙っただけの肉を喰らい、暗がりで眠った。
 輿入れの対価の一つである余所者の妖怪の排除
 その殆どを請け負い、時にはその隻眼のように身体も紅く染める。
 
 花を愛で小動物を懐かせるような趣味は無い。
 しかし、心が確かに在った。

 だからこそ、最初は巡って来た権利を拒もうとしたのだ。 ]*
(72) 2021/06/16(Wed) 1:52:44

【人】 鬼 紅鉄坊

── 回想 ──


私は花嫁など望みません
捧げられずとも、獣の肉を喰えば飢えは凌げるのです

[ 口にした瞬間、風が止み山に沈黙が訪れた。

 面して座す男の黄色の強い金の髪が鬼の目についたのは、
 無意識にその咎める視線から逃れようとしたせいであろう。

 鬼の知り合いはかつては村人たちのような黒髪であった筈だが
 それが何時のことなのか、記憶には無い。
 妖怪は人間のように加齢で見目が変わる者は少ない。
 神仏の敵となった存在と彼らでは時の流れも仕組みも違う。

 いけないよ、と男はいつもの温かな声のまま返す。
 お前だけが赦されることなどはあってはならないのだ、と。
 短い言葉には重い意味が込められている。 ]
(73) 2021/06/16(Wed) 1:53:13

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 両者にとって大きく想いを違わせる約束を
 百数十年前に結ばせ村の伝統としたのは、この鬼だった。

 それまで数多の村人が、妖怪らの飢えと加虐性のままに
 獣の如く狩られ喰らわれていた。

 心身の片方でも成熟した妖怪は、皆番が巡って来れば村の娘を娶る。
 目的は多くが二つに分かれるが、忌避を示す者は今まで皆無。

 山の妖怪の中で体躯も腕力も優れ、村人との接触が多い。
 そのような者が唯一、喜ばしくあるべき権利を拒むなど。
 人間に同情しているのではと、いつか自分達を裏切るのではと思われ
 脅威として扱われることになるかもしれない。

 これでも今まで見逃してきたほうだと語る男は
 いつから山に居るのかも分からない、最も古株の妖怪。
 名前も無かった鬼を紅鉄坊と定めた、父のような存在だった。 ]
(74) 2021/06/16(Wed) 1:53:42

【人】 鬼 紅鉄坊



…………

[ 丸太のように太い腕の先、大きな手が五指を折り握り込まれる。
 か弱き者の首ならば容易く手折れる力が込められる。

 真に正しく、山の妖怪としてあるべき道を示されていた。

 皆が約束に従いやがて訪れる花嫁を待って村人を喰らわぬのは、
 強き仲介役の報復が恐ろしいだけではなく、行く先が無いから。

 妖怪にとって短すぎる時間で変わりゆく人の世は、
 目まぐるしく光が増えていき、とても生きづらい。
 それは鬼もまた、同じことだった。

 それでも中々、肯定を示せずにいた鬼に続けられた説得は
 決定的かつ、記憶を呼び起こすものとなる。 ]
(75) 2021/06/16(Wed) 1:53:57

【人】 鬼 紅鉄坊



「なあ、紅鉄よ。何も難しく考えるこたぁ無いさ。
 お前さんが親しかった、あの娘の子を娶ったらどうだ?
 いつか随分憤って、助けてやりたがっていただろう」

[ 人ならざる者らを取り囲む自然は、今も沈黙を破らないまま。
 鬼が息を呑む音は男によく聞こえただろう。 ]*
(76) 2021/06/16(Wed) 1:54:16

【人】 鬼 紅鉄坊

── 現在 ──


[ 全ての娘たちを送り届け、最後に残るのは自身の花嫁を迎える役目。
 花を眺め思いに耽ることを止めた鬼は、門の前で待っていた。

 ここまでご苦労だった、私が引き受けよう。
 何度も口にした台詞が百数十回目に初めて出てこなくなった。

 村人の様子も声も届かぬ如く、
 白髪の花嫁をじっと眺める一つの紅眼は、驚いたように見開いている。
 ややあって、漸く一言が呟かれる様に場に落ちる。 ]

……男、だったのか

[ 今まで受けた仕打ちを何より物語る、痩せ細った姿。
 しかし女と見紛う要素は何も無い。
 せんという名前から想像したものとは大きく違っていた。

 同胞とは違う理由で指名する相手を決めたが故に──
 ──確かに性別も見目も聞いてはいなかった。]**
(77) 2021/06/16(Wed) 1:54:41

【人】 五色 冥桜

  ……ふむ、まぁ、良かろう。
  どうせ寿命を迎えるまでに予の音を聞く者も少ないのだ。
  家の者だけでは些か競い甲斐もなくなってきたところだ。


[三味線を床に置き、撥をそのすぐ横に置いた。
それを小さき家族が持ち上げ布か何かに包む音がした]


  では――……なんだ、女手総出で。
  どうして脇を羽交い絞めにする。
  この予、逃げも隠れもせぬぞ。


[嘘をつけと頭を叩かれれば驚きを隠せぬままに足も手も捕縛され風呂場へと連行された。
風呂場の中からは得も言えぬおどろおどろしい声が響いたようであるが身体中隅から隅まで磨かれるという行為は存外心地悪さしか感じなかった。
風呂上りには椿の香油を擦り込まれ肌への触れが優しい生地でできた服を着せられるがその間男の尊厳というものは皆無であった]
(78) 2021/06/16(Wed) 2:01:25

【人】 五色 冥桜

  ええい、お前たち覚えておれよ。


[一族郎党見送ってくれているらしいが輿に載せられたままに呪を吐いておいた。
膝の上に乗せられたものも普段使っている三味線とは異なる様子であり恨み百倍程度には溜まっていた。

だが、出来るのはそれだけだった。
この身で叶うことはあまりない]


  ……ふん、良いさ。
  予はこれから望まれるままに奏でるのだからな。


[三味線を弾き音を奏でることだけが全てであった。
奏でた音に詩を乗せることだけが生き甲斐であった]
(79) 2021/06/16(Wed) 2:05:52

【人】 五色 冥桜

[こうして五色家の
を乗せた輿は所定の場所に運ばれ門前に置いていかれたのである。

待つ間は実に業腹なもので輿の中で撥を奮い雷鳴さながらに音を奏でていたのは、嫁ぎ先の者が輿を開けるまで続いた**]
(80) 2021/06/16(Wed) 2:09:28

【人】 鬼の子 千


 ─ それから/輿入れの日 ─


 っ……危ないねェ。そんなに押すなよ
 俺ァ盗人じゃなくて大切な貢ぎ物だぞ?
 こんなにきつく縛られて逃げられるわけないだろうが

[目を細め思わず場に足を留めさせたのは、千にとって十年ぶりに浴びる太陽の光だった。

間髪入れずに後ろの男に背を乱暴に押され、転びそうになったところを付き添う老婆が支えた。
曲がった腰で風呂敷包みを抱えたその背丈は千よりずっと低い。
しきりに気遣い声を掛け、山まで送り届ける為家に訪れた男達に涙ながらに乱暴に扱わないよう訴える。

彼女にとって鬼子は死んだ娘が遺した孫息子だった。
指名を受けるよりも、座敷牢に入れねばならなくなった日よりもずっと前から大切に扱ってきた。

しかし、孫息子はそちらに視線もやらないまま面倒臭そうに息を吐き、男達の求めに応じて黙して歩き出す。]
(81) 2021/06/16(Wed) 2:11:36

【人】 鬼の子 千



[老婆と千が、死んだ母親──さとの兄家族と共に暮らしていた家は大きく他の村人のものよりしっかりした造りになっている。

そこは豪商かつ村役人の家であり、大人も殆どが名前すら書けない村で千が読み書きを教わり、書物を与えられることが出来た理由だった。

村の中心にある為、山まで暫く歩かねばならない。
視線があちこちから突き刺さるが、誰も声を掛けず近づくこともない。
むしろ目を背ける。

千が静かに口角を上げ、再び背を押され怒鳴られることも厭わず態と彼ら彼女らをじっと見つめてやったのは

──可笑しくてたまらないからだ。
村人が自分に向ける侮蔑と嫌悪の中に、埋もれた怯えが伝わるのが。]
(82) 2021/06/16(Wed) 2:11:56

【人】 鬼の子 千


 ─ 現在/廃寺の門前 ─


[鬱蒼と茂る山の中、遠くからでも見て取れた姿>>
聳える大木のような身体、木々と薄闇に適合した色彩の衣服や肌、髪の色。
一つしかない紅い輝きだけがどこか警戒色じみて浮いている。

分かりやすい物怪の類い。周りの者達から緊張が伝わるのが千には分かった。]

 ああ?……あぁ、成程。ひひッ

 あんたら厄介者を捨てたくて捨てたくて、
 性別すらも教えなかったのか!
 それとも確認してやっぱり女がいいと言い出すと思ったか?

 酷い奴らだねぇ!敬いも何もあったものじゃねえな!

[しかし言葉を交わせる距離にやって来た時気づく
その目に人間のように驚きを浮かべ、言葉に詰まっている様に。

自分を指名した筈の鬼がそんな姿を見せることに訝しみ、眉根を寄せたのは一時。
ぱっと振り返り男達を見て、意地悪くにやついた。]
(83) 2021/06/16(Wed) 2:12:37

【人】 鬼の子 千


[曰く、知っていると思った。
曰く、紅鉄坊様が指名したのだから自分もそうだとばかり。
曰く、この男は妖の類だと昔から村で疑われていた。女ではなく仲間が欲しかったのかと思った。

口々に上がる弁解に千はますます楽しげに笑う。
嘘ではないのだろうが、確認しなかった理由も合っている筈だから。]

 可哀想にな鬼様よぉ、気づかないよな千って言われたって

 俺ァ本当は千太郎って付けられる筈だったらしいんだけどよ
 その名付け親のおっかさんが産んですぐに死んじまってな

 で、どうするんだ?

[問い掛けた瞬間ふっと愉悦の炎がかき消え、真顔で傾けた首が白い髪を流す。
ここでやっぱり要らない、若い女が良いと言うのなら此れは期待外れのただの化け物。元通り幽閉され、二度と会うこともない。

なけなしの体力でここまで連れて来られた意味は潰える。
この場の男達を代表に、鬼子を山に捨てたい村人達の想いも叶わなくなる。

老婆だけが期待の隠せない眼差しで鬼を見上げていた。**]
(84) 2021/06/16(Wed) 2:13:15
五色 冥桜は、メモを貼った。
(a9) 2021/06/16(Wed) 2:18:18

【人】   天狗

[この悪童が「天狗」を名乗るようになってどれくらい経ったかは覚えていない
数年に一度「嫁」をよこせという以外は、天狗が無茶を言うことは「そう」なかった
麓にあるいくつかの村は、それに気づいてか順番に公平に嫁を選ぶことにしたという
嫁さえ宛がえば村は確かに守られ実りも約束されるのだから、と]

 さて、今年はどの村だったかね

[ちびりと酒など舐めながら考える
麓の村は似ているようで少しずつ特徴があった
勤勉な者の揃う村、お人よしの集まる村、そうして
今年の村が少々小賢しい者の揃う村と気づき眉を寄せる]

 扱いにくいんだよなぁ、あの村の嫁
 まあ、最初のうちだけだが……やれ、此度はどれだけ「もつ」んだか

[呟いて、くい、と酒を呷る
人食いの天狗など噂されているのは知っているが、人を食ったことなど一度もない
自ら嫁に手にかけたことも、一度も]
(85) 2021/06/16(Wed) 3:37:30

【人】   天狗

[もっとも
それは語るものがいなければ村には知られぬことだ]
(86) 2021/06/16(Wed) 3:37:56

【人】   天狗

 さぁて、そろそろ用意ができたころじゃろう
 此度の嫁を迎えに行くか

[山の頂近くに構えた住処から出て、ばさりと先代から奪った羽を広げる
歩いていっても問題はないが、この羽音が「天狗が来た」という合図になる
いきなり現れるよりはよかろうと、天狗なりの気遣いだが

ひと際大きく羽音を立てて洞穴の前に降り立つ
周囲に人は見当たらず、中にわずかに気配を感じれば
ゆっくりと踏み入り、そこに座り込む白無垢へと]

 お前が此度の嫁か……?
 どれ、ワシにその顔を見せてくれんか?

[正面に屈み込み、懐から取り出した小さな行燈に念で火を灯して白無垢を照らす
天狗は夜目が利くが、嫁はそうではないだろうから]
(87) 2021/06/16(Wed) 3:39:21

【人】   天狗

[嫁に課している枷は足首のみ
それは人間の女が非力であることと、何より始めは身構えてロクに動かないと知っているから

つまりは油断しているのだ
いきなり切り掛かるような馬鹿はおるまい
、と**]
(88) 2021/06/16(Wed) 3:40:11
  天狗は、メモを貼った。
(a10) 2021/06/16(Wed) 3:42:31

【人】 龍之介

 
  
── 山頂の御屋敷 ──


[ミクマリ様をお祀りし
 生きる糧をいただいてきた
 この村の新年の始まりは
 他所とは違い、水の月である六月だ。

 一つ歳を取り
 成人之儀を済ませた
 その日の内に、輿入れとなる。

 早朝から三度に渡って身を清められ
 今まで袖を通したこともないような一張羅を
 細いながらも筋肉の着いた
 体躯に纏って、
 様々な貢物と共に御前へ参じる。>>64
 
(89) 2021/06/16(Wed) 8:35:39

【人】 龍之介

 
[直視するのは畏れ多いと伏し目がちに進み、
 酒、餅、旬の野菜や果物、
 菓子や塩などの入った包みをふたつ
 そっと床に下ろしたところで
 お声が掛かった。]



   ……



[こくり、頷くと
 見慣れぬ洒落た装飾の施された袖から覗く
 御手に誘われるように>>64
 お傍へと赴き、膝を折る。]
 
(90) 2021/06/16(Wed) 8:35:50

【人】 龍之介

 
[ぺたぺたと
 触れられたことに驚いて>>65
 跳ね上げてしまった視線が捉えたのは、
 柘榴の実のように艷やかな赤い瞳。



   (なんて、綺麗…なのだろう、)



 不敬だなんてことも忘れて
 その美しさに魅入っているうちに
 及第点をいただいていた。

 顔が気に入らないと
 即刻、返された者も居るという話だったから>>66
 よかった…と胸を撫で下ろす。]
 
(91) 2021/06/16(Wed) 8:36:16

【人】 龍之介

 
[帰されたところで
 もう自分には、あの村に居場所は無い。

 いや…、弟の虎之介は
 喜んで迎えてくれるとは思うけれど、

 啞(おし)になってしまった
 元は余所者の自分を
 ここまで育て上げてくれたのは
 ミクマリ様に捧げるために他ならないと知っている。


 自分がきちんと務めを果たせている間は
 豊かな実りも約束され
 唯ひとりの肉親である弟も
 幸せに暮らせていると信じられるから。


              だから────…、]
 
(92) 2021/06/16(Wed) 8:36:58

【人】 龍之介

 
[ミクマリ様からのご要望に即刻応えるべく>>67
 こくりと素直に首肯すると、
 少し奥まったところへ移動し
 婚儀のために誂えられた衣装を脱ぎ始めた。

 黒い縁取りこそあるものの
 ほぼ純白のそれは汚れやすく、
 踝まである裾は動き難い。

 手際よく家事をこなすのには向かないから
 持たせてもらった普段着の
 袖のない上着と
 足先がキュッと締まった下衣へ着替えていく。

 普段使いと言えども
 布地は張りがあり光沢もある上質なものだ。
 黒い飾り紐の意匠も凝っている。

 洗い方、保管の仕方なども
 しっかり叩き込んで来たから問題は無いが
 わりと手間のかかる代物だった。


   (もっと簡素なもので良いのに…)


 そう思うけれど
 ミクマリ様に相応しく
 在らねばならぬのだから文句は言えない。]
(93) 2021/06/16(Wed) 8:37:16

【人】 龍之介

 
[婚儀の衣装を
 手早く美しく畳み終えると、
 すぐに片付けと掃除に取り掛かる。

 道具の位置などは
 先だって追い返された覡らから聞いていたから
 迷うことはないけれど、

 
 
   (んん、これは、…?)



 散乱している紙の扱いには
 少しばかり悩んだ。

 村で教わったものとは異なる文字?が書かれたものと
 何かの意匠だろうか‥‥
 花のような文様のものなどが雑然と落ちている。>>68

 閃きを残してあるのかもしれないし
 とにかく大事なものである可能性も考えて、
 文字と形と
 分類しながら重ねて、束ねて
 大切に保管しておくことにした。]
 
(94) 2021/06/16(Wed) 8:37:38

【人】 龍之介

 
[それから、
 拾い集めた筆と硯を
 かぴかぴの墨が緩んでくれるように>>68
 まずは水に浸しておいて、
 大きなゴミをまとめ、
 更に、部屋の上の方から順に
 はたいて、掃いて、拭いて、磨いて。
 
 黙々とこなしながら
 此方の作業で煩わせてしまわぬように
 時折、ミクマリ様のご様子を伺う。]
 
(95) 2021/06/16(Wed) 8:39:22

【人】 龍之介

 

   ……


[藤色に艶めく髪も
 伸びやかな手足も
 紅の瞳と同様にとても美しい。>>64


 それに、

 当たり前ではあるけれど
 自分たち人間とは一線を画した
 存在なのだと感じさせる空気を纏っている。

 見惚れていては仕事にならないのと
 失礼にあたると思い
 なるべく直ぐに視線を引き剥がすけれど

 燃えるように空が染まった時や
 二重の虹が掛かっているのを見つけた時に
 息を飲むような
 そんな高揚があった。]
 
(96) 2021/06/16(Wed) 8:40:23

【人】 龍之介

 
[片付けた先から
 汚されていくことには>>69
 怒りを覚えることも落胆することもない。

 慣れている、というよりは

 生きているから汚れるし
 生きているから散らかるのだ、と
 当たり前のこととして受け入れる心が

 母を亡くし
 幼い弟を育てていくうちに
 自然に芽生えていた。


 いたちごっこになったとしても
 前任者たちのように
 それで心が折れることだけは無いと
 断言できる。]
 
(97) 2021/06/16(Wed) 8:40:40

【人】 龍之介

 
[むしろ、


   (ミクマリ様も
    自分たちとおんなじように
    生活をなさっているのだなぁ……)


 などと、微笑ましく思ってしまった。

 親近感を抱くには
 あまりに尊い御方で
 畏れ多すぎるのだけれども。

 それを、うっかりと口にしてしまう
 声も自分には無いから
 安心していられる。


 また、ちらりとご様子を伺って
 ふわりと頬を緩めた。]*
 
(98) 2021/06/16(Wed) 8:40:54
水分神は、メモを貼った。
(a11) 2021/06/16(Wed) 8:55:18

龍之介は、メモを貼った。
(a12) 2021/06/16(Wed) 8:55:32

到着:土地神 リン

【人】 土地神 リン




[  ──……嗚呼。

          又、今日が来る ]
  

 
(99) 2021/06/16(Wed) 9:55:20

【人】 土地神 リン




[ 金襴緞子に飾り馬

     紅白餅に、絵入りの貝

          土埃舞う道に米や花まで振りまいて ]
 
 
 
(100) 2021/06/16(Wed) 9:55:44

【人】 土地神 リン


 

[          
      
               ────また。今日が来る ]
 
 
 
(101) 2021/06/16(Wed) 9:56:17

【人】 土地神 リン

 


  なぁ。おまえ

     次のは、妬き性じゃないと善いなぁ
 
 
 
(102) 2021/06/16(Wed) 9:57:13

【人】 土地神 リン

[ 手を伸ばし、身をすり寄せる
 黒々とした毛髪を一房掬い上げては指に絡め
 こつん、甘えたように額と額を合わせていると
 


             ────ゴトリ
             外と中、境に何か重い音がして ]
(103) 2021/06/16(Wed) 9:57:49

【人】 土地神 リン



  あ。着た

 
 
(104) 2021/06/16(Wed) 9:58:15

【人】 土地神 リン


[ 着たのなら、迎きいれよう
 訪れたのなら、迎え入れよう

 てん、床板の上に足の跡がつく
 ぎしり、乾いた板が軋む音がする




            そうして重たい引き戸に手をかけ ]
(105) 2021/06/16(Wed) 9:58:52

【人】 土地神 リン




  いってくる
 
  
(106) 2021/06/16(Wed) 9:59:26

【人】 土地神 リン

[ "いってらっしゃい"の声は聞こえない
 長いこと、他の声も聞いてはいない

 これが年をとったということか
 口煩かったのも今では嘘のよう
 褥の上、黙りこくる前の嫁に視線を向け ]
 

  ────…… 成る程、そうか


[ そういえば、あの嫁は妬き性だった
 それが無言の理由なのか、と府に落ちる

 とはいえ、訪れたものは迎え入れるもの
 それが決まりではあるのだから ]
(107) 2021/06/16(Wed) 10:00:15

【人】 土地神 リン


  それは、なんの音だ


[ 御簾を上げ、中を覗く
 雷鳴のような楽の音に、雨乞いかと首を傾げた** ]
(108) 2021/06/16(Wed) 10:00:50
土地神 リンは、メモを貼った。
(a13) 2021/06/16(Wed) 10:07:52

【人】 ソフィア

 

  何故『 大蛇 』を神と偽っているのか。
  その理由は至極単純なもの、
  村の人間に反感を抱かせないためである。

  化け物に生贄を与え、平穏を得ている。
  そのことがわかれば、必ず敵愾心を抱く者が現れる。

  時の村長はそう考え、少数の村人と共に
  ひとつの空想を練り上げた。
  
  この村の近くには
  生と死を司る神様がいる、と>>30

 
(109) 2021/06/16(Wed) 10:22:40

【人】 ソフィア



  刃向かってはならない。
  敵対してはならない。
  
  しかし、その力は欲しい。

  村人一人の命で平穏が得られるのなら安いものだ>>40
  神の元へと行くというのならその者も光栄だろう。


  そうして今では、真実を知るのは一握りの人間だけ。
  また今年も、輿入れの季節がやってくる。
 
(110) 2021/06/16(Wed) 10:23:18

【人】 『ただの子供』 ソフィア



***

  
  動物の鳴き声が止んだことにも>>42
  空気の流れが変わったことにも気づかないで。

  俯いた顔を不安そうに歪ませて
  私はぐるぐると一人考えていた。

  道なんて覚えてないほど闇雲に歩いた。
  ここに来る、とは友達には伝えても
  大人には伝えなかった。
  探しに来てくれるのかもわからない。


   「 ううう…… 」


  もう少ししたら泣いてしまいそうで。
  一層身体を縮こまらせて、世界に脅えて。
 
(111) 2021/06/16(Wed) 10:24:01

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  そんな時に響いたのは、
  どこか恐怖を感じさせるような、重々しい声>>44

  顔を上げて探すように辺りを見回したのは
  ただの反射行為だったけれど。
  姿の見えない相手に、藁にも縋る思いで
  喉を震わせ声をかける。
  
  
   「 あなたは誰?
     私は神様を探しに来たの。

     ねぇ、神様の住んでる場所か、
     村への帰り道、わからないかな。」


  子供ゆえの無鉄砲さと、ほんの少しの勇気。
  そこから出した言葉は、相手にどう響いただろう。
  
  村へ帰ることだけを考えないのは
  まだ当初の目的を諦めていないから。
  神様なら一日お泊まりさせてくれないかなとか
  そんなことも思ってる。*
 
(112) 2021/06/16(Wed) 10:24:31

【人】 水分神

 

    (今年のはやけに物静かじゃな)


[去年の男にはお喋りで五月蝿いと
 文句をつけたからじゃろうか?

 一言も言葉を発さぬ男への感想は
 そんなものであった。>>90

 殊勝に頷くのみで出て行く背中を
 半ばほどまで見送れば>>93
 あとは興味を失ったように
 持参された品々>>90へと視線を移し
 緩慢な動きで起き上がり手を伸ばす。]
 
(113) 2021/06/16(Wed) 10:29:51

【人】 水分神

 
[妾に食事は必要ない。
 故に暇つぶしでしかないが
 瑞々しい果実や甘い菓子は美味しく
 ほどほどに気を紛らわせてくれるので
 まあまあすきじゃ。

 水ではない水は匂いにクラッとし
 白い塊は硬い
 葉っぱは苦いからすきじゃない。

 一体何のために寄越すんじゃろうな?

 先代は人間を大切にしていたから
 この屋敷には人間の家と同様の厨房は存在する。
 そして、何人かの婿がそこで何かを調理して
 妾に差し出してきたことがあるが
 妾は終ぞ口にしてこなかった。

 ────何か熱そうなんじゃもん。

 果実と菓子の包みだけを
 拾い上げ両腕で抱え込むと
 未だ汚しておらぬ部屋へ移り
 ごろごろし始めた。]
 
(114) 2021/06/16(Wed) 10:30:15

【人】 水分神

 
[妾の力で常に冷んやりしている屋敷に
 縁側から差し込むぽかぽかの陽気が心地良い。
 うとうとしてくれば
 眠気に抗うことなくお昼寝に移行した。

 ころりと果物が掌から転がる。]


    むにゃ……さくらんぼは全部妾の…………
    ん……? ……はっ……!


[そうして暫く寝ていたが……、
 部屋に近づく男の気配で目を覚ました。>>95

 妾のきゅーとな寝顔は
 唯で見せてやるわけにいかぬ。
 ヒトとは異なる存在、威厳も示さねばならぬから
 慌ててヨダレを拭くと、襖が開いた。

 せーふせーふ。]
 
(115) 2021/06/16(Wed) 10:30:33

【人】 水分神

 

    ……?


[一瞬、別の者が入ってきたかと思うたが
 顔も気配も同じじゃ。
 服を着替えた>>93のか、と少し置いて気付くも
 特に声を掛けることはない。

 人間の方も、何か言うでもなく
 妾が汚した部屋を片付けていく。]
 
(116) 2021/06/16(Wed) 10:30:40

【人】 水分神

 
[何も、妾のおる部屋に来ずとも
 他の部屋から片付ければ良いのに。

 そう思いつつ、意地悪な顔で笑う。

 果物の皮を細い指先で剥けば
 男に掃除され綺麗になったばかりの空間へ

 ぽいと投げた。

 妾は、にたにたしながら次の果実を頬張る。
 甘酸っぱくて、うんまいのう。]
 
(117) 2021/06/16(Wed) 10:31:00

【人】 水分神

 
[男は……嫌な顔ひとつせず
 その皮をも拾うと
 淡々と掃除を続ける。>>97

 ……いや、どういうことじゃ?]
 
(118) 2021/06/16(Wed) 10:31:14

【人】 水分神

 
[ぽいぽいぽいぽい。

 菓子の包み紙や果物のごみを次々捨てるが
 それらも文句なしに回収されてしまう。

 ふむ、中々手際が良いな……って
 感心などしておらぬからな、断じて!]
 
(119) 2021/06/16(Wed) 10:31:26

【人】 水分神

 
[不意に奴がこちらを向いたかと思うと

   微笑みかけられた。>>98

 ────なななな、なんじゃあ、それは!]
 
(120) 2021/06/16(Wed) 10:31:38

【人】 水分神

 
[狙いは妾の菓子か? 果物か?]


    ……っやらぬからな!


[ぷい、と顔を逸らすと
 周りに散乱していた菓子たちをかき集め
 再び抱え込んで部屋を出ていく。

 襖は足で開け放した。
 行儀? なんじゃそれは美味いのか?]
 
(121) 2021/06/16(Wed) 10:31:56

【人】 水分神

 

    ……む? ……むむ? む?


[そうして屋敷の中を走っていると
 違和感、違和感……のちに、気づいた。]


    な、んなななな……!
    屋敷の中が綺麗になっておる……!

    ここも……、ここも……?!


[もしや妾の寝ていた部屋以外すべてか?
 否そんなまさか、と呟きながら走り回り
 その通りであったと確信してしまえば戦慄した。]
 
(122) 2021/06/16(Wed) 10:32:07

【人】 水分神

 

    いやいや、幾らなんでも早すぎる……どれ


[ジューバコの隅をつんつんしてやろう。
 余談じゃが妾はおせちの甘い具が好きじゃ。

 木製の窓枠を指でつーっとしてみる。
 ……が、期待に外れ、埃はつかなかった。

 よぅく掃除が行き届いておる。]
 
(123) 2021/06/16(Wed) 10:32:27

【人】 水分神

 

    ぐぬぬぬぬ……


[どうやら、今回のは特に手強そうじゃ。

 妾の好物の供物に手を出そうとするほど
 肝が据わっとるようじゃし。

 ……あ、葉っぱと白い塊は要らんから
 どーなろうと知ったこっちゃないぞ。]
 
(124) 2021/06/16(Wed) 10:32:44

【人】 水分神

 

   (どうしてくれようかの……)


[上段の間に戻りて
 菓子をぼりぼりとつまみながら
 彼是策を巡らせる。
 不機嫌さを隠さぬ姿があった。**]
 
(125) 2021/06/16(Wed) 10:32:54

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   元々姿を見せる気など毛頭なく、
   ただ「帰れ」と告げるつもりであった。

   帰り道が分からないとあれば
   村までの道を示すことも吝かではない。


   子どもの消え入りそうな声になど>>111
   『 大蛇 』の感情は動きはしないのだ

   しかし子どもが顔を上げたその瞬間>>112
   『 大蛇 』は思わず息を飲むことになる。



(126) 2021/06/16(Wed) 15:10:48

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   子どもの容姿が星に消えた主の幼き頃と瓜二つで
   それはまるで擬似的な再会を果たすかのごとく。

   『 大蛇 』は主と子どもが別人だと理解しつつも
   どうしてもその姿を重ね見てしまう。


      「ここに神などおらぬ。
       在るのはただ、怪物一匹。」



   『ただの子ども』の小さな勇気は
   どちらかと言えば村に帰るより神との謁見にあり、
   つまりは己を神と見てその姿を目に焼きつけること。

   『 大蛇 』にはそのように聞こえてならず
   ついには人の形をした姿で子どもの前に姿を現す。


   
(127) 2021/06/16(Wed) 15:12:15

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




      「村への帰り方ならば教えよう。

            だが――――――。」



   かつん、かつん、と歩が進む音と共に
   座り込む子どもの前にたどり着けば

   子どもの目を覗くように片膝をついてしゃがむ。


      「お前の言う神は......
       夜な夜な迷い込む子どもを攫う
       悪魔のような存在だ。

       それでもお前は...まだ探したいと、
       会うてみたいと、そう思うのか?」



   子どもに神様の根城に泊まろうなどと
   無邪気な思惑があることなど知らず。

   子どもに恐怖を与えて二度と近づかせない。
   そう思ったが故の虚言を語りかけてみせるのだ。*


(128) 2021/06/16(Wed) 15:14:15
『 大蛇 』 ラサルハグは、メモを貼った。
(a14) 2021/06/16(Wed) 15:29:44

【人】 白竜 ヤオディ

[あ、こいつ変態だ。相手しちゃいけないやつだ。
女人はここにいる、と言い切った男にそれを察した。>>51
やばい、相手しちゃダメなタイプだ。
そう思ってそのまま踵を返して帰ろうとしたら、なんか勝手に滝の中に入ってくるし!!]


 そなたはどう見ても女人ではないだろう?
  あ、ちょっと、勝手に入ってはならぬ。


[慌てて止めようとしても、花嫁と言い張っているし、なんなのこの人と、内心涙目である。>>52

花嫁にしても、もっと可愛い人がいいんだけど!!
こっちに選ぶ選択肢ないの?
まさか魔物の花嫁に憧れる一般男性なんて存在するとも思ってもみなかったし]
(129) 2021/06/16(Wed) 17:28:56

【人】 白竜 ヤオディ


 ひぃぃいいいいっ


[しかも、勝手に近くに来てはぎゅうっと抱きしめられる。
妖術が使えるとはいえ魔物なのにそれほど筋肉がついていない自分と違う、男として羨ましい体格の持ち主の自称お嫁様(誤植ではない)。

それなのに、なんでこの人、花嫁って言い張るの!?と既に半泣きである。

これは話し相手なぞを求めた自分への人間たちからの嫌がらせなのだろうか。
余は何かしたか!?
いいことしかしてないと思っていたが。
もしかして、余は女人と話させたくないくらいにひどいおのこなのか!?]
(130) 2021/06/16(Wed) 17:29:18

【人】 白竜 ヤオディ

 な、何か手違い……いや、間違いが起きているようだの。
 もし、かんぅ殿。
 とりあえずは、中で休まれては……ひぃっ!

[なんだかんだ言っても、相手は人間。少々おつむが弱いようでも、一騎当千の猛将の気配がするのは間違いない。
命を取るのも忍びないし、ととりあえずは迎え入れよう……いや、断じて花嫁でも花婿でもなく、と思う。
思いっきり片目瞑りの煽りをくらい、悪寒を走らせたがこれは別に風邪でもなんでもないだろう。
湿度も水も、あまりあっては人の身によくないと、滝の入り口だけはそのままに、中から水を追い出そう]
(131) 2021/06/16(Wed) 17:29:39

【人】 白竜 ヤオディ

 これ、かんぅ殿に茶を持って参れ。
 それと【客人】に乾いた衣をも支度頼むぞ。


[手を叩くと、滝壺の生き物に精を分け与えて僕にした者たちが近づいてくる。
もてなすように命じれば、ほどなくして饅頭のような濃く熱い茶と、茶請けがやってくる。
そして、どう見ても婚礼衣装のような女物を見ていたくなかったので、にこやかに【男物の】着替えを差し出した*] 
(132) 2021/06/16(Wed) 17:30:35

【人】 書生 茅

[その馬鹿>>88がここに居るとは、まさかまさか山神さまでも知らぬことだったろう。
安心して欲しい。
青年本人には馬鹿の自覚が微塵もない。
……いや安心できる要素どこにもないな。


日暮れから暫く、風を叩く翼の音>>87に、ふと俯いていた顔を上げる。
乙女らしく淑やかに座ることなど思いつきもしない青年は、枷の嵌め込まれた左足首を抱えるようにして、半ばあぐらをかいていた。
せっかくの白無垢にも皺が寄って台無しもいいところである。
ただ、時間が経つにつれずきずきと痛む、枷のはまった足首が気掛かりだった。
撫でたところでまるで意味はないのだが。

上げた視線の先で、何かの気配が蠢く。
ギリギリまで正体を隠して相手を引きつける…などと知恵を回したわけでもないが、幸い薄暗がりの中、角隠しに隠れた顔は見えづらかったらしく。
また恐怖でこそないがその気配に息を呑めば声の一つも溢れることはなく。

近づいた気配が灯した灯りに、刹那、目が眩む。
けれど、その持ち主の輪郭が、僅かに脳裏に焼きついた。]
(133) 2021/06/16(Wed) 18:13:31

【人】 書生 茅

[人型、をしていた。
翼こそあれ、多少(?)己を上回る体格であれ。
人型ではあったから。
青年の残念な脳みそは、相手を『ヒトに準ずるモノ』と認識した。

認識するのと、身体がバネのように跳ね上がるのはほぼ同時だった。
ばさり、羽織っていたのみの白打掛が、行燈の灯りに翻る。
角隠しが転がり落ち、青年の顔が露わになる。
比較的整った顔立ちとはいえ、明らかに『男』の顔だ。]

 
わぁぁぁ!


[殺気など、込めたことも無い青年の喚きは、威嚇にすらならない。
ただ煩いだけ。
けれど灯りを受けた鳶色の瞳は、ただただ勢いだけで、決意ひとつに煌めく。

『山神さま』を、弑すべし。


からん、と匕首の鞘が転がる音がして、剥き身の刃を手に、無我夢中に斬りかかった。

馬鹿正直もここまでくれば阿呆としか言いようがないと言うくらい、真正面から。**]
(134) 2021/06/16(Wed) 18:15:52

【人】 将軍 かんぅ

[ふむ、花婿殿はどうやら照れ屋のようだ。>>129
踵を返そうとするのをそう判断するのはかんぅ観察眼の力だ。どう見ても女人だが、と主張するのは綺麗な花嫁衣裳。勝手に入ってはならぬというが、おかしな事を言う。]


 何を申しておる。
 婿殿の家ならばこのかんぅの住処でもあろう。


[そう愛の巣!
これこそ正に之からの二人を祝福する住処だろうに。こんなにも可愛い恋する一般人男性、滅多にいませんよ。なのに花婿殿はどうにも及び腰でこまる>>129これは良き結婚生活を送るには、花嫁として手を引いた方がよいか。
とすでに今後について(プラン)考え


とりあえず景気づけに抱きしめました]
(135) 2021/06/16(Wed) 18:22:29

【人】 将軍 かんぅ



 …む、細いな。



[しかと食べているのであろうか。
これは勢いよく抱きしめて骨を折りかねん。
それは危険である。相手が魔物であるとは思ってもあまりに華奢に思わず案じてしまう>>130。かんぅは不思議な術や奇跡など使えぬごく普通の人間である。ただちょっと一騎打ちの名手。一合で決着がつかぬ相手は勇将と言われるほどの。故に何か声をあげているのを歓喜の声と勘違いした。いやどこにもその説明はないというが、一騎当千。
戦場でよく聞いた声(悲鳴)に似ているせいだ。


半泣きに気づけばその涙をぬぐい。
いかがした。と生真面目に問うたのだが]


 …手違い?


[間違いとはなんだ。
中から水を追い出す優しさを持つ花婿を前に、花嫁は考えた。もしやこの花婿殿は自分がいやいや嫁ぎに来たと思ったのか。―――そういえば、村の娘は泣いていた。

そうか、そういうことだったのか!>>131]
(136) 2021/06/16(Wed) 18:23:05

【人】 将軍 かんぅ

[あ、これ勘違いしていますよ。
白竜さん。大変な事になりますよ。どうしましょうか。と実況がお送りします。兄者って、ちょっと強引な処あるよな。とかイマジナリー弟が心の中で言う。だが、基本的にイマジナリー弟はかんぅの味方である。妄想の弟なのだから当然だ。

何かの勘違いをして理解している間に、摩訶不思議な生き物が熱いお茶と、茶請けを用意するのを眺め、腰をどかっと下ろせば、用意された着替えと花婿を交互に見て]


 …まず、花婿殿は何か勘違いをされておらぬか?
 主は花嫁を望んだのよな。


[事実の確認。
片手にも小さすぎる湯のみをいただき]
(137) 2021/06/16(Wed) 18:23:29

【人】 将軍 かんぅ

 ならば安心いたせ。
 このかんぅが主の花嫁で相違ない。
 その上、望んできた故に


    怯える必要はない。


[あ、これはまずいですね。
決定的に勘違いしてますよ、これ。いやむしろ綺麗に不理解をしているというべきでしょうか。どうでしょう解説さん。にこやかに笑う顏と【男物の>>132】衣装を見比べ]
(138) 2021/06/16(Wed) 18:24:38

【人】 将軍 かんぅ



 それと【客人】ではなく
 花嫁と呼んでほしいのだが、……


[嫁ぎ満々の花嫁は
少しばかり躊躇うものの
ええい、男ならば潔くと心に決めて]


 …それとも求めておったのは
 花婿であったか?

  かんぅとしては花嫁が本望であるが
  主が望むのなら花婿として嫁ごうぞ―――
(139) 2021/06/16(Wed) 18:24:51

【人】 将軍 かんぅ

[ちがうそうじゃない*]
(140) 2021/06/16(Wed) 18:25:05

【人】 白竜 ヤオディ

[意図的にお客扱いしているのに、本人から訂正入っちゃったよ!
え? 花嫁に本気でなりたいの? なんで? ねえ、なんで??]


 いや、余は元々…………。


[いや別に花嫁を望んだわけでは、と否定するチャンスだったのに>>137、かんぅさん、喉を潤してそのまま続けてくれる>>138。それも自分が全然安心しない方向性で。
あ、話聞いてくれないですかそうですか。
望んでここにきているせいで、余は怯えているという風には思ってくれないんですね!!!]
(141) 2021/06/16(Wed) 19:55:04

【人】 白竜 ヤオディ


 ―――………。


[ほんと、どうしたらいいんだろう。こんな暑苦しい花嫁も花婿も間に合っているんだけれど。
それにこの人、追い出そうとしたら暴れない?やばくない?
そう思いながら背負っている青龍偃月刀をちらっと見る。
どう見ても名刀だろう、あれは。
あれで斬られたら死なないにしてもきっと痛いだろうし]


 あー、うん、かんぅ殿?
 大体、会ったことのない魔物の花嫁というのに、いきなりなろうなんておかしいとか思わないものかの?
 花嫁になろうというのは百歩譲って。

[そんなところに男の潔さはいらないと思うよ? と懐柔することからスタートしようか]
(142) 2021/06/16(Wed) 19:55:22

【人】 白竜 ヤオディ


 まず、そちはこの洞にいさせられても困るであろう? 
 余は水の生き物であるし、そちは陽の元に生きる者。
 見るからに武芸に秀でたようなそちはここにいるべきものではないし、村の者もその方を願っておるぞ。

[相手のこと、みんなのことを思っているような言いぶりだが、本音はもちろん、帰れ、なのは言うまでもないだろう。
ただ、それを相手に直接言えるような豪胆さがないだけである。元々この白竜、気が弱い*]
(143) 2021/06/16(Wed) 19:55:50

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 
 
  姿も見えない相手が驚いていることなんて>>126
  今の私にはわからないもの。

  ましてや、知らない誰かと重ねて見られているなんて
  思ってさえもいやしない>>127
  

   「 怪物……? 」


  神ではなく怪物がいると嘯く相手に
  私は言葉を繰り返し、疑問を表した。

  怖気が走るような心地になる声。
  気がつけば震える手を、
  ぎゅうと胸の前で握りしめて。
 
(144) 2021/06/16(Wed) 20:10:19

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  かさり、と葉の擦れる音が聞こえただろうか。
  そちらに目を向ければ、そこにいたのは
  ─── 燃えるような赤い髪を持つ男
>>128

  
   「 あ……っ、 」


  ひゅう、と息を飲む音をさせて
  私は目を見開き、その男を見つめた。
  
  自分とは違う、大きな存在。
  心で感じたことをそのままに、
  身体をガクガクと震わせる。
 
(145) 2021/06/16(Wed) 20:14:35

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  そんな姿をどう思ったか。
  彼は足音を鳴らしながらこちらに近づいてきた。
  響く音はこの場では異質なようにも思えて
  自分を守るかのように身を縮ませる。

  覗き込んでくる瞳は何色と形容したらいいのか
  子供の自分ではわからない。

  ただ、その水のような目に射抜かれれば
  ……どうしてか、心の中になにか
  恐怖とは違うものが湧き出たような気がした。

 
(146) 2021/06/16(Wed) 20:15:42

【人】 『ただの子供』 ソフィア



   「 え? 」


  神様が、子供を攫う? 悪魔?>>128
  考えてもいなかったことに意表を突かれて
  間の抜けた声が場に響く。
  
  自分の村で子供が居なくなったことは
  知っている限りない>>41

  なら、と違う村の子かとも思ったけれど
  この近くに村は自分のところだけだと認識している。
 
(147) 2021/06/16(Wed) 20:16:04

【人】 『ただの子供』 ソフィア

  

  この人は嘘を吐いている。

  でも、それはどうして?

  恐怖よりも上がってきた疑問が気になり
  先程までと顔色を変えて彼のことをじっと見た。

  怖い人。嘘を吐く人。
  でも、もしかしたら、
 
(148) 2021/06/16(Wed) 20:16:41

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

   「 私のため? 」


  思考の間を伝えることもせずに吐き出したから
  彼にはなんのことだかわからないかもしれない。

  けれど、相手を慮れる程大人ではない。
  まだ、幼い少女なのだから。*
 
(149) 2021/06/16(Wed) 20:17:20

【人】 五色 冥桜

[雷鳴は激しく轟くものだ。
幼き頃は臍を盗られるだのと脅かされ今に至るにそれは梅雨入りの合図であると知る。
今は怒りの表れであり人の起こす雷鳴というものは長持ちはしないものである]


  ふむ……。


>>108陽光が差し込むと雷鳴は鳴りを潜めしとしとと降る雨の如く撥は絃を弾いて鳴らす]


  それが何を示すのか分からぬな。
  予が奏でる楽器であれば左手に三味線。
  右手に持つは撥と言うものぞ。


[弾く手を止めると両手を開きそれぞれを示す]


  予の奏でていた音であるならばあれは雷鳴だ。
  空に瞬く閃光と共に腹の底に響く怒号よ。


[言葉と共に三味線と撥を定位置に戻すと一条の雷鳴を奏でた]
(150) 2021/06/16(Wed) 20:41:03

【人】 五色 冥桜

  予の音を一生聞いていたいと言う者がいると。
  そう伺いどうしてか身体を文字通り磨かれ。
  輿に押し込まれえっちらおっちらやってきたのだが。
  今になって思うにあれは謀られたのではないか。
  そう思い至ったのだ。


[演奏を止めると失礼と輿から降り立つ。
長らく座っていたので腰を大きく伸ばし周囲を見回した]


  おや、どこに……おっと失礼。


[姿が見えぬと周囲を見回したが視力が弱く見えなかった。
だが位置は変わらず目の前の下の方に頭があり膝を折って視線の高さを合わせると胸元へと手をあてて礼の姿勢を取った]
(151) 2021/06/16(Wed) 20:44:47

【人】 五色 冥桜

  謀られたと思ったのだが、もしや、もしや。
  お主が予の奏でる音を聞いていたいと言う御仁だろうか。
  そうであれば重畳であるがいかに?


[この男、嫁に出されたとは聞いてはいなかった*]
(152) 2021/06/16(Wed) 20:46:24

【人】 将軍 かんぅ



 ふむ、婿殿は花嫁の事を案じてくれるのであるな。


[勘違いは美しい>>142
彼の脳内になんでの文字が浮かぶこと幾回か。生憎、かんぅの頭に配慮というものはない。いやあるが明後日の方向への配慮しかない。これが種族の違いなのかもしれない(バッドコミュニケーション)絶対違いますね。>>141

会ったことのない魔物の花嫁に云々と
花婿殿は言っている。其の節々からかんぅは花婿殿の人の好さを感じていた。まさにこの方は人徳の方。ここにいるべきではない。つまりこの方はともにこの世に討ってでると考えているのか。何を急にいっているんだ。解説、解説をお願いします。

結局自分は花嫁なのか、花婿なのか分からないが、否定がはいらなかったので花嫁であろう。
であろう【強調】]
(153) 2021/06/16(Wed) 20:50:34

【人】 将軍 かんぅ

[とりあえず、花婿殿は気遣いができる魔物なのだ。
そうかんぅは考えた。>>143こうして嫁ぐ身を案じてくれているのだ。心根の優しい、その姿に見合う美しい存在なのだ。かんぅの心きゅんきゅんしちゃう(かんぅぽいんと1ぽいんと追加)魔物に怯える村人達はこの花婿殿の事を勘違いしていたのだろう。出されたお茶をぐいっと飲み干し。

すくっと立ち上がればおもむろに
青龍偃月刀を抜いた]


 確かにこのかんぅは
 この武によって将軍となった身だ。

 だが


[一呼吸]
(154) 2021/06/16(Wed) 20:50:52

【人】 将軍 かんぅ



 このかんぅには夢がある。
 そう――魔物の花嫁になるという夢が。


[的中(ピンポイント!!!!)]
(155) 2021/06/16(Wed) 20:51:17

【人】 将軍 かんぅ



 それに今までの問答にて
 花婿殿が心優しい男であることが分かった。
 これでも一国の将をしていており
 人を見る目はある。主の場合は魔物だがな。


[かんぅおちゃめ(じょーく)]

 ゆえに、かんぅは花嫁としてだけでなく

  将としても主にお仕えしたい。


[イマジナリー弟とともに。
ともちろん付け加える。兄者、俺のこと花婿殿見えてないよ。というか、誰にも見えないから。とかまともな事を幻聴はいっているが残念、気にもしない。

自らの愛刀を捧げようと
膝をつき、自らの魂たる刀を差しだして
その深慮深き(怯えているだけ)眼をまっすぐと見つめ]


 主こそが天下の王となる方よ。


[恋は盲目!!!!*]
(156) 2021/06/16(Wed) 20:51:45

【人】 白竜 ヤオディ

 (ひぃぃぃぃっ)


[まさかきゅんきゅんされてるなんて思いもよらず、いきなり抜刀されて、肝が縮み上がる。
驚きすぎて声も出せずに悲鳴を上げたが、相手は唐突に語り始めた。


そこでなんで魔物の花嫁になるのが夢なの!?
なんで花婿じゃダメなの?(そういう問題ではない)

しかも主とか言いだしてるよ。
それにイマジナリー弟ってなに? とかんぅの周囲に誰かまだ他にいるのだろうかと探してしまう。
おばけとかだったら嫌だなぁ。この人、人とかいっぱい殺しているだろうから、悪霊とかいてもおかしくなさそうだし、と、こちらの方がびくびくしてしまう]
(157) 2021/06/16(Wed) 22:06:23

【人】 白竜 ヤオディ

 かんぅ殿……刀を捧げられるのは嬉しいのだが、余はあまり人の世に関わることはできぬ。
 余のような力を持つものが人の理(ことわり)に深入りすることは世を乱すきっかけになるからな。


 あ、でも花嫁でなく、将として余に仕えてくれる方がまだマシ……いや、嬉しいかな、と。
 ちゃんとその辺りをわきまえてくれるというのなら、白竜のヤオディの臣として認めるのを許すぞ。

 天下の王にはなれぬが、そちだけの王で許してたもれ。


[ああ、ようやく、まともっぽい関係に落ち着くことができた……と思うと涙が出てきそうだ。これ以上かんぅと話していると、ますますこんがらがりそうな気がしないでもないが]
(158) 2021/06/16(Wed) 22:06:57

【人】 白竜 ヤオディ

 さて、そちは他の荷物はどうした?
 刀1つ着の身着のままでこちらまで参ったのか?

[そうなると色々と準備をしなくてはならぬと、話しを聞こうとかんぅの隣に座ろうか*]
(159) 2021/06/16(Wed) 22:07:59

【人】   天狗

[実のところ、「娘」を要求してはいるが容姿などに拘ったことはない
気を使ってか機嫌取りか、たいていは器量の良いものが選ばれたが
たとえばそれが「村にとって厄介だから」という理由で選ばれたとしても
天狗は変わらず受け入れてきたし、それによって村が報復を受けることもない

そう
大抵の場合、それは村の中でも立場の弱い者から選ばれるからだ
あの時厄介な子供を贄にしようとしたように

だから、そこに座っていた白無垢の姿が「多少」女性より逞しく見えても気にはしなかったし
足を崩していても「痺れたのだろう」程度にしか思わなかった>>133
息を呑む気配もいつもの事だったし、恐る恐る視線を向けるのもいつもの事

だからいつもと変わらず声を掛けたのだが]
(160) 2021/06/16(Wed) 22:10:16

【人】   天狗

 は?

[此方を認識したとたんに上がる顔は、まだ子供じみてはいるが確かに男のもの
上がる声は悲鳴でも威嚇でもなく、狭い洞穴で煩く響くだけ

ただ、その目に何やら異様な決意を感じて動きを止める]

 お前……っ!

[問おうとした隙は一瞬だ
その一瞬を狙ったか、何かが転がる音がして僅かな灯りに煌めく白刃>>134

とはいえ、何の小細工もなしに真正面から向かってきたのでは
「天狗は狩れない」

まして匕首程度では、軽く傷をつける程度が関の山だ
余裕をもって「わざと」刃に腕を掠めさせ、残りの手で匕首を持つ手首を捕まえて]
(161) 2021/06/16(Wed) 22:11:19

【人】   天狗

 どういうつもりだ小僧
 村長にでも頼まれたか?

[小賢しい連中と思ってはいたが、こういう手に出るとはと
呟く声に怒りはなく、むしろどこか楽し気だった**]
(162) 2021/06/16(Wed) 22:12:03
  天狗は、メモを貼った。
(a15) 2021/06/16(Wed) 22:14:07

【人】 龍之介

 
[何か誤解を生んでしまったようだ。>>121

 枇杷に、杏に、さくらんぼ、夏みかんに、桃。
 もぎたての果物たちと
 砂糖菓子の袋などを抱え、
 器用に足で襖をお開けになると
 駆けて行ってしまわれた。]



   ……



[ミクマリ様が気に入ってくださったものに
 許可もなく手を付けるようなことは
 決して無いのだけれども、

 それを伝える術も持たぬ自分は
 どうしたものか、と思いつつ
 艷やかな紫の髪が
 たなびく後ろ姿を見送った。]
 
(163) 2021/06/16(Wed) 22:24:54

【人】 龍之介

 
[それにしても…、

     
ちか

 ますます親しく感じてしまう気持ちを
 止められない。

 不完全な自分と同じように
 ミクマリ様も
 完璧なんかじゃなくて
 足癖が悪かったりするのだな、って。


 あと、
 好物を独り占めしたいって主張も>>121
 真っ直ぐで屈託がなくて
 とても心地いい。]
 
(164) 2021/06/16(Wed) 22:25:04

【人】 龍之介

 
[失礼極まりないかもしれないけれど
 少し弟に似ているな、とも思ってしまった。

 悪いことをして叱られそうになると
 ぺろっと舌を出して
 さっさかさーと逃げ出してしまうような子だ。

 代わりに自分が
 「育て方が悪い」だとか
 「躾がなってない」などと
 お小言を受ける羽目になるのもお決まりで。

 けど、朗らかなところが消えることなく
 育ってくれたのは
 自分にとっては、すごく有り難かった。



 
卑屈なのは、俺だけでいい。

 
(165) 2021/06/16(Wed) 22:25:16

【人】 龍之介

 
[価値のない自分を
 覆い隠し、見えなくしてしまう為に
 人一倍、努力だけはした。

 効率を考え
 手際よくこなせるのも
 その日々の積み重ねの成果だ。


 柔らかな足の裏が
 綺麗にしたばかりの床を踏んで立てる音と
 上げられる驚きの声を聞きながら>>122

 今しがた
 お姿のあった辺りも
 ちゃちゃっと片付けていく。

 そうしてまた
 塵一つ付かない状態にして
 ミクマリ様のご様子を伺いに行った。]
 
(166) 2021/06/16(Wed) 22:25:38

【人】 龍之介

 


   ……



[なんだか、まだ
 ご気分を害されたままのようだ。>>125

 このまま帰されてしまうのだろうか…?
 それは、困る。
 とても、困る。

 もっと、俺のことを
 必要だと思ってもらわなければ。]
 
(167) 2021/06/16(Wed) 22:25:51

【人】 龍之介

 
[床に放置されたままになっている
 酒や餅、野菜、塩などを>>114>>124
 一礼をしてから拝借し、厨房に向かった。

 ミクマリ様が
 食べなくても平気な体だとは
 存じ上げないから
 胃袋を掴みたい、掴めたら…との一心で
 必死に考えを巡らせる。

 そうして、
 足りない食材を御屋敷周りの湖で調達すると
 手慣れた様子で調理していく。]
 
(168) 2021/06/16(Wed) 22:26:07

【人】 龍之介

 
[柔らかく煮た人参をすり潰し
 滑らかにして
 自然な甘さのおつゆに仕立て、

 湖で取れた貝を
 香り草と共に酒蒸しにし、

 卵を溶いたものに
 炒めたホウレン草と餅を入れ
 とろんっとしたところで火から下ろした。

 それらを綺麗に盛り付けると
 白米と共にお膳に載せ、
 箸と匙を添えて
 上段の間へとお持ちした。]



   ……



[そっと差し出して、ご様子を伺う。

 召し上がっていただけるかどうか
 美味しいと、おっしゃっていただけるかどうか
 どきどきしながら見守った。]*
 
(169) 2021/06/16(Wed) 22:26:31

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




       「いい?ラサルハグ。
        世界は愛で満ちているんだよ。」



   神に裁かれると知った主が最期に遺した言葉を
   『 大蛇 』は一度足りとも忘れたことは無い。



       「愛に代償なんていらない。
        代償なんてなくても皆幸せになれる。

        いつかきっと。君にもわかる日がくる。」



   『 大蛇 』が代償を得ることを
   主はこれまで何度も『 大蛇 』を叱り
   言い聞かせてきた。

   たとえ自らを侮辱した人間が何食わぬ顔で
   主の救いを受けようとしていても。
   主はその考えを決して曲げはしなかった。



(170) 2021/06/16(Wed) 22:30:50

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ


      (私には分からない。

       人間がそんな高尚だというのならば
       あなたが消える事もなかったではないか。

           ―――我が主、アスクレピオスよ。)
(171) 2021/06/16(Wed) 22:32:39

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ


 ***


         「そうだ。」



   『 大蛇 』は子どもの疑問を肯定する。>>144
   胸の前で握られる手が子どもの心情を語る。

   幼子には酷かもしれないが許せ、と。
   『 大蛇 』の思惑の通りに事はすすむ。

   身体の震えを露にする子どもを前に
   いたたまれない気分が微かに湧き立つ。

   どうしてもその身なりに主を思い出すのだ。

   ただの子どもには抱かぬ感情は
   『 大蛇 』の心にひどく絡みつく。

   
(172) 2021/06/16(Wed) 22:33:56

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   ただひとつ誤算があるとするならば
   『ただの子供』はただの子どもよりも
   叡智(Sophia)に富む素質を秘めていた事か。


   子ども一人には通じる嘘は
   子どもの口から疑念となって零れる。>>147
   何かしら疑問を抱くその時点で既に
   『 大蛇 』の知る子どもとは違うのだ。



   その心何を思うか。
   躍動と道筋を知る術を持たぬ蛇は
   先に示された終着地を目印にその道程をなぞる。


   元来人間に興味を持たぬ『 大蛇 』には
   慮る品性などさしたる問題ではない。



(173) 2021/06/16(Wed) 22:35:17

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




      「おかしな子どもだ。
       我がそんな心優しき獣に見えるか?」



   最も、彼女に叡智の素質を感じた時点で
   己の狙いを完璧に読まれていることは明白だ。>>149
   この子どもの言う通りであると、認めざるを得ない。

   聡明さと危なさを兼ねる少女を前にして
   『 大蛇 』は声を和らげて問うた。


      「お前、名はなんという。」



   『ただの子供』に対して
   『 大蛇 』は珍しく興味を示す。

   この子どもがいつか成長した時
   この者ならば主の言葉の真の意味を
   理解できるのだろうか。


             そんな疑念を胸に秘めて。*
(174) 2021/06/16(Wed) 22:41:19

【人】 将軍 かんぅ

そちだけの王?


[これは迂闊>>158
兄者は謀略とか策謀とか苦手だけどこういうのは聞き洩らさないぞ。探されたけど見つけられないそんな弟からの助言(アドバイス)>>157は彼に届いただろうか。
届いたらもはや以心伝心。怖い。

驚きすぎた花婿殿は大切な何か(ツッコミ)を
置き去りにしてしまった。その結果がこれである]
(175) 2021/06/16(Wed) 22:48:39

【人】 将軍 かんぅ

[あのとき大切な何か(ツッコミ)を口から出していれば、心の中でのおしゃべりで終えなければもしかしたら、十分の一。いや百分の一ぐらいでかんぅも気づけたかもしれない。

かんぅ特性:傲慢。あ、はい無理ですね。
これはなんで魔物の花嫁になるのが夢なのか。花婿ではないのか。その理由にまつわる過去話を懇々と話しだしますね。
刀を捧げられるのは嬉しいとまでこの花婿殿はいった]



 ……つまり花嫁としてかつ
 将として、主に全てを捧げればよいのだな。
 そちらだけの王とその言葉でかんぅは本望よ。


[実際のところ、かんぅがどれだけやばい将でも
花婿殿が天下の王になるには色々足りていないので、彼が人の理に深入りする事ができぬ体性(タイプ)であってよかったのである。急募天才軍師(ツッコミ)]
(176) 2021/06/16(Wed) 22:49:52

【人】 将軍 かんぅ


 
 承知仕った。
 これより  白竜のヤオディの
  花嫁かつ将とし生涯をささげるゆえ。

       覚悟されよ。



[はい、今ひとつおかしな点がありました。
分かる方。…ひとつじゃないとか言わないで言ってはいけない。これ以上話をすると多分、知らない扉が開かれる。片膝をつき、捧げた武器は彼の手には渡らぬまま。だが、それよりも重大な問題が起きた。そう。

となりに花婿殿がきちゃった。
突然の恋の戦い(アクシデント)である]


 ふむ、他の荷物は部下に渡したな。
 かんぅはもう戻らぬ。

  先の主にそう伝えるようにと



[青龍偃月刀を置きつつ、腰を下ろし。
そそっと隙間を埋める。何処との隙間だってそりゃもう、隣の花婿殿兼主とである。ただの将と主であれば、距離を保つものであるが、花婿花嫁なのだから問題ない。故に肩へ手を伸ばして抱き寄せちゃったりして、して!]
(177) 2021/06/16(Wed) 22:50:32

【人】 将軍 かんぅ


 故に着の身着のまま。

 ……ああ、失礼。主を濡らす処であった。


[>>159花嫁衣裳のままだった。
婚礼の儀はまだであるが、このまま濡れた身で触るのは聊かまずい。さっき触ったってかんぅは忘れた。とにもかくにも婿殿を濡らしてはまずい。折角用意していただいた男物の服に着替えねば。…というところで、突然の生着替え(ストリップショー)これは好感度が上がるのではないか。

鍛えられ、幾多の戦いの傷跡がのこる
筋肉隆々の大男の腹筋が今そこに*]
(178) 2021/06/16(Wed) 22:53:26

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 常の調子を取り戻すことが、鬼には中々出来なかった。
 驚きの後に連なる驚きを齎したのは、
 か弱き哀れである筈の存在>>83の楽しげな嘲り。

 まるで周囲の心の内を覗き込み、弄んでいるかのような。

 ────「鬼の子め」と
 男衆の中の誰かの、思わず漏れたような声が聴こえた気がした。 ]


……そうだったか


[ 千太郎。その名の一部を奪う意味。>>84
 人間が赤子の名前に託す、期待や厄払いを無碍に扱うこと。
 或いは家督を継ぐ資格の無い男児だと、さとの兄が示したかったか。

 巡る思考の結論は、山に暮らす鬼には出せない。
 真新しい記憶のように怒りを見せることももう無い。 ]
(179) 2021/06/16(Wed) 23:06:51

【人】 鬼 紅鉄坊




知らなかっただけだ。嫌だとは、言っていない
ここまでご苦労だった。今年の輿入れは、これで終いだ


[ そうして受け入れる意思を静かに示せば、
 場がこれ以上ざわめくことは無かっただろうか。

 老婆の様子はどうだったか。
 嘆こうとも涙しようとも、声は掛けられない。 ]

……それは私の花嫁だ。早く縄を解いてやってくれ

[ 続いて求めを口にするまでにあった少しの沈黙は、
 改めて千の姿を眺め、盗っ人の如く扱われていることに気づいた為。

 今までの花嫁たちもまた、
 逃げ出さぬよう沢山の村人に囲まれ連れて来られたが
 縛られてまでいることは今年も今までも無かった筈だ。

 例え目出度くあるのが仮初の名だけであっても、
 これは生け贄の儀式ではなく、輿入れなのだから。 ]
(180) 2021/06/16(Wed) 23:07:12

【人】 鬼 紅鉄坊




年は幾つだ?

[ 返したのは当人か祖母か。男衆ではないだろう、きっと。
 二十二歳。本当ならばそろそろ花嫁を迎えてもいい年齢だった。

 思いは言葉にはならず、代わりに深く頷いた。

 ふと後ろを振り返る。
 廃寺に続く階段は短く低い、しかし── ]
(181) 2021/06/16(Wed) 23:07:29

【人】 鬼 紅鉄坊




では、行くとしよう

[ 千の目前まで歩み寄り、両の腕で軽々と抱き上げて
 顔が鬼の背の側にくる形で米俵のように肩に担ぐ。

 孫の傍らには今も老婆がいただろうか。
 そうでなければ少しその視界に入り難い小さな身体を探してから、
 抱えた荷は花嫁の物なのか問うだろう。

 村に本来不釣り合いな裕福な家は、中心地に居を構えているらしい
 そうはいない長寿の女が苦労して山まで運んできた物が
 当人の物だとは鬼には思えなかったが、どうだったか。

 肯定を示すようなら踵を返す前に受け取り、
 千を抱えた方と反対の手で持って石段を上がろう。

 望み叶わなかった老婆と別れた最後の花嫁を
 白い花々が迎え入れた先に、朽ちた廃寺がある。

 久方ぶりの晴天の日であったが、空の色は既に薄らぎ始めていた。 ]
(182) 2021/06/16(Wed) 23:07:52

【人】 鬼 紅鉄坊

── 廃寺 ──


[ いつもよりも低く低く身を屈め、戸を潜る。

 御像や貴重な品はとうの昔に運び出された内部は
 豪商の家で育った千にとっては特に、空虚に廃れて見えるだろうか。

 それでも、あるべきでないところから射し込む光は少なくなっている。

 説得を受けて心を決めてから今日まで、
 人間であり病を避けねばならない花嫁の為出来る限りのことをした。
 村人に幾つか頼み事をし、望んだ物を受け取って
 穴に板を打ち付け、布切れを何枚も使ってあちこちを拭い
 寝床も拵えてやった。

 抱えたまま向かった小さな部屋には
 真新しく鬼には使えない大きさの布団が敷かれ用意されている。

 その上に千を下ろし荷を置き、目前で胡座をかいて座り。 ]
(183) 2021/06/16(Wed) 23:08:14

【人】 鬼 紅鉄坊



今まで辛かっただろう。もう、大丈夫だ

[ 白い髪に伸びかけた手は、途中で止まり引っ込められた。

 鬼の目にはどれ程小さく頼りなく映るとしても、
 千はとうに元服を過ぎた大人だ。 ]

怯えなくてもいい
私はお前を虐げも閉じ込めもしないのだから

[ しかし
 男であると知り、悦を滲ませ他者を言葉で嬲る振る舞いを見ても尚

 己にはどうにも出来ない理由で不当に虐げられた
 哀れな被害者であると、変わらず鬼は認識している。 ]
(184) 2021/06/16(Wed) 23:08:39

【人】 鬼 紅鉄坊



今日はさぞ疲れたことだろう
小屋にも劣る我が家だが、ゆっくり休んでくれて構わない

いや、その前に……腹は空いているか?

[ 十年幽閉されていた人間が、山まで歩くのはどれ程難儀だったか。
 思い至らない程瞿曇では無い故に、短い石段すら歩かせなかった。
 
 答え次第では、部屋から辞した後に厨に向かうこととなる。** ]
(185) 2021/06/16(Wed) 23:09:00

【人】 鬼の子 千



[“「鬼の子め」“
聞き慣れた言葉に動く心も亡く、今は目線一つやらない。

対面した時は余程驚いていたのか、打って変わり何処か淡々として見える。
鬼が何を思考し名の意味を聞き、求められた選択に応えたのか、千にはその想いは少しも読み取れない。

鬼子は純粋な人間、ただ鈍くはない頭に偏った関心を詰めてしまっただけの、心根の捻れた若者だった。
ろくに知らない相手の感情を覚る力など持ち合わせていない。]

 ああ、紅鉄坊様は話が分かるねぇ!
 流石人間とは格が違うってものさ!

[故に純粋な喜色が今は浮かぶ。後ろで縛られていた手を叩いて笑う。
老婆の嘆きよりもずっと、その音は大きい。
鬼の労いに返す安堵を隠さない男達の声が更に重なれば、誰も気づけはしない。

それ以上口にしてはならないと理解している彼女は、肩を震わせて耐えるのみ。]
(186) 2021/06/16(Wed) 23:09:49

【人】 鬼の子 千



 あんた、見た目の割には静かだねぇ
 俺ァもっと分かりやすいほうが愉しいんだがな

[故に齢を伝えたのは当人。
またもや響かない反応に不満を躊躇いなく零す。
村人にとっては戦々恐々、しかし今までのように怒鳴りも力で止めもしない。
娶る意思を示された以上は、鬼子は鬼の所有物だ。]

 でもすることは乱暴だ、ひひッ!

[足が地から浮く心地は快いとは言い難い。
一切の抵抗を示さなかったのは、望んでいるからだけではない。

力が抜かれ、密やかに瞼が下りる。
昂ぶる精神が身体の訴える疲労を無視するのは、千にとっていつものことだった。
今までは当人を含めて、誰もが中々気づきはしなかった。

一人その場に留まり離れてゆく孫を見つめていた老婆以外は。]
(187) 2021/06/16(Wed) 23:10:18

【人】 鬼の子 千


  ─ →廃寺 ─


[上枠に頭がぶつかるすれすれを通り抜け、廃れた空間へ運び込まれてゆく。
眺める時間は、そこで下ろされることが無ければ短いもの。
へえ、ほう、と何かに興味を示し、納得するような声を上げていたが
意味のある言葉は良くも悪くもそこには無い。

辿り着いた小部屋、布団を手で押し確かめ、座している鬼を見上げる。

何も言わぬまま、口角が上がった。]

 …………いや、待ってくれよ鬼様よう
 何か勘違いしてるんじゃないかあんた

[そして千は正座し、側の荷に手を伸ばそうとしたのだが……。
同じく止まり、膝の上に引っ込む。

予想外の展開で、すぐに笑みは消えてしまった。
片眉を上げた表情と声に幾分かの困惑が含んでいるが、相手が口にしたような、自らより遥かに体躯で優れた人外を恐れる様子は少しも無い。]
(188) 2021/06/16(Wed) 23:10:40

【人】 鬼の子 千



 嗚呼、なんと言えばいいものかね

[この明白かつ致命的なずれを、どう説明するべきか。

理解はしたものの、ならば何故と疑問も過り選ぶべき言葉が定まらない。
腕を組んだ間に下りるように頭が垂れてゆき霧がかる思考は──まあ、そのせいだけでは無いのだが。

欠伸が一つ漏れる、涙は流れない。]

 そうだなあ、あんたが許してくれるんなら話は明日にしようや
 話したり聞いたり、色々してぇからよ

 飯はいい。今日の朝たっぷり食わされたからなァ

[そこまで伝えれば着のままで横たわり、背を向ける。

恐らく、いや確実に何もわかっていない鬼が何か問うてきたとしても、花嫁はもう返すことはしない。
そう時間は掛からずに、死んだように眠り始めるだろう。**]
(189) 2021/06/16(Wed) 23:11:23

【人】 白竜 ヤオディ

[なんでそんなところに反応を?と首を傾げる>>175
よもやそこに独占欲的な感情をのせられていると思っていなかったのだ。
これぞ二人の間の感覚と感性の違いであり、壁。
気を使っての社交辞令が全て、彼にとっての良い方へと解釈されていては、逃げ道もどんどん封鎖されてしまっている。
特性:傲慢、に性質が弱気では太刀打ちができるわけもなかった。
いうなれば、陰キャな文科系人間が、陽キャな体育会系人間に腕力勝負を申しこんだようなもので]
(190) 2021/06/16(Wed) 23:14:11

【人】 白竜 ヤオディ


 いや、だから花嫁の方は遠慮したいと……ふぇあっ!?


[王だけで勘弁して、とその辺りをきっちり拒絶しようとしたら唐突に肩を抱き寄せられて、奇声を発する。

なんかよくわからないが、この人を放逐すると即座に野垂れ死にしそうだということはわかった。
つまり単騎決戦でここに飛び込んできたというわけで……。
こんな無謀で無計画な人間が、どうして将なんて張れたのだろうか。いくら何でも頭悪すぎではなかろうか]
(191) 2021/06/16(Wed) 23:14:35

【人】 白竜 ヤオディ

 もう先ほどで濡れてしまったから、それはもうよい。
 それに余は元々濡れている方が楽での。

 待て、まてまて、こんなところで脱ぐのはやめぃ。

 ついでに湯殿に浸かるのはどうだ?
 洞の中には湯の水が沸き出る箇所があってだの。
 
 これ、誰ぞ。
 

[かんぅを案内させようと、手を鳴らす。
満身創痍の傷跡に、同じ男として羨ましさしかないたくましい躰。
そこには彼が背負ってきた人生を感じ、照れながらも彼に改めて服を着せようか。
そして、他の物の手配の準備も必要だなと、色々と考える様は、まるでこちらの方が花嫁であると誰も気づいてなかったかもしれない*]
(192) 2021/06/16(Wed) 23:14:52

【人】 書生 茅

[青年とて、『人』に刃を向けたことなど生まれてこの方一度もない。
命の取り合いをしたこともなければ、『隙』が生まれた所で気づくはずもなく。>>161
ただ、やたらめったらに振るったのみ。
それでも青年は本気だった。
本気で
『山神さまを弑する』
が己の使命と信じていたし、それは誰に強要されたものとも思っていなかった。
この愚直な青年に、カギひとつとはいえ盗みなど成功し得る要素などひとつもないというのに。

本気で、その刃が届くと信じていた。
だって青年は知っていた。
『刃物は肉を断つことができる』と。
だから、
『刀があれば、敵を斬ることができるのだ』
と。

その切っ先が、『山神さま』の肌を薄く裂き、そこから散るはずの血の色が、何色なのか、確認する暇すら無く、いつの間にやら逆に小刀を握りしめた手首を囚われていたのは。
青年からすれば、本当の本気で青天の霹靂で、何が起こったのかまるで分らずに目を白黒させた。]
(193) 2021/06/16(Wed) 23:22:04

【人】 書生 茅

 え…っ……え?

[相手を斬る気だったのか、刺す気だったのか、それすら定かではないような手つきで匕首を鷲掴むように握りしめたまま、そのびくともしない手首を見やる。
そして、投げられた問い>>162に瞬きを一つして、『山神さま』を見やってまた、え?と間抜けな声を零した。
ここに来てもまだ青年は、『圧倒的な力量差』というものにまるで思い至らず、狐に化かされたような心持になっている。]

 え……
 いや……村長さんは…俺には何も、頼まない…

[混乱したままに、答えになるような、ならないような言の葉を口にする。
村長さんは、俺にあらゆることを教えてくれた。
どうすれば、よそ者の俺が村に居ることを赦されるのか。
つまりはどうすれば、村の人たちの為になれるのか、教えてくれた。
俺にはむつかしくてよくわからないことは、文字通り身体に叩き込んでくれた。

村長さんは、俺には何も頼まない。

けれど。]
(194) 2021/06/16(Wed) 23:22:39

【人】 土地神 リン

[ 御簾を上げ問いかける
 雷鳴の如き楽の音が薄れ、雨音と成る
 
 前には笛の音を風音と聴いたか
 いや、あれはさらに一つ前だったか

 示す手に、成る。とひとつ頷き返し ]


  三味線に、撥
    そして雨乞いではなく怒号、と

  ──成る程、八つ当たりの類か


[ 雷鳴が奏でられ、余韻を残し消える

 確かに。音一つで不平を伝えられる分
 狂ったように笛を吹くよりよほど効率が良い
 
 淀みなく不平不満を述べる様を>>150>>151
 それごと音の一つと受け止め、流し ]
(195) 2021/06/16(Wed) 23:22:54

【人】 土地神 リン


  ──── ……


[ 此方を探す素振りに口元に薄い笑み
 一歩と相手の方へと歩みを進め ]
 
(196) 2021/06/16(Wed) 23:23:24

【人】 書生 茅

 俺は……
 あんたを、
らないと……!

[びくともしない手首を引き抜こうと、身を捩る。
足元でじゃらりと鎖の音がして、また少し、足首に枷が食い込んだものだから、少しだけ奥歯を噛んだ。

それでも…それでも……!

泣き暮らしていたお嬢さんを、思い出す。
数年前、記憶もないままに路傍に転がっていた俺を、可哀想だからと拾ってくれたお嬢さん。
お嬢さんが『山神さま』へお嫁にやられて、お嬢さんに救われた俺がのうのうとしているわけには、どうしたって行かなかった。
俺はまた、匕首を握りしめた掌に、さらに力を込める。*]
(197) 2021/06/16(Wed) 23:23:33

【人】 土地神 リン



[ 男の次の言葉に
 ふ、と浮かんだ笑みが掻き消えて ]
 
 
 
  
(198) 2021/06/16(Wed) 23:23:50

【人】 土地神 リン

[



               そうか、ヒトは変わるもの
                時が経てば忘れるもので ]
 
(199) 2021/06/16(Wed) 23:24:39

【人】 土地神 リン

[ そうか


               ────忘れてしまったか ]
 
(200) 2021/06/16(Wed) 23:25:20

【人】 土地神 リン


  ……合っている


[ 膝に乗り、黒髪を指に絡めて確かに言った
 小言のかわりに笛をと無理難題を強請りもした

 それは彼の嫁が黙したままになり
 褥から起き上がらなくなって尚、繰り返したことで ]


  聴いていたいと
        ──確かに、言った


[ 眠ったままになり
 そうして、次の嫁が来て姿が消えた

 どこへ行ったのかと思っていたが
 稽古をしに行っただけだったか、と
 
 記憶と似た面立ちに目を細め、腕を伸ばし ]
  
(201) 2021/06/16(Wed) 23:26:10

【人】 土地神 リン

 
  ようやく帰ったか
      随分と、待った


[ 腕を伸ばせば抱き上げられる
 そういうものだと記憶はしているが* ]
 
(202) 2021/06/16(Wed) 23:26:36
書生 茅は、メモを貼った。
(a16) 2021/06/16(Wed) 23:26:51

書生 茅は、メモを貼った。
(a17) 2021/06/16(Wed) 23:27:20

【人】 五色 冥桜

  予とて大の男。
  それが一族女手揃えてひん剥かれ。
  身を磨かれれば恨み言の一つも言いたくはなるものよ。


>>195断じて八つ当たりではなく正当な要求の範疇だと改める。
認識の齟齬というものは予め消しておいた方が良いものだ。

>>196細かな>>197表情の変化には気づかぬままに。
>>201約束と言う意味で伸ばされた手を取った]


  何れにせよ謀られたわけではなく。
  実際、予の前にお主が居る。
  そしてお主が望むのだから予はこう返そう。


[取った手を柔らかく握ると頭を垂れた]
(203) 2021/06/17(Thu) 0:07:27

【人】 五色 冥桜

  予の全てを捧げよう。
  お主のために音と詩を紡ぎ出そう。


[頭を垂れたまま手を引き寄せ、その甲へと口づける。
口づければ頭を挙げた]


  前の件はわからぬが待たせていたなら申し訳ない。
  生憎と目を悪くしていてな。
  うすらぼんやりとしか見えぬがお主は小さきようだな。


[見えぬ分は耳で聞く、見えぬ分は手で触れる。
甲へと口づけた手を辿り身体に触れると脇の下へと手を入れる]
(204) 2021/06/17(Thu) 0:07:39

【人】 五色 冥桜

  む、ん……なかなか重い。
  産まれてこの方、三味線より重いものなど
  終ぞ持ち上げてこなかったからな。


[腕の力だけでは無理そうで身体を抱き寄せその腕を肩にかけさせてから掛け声と共に抱き上げた]


  予の名は五色。
  村では厄介者の芸能の一族の期待の星。
  それがこの冥桜だ。
  して、中に入っても良いのか?


[輿に入り続けたくはないものだと首を鳴らして腕の中の小さき者に問うた*]
(205) 2021/06/17(Thu) 0:07:42

【人】   天狗

[手首を捕らえ封じれば、明らかな動揺の色が浮かぶ>>193
殺意より勢いが勝るそれ、人が相手であれば深手を負わせるくらいは叶うだろうが
何が起きたのかさえわかっていない様子を嗤って見遣る
天狗がその気になれば刃物振るう暇もなく屠られていたかもしれないというのに
豪胆なのか、それともただの無謀なのか、まあ恐らくは後者だろうが]

 ほう、村の差し金じゃないとなれば、小僧
 お前が一人で考えたことか……できると思うたか?
 小僧が「嫁」でなければとうに殺してるところだぞ

[揶揄うように口元を緩めながらも天狗は考える
この洞穴の場所については後をつけてくれば見つけることは出来よう
だが、枷を解く鍵は村長が厳重に管理しているはずだ
つまりは協力がなければ逃がすことはできない筈だと
まさかその鍵が人目につくところに置かれるなどあるはずがないのだから


天狗は知らぬ、この小僧の身の上など>>194
だが、問い掛けに虚をつかれたような様子は、それが嘘ではないことを天狗に伝える
それを見抜くのもまた力の一つではあったので]
(206) 2021/06/17(Thu) 0:37:35

【人】   天狗

[手首を捕らえられていながらも、そして揶揄うような声を向けても
斬らんとする意志は揺るがないらしく、逃れようと身を捩るのを見て僅かに手首掴む力を強める]

 あんな手つきとこんななまくらじゃワシは斬れんぞ?
 その度胸は感心するがな、ワシには敵わんなぁ

[匕首を握り直すのに気づいて掴んでいた手首を「軽く」捻る。>>197
それでも刃物を握っていられるなら、いっそ折ってしまおうか?]

 小僧、お前失敗したときの事は考えとらんだろう?

[口調をわずかにまじめなものに変えて問う
頼まれたのではなく自身で考えたにしては甘すぎる
こんな大それたことを一人で思いつくなら、もっと綿密に確実にできるはずだろう
そうで無しにできると思っていたなら、こいつは阿呆だろうが
それとなしに入れ知恵したものがいるとすれば話は別だ


それならそれで、いくらでも「愉しみ様」はあるというものだ
小僧と村の処遇の行方は、天狗の手の内にあるのだから**]
(207) 2021/06/17(Thu) 0:40:15
  天狗は、メモを貼った。
(a18) 2021/06/17(Thu) 0:42:13

【人】 水分神

 
[あの男が部屋にくれば>>166>>167

 やらぬからな! とばかりに

 脇息の周りに置いた菓子と果物を引き寄せ、
 眉を釣り上げ、威嚇した。

 その他の供物を持っていくのは止めぬ。>>168
 どうぞどうぞじゃ。
 何処ぞに捨てて来ても構わんからの。]
 
(208) 2021/06/17(Thu) 0:53:13

【人】 水分神

 
[暫くのちに、男がまたやってきた。

 今度は何じゃろう。

 見ておれば、
 湯気の立ち上る品々を差し出してきおった。>>169

 先程持って行った其の他の供物たちか。
 此奴も、妾に食わせようとする。
 ご機嫌取りか? それは意味ないぞ。]


    左様な熱そうなもの、食いとうない!


[ぷいっとそっぽを向いて
 唇をつーんと尖らせた。

 熱いものも暑いのも、嫌いじゃ。]
 
(209) 2021/06/17(Thu) 0:53:38

【人】 水分神

 
[……しかし。]


   (良い匂いではあるのう……)


[妾の意思に反して、
 鼻が独りでにすんすんと匂いを嗅いでおる。

 直ぐ目を逸らしたが、黄色とか緑とか、
 きれいな色合いじゃった気もするし……。

 ちらりと、皿の上を確認した。*]
 
(210) 2021/06/17(Thu) 0:54:08

【人】 龍之介

 
[どうやら… ミクマリ様は猫舌らしい。>>209

 作ったお食事に
 口をつけていただけなかった話は聞いていたけれど
 それが理由だったのなら、納得する。

 自分たちにとって
 温かいものはご馳走だから、
 熱々なうちに差し出そうとしてしまう。


 それが気に食わない、と
 拗ねたような口元が主張していて
 なんだか幼い子どものようで
 可愛らしくて、憎めない。

 それどころか世話を焼きたくて堪らなくなる。]
 
(211) 2021/06/17(Thu) 7:10:37
白竜 ヤオディは、メモを貼った。
(a19) 2021/06/17(Thu) 7:10:38

【人】 龍之介

 


   ふぅ、ふぅ、…



[匙で掬った橙色のスープに息を吹きかけ
 冷ましてから
 これなら如何ですか?と
 視線だけで尋ねつつ、そっと差し出す。

 興味が全くない訳ではなさそうなご様子に>>210
 目元を柔らかく撓めた。]*
 
(212) 2021/06/17(Thu) 7:10:41

【人】 将軍 かんぅ

[謙虚な方である。
ただ遠慮したいという言葉はかんぅの耳には入ったのにまんま届かなかった。>>190しかしすれ違いながらも話しは続く。続いてしまったのが悲劇かもしれない。

どうして将なんて張れたのか、答え。
敵陣に単騎で切り込む。一騎打ちする。勝つ。
周りびっくり、部下の士気が上がる。
大体いつもそんな感じ。>>191
かんぅは何の力も持たぬ男子だから武力にものを言わせるしかほかないのである。一騎当千は罪の味かもしれない。どういう意味だ。とりあえず性質弱気というよりお人よしではないだろうか。今後が心配です。かんぅの好感度に直結(ダイレクト)]
(213) 2021/06/17(Thu) 7:17:59

【人】 将軍 かんぅ



 ほう?濡れているほうが楽?
 不思議な話であるな。

 人は濡れたままでは風邪をひくが。
 婿殿は風邪は引かぬのだな。


[人のような魔物だと思った。
だがやはり違うようだ。こいつ、ふつーに婿殿と呼んでいるよ。という点だけ問題だが、珍しく真面目な事を考えていると。いや本人は常に真面目なのだがね!]


 湯殿…ふむ、初夜前でもあるが
 共にしてよいのか?
 む?


[不穏。発言のほとんどが不穏。
しかし本人は悪だくみなど考えぬ性質ではないのも花婿の悲劇であろう。手を鳴らし、服を改めて着せようとする身は華奢だ。かんぅの身長は高いのだから当然見下ろす形になる。
どっちが花嫁か問題が浮上しそう。

むむ、花嫁の座をかけていざ。
いやいけない兄者、そこで脱線してはと
心の良心が止めにはいり]
(214) 2021/06/17(Thu) 7:19:02

【人】 将軍 かんぅ



 触れてみるか?


[満身の傷に。
むんっと軽く腕で力拳を作れば、
其処の傷が浮き上がるか。脳筋的にはこれ。筋肉に触りたいのであろうという考え。羨ましそうに見て見えたというのもある。ムキムキ。

ちなみに湯舟を共にする気満々なので、誰ぞが湯を用意したのならそのまま首を掴んでずんずんと風呂の方へ向かうだろう。あれ、さっき聞いた?
かんぅの中では応と頷いてくれたから問題ない。


――かんぅの中以外は知らない*]
(215) 2021/06/17(Thu) 7:19:54

【人】 水分神

 
[心の声が聞こえたなら>>211

 妾は猫ではないぞ!
 
もっと強くて格好いい——じゃ!


 と、声高に主張していた所じゃが
 妾にも出来ぬことがあって良かったな?]
 
(216) 2021/06/17(Thu) 9:40:15

【人】 水分神

 
[妾はこんな態度だと言うのに
 めげずに匙を取る姿が見えた。>>212

 強情な奴め。
 無理矢理食わせようとしたとて
 ずぇ……ったいに食わぬ!

 そう、決めていたが。]
 
(217) 2021/06/17(Thu) 9:40:26

【人】 水分神

 

    ……う?


[何やら、匙に息を吹きかけはじめた。
 湯気の量が立ち所に減り
 良い香りが強く舞い込んでくる。

 程よく冷まされた匙が差し出されれば
 男の顔と匙の間、視線を行き来させた。]
 
(218) 2021/06/17(Thu) 9:40:37

【人】 水分神

 
[向けられるは、優しげな眼差し。
 なんじゃか胸の辺りがきゅうってした。

 なんじゃ?]


    ……ふ、ふん。そこまで言うなら
    食ってやらんこともない


[何も言われてはいまいが、ほれ。
 目は口ほどになんとやらじゃ。
 妾は人間どものことわざも少し知っとるぞ。えっへん!]
 
(219) 2021/06/17(Thu) 9:40:48

【人】 水分神

 
[脇息に預けていた体を起こして
 ぺたんと座りなおすと
 口をあーんと開いて、食わされてやった。

 もぐもぐ。

 人肌ほどに冷めたそれは
 ほんのり甘くて……、
 お目目がとろーんとする。]
 
(220) 2021/06/17(Thu) 9:41:12

【人】 水分神

 

    ぷはぁ…………なんっっじゃこれはぁ〜

    この橙色は、あの根っこみたいなやつか?
    前に齧った時はこんなじゃなかったぞ

    
んまい!



[思わず満開の笑顔で言ってしまった。
 はっと気づけば、咳払いののち、
 「悪くはない」と言い直すのじゃが。

 そうして、他の品もちらりと伺う。
 興味があるとばかりに。
 決して、自ら匙を持つことだけはせず。*]
 
(221) 2021/06/17(Thu) 9:42:14

【人】 土地神 リン

[ 己の手を握り返す男の手
 柔く込められた力の加減には
 相変わらずだとそっと握って返し ]


  おや、
   風呂は嫌いであったか?

  我を風呂に入れるときには
    容赦なく磨き上げたおまえが
      今度は恨み言──を云う、と
    
 
[ おかしなものだと、くつりと笑う
 
 甲へと唇が触れれば
 ひび割れのない滑らかさ
 記憶との相違に、はたと目を瞑り ]
(222) 2021/06/17(Thu) 11:37:09

【人】 土地神 リン


  同じこと、過去にも云っていたが
    ────成る程、それも忘れたか
  

[ 無理もない、あれから長い月日が経った
 人間は日毎に変化する
 変わっていくものなのだから

 冬に葉を落とした木が春になり
 再び青々と葉をしげらせるのと同じ

 長い沈黙の時を経て
 また枯れ枝のような手足に肉がつく
 乾いた肌に張りが戻るものか、と

 とん、と府に落ちれば
 褥で黙したままのもう一人にも
 早く伝えてやらねば、と瞳に喜色が滲み ]
(223) 2021/06/17(Thu) 11:37:34

【人】 土地神 リン


  そうか、目を
   だから遅くなったのか

  急に消えてしまったからな
   次のに尋ねても"かえした"としか……
     

[ 拗ね、怒ったような口ぶりで云われ
 それ以上を尋ねることは叶わなかった

 今の嫁は自分一人と云われてしまえば
 喧嘩などしたのかと思うより他もなくて ]


  小さい、とな
    これでも多少は育ちはしたぞ
 
  とはいえ、子を孕むにはまだまだ
     身の丈が足りないのは認めるが


[ 小さいと云い抱き上げられる
 帯は結ばれ、魚の身はほぐされる

 己に対する扱いはそのようなもので
 それが当たり前と把握していたが ]
(224) 2021/06/17(Thu) 11:38:08

【人】 土地神 リン


  ぐ、ぬ。
   重いとはなんだ!……重いとは!

  そりゃあ、笛よりは
    よほど三味線の方が重かろうが
      育てと云ったのもおまえだろう


[ 記憶の中
 目覚めるたび抱え上げられあやされた
 はよ大きくなれと、歌うよう云われていた

 記憶と似通ったその顔が
 掛け声とともに己を抱き上げるのを
 面白い冗談を聞いたように笑い声を上げ
 抱き上げられたなら、首筋に腕をまわし ]
(225) 2021/06/17(Thu) 11:38:28

【人】 土地神 リン


  知っている
    五色──だろう

  そして、名は────


[ 蘇芳、と
 呼び掛けようとすれば
 紡がれたのはまた違った名で ]
  
(226) 2021/06/17(Thu) 11:38:49

【人】 土地神 リン

  

               ……冥桜、と
 
 
 
(227) 2021/06/17(Thu) 11:39:21

【人】 土地神 リン


  なぁ、人は
   ────人間は

     名も変えるもの、か?


[ 習っていなかった、と
 間近に瞳を見つめ、首傾げ ]


  ……まぁよい、中へ

   あまり遅くなっては
      次のが妬くからな


[ 今度ばかりは起きるかもしれない
 そのときに叱られたくはないだろう、と
 抱きつく腕の力を強くして* ]
(228) 2021/06/17(Thu) 11:39:39

【人】 龍之介

 
[こんな風に息を吹きかけ
 冷ましてから
 口元までお運びするようなお相手は
 これまで一度も居られなかったのだろうか。

 不思議そうなご様子に>>218
 大丈夫ですよ、さぁどうぞ召し上がれ、と
 眼差しで語りかけつつ
 恭しく差し出し続けていれば

 お気持ちが動いたようだ。>>219



   …… !



[音のない会話を
 汲み取ってくださったことも分かって
 胸の内に、
じん‥

 温かいものが広がっていく。]
 
(229) 2021/06/17(Thu) 14:49:02

【人】 龍之介

 
[開いてくださった口の中へ
 匙を進め、
 様子を伺っていると
 目元が幸せそうに緩んだ。>>220

 あぁ、よかった…、お気に召したようだ。


 それにしても、
 矢継ぎ早に述べてくださる感想と
 溢れるような笑顔の
 なんと可愛らしいことか。>>221
 こちらも釣られて破顔してしまう。


   (それは、人参という野菜です。
         美味しいですよね。)


 伝えたい言葉は胸の内だけで響かせて、
 言い直される「悪くない」に
 ありがとうございますの意を込めて頭を下げる。]
 
(230) 2021/06/17(Thu) 14:49:55

【人】 龍之介

 
[更に嬉しいことに、
 他の料理にも
 興味を持っていただけたようなので>>221
 箸で切り分けた出汁巻き卵を、]



   ふぅ、ふぅ…



[同じように冷ましてから口元にお運びする。

 断面には
 ホウレン草の綺麗な緑色と
 とろんと蕩けたお餅が覗いている。

 甘めがお好きなようだから
 味醂を多目に入れてみたのだけれど、
 どうだろうか?]
 
(231) 2021/06/17(Thu) 14:50:53

【人】 龍之介

 
[それも召し上がっていただけたなら
 次は貝殻から外した身を
 ひとつ摘みあげる。

 さっき、味見をしてみたところ
 ミクマリ様のお膝元の
 澄み切った湖で育ったためか>>2
 臭みはまるで無く、身もふっくらと大きくて
 今まで食べたことがないくらいに
 絶品だった。

 この世の旨味が凝縮している、と言っても
 大げさではないと思えるくらいに。


 これは冷めやすいから平気だとは思うけれど
 やはり息を吹きかけてから、
 にこり微笑みながら差し出した。

 熱くないですよ、と音に出来ない代わりに
 姿と表情でお伝えできるように。]*
 
(232) 2021/06/17(Thu) 14:51:09

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  問いかけに肯定が返ってきても>>172
  私は、神様と彼が言っている怪物が
  同じだと、すぐには考えつかなかった。
  
  恐怖で思考が上手く紡げず、
  頭の中は絡まったよう。
  言葉少なに説明されても、
  なかなか理解は及ばない。
  
  でも、きちんと説明してくれたなら>>128
  やっと頭の中の糸の絡まりが解れる。
  そうして、彼の言いたいことがわかった気になって
  答え合わせをするために、言葉を投げかけた>>149
 
(233) 2021/06/17(Thu) 14:59:00

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  この人は神様を悪魔と称し、自身を獣だと言う。
  はて、これは一体どういうことなんだろう

  問われた言葉とは別のことに思考をやる辺り
  少しは緊張感が解れたのかもしれない。


   「 えと、……見えるかはわからないけれど。
     それ以外に、意味はあるのかな? 」


  自分の思考の間を上手く補完してくれたことに
  子供の私は気が付かないまま。

  話がそのまま続くのなら
  吐かれた嘘の理由が他にあるのだろうかと
  頭を悩ませるように首を捻った。
 
(234) 2021/06/17(Thu) 14:59:37

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  悩みに対する答えは出たか、得られたか。
  未だに体は本能からか萎縮しているけれど
  心は先程までより縮こまっていない。

  人は未知を怖がるもの。
  なら、知れば恐怖が薄れるは道理。

  先までの声より柔らかなものがかけられれば
  顔を上げて彼の水のような瞳を見た。


   「 私の名前? 」


  この大きな存在が私のような小さなものを
  意識しようとするのは、なんとなく不思議で。
  きょとりと子供らしい大きな裏葉色の目を瞬く。

  じっと見つめても、真意は見えないだろうか。
  私は、目線を逸らさないまま小さな唇を開いて。
 
(235) 2021/06/17(Thu) 15:00:28

【人】 『ただの子供』 ソフィア



   「 ソフィア。 私はソフィアよ。
     ……あなたの名前はなんて言うの? 」


  神様が悪魔、は方便だとして。
  自分が獣というのは、一体どういうことなのか。
  疑問を晴らす機会を伺いながら
  問いかけを返すように名を尋ねる。*
 
(236) 2021/06/17(Thu) 15:00:36

【人】 鬼 紅鉄坊

── 陽の昇る前 ──


[ 夜半から降り始めた雨の音が途絶える。
 手にしていた小刀を置き丸めていた背を伸ばし、鬼は顔を上げた。

 行灯に照らされる、今まで向かっていた文机に
 小刀と共に平たく四角い、小さな石版のようなものが置かれている。

 その太い腕で存外器用に道具を扱っていたらしく
 人間でも気が遠くなりそうな大きさで彫り込まれた無数の文字は
 ────全てが女人の名前である。

 即席で掃除された廃寺の中と違い、
 長年丁寧に扱われていたことが劣化の少なさから伺える。

 新しく増えた名は、三つ。そこにせんという名は無い。 ]
(237) 2021/06/17(Thu) 15:15:09

【人】 鬼 紅鉄坊



そろそろか

[ 独り呟き、平たい石を文机の引き出しの中に丁重に寝かせ、閉じる。
 鍵は付けない、そもそも存在していない。

 今まで此処に立ち入るのは父のような男だけだったのだから、
 妖怪も人間も彼を除けば誰も近寄りはしないのだから当然だった。

 唯一の例外だった女は死んでしまった。 ]
(238) 2021/06/17(Thu) 15:15:42

【人】 鬼 紅鉄坊

── 小部屋 ──


[ 鬼の拳のように大きく米の塊といってもよい有様の握り飯と、
 薄い汁を椀に詰め込まれた野菜が吸ってしまっている味噌汁。
 器用なのは長年続けている習慣を行う時だけなのかもしれない。

 そんな飯を運んできた頃には外は明るく、
 新たな意味を与えられたばかりの小さな部屋にも鳥の声が届く。

 声は掛けなかった。故に未だ眠ったままだったのならば
 死体のように身動ぎしない姿をじっと眺め
 一度口元に手を近づけ寝息を確認するのみで、起床を待とう。

 過ぎない程度までならばだが。 ]
(239) 2021/06/17(Thu) 15:16:04

【人】 鬼 紅鉄坊



よく眠れたか?身体は辛くないか?
まずは食うといい。お前の為に、作ったのだ

[ 変わらず濃いままの隈の上、瞼が開いたのならば
 床に置いていた盆を持ち上げ、相手の側へ持ってくる。

 握り飯の塩気が強すぎることも汁の薄さも、鬼は知らぬまま。
 見様見真似で食事を与えようとも味見という言葉は未知。
 まあ、知っていたとして舌に合うものを出せるとは限らないが。

 食事を見守りながら、手を付けないようならそのまま
 隻眼は真っ直ぐに白を見つめ、話を切り出すこととなる。 ]
(240) 2021/06/17(Thu) 15:16:22

【人】 鬼 紅鉄坊



それで、千太郎よ。私は何の勘違いをしているのだろうか

[ 真にあるべきだった名であり、母の想いが込められたもの
 当然そう呼ばれたいだろうと口にして約束の対話を求める。

 顔を合わせた時はあれ程楽しげだったこの者を>>186>>187
 どこか困った調子に変えてしまったのは>>188
 鬼にとっても予想外の展開だった。 ]

これから共に暮らす為、お前を正しく理解しておきたい

[ 話も早々に横たわるのならば>>189
 こちらから提案したに等しい休息を邪魔する気にもならず。

 訳も分からないまま一言謝罪し、部屋を後にしたのが昨日のこと。 ]**
(241) 2021/06/17(Thu) 15:16:51

【人】 白竜 ヤオディ

 余は風邪をひかぬよ。
 病は人の心に感応して起こすものだからの。
 だから余は婿では……。

[婿殿と呼ばれているのを訂正させようとするのだが、途中で諦めた。
どうせ何を言っても無駄なような気がして。
この短い時間でかんぅなる男(どう見ても男なんだもの)を見抜いたのは慧眼だったかもしれないが。いや、誰でもわかるか。
この白竜、諦めが早いのも問題かもしれない]


 初夜前?
 共に?

[なんの話だろう? と風呂は召使に付き添わせる気満々の、他の者に雑事をさせるのは当然な立場と身分の存在がここに]
(242) 2021/06/17(Thu) 17:54:02

【人】 白竜 ヤオディ

 いやいや、みだりに他人の肌に触れては邪気が入るでの


[特に、貴様のような男の肌に触れたら最後、責任をとって!と迫られるかもしれないと思うと、みだりにもみだらにも触れたくない]

 さて、余はここで休んでおるでの
 かんぅ殿はゆるりと体を清めてくるがよい。

 ―――へ?

[素っ頓狂な客人にくたびれはて、目を離して少しは休もうとした矢先に、首ねっこを掴まれた]
(243) 2021/06/17(Thu) 17:54:28

【人】 白竜 ヤオディ

 こ、これ、かんぅ殿。たわむれもいいかげんにしなされ。
 これからそちの洗面具やら湯帷子、寝具なども用意せねばならぬだろ
 はよぅ手配せねば、夜に間に合わなく……っ



[あ〜〜〜〜れ〜〜〜〜。

ずーるずーると引きずられていく。
野生の勘なのかなんなのか、案内なしに迷わず湯殿の方へ行くかんぅ。すごい。
じたばたと両腕を両脚を振り回すが悲しいかな膂力の差。なす術もなく運ばれていって。
術を使えばよかったと気づいたのは、彼にぺいっと湯殿の中に放り込まれてからであった]
(244) 2021/06/17(Thu) 17:54:48

【人】 白竜 ヤオディ


[湯殿は岩の間からこんこんと湧く、真水の珍しい温泉だ。
地熱の関係で普通に水が温められているだけのようだ。
塩や硫黄などが混じっては肌が荒れる。
そうでないのがよくて近くの滝に居を構えたのもある]


 な、なんで余がそちの風呂の手伝いをせねばならぬのだ。
 そんなの湯女の仕事ではないか。


[たぶんかんぅ、そんな難しいこと考えてないと思うよ、とは思うが、屈辱だとぷるぷる震える白竜ヤオディ800歳だった*]
(245) 2021/06/17(Thu) 17:55:14

【人】 五色 冥桜

  異な事を言うな。
  予は風呂は好きだぞ。


[依頼主を抱っこし手の位置が落ち着くと唯一の持ち物である三味線と撥を片手で袋に包み背負った。

>>222先ほどから>>223記憶にないことを>>224言うがその都度表情も雰囲気も変化しているようで何かしらを基準として話をしているようであった。
もしも>>226名が紡がれたならば即座に理解したものだろうが黙されればこの男は好きなことを語る]


  一人で入る風呂も好きであるし。
  可愛い女子と入る風呂も好きだと思う。
  だがな、土中より引き抜いた根菜を洗うかの如く。
  全身洗われれば恨み言の一つも出るというものだ。


[立ち上がり邸へと一歩踏み出す]
(246) 2021/06/17(Thu) 19:08:15

【人】 五色 冥桜

  お主とは初めて出会った気はせぬが。
  残念ながら磨き上げたことや昔語ったこと。
  その辺りはどうにも記憶にないものだ。

  この世には三人同じ姿形をした者が居ると話がある。
  もしかすると予の知らぬ予が語ったのやもしれぬな。


[ちなみに三人目を見てはいけないのだそうだ。
そう>>228抱き着いてくる力が強まれば怪談話を語り聞かす]


  子を孕むならば今少し足りぬな。
  あと胸もない。
  尻の肉付きも鶏ガラのようだ。
  確かに育ったほうが良いだろう。


[からり、笑い声と共に敷居を跨ぐ。
敷居とは境界でありその先は神のみぞ知る世界であろうか]
(247) 2021/06/17(Thu) 19:08:22

【人】 五色 冥桜

  だが身が育つのも大切だが心も育たねばなるまい。
  子とは夫婦(めおと)の結晶だからな。
  出会い、気になり、好きとなり、恋をして。
  そうして結ばれ夫婦となり営み子をなすのだ。
  ……と予は聞いているし恋詩も凡そそのようなものだ。

  もっとも赤裸々な話も多いのだがな。


[敷居を完全に跨ぎ中に入ると、さて、どちらへ行くのだろうかと立ち止まる]


  変える場合もあるぞ。
  その名で居られなくなった時。
  源氏名として仮面の名を騙る時。
  本名を偽り語る時。
  そして夫婦となった際に籍を入れる時。
  他にも色々とあるのだが――。


[ゆると見え難い視線を主へ向ける]
(248) 2021/06/17(Thu) 19:08:28

【人】 五色 冥桜

  名は体を表すという言葉があり。
  今までの自分という殻を脱ぎ捨て脱皮をし。
  新しい生を受ける時にそうするのだ。

  ところで何か焼いているのか?
  それならば早くいった方が良いのだが……。
  どちらに進めば良いのだ、お主……ん。


[そこではたと口を閉ざし]


  そういえばお主、名は?


[まだ聞いておらぬなと思い問いかけた*]
(249) 2021/06/17(Thu) 19:08:33

【人】 書生 茅

[無謀の一言で片付けられるものなのか、この暴挙。>>206
青年はといえば、片手で捻って済むほどに力無き者であったことが却って(ひとまずは)青年の命を長らえせさせていることに気付かぬまま、うぅ、と唸ってみせる…本人は威嚇のつもりだ。
なお、後をつけるなんて考えもつかぬ青年が何故洞穴の場所を知っていたか。
そんなものは、花嫁行列とは名ばかりの付き添いに、大してありもしない荷物持ちに『志願』すればお嬢さんが喜ぶと、村長の妻である人に教えてもらったからに他ならない。
それが、こんなところで役に立つなんて!
]

 で……きる!

[
とうに殺している。

山神さまの言葉に、きっと嘘はない。
事実、山神さまに嫁いで行ったお嫁様は幾人か知れないのに、たった一人も帰っていないのだから。
山神さまが、
してしまったに違いないのだから。


本能が青年の胎の底を震わせるが、それを飲み込んで、それでも青年は吠えた。]
(250) 2021/06/17(Thu) 19:23:56

【人】 書生 茅

 …ぅっ、

[手首を捕らえる力が強くなって>>207、小さく呻く。
的確に関節を締める力から逃れる術はなく、握る手が強引に開かされるような錯覚を覚える。
抗えば捻るような力が加わり…
痛い…
いたい

緩んだ手の内から小刀が滑り落ち、一拍の間を置いて、刃先が岩肌に当たる軽い音が響いた。]

 っく……

[静かに問われた言の葉が、耳から脳の内側へ、滑り込む。
失敗?失敗…したとき?]
(251) 2021/06/17(Thu) 19:24:20

【人】 書生 茅

 しっ…ぱい…

[阿呆のように、繰り返す。
失敗。考えてもみなかった。
かといって、成功した後のことを考えていたわけでもない。
実際、この足首を縛める枷の鍵は、お嬢さんが持っていってしまった。
仮に山神さまを弑すること叶ったとして、それを知らぬ村の人が、青年を迎えに来ることは決してない。
ただ…帰れぬことは、誰かが示唆していた気がする。
誰だ。誰だっけ。
その時に疑問の一つも抱かなかった青年は、思い出すことすら叶わない。

ただ…失敗は、だめだ。
ダメなのだ。
青年は、はっとする。]
(252) 2021/06/17(Thu) 19:24:41

【人】 書生 茅

 だめ…だ、
 ダメ、
 お嬢さんには、想い人がいるんだから、

[だから、仮に失敗したとしても、山神さまをここに足止めしなくては。
お嬢さんが、隣の村へ駆け落ちするまでは。
勿論青年は、そのお嬢さんの想い人は本当は同じ村の中にいて、今現在祝言を上げようとしていることなど知りもしない。

そして、『余所者』である青年は、かつて村に告げられた制約>>62も、『山神さま』の本当の恐ろしさも、何も知らないのだった……だって誰も、教えなかったのだから!
だから、青年の考える『山神さま』の報復は、本来嫁入りするはずだったお嬢さんを拐いに行くくらいのものだったし、そこに青年自身の命運だってまるで考慮はされていない。

そう、阿呆なのである。
**]
(253) 2021/06/17(Thu) 19:25:10

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   不器用な『 大蛇 』の言葉は
   どうやら子どもを困惑させたようだ。>>233

   相手がいくら聡明であろうとも子どもは子ども。
   その事を忘れてはならないと頭では理解しているが
   『 大蛇 』には塩梅というものがよく分からず。


      「............いや、いい。気にするな。

       面倒な故、怯えさせて村に引き返させようと
       そう思うていたのだが。
       お前に子供騙しは通じないらしいからな。」



   悩み首を捻る子どもに『 大蛇 』は観念して
   己の魂胆を暴露する。所謂種明かしだ。>>234

   子どもの純粋な視野を持ちながら
   ただの子どもとは違い理解が早いのだから
   実に奇妙で、不思議な子どもだと舌を巻く。
   趣きを異にせど未知を怖がるというのは
   お互い様だったのだろうか。>>235

   

(254) 2021/06/17(Thu) 19:57:08

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




      「ソフィアか。良い名だ。」




   『 大蛇 』がそう呟いていると、
   『ソフィア』がこちらを見つめ水と裏葉柳が結び合う。

   その目は、『 大蛇 』の心を安らげる。
   主と瓜二つでありながら異なる目の色。
   この少女は主ではないと、『ソフィア』に対して
   勝手な染色をせずに歩み寄れるように思えたからだ。




      「我の名はラサルハグ。
       お前達が神と呼ぶ、ただの蛇だ。
       今はこうして人の姿形をしているがな。」




   ソフィアの名を問うなら己の名も答えねばならぬ。
   はぐらかすことに意味が無いことを
   『 大蛇 』は今しがた痛感したところだ。



(255) 2021/06/17(Thu) 20:00:23

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   そして『 大蛇 』は問いを続ける。
   間もなく夜も更けるだろう。
   己にはソフィアを村へ返す義務がある。

   だがその前に。
   少女の目的の真意を聞かねばならない。>>112

   『 大蛇 』は子どもへ威圧する声色を沈め
   きっと村の誰もが聞いたことがないであろう
   『ラサルハグ』の声色を響かせる。



      「それで、お前は私に会ってどうしたい。
            何か私に頼み事でもあったのか。」



   何も無ければあとは村へと送り返すだけだと
   少女が拒まなければ『 大蛇 』はその手で
   ソフィアの頬へと触れよう。
   自身が与えてしまった無意味な恐怖を
   削ぎ落とすために。*



(256) 2021/06/17(Thu) 20:04:23
『 大蛇 』 ラサルハグは、メモを貼った。
(a20) 2021/06/17(Thu) 20:07:01

【人】   天狗

[此方に手の内を握られても「できる」と威嚇するかのように唸る様子は
勇敢なのか、それとも本当にただの無謀なのかは知らぬが
天狗から見れば少しばかりの興味を引いた>>250

だから、遊んでやろうと思ったのだ
軽く捻っただけで容易く零れ落ちる刃物は、力では叶わぬことを教えるだろう
これで本当に殺せると思っていたのか、小さく阿呆のように呟くのを見遣る]

 先のこと考えとらんかったか
 故の無謀か、青いのぉ

[何かを思案するかのような小僧を揶揄うように嗤って
そうして、聞こえてきた言葉に、ほう、と声を零した>>252]
(257) 2021/06/17(Thu) 20:38:05

【人】   天狗

 そいつのため、か
 身代わりになって、あわよくばワシを殺そうと
 はは、愉快じゃの
 結局は失敗して、ほれ、この通りよな

[わざと、そう、わざと酷薄な笑みで小僧を見る
「お嬢さん」とやらにどんな思いを抱いているか見透かして>>253
その気になればここで殺して村も襲うことができるのだと気付かせて
小僧がただ利用されているなど今は知らず
]

 小僧、村は助けたいか?
 そのお嬢さんを助けたいか?
 ワシの言うことを聞けば村は助けてやらんこともないぞ

[にぃ、と、酷く人の悪い顔で(いや、人ではないんだが)問いかける
小僧の答えなど、聞かずともわかっているのだが]

 のう、小僧……お前、嫁の身代わりできたんだよなぁ?

[笑みを浮かべたまま、ずい、と小僧の前に顔を寄せる]
(258) 2021/06/17(Thu) 20:41:26

【人】   天狗

 嫁のかわりにワシとまぐわえ
 ここでワシのもんになってワシに犯されるなら
 村と、その娘は「今は」見逃してやるが?

[この小僧にどこまで意味が通じるかはわからないが
村を見逃すと言えばおそらく乗ってくるに違いない

「今は」だ、天狗に村を見逃す気などさらさらないが
それは今目の前にいる小僧を弄んでからでもよかろうと
何しろ目の前の小僧は、阿呆というほどに「純粋」だと思えたので**] 
(259) 2021/06/17(Thu) 20:42:22
  天狗は、メモを貼った。
(a21) 2021/06/17(Thu) 20:54:48

【人】 将軍 かんぅ

[なんだこの可愛い生き物。
なんだこの可愛い生き物。兄者がやばい。
やばくない時期あった?

この白竜はお人よしというよりも流され上手なのかもしれない。引き摺られていく姿とか。何となくたどり着いた湯殿。其処は見事な場だった。おとぎ話に出てくるような。このかんぅも大体おとぎ話のような存在だが、…いやどちらかというと軍記物か。軍記物と昔ばなしの合体技(ドッキング)。塩や硫黄のない其れはこの魔物の好みか。

よい湯だなー。あははん]
(260) 2021/06/17(Thu) 21:15:22

【人】 将軍 かんぅ



 ふむ?湯女の仕事?
 何を勘違いをしておるのだ。


[ぷるぷる震える白竜の前に座れば、問答無用とその高貴な装いを引っぺがしただろう。容赦がない、びりっとか音がしなかっただけましか。ましなのかなぁ…。

そのまま勢いのままに服を脱がし]


 裸の付き合いをしたいだけだが?
 …親しい臣下は、寝室や湯殿を共にするという。

 かんぅだけの王ならば親しいのでは?


[まっすぐに濁りなき眼が問う。
そういう事じゃない。そういう訳じゃないんだが、かんぅの心はどったんばったん(ブレーキが効かない)

しかし、かんぅの好感度を上げ過ぎた婿殿が悪いところあるよね。洗面具や湯帷子、寝具を用意しようとするなど。どっちが嫁問題が勃発しかねない処とか。じたばたと両腕両足を振り回すのも赤子のようで愛いものであったし。

諦めが早いの以外に問題はあった。
そのままよく分からない衣を全部引っぺがせば
脇に手を入れ、ひょいと持ち上げて湯の中へ。
そう小さい子を湯にいれるあれである

わぁい力持ち。]
(261) 2021/06/17(Thu) 21:15:46

【人】 将軍 かんぅ


 婿殿は他人の肌に触れては
 邪気が入るのであったな。

 かんぅは先ほど知らずとはいえ、
 婿殿に触れていた。

  …邪気を落とさねばならぬのではないか。


[至極まともな事を言っているように聞こえる。
今までがあれであるのに。今もあれであるのに。しかも温泉に婿殿を入れただけでは足らず、自らも脱ぐ始末。ふんっと力よく溢れる筋肉。
そしてざぶぅんと入水。
湯が、湯が溢れます!!

ああ流れていく。湯が筋肉に押し流される]
(262) 2021/06/17(Thu) 21:16:24

【人】 将軍 かんぅ


 安心めされよ、婿殿。
 夜は長い。


[じっくりと裸の付き合いをしようぞ。と
どう考えても不穏。今夜は北斗七星の近くに星が輝くか。(死兆星)*]
(263) 2021/06/17(Thu) 21:17:58
五色 冥桜は、メモを貼った。
(a22) 2021/06/17(Thu) 22:08:13

【人】 白竜 ヤオディ


[可愛い生き物などと、見た目はおっさんだが、はるかに年下の者に思われているなどと思ってもいなくて。
おとぎ話の主人公な二人が二人して風呂場にいるというのもシュールであるが]

 
 !???
 な、なにをいたすっ、変態! 痴漢! 変質者っ!!


[唐突に衣類を引っぺがされて、ぎゃーぎゃー文句を言う。
かんぅの特別製の耳からしたら、全てみーみー鳴く仔猫の鳴き声程度にしか思われてなかったかもしれなかったが]
(264) 2021/06/17(Thu) 22:30:27

【人】 白竜 ヤオディ

 裸の付き合いって!!
 それは気心を知れ渡った後の話ではないのか!?
 しかも戦のさなかとかのっ
 王が配下の者と同時に湯に浸かるなどあるわけなかろうっ
 そんなことをするのは伽を命じた相手のみぞ。


[曇りなき眼で言われても、ダメなものはダメと躰を隠しながら顔を真っ赤にして不平を言うが、相手は聞いているのかいないのか、またひょい、と子供を持ち上げるように脇から手を入れ、ぼちゃん、と湯に落としてくれた]
(265) 2021/06/17(Thu) 22:31:13

【人】 白竜 ヤオディ

 なにをするっ!!
 まず、掛湯をせんか!


[マナーがなっておらん、とぷりぷり湯の中で怒りながらずれたことをがなる。
邪気のこと、気を付けてくれてたのかと気づくが、あれは意識しておけば大丈夫な類だ。それと、長く近くにいるようになれば、気が交換されて邪気も薄まっていくものだし。
そかし、かんぅが自分もすっぽんぽんになって飛び込んできたので思考が途切れた]
(266) 2021/06/17(Thu) 22:31:41

【人】 白竜 ヤオディ



 どこに安心する要素があるというのだ!!



[体を洗って入らんか!とかんぅの顔に、湯殿備え付けの手ぬぐいをぴしゃん!!と投げつけ、こっちに来りゃれ、と湯から上がると体を洗うぞ、とかんぅをねめつけた*]
(267) 2021/06/17(Thu) 22:32:36

【人】 土地神 リン

[ 人は皆、忘れていくもの
 どれほど鮮明な記憶であっても
 少しずつ色あせ、衰えていくもの

 そういうものだと認識はしていた
 彼の者にも次のにも繰り返し教えられていた
 だから忘れられたとて、嘆かなくてよい──と

 けれど記憶は褪せても性分は変わらない
 風呂を好む性質や
 流水のように思うまま語る様
 それらは己の知る彼のままのようでいて ]


  怪談話をするのはよいが
      夜に漏らしたらどうする

   そも、
      おまえと同じ姿が三人など
          ちぃとも怖くはないわ


[ 食事を残せば化け物に目を抉られるだったか
 あの時も脅かされ便所に行けなくなったもの

 怪談話の類は禁句であると
 あの時、身に染みてわかっただろうに
 これもまた忘れたのかと、ついと唇が尖り ]
(268) 2021/06/17(Thu) 23:00:02

【人】 土地神 リン


  む、む随分と
    失礼なことを云う

   育つのは時がくれば勝手に育つ
      そも恋も出会いも人の道理だろう?

     我は此処から出られぬ
       故にお前や次が送られたわけで


[ 鶏ガラ云々の恨みは覚えた
 とはいえこればかりは仕方のないこと

 己の認識で蘇芳という者は
 嫁というより親のようであったから

 軽口が出るのも仕方のないこと、と
 ため息ひとつ手綱のように着物を手で引き
 こちらへと行き先示し ]
 
(269) 2021/06/17(Thu) 23:00:21

【人】 土地神 リン


  ──そうか嫁ぐ際にも変わる。と
          ならば、そのためか
 
         
[ 決して変わらぬものではないらしい
 名は体を表すというのに不思議なもの
 向けられた視線にゆっくり頷き ]


  リン、だ
    ──蘇芳、いや今は冥桜か

   この土地の思念や精の寄せ集め
       ──土地神のようなものだ


[ 今度は忘れるな、と
 からかうように付け加え ]


  焼くではない、妬くよ
      嫉妬の類と言えばわかるか?

    ──まぁ、いい会えばわかる


[ ざらりと土埃の残る廊下を奥へ
 突き当たり、右手の扉を示し
 そこを開けるようにと促した* ]
(270) 2021/06/17(Thu) 23:01:22

【人】 書生 茅

[『山神さま』の笑み>>258に、ぞわりと背筋が総毛立つ。
なんだか、そう、なんだかよくわからないのだが……

ヤバイ。


と、いうことだけは、分かった。
『山神さま』はその気になれば、どんなに残酷な事でもできるのだと。
それは例えば村ひとつを滅ぼすとかいうような。
そういう類のことを、本能が漸く悟った。
けれど、『山神さま』が重ねて問う。

 村は助けたいか、
 お嬢さんを助けたいか。

単純な思考回路はごくごく簡単な答えをはじき出す。

そんなのはもちろん、助けたいに、決まっている。

青年はその善良さ故、相手の言葉を疑うということを知らなかった。
だから、『なるほど山神さまのいうことを聞けば、助けてもらえるらしい』とそのまま理解した。]
(271) 2021/06/17(Thu) 23:12:45

【人】 書生 茅

[助けたい、と。
こくりひとつ頷いた青年に、『山神さま』は、薄い笑みを見せる。>>258
嫁の身代わり、という単語にも、一拍の間をおいて、こくりと頷く。
嗚呼、そうか……――――

 
嫁の代わりに、喰われれば良いのだな、


と、思い至る。
青年は、“そう”言ったことにはとんと疎くて、
疎すぎて、
『山神さま』の言葉の意味が、半分もわからなかった。
否むしろ、ほとんどわからなかった。

ただ、『嫁のかわりに』という以上、嫁の代わりなのだろうと。
つまりは生贄として命を捧げよと、そういうことなのだろうと。
阿呆の自覚のない青年は、わからないくせに分かったつもりになる。

つまり、
『死ね』
ということだ。]
(272) 2021/06/17(Thu) 23:13:08

【人】 書生 茅

 
………ァ、


[何の意味もなさない声が一つ、かすれて零れ落ちる。
分かっていたはずのことだった。
そう、分かっていたはずだった。

だって俺は、あの村にはきっと帰れないことを、漠然と知っていた。
それはつまり、ここで死ぬという事だった。
どうしてそうなるのか、過程についてはまるで分らなかったが、結果だけは知っていたはずだった。
どうして目を背けていられたのだろう。


視界が滲み、白く染まる。

けれど、でも、比べるまでもなかった。
片や村の人たちの命。
片や俺一人の命。
そんなの、天秤秤に載せるまでもない。
だから、答えなど、初めから……

ぐぅ、と喉元を、熱い塊がせり上がる。
けれど、吐き出すモノなんて、何もなくて。]
(273) 2021/06/17(Thu) 23:13:59

【人】 書生 茅

 わか……った。

[暫くの間の後、青年は俯き、細く吐息のような答えを口にする。
掴まれた手首も、枷の食い込む足首も、ずきずきと痛む。
痛みすらどこか、愛おしく感じられた。

脳裏に描くは夕日に向かって洞穴を後にした背中。
どうかどうか、幸せに生きて欲しい。
それは、
憧憬
に似た想いだ。

その為なら…俺。
何も、怖くないよ。

って。

強がりを胸に、顔を上げる。]
(274) 2021/06/17(Thu) 23:14:25
書生 茅は、メモを貼った。
(a23) 2021/06/17(Thu) 23:17:27

【人】 将軍 かんぅ

[変態、痴漢、変質者。
という声は予想の通り、仔猫の鳴き声の如く(かんぅいやー)絶好調。正解者にはかんぅくんの心をあげよう。あ、もうあげていたね、残念。

かんぅの方は、やはり細く見える肉体が心配であった。ちゃんと食べているのであろうか。食後に躰を動かしているだろうか。やはり戦場。戦場こそが素晴らしい肉体を作る。
共に戦場を一周すれば婿殿の身体も鍛えられるやもしれぬ。夫の体調管理もまた妻の務め。

そうなんだけどそうじゃない>>264]
(275) 2021/06/17(Thu) 23:17:52

【人】 将軍 かんぅ


 本当にある訳がないと?
 …ほう。


[体を隠しながら不平を言う姿は
生娘のよう。かんぅの前ではまな板の上の鯛。いやまな板の上の白竜。そのままである。それにしてもこの婿殿地雷原で踊っている。(タップダンス)
百発百中。此処までくると逆に計算しているのではないか>>265いやそれならこの状況を打破するだろう。
どうしようもなく可愛い生き物。

めちゃくちゃ年上。
もかんぅにかかれば幼子のようなもの]
(276) 2021/06/17(Thu) 23:18:21

【人】 将軍 かんぅ



 むぅ、それは忘れておった。
 すまん。


[かけ湯を忘れた事を
すまんと言いながら、このかんぅ湯舟に入ったよ。
おかしい、兄者ここら辺の会話おかしいよ。ずれたままずれた方向にいくよ。兄者ぁぁ。軌道修正の軍師、軍師を用意するんだ(ツッコミ役)心の中の弟では足りない。
なにせかんぅの脳内ちょうひぃだ。

圧倒的に策(カムバック力)がない。
邪気は意識していれば大丈夫なのだという知識はないのでそのまま触れた箇所を湯で擦る勢いだったのだが]
(277) 2021/06/17(Thu) 23:18:59

【人】 将軍 かんぅ

 全て安心する要素であろう。


[かんぅは強かった。
たとえ、湯殿備え付けの手ぬぐいを顔に喰らおうとも決してよけず、受け止め。濡れても微動だにしない。武士たるもの、これぐらいの事で驚きはせぬ。あれ武士だったけ。
武人じゃないかな。歴史が違うよ。>>267
時代も国もきっと違う。

今更ながらこれだしておこう、これ。
この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。]
(278) 2021/06/17(Thu) 23:19:22

【人】 将軍 かんぅ

[よしこれで一安心。
(何が)
とにもかくにも、婿殿の邪気を流そうと思っていたら、めちゃくちゃ世話焼き女房が現れた。>>267である。現状、かんぅ視点だと。え、やっぱり婿殿、奥方なの。しかも世話焼きの。魔物に嫁入りしたと思っていたら、魔物が嫁入りしていた。である、かんぅの脳内では。]


 体を洗う?
 ほう、それはそれでやぶさかではないが。
 触れて大丈夫なのであろうな?


[婿殿の身を案じつつも
ざばぁと湯舟から上がれば
見えるは最強の肉体に宿る青龍偃月刀。
と思ったが、長いおひげが全部隠してくれました、これぞ奇跡(せーふ)。そこまで長くないと言ってはいけない。美髯がなんとかしてくれたので全年齢のままです。ということにしておこう。そうしておきましょうね。

大丈夫そうなら
とりあえず、体を洗ってもらう気満々で
椅子に座れば濡れた髪が艶めく美女。
中身はかんぅだけど。]


 さあ何処を洗ってくれるのであろうか
 さあ、さあ婿殿。


[かんぅうきうき
煌めく肉体美(かんぅぼでぃ)を見せて楽しみにしている
何処もかしこも、君を待っている。

待っている(強調)*]
(279) 2021/06/17(Thu) 23:19:52

【人】 五色 冥桜

[人はそれほど長くは生きられない。
特に五色の人間は血が濃いため天命という法によくかかる。

芸という一物のために他の全てを欠いている者は少なくはなく。
それはこの男も変わりはない]


  なんだお主、怖くておねしょしてしまうのか?
  どうするもなにも決まっておろう。
  容赦なく磨きあげてお天道様にお布団を見てもらうぞ。

  しかし、
  予が三人居ると次々と怪談を語ってやれるな。
  寝る間も惜しむ程に聞かせてやろうぞ。


[無論、決め事など知らぬのだから尖る唇の意味も分かるものではない。
ただ不機嫌になっていっているということだけはちゃんと分かる。
分かりながらも口が止まらない]
(280) 2021/06/18(Fri) 1:26:48

【人】 五色 冥桜

  身体は飯を喰らい、しっかり寝て身体を動かせ。
  そうすれば勝手に育つものだ。
  だが、恋や出会いは何も人だけの道理ではないな。
  例えば国産みの神の話は知っているか?
  知らぬならば今度弾き語ってやろう。
  妻を救うために死国へ旅立った男の話だ。


[やれ、と引かれるままに歩いていく。
歩きながらもやはり>>270不明を語る主の言葉に首を傾げた]


  そうか、リンか。
  良い名だが土地神であらせられたか。
  ……ほう、ほう。


[聞えた名は祖父だか曾祖父の世代の名であったかな。
此処まできて漸く事態を察した男は満足そうに笑った]
(281) 2021/06/18(Fri) 1:26:55

【人】 五色 冥桜

  よかろう。
  確かに神であればずっと予の音を聞けるな。
  実に素晴らしい。
  だが――。


[廊下に足跡を残しながら歩きながらリンに語る]


  この予の名は冥桜であって蘇芳ではないのだ。
  蘇芳が知っていたことを予は知らぬし。
  逆に予は蘇芳が知らなかったことを知っておる。
  人の道理では親と子は夫婦にはなれぬからな。


[蘇芳の次がいたと言う。
恐らくはそれも五色の誰かだろうが大叔母か叔母か覚えておらぬが誰かが此処へ来ていたことは間違いないだろう。
ただ恐ろしく厄介なことにそいつらは大事なことを伝えてはいなかったらしい]
(282) 2021/06/18(Fri) 1:27:02

【人】 五色 冥桜

  予は焼くのも好きであるが煮つけも好みだがな。
  ただ妬かれるのは敵わぬものだ。
  それは予の時間を無為にするからな。

  して、此処で良いのか?


[そして男は自分の音を聞いてくれさえすれば満足であるため全て否定することなく新たなる設定を追加した上で、言われるままに扉を足で開けた。
何故ならこの両手はリンのために塞がっているからだ**]
(283) 2021/06/18(Fri) 1:27:08

【人】 鬼の子 千


  ─ 翌朝/部屋 ─


[深く、深く。
宵の降りる前から陽が昇るまで指一本も動かないまま眠り続けた。

疲労の泥底から千を引き上げたのは、何かの気配と周囲の違和感。
暗き座敷牢には在らぬ筈の他者、届かない筈の光と鳥の声。

命を確認する手が離れてから、瞼が上がるまでにはそう時間は掛からなかった。 ]
(284) 2021/06/18(Fri) 3:04:44

【人】 鬼の子 千



 
未だ、生きてるんだなあ……


[見慣れぬ場所、聞き慣れない声。目が耳が現へと頭を戻していった。
寝起き故か弱くかき消えるような語気は、どことなく落胆を持って響く。

上体を起こし、まじまじと自分の身体を眺め手足を動かした。
着物は目立つような穢れは無いまま、動かす身に欠けた物はなく。

そこまで理解すれば向き直り、鬼と鬼が運んできたものを問いにも答えずに交互に何度も眺めた。]
(285) 2021/06/18(Fri) 3:05:09

【人】 鬼の子 千



 ひひッ、鬼様が人間の飯を作ったのかよぉ
 てっきり血抜きもされてない生肉でも喰ってるのかと思っていたね!

 お陰様で久しぶりによく寝たともさァ
 あんたとゆっくり喋れる程度には、元気だとも

[揶揄も受け答えも、軽い調子。早速と主食に伸びる腕の動きにも鈍さは無い。

──より近くに見ると圧巻されるものがある。
握り飯というよりは塊。米の小山を強い力で握り締めたかのようだ。
一口齧り主張の強い塩気に一瞬静止する。米粒が全て最初から潰れているのも分かった。

ゆっくりと咀嚼し呑み込んで、次は椀を手に取る。
汁を啜ろうと傾け、唇に触れたのは液体ではなくくたりとした葉。
打って変わり、大きさと裏腹申し訳程度の味しかしない。その一枚を腹に収めた後、千が改めてよく見れば椀の中身はそうした野菜で埋まっていた。]
(286) 2021/06/18(Fri) 3:05:26

【人】 鬼の子 千



 有難うな。腹がいっぱいだ
 二日も続けてこんなに食うことになるとは思わなかった

[黙ってもう一度順番に口にし、そこで盆は鬼の方へと押される。
残した原因は味ではなく胃の大きさ。腹部を摩る動きは演技などではない。
豪快な握り飯を椀に詰まる汁気を吸いに吸った野菜たちと共に完食出来るのなら、このような身体で輿入れすることは無かっただろう。]

 昨日言わなかったか?
 千太郎は付けられる筈だった名前、
 俺はずっと千と呼ばれて育ってきたんだがね

[酷く作り慣れていない、自分の為に用意された飯に付ける文句などは無くとも
その呼び掛けには怪訝そうに腕を組む。]
(287) 2021/06/18(Fri) 3:06:29

【人】 鬼の子 千



 鬼様がそう呼びたいんなら構わねぇけどさ

 あんたには俺を好きにする権利があるわけだしなァ

[名前など判別出来ればそれでいい。人間を集団という箱に放り込む時に振り分ける数字のようなものだ。
十であろうと、その後に一がついていようと大した差はない。

結局のところ、訂正はしても興味はないのだ。
相手が望むのなら、拒む理由は存在しなかった。]
(288) 2021/06/18(Fri) 3:07:08

【人】 鬼の子 千



 まあ、そんな話はどうだっていいんだ

 そうだな、勘違いの話から始めよう

 あんた、俺のこと可哀相だと思っているんだろ
 何でそんなことをしたのか分からねぇんだが、要するに……
 選ぶことで救ったつもりでいるんだろう?

[布団から乗り出した身、相手の膝に手が乗る距離で紅色を見上げて
覗き込みながら、見透かそうと凝視しながら目を細めた。]

 妖怪の癖にお優しいことで結構なんだがね、
 まずそこから間違ってんのさ

[皮肉に口角を歪める「か弱く哀れな鬼の花嫁」は、紅鉄坊の反応を眺めながら話を続ける。]
(289) 2021/06/18(Fri) 3:07:27

【人】 鬼の子 千



 そういう上っ面はいいんだよ

 俺は俺を選んだあんたに興味があって、
 求められたと思って、役目を果たそうと来たんだからよ

[最初の一言は、どことなく吐き捨てるように。
祖母の目が悪くなってから切る者がいなくなった髪を、煩わしげに掻き上げる。]

 ちゃんと相応に扱ってくれよ。なぁ?

[無論それは、人と人の間の婚姻で齎されるような甘やかさや絆を求めているわけではない。**]
(290) 2021/06/18(Fri) 3:07:50
  天狗は、メモを貼った。
(a24) 2021/06/18(Fri) 7:08:07

【人】 水分神

 
[妾はこんなに不遜な態度じゃというのに
 この者は微笑んでくる。>>230
 其れが妾も────不思議と不快ではない。]


    ……!
    あむ、……むぐ、むぐ…… んんーーっ!


[次の品も、ふぅふぅして運んで貰えれば>>231
 ぱぁぁ、と瞳が輝き。
 黄色くて緑ぃくて白いのを小さな口で受け止め
 もぐもぐごっくんしたらば、目の輝きは一層増した。]
 
(291) 2021/06/18(Fri) 7:28:08

【人】 水分神

 
[やはり熱くなく程よく冷まされていて
 果物の甘さや、菓子の甘さとは異なる
 優しい甘さに顔が綻んだ。]


    何じゃ、何じゃぁこれはぁ……
    あまぁ〜くて、とろとろ〜ん
    もっちもちじゃぁぁ……


[ただの黄色なら、年に一度供えられて
 ひとりで食べるおせちに
 似たものが入っているが……、全然違う。

 何なのじゃろうか、
 口の中でもっちりと伸びるこれは。
 頬に手を当て味わっているうちに消えてしまった。

 妾自身もこのまま溶けてしまいそうじゃよぉ。]
 
(292) 2021/06/18(Fri) 7:28:33

【人】 水分神

 
[そうしているうちに
 また別のものが冷まされて運ばれる。>>232

 この者が出してくれるものは大丈夫、と
 すっかり安心した口が大きく開く。
 もぐもぐごっくん。]


    ほわぁぁ……これも美味じゃのぉ……
    これは、妾の屋敷のまわりに
    住み着いとるやつらじゃな?
    あやつらめ、こぉ〜んなに んまかったのかぁぁ……

    否、お主の料理の腕が良いのか……


[妾も一緒にスープに溶け出してしまいそうじゃ。
 そんな心地で緩んだ口元が
 婿殿のことをぽろりと褒めてしもうた。]
 
(293) 2021/06/18(Fri) 7:28:57

【人】 水分神

 
[そうしてから、はっとする。

 頬に当ててた手を下ろし
 コホン! と咳払いし。]


    あ、あー。腕は、悪くは、ないな……


[とまた、言い直した。
 此奴の前では、
 きりりと引き締めておらねば。

 そう居住まいを正すが。

 ……料理を食べる以前に比べると
 どうしても表情は緩んでしまっていただろう。]
 
(294) 2021/06/18(Fri) 7:29:19

【人】 水分神

 
[今日は、そう……偶々じゃ。
 偶々、全部んまかったが、
 直に失敗して不味いもんを
 出してくる日もあるじゃろう。

 其れより掃除にめげる日が
 来るのが早いか。

 これまでの婿は皆
 長く保たんかったからな。

 ひと月か。否、一週間か?
 妾は、その日を待つだけじゃ。]
 
(295) 2021/06/18(Fri) 7:29:51

【人】 水分神

 
[図々しく自分に用意された全ての料理を
 口に運んでもらい
 ぺろりと平らげたならば。

 当然の如く片付けもせず
 立ち上がる。]


    妾は寝る お主の部屋は彼方じゃ


[寝所を共にする気はない意思を伝えて
 自室へと去るじゃろう。

 ……妾の許可なしに夜這いにやってきた男のことも
 うつけ者、と追い出してやったことがある。

 妾の意思は絶対なのじゃ。**]
 
(296) 2021/06/18(Fri) 7:30:09
書生 茅は、メモを貼った。
(a25) 2021/06/18(Fri) 8:28:06

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  叡智の素質だとか>>174聡明だとか>>254
  そう評されていることなんて
  その表情から読み取れもしなければ
  察することも出来やしない。

  『Sophia』の名を冠すると言っても『ただの子供』

  相手にどう思われているかを考えながら
  振る舞うような知能は未だ持ち合わせていない。
 
(297) 2021/06/18(Fri) 8:50:40

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  「面倒」>>254とはどういう意味なのか。
  それに対する答えは、少ししてわかる>>255


   「 ラサルハグ……え、神様!? 」


  『Rasalhague』の意味を知らないから
  へびつかい座のことだとはわからず>>19
  ただ、名前を覚えるように言葉を繰り返した。

  少し覚えづらい名前だと思ったのが率直。
  けれど、次に述べられた言葉に驚いて
  目をまんまるとさせれば、ぽけ、と口を開いた。
 
(298) 2021/06/18(Fri) 8:51:01

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  この存在感の大きさは神だと言われれば
  なるほど、納得出来るものだと思う。

  だから、『ただの子供』は疑う気持ちを持つことなく
  『 大蛇 』を『神様』だと認識する。


   「 あ、えっと、 」


  本当に神様がいるのなら、聞きたいことは山ほどあった。
  なのに、言いたいことがまとまらなくて舌が縺れる。
  焦ったようにもごもごと口を動かして
  なんとか言葉を出そうとするけれど、上手くいかない。

  そんな私に彼は、今までのような声を静め
  穏やかな声で語りかけてくれる>>256
  伸ばされた手に体は震えを走らせるけれど
  拒む気持ちにはならなかったから
  すぅ、と息を吸い込んで、彼の手を受け入れた。
 
(299) 2021/06/18(Fri) 8:51:22

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  少女らしい小さく、でもふっくりとした頬に
  彼の手が触れる。
  その温度は蛇の如くひんやりとしているだろうか。
  感じる気持ちよさに思わず目を細めて。

  まるで落ち着いていいというような手に
  一度目を閉じれば、深く呼吸をする。

  どくどくと動く心臓を抑える気持ちで
  胸元で握っている手にぎゅうと力を込めると、
  裏葉色の目を開いて相手の顔を見上げた。
 
(300) 2021/06/18(Fri) 8:52:19

【人】 『ただの子供』 ソフィア

  

   「 ……毎年、神様の所へおよめ? に
     村の人が行ってると思うんだけど。
     村へ帰ってくることはないの? 」


  大人が言うには、
  「神様の手伝いをしに行っている」そう。
  でも、手伝いならたまには帰ってこられないのかな
  そうずっと疑問だったのだ。

  なにか事情があるのだろうか。
  それとも、神様が厳しくて帰ってこられないのか。
  伺うような目で相手を見つめる。
  
(301) 2021/06/18(Fri) 8:52:38

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  そろそろ夜も更けてくる頃>>256
  子供から話を聞いた大人は>>111
  森の入口まで探しに来ている。

  森深くまでは、神の逆鱗を恐れて入りはしないから
  もし探しあてることが出来なければ、
  大人しく引き返していくことだろう。

  月明かりが木々の隙間から
  『ただの子供』と『 大蛇 』を照らす。

  動物の鳴き声もせず、静まった森の中。
  二人だけの世界のように、視線を絡ませあって。*
 
(302) 2021/06/18(Fri) 8:52:49
『ただの子供』 ソフィアは、メモを貼った。
(a26) 2021/06/18(Fri) 8:56:07

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



   ソフィアと出会う少し前から顕著であるが。

   元来男女や年齢を問わなかった贄が
   気づけば女だけになっていた。

   送られてくる女は覚悟を決めた者も居れば
   村を恨む者や、さらには己を討とうとせん者もいた。

   大数の幸福のために少数の犠牲を。
   己が要求したとはいえ抗いもせずに従い、
   誉れに朽ち果てるより同族に犠牲を強いる。



                 実に人間らしい。



(303) 2021/06/18(Fri) 11:22:32

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   しかしそれは偶然か必然か。

   腹立たしくも村の者達は
   『 大蛇 』の唯一の弱点をよく突いていた。

   いつしか女を嫁がせるという風習に変われば
   こちらが契約を反故にすることは出来ない。
   『 大蛇 』は幸か不幸か、
   女や子どもという生き物に少々甘いのだ。



(304) 2021/06/18(Fri) 11:23:02

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   男であれば贄として屠るだろう。
   元来贄というのはそういうものだ。

   しかし女の方が美味であったとしても
   『 大蛇 』にとってはそもそも食事など
   嗜好品に過ぎず、それが途絶えたところで
   生命の危機など起こりえない。


   結果として女や子供がこの世から消える
   そんな結末は無に等しい物となる。**



         
(305) 2021/06/18(Fri) 11:23:59

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



   子どもは純粋だ。
   相手にどう見られるか考え振る舞うことの無い
   その姿は、取り繕われないその人間の本性を
   その身一つで体現してみせる。>>297

   とはいえその純粋さ故の言葉に>>298
   『ラサルハグ』は思わず顔を顰めて言った。


      「お前達が勝手に神と呼んでるだけで
       我が神と名乗ったことはないのだが...。」



   目を丸くして気の抜けたソフィアを前に
   『ラサルハグ』はやれやれと肩を竦める。

   こんな犠牲を強いる神様などいるわけなかろうに。
   なぜ己を神様だと思えるというのか。
   犠牲がどう言い伝えられているのか。>>301

   聞けば『ラサルハグ』は腑に落ちたような表情で
   冷ややかな笑みを浮かべることになるのだろう。



(306) 2021/06/18(Fri) 11:26:00

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   正直なところをいえば
   『ラサルハグ』の想定ではソフィアといえど
   己が神だとはすぐには信じないと思っていた。
   「嘘だ」など、そんな言葉が来るとばかり。

   そう思っていたが結果は想定を超えて訪れる。

   頬に伸ばした手は柔らかなものを捉えて
   人間らしからぬ冷たい手は
   形容しがたくも心地よい暖かな感触に包まれる。

   ソフィアもまた人間であると言うのに、
   抱くはずの嫌悪が現れないのは何故なのか。

   言葉の詰りを流すような少女の呼吸を余所に
   『 大蛇 』の興味はなおも引かれゆく。


   

      
(307) 2021/06/18(Fri) 11:28:53

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   水面に映る裏葉柳は問う。>>301

   『ラサルハグ』の冷ややかな笑みは
   ソフィアにはどう捉えさせたものか。
   『ラサルハグ』の応えは淡白なもので。


      「―――ない。
        当人達もそれを覚悟している。」


   ソフィアの問いをただ否定する。

   村の手伝いならば帰れるはず。
   少女の疑念は至極真っ当なものだ。

   にも関わらず帰れないということは
   神の手伝いをしに行っているわけではないのだと。

   少女が悟らない事を祈ることとしよう。



(308) 2021/06/18(Fri) 11:30:54

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   過去嫁いできた女達は村には戻れない事。
   そして決して死んでいるということはなく
   今は他の村で暮らさせていること。



   少女が抱くかもしれない疑念には出来る限りを
   答えようとはするだろう。
   明確な疑問を抱く聡明な者には鮮明な答えを。
   元来世界とはそうあるべきものなのだから。


   少女は『神』とやらを軽蔑するだろうか
   それとも別の感情を持つのだろうか。
   それもひとつ、『ラサルハグ』の興味であった。
   


(309) 2021/06/18(Fri) 11:32:41

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   少女の問いに答えきったあたりだろうか。

   次第に『ラサルハグ』の口数は減るも
   『ソフィア』と『ラサルハグ』だけの世界は
   ひたすらに静寂が続く。>>302
   そこは一切の立ち入りを許さない領域。

   月明かりは互いの姿形を鮮明に照らし、
   まるで嘘偽りを許さぬと暴き明かすように。

   それは人間を嫌悪する『ラサルハグ』にも
   思わぬ感情を与えることになる。



(310) 2021/06/18(Fri) 11:35:15

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ





     森の中で薄く照る裏葉色の少女は
     美しいという形容が相応しかろう。




   主と容姿が瓜二つだからでは無い。
   それに、主の瞳は裏葉柳ではなくロベリアだ。



   何も知らないであろう少女は
   何物にも染まらない芯を感じさせるも
   何物にも染まりそうな魅力を持つ。


   不意に『ラサルハグ』は触れた頬を優しく撫で
   その髪を指先で梳いていく。
   『ソフィア』を指先に刻むがごとく、触れる。



   
(311) 2021/06/18(Fri) 11:36:53

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



       「―――お前は、麗しいな。」

(312) 2021/06/18(Fri) 11:40:15

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   思わずそう吐息混じりの声で囁いた後。

   絡み合っていた視線を最初に解いたのは
   『ラサルハグ』だった。

   人間よりも鋭敏な五感はたとえ森の入口であっても
   人間達が森に立ち入ったことにはすぐに気づく。

   恐らくはソフィアを探しに来ているのだろう。
   そうだ。この少女には帰るべき場所がある。

   にも関わらず村の者達はこの場所に来る前に
   引き返していくのだ。

   それはつまり『神』を恐れたからで
   あの者達にとっては村娘よりも神の怒りが怖いと。
   『 大蛇 』にはそう思えてならない。



(313) 2021/06/18(Fri) 11:41:25

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   『ラサルハグ』はソフィアに視線を戻し。


      「どうやらお前を探しに来た者がいる。
       しかしここには辿り着けないようだな。

       まったくもって...救いようのない連中だ。」


   『ラサルハグ』は呆れたようにため息をつく。
   もし少女が不安がるようならば必ず村に帰すと
   宥めることにするだろう。

   『 大蛇 』は立ち上がれば
   その片手をソフィアに差し出して。


      「こう夜が更けていては
       本当に蛇が子どもを攫いかねん。

       お前を村まで送り返してやろう。」


   そう、少女の答えを待つのだ。*


   
(314) 2021/06/18(Fri) 11:46:39

【人】 龍之介

 
[どきどきしながら見守っていると、
 また嬉しいお言葉が
 食べ終わったばかりの口元から飛び出してくる。>>292

 その表情が、反応が、>>291>>292
 とんでもなく可愛らしくて
 此方まで溶け落ちてしまいそうだ。


   (……もっと見たいな、)


 急くような気持ちに後押しされて
 次も差し出してみれば

 見つめている自分の方が
 幸せになれてしまうようなお顔とお声で、
 褒めてくださるものだから>>293
 どうしようもなく浮かれてしまう。

 こんなに、
”嬉しい”
だけで
 心が塗りつぶされたのは何時ぶりだろうか。
 思い出せないから、
 初めてのことかもしれない。]
 
(315) 2021/06/18(Fri) 11:47:24

【人】 龍之介

 
[咳払いがひとつ為され
 悪くはないと言い直されて>>294

 ハッ、とする。

 最高の賛辞をいただいたような気になって
 舞い上がっていたけれど、
 確かに、この程度で満足せずに
 研鑽を積むべきだろう。



   (もっともっと
    ミクマリ様を喜ばせられるように…!)



 お召し上がりになる速度に合わせ
 息を吹きかけながらお運びしていれば、
 ご用意した分、全て
 すっかり綺麗に無くなっていた。>>296
 
(316) 2021/06/18(Fri) 11:47:34

【人】 龍之介

 
[ともかく、合格点はいただけたようで
 追い返されることなく 
 寝床を教えていただけたことに>>296
 ほっ…と胸を撫で下ろす。



   (おやすみなさいませ、
        どうか、よい夢を…)



 両手を床に付き
 頭を下げてお見送りをしたら、

 明日の献立を
 あれこれ考えながら
 お膳を片付け、きゅっと絞った雑巾で
 部屋の中を拭き上げていく。]
 
(317) 2021/06/18(Fri) 11:47:43

【人】 龍之介

 
[そうしながら思い出すのは
 先程の幸せそうなお顔。



   (…あぁ、そうだ!

    ほんのり甘くした豆乳を
    寒天でぷるんと固めて、きな粉をまぶす。
    黒蜜を添えても良いかもしれない。)



 思いついたら
 居ても立っても居られなくて
 さっと掃除を終わらせ
 すぐ下ごしらえに取り掛かった。]
 
(318) 2021/06/18(Fri) 11:47:59

【人】 龍之介

 
[此処に来る前は
 弟が村で不自由なく暮らしていけるようっていう
 息苦しい使命感だけだったのに…

 あの御方に
 喜んでいただきたい、という
 ある意味、自分の欲のためにする努力は

 ────こんなにも楽しい。


 失敗すれば、
 追い出されてしまうかもしれないという
 不安と緊張もあるけれど

 それを上回る
 楽しみな気持ちを胸に沸き立たせながら
 水に浸した大豆を
 すり鉢で静かにすり潰した。]
 
(319) 2021/06/18(Fri) 11:48:03

【人】 龍之介

 
[全ての準備を整え終えたなら
 沐浴を済ませ
 教えていただいた自室で
 ことん、と
 電池が切れたように眠りに就く。


 待ち遠しい明日を
 駆け足で迎えに行くような気持ちで。]*
 
(320) 2021/06/18(Fri) 11:48:07

【人】 龍之介

 
[翌日だけでなく
 来る日も、来る日も…
 追い返されてしまわぬ限り、ずっと

 龍之介は
 喜んでいただきたい一心で
 嬉々として片付け、新しい献立を考案し
 ふぅふぅと息を吹きかけては
 にこやかに差し出して
 ミクマリ様に尽くし続けた。


 それは、もう
 ”生き甲斐”と言っても過言ではないくらいに
 活き活きとした瞳で。]**
 
(321) 2021/06/18(Fri) 11:48:15
村の設定が変更されました。

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  村を守る代わりに贄を差し出せと言われ
  最初は男女ともに差し出していたが>>303

  いつからかそれが女性だけになったのは、
  神として崇められ始めたからか、
  大蛇が従っていたという医学の神に準えたのか、
  それとも……。

  思惑はどうであれ、成人した女を一人>>304
  毎年神へと嫁入りさせる習わしが村には出来ている。

  決して多くない村人の数を補うために
  遠くない親族同士で契りを交わす時もあるとか。
 
(322) 2021/06/18(Fri) 14:47:28

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 
***


  顔を顰める様子を見れば>>306
  自分が怒られたかのように身体を震わせた。


   「 えと、ごめんなさい……?
     でも、色んなことを村にしてくれる
     すごい人なんでしょう? 」


  神様という言葉は人が呼ぶ敬称でしかない
  というのなら、自分から名乗っていないのは頷ける。

  顰めた顔がどういう理由からのものか
  よくわからず、オロオロと眉根を下げる。
 
(323) 2021/06/18(Fri) 14:48:15

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  神様だとは信じても、人ではないだとか
  蛇だとかは、未だによくわかっていないもの>>307

  触れた手の冷たさに内心びっくりしながら
  先程までとは違うような、
  どこか冷ややかに感じる顔を見上げる>>308


   「 ……覚悟。 」


  神の元へと手伝いをしに行くには
  重い覚悟が必要なのだろうか。

  一体なにの手伝いをしているのか、
  それを聞いてもいいものだろうか。
  
  『ただの子供』はただの子供でしかなく
  深く疑うことを知らない。
  聡明というには遠く、見える世界しか語れないのだ。
 
(324) 2021/06/18(Fri) 14:48:41

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

   「 ……みんなは、元気? 」


  だから、生まれる問いかけは>>309
  話を信じた上でのもの。
  
  真実を知るか、なにも知らないまま生きるか。
  流れは『 大蛇 』に委ねられる。


── ▷ 大蛇と私  ──   

 
(325) 2021/06/18(Fri) 14:49:03

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  話が途切れ、静寂が辺りを包み込むと>>310
  いつの間にか、手を当てている胸の鼓動が
  落ち着いていることに気がついた。

  今でも大きな存在として、重圧を感じるけれど、
  話している間にすっかりと慣れてしまった
  ということだろうか。

  彼の髪は燃えるように赤いのに
  瞳は湖面のように静かで>>311

  真逆な色合いを不思議そうに眺めていると
  頬に当てられていた手が白縹の髪を撫ぜていく。
 
(326) 2021/06/18(Fri) 14:49:23

【人】 『ただの子供』 ソフィア




   「 え? 」


  囁き声が一瞬理解できなくて>>312
  聞き返すように声を上げれば
  すい、と彼の目線が私から離れた>>313

  褒められたのかな、いや、気の所為かな。
  流れ星のように通り過ぎて行った言葉を
  なんだか雰囲気の硬くなった彼に聞けないでいる。
 
(327) 2021/06/18(Fri) 14:49:38

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  どうしよう、そう思っている間に視線がまた
  こちらに帰ってきたけれど>>314
  その表情はどこか不機嫌そうに見えて
  やっぱり、聞く時ではないと感じた。


   「 人が来たの? 探しに来てくれたんだ。

     神様はそういうこともわかるのね
     すごい。 」


  安心したように息を吐けば漸く笑みを浮かべる。
  神様が優しい人だからといって、森の中で
  知っているものがいない状態は、やはり心細かったのだ。
 
(328) 2021/06/18(Fri) 14:49:58

【人】 『ただの子供』 ソフィア


  
   「 いいの? ……ありがとう! 」


  送ってくれると差し出してくれた手を
  そっと小さな手でとって。
  すっかりと打ち解けた気持ちの神様と帰路へつく。
  
  村で他の村人と顔を合わせたのなら
  こっぴどく怒られることだろう。*
 
(329) 2021/06/18(Fri) 14:50:07
『ただの子供』 ソフィアは、メモを貼った。
(a27) 2021/06/18(Fri) 15:02:55

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   たとえば『ソフィア』が見える世界だけを語り、
   深く疑うことを知らなかったとして。>>324

          
犠牲

   だとすれば、この話を知るにはまだ早いのだろうか。
   今教え伝えることが正しいのか否か。
   『ラサルハグ』はその答えを知らずにいる。


      「いや...謝るな。お前じゃない。
       少しばかり昔を思い出しただけだ。」


   すごい人
(蛇だが)
なんて大層な存在ではないと
   ここで否定したところで意味はなく。
   『ラサルハグ』はソフィアの質問には答えず
   ただ狼狽える小さな身体を宥める。>>323


   
(330) 2021/06/18(Fri) 16:32:30

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   「覚悟」の本当の意味
即ち、死

   恐らくソフィアはまだ知らないだろう。>>324

   本来ならば教えなければならないのだ。
   「覚悟」と犠牲が皆の平和を作っていると。
   知らぬことこそが『 大蛇 』の逆鱗。

   知らねば、知らしめる他ないのだから。



(331) 2021/06/18(Fri) 16:34:17

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   しかし『ラサルハグ』は少女に残酷な仕打ちを
   しようなどとは毛ほども思えない。

   彼女が犠牲となった者を忘れていないから。>>325
   『ラサルハグ』が望む在り方を少女は実現している。

   『 大蛇 』が牙を向く道理も残酷な
   事実を突きつけることも、この少女に対しては不要。

   ともなれば『ラサルハグ』が取る行動は
   厚情に満ちたものとなっていく。




(332) 2021/06/18(Fri) 16:35:57

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




    (世界がお前のような人間で溢れていれば
     私もあんな過ちは犯さなかったかもしれない。

          お前のような子を、私はずっと.....。)




(333) 2021/06/18(Fri) 16:39:51

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




         ――― ―――



(334) 2021/06/18(Fri) 16:41:08

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




      「あぁ。元気だ。恐らくはな。
       今は違う村に住ませているせいで
       正確な事までは私にも分からぬ。」


   他の村へと送った後のことは『 大蛇 』にも
   正確には辿ることが出来ない。
   とはいえ訃報はすぐに届くはずなのだから
   つまり皆不幸の道はまだ辿ってはいないのだろう。

   だがこの小さな子どもに真実を全て打ち明けるには
   幾許かの時を要する。


      「いつかまたお前と会う時があるとして
       お前が今よりも大きく育っているならば
       その時は.........お前に全てを話そう。」


   つまりはまだ幼子に話せることでは無いのだと
   ソフィアは納得してくれるだろうか。

   そのVまたVを数奇な巡り合わせが連れてくると、
   それは『ラサルハグ』にとっても誤算に違いない。


(335) 2021/06/18(Fri) 16:42:03

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



 ***


   戸惑いを声に漏らすソフィアがこちらの機嫌を気遣い
   口を噤んでくれているとなどとは気づきもせず、
   横槍は結局『ラサルハグ』の呟きを曖昧に溶かす。


      「便利なことばかりじゃない。
       聞きたくなくても耳を塞げぬのは
       時として拷問に近しいものだ。」


   安堵に微笑む少女に『ラサルハグ』も苦笑が浮かぶ。
   たとえ少女に対する厚情はあれど村に情はない。

   もしも己の険しい表情がその身を竦めさせていたと
   知らされたとしたら。
   『ラサルハグ』は密かに反省をすることになるだろう。


   
(336) 2021/06/18(Fri) 16:46:02

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   この少女を前にすると妙に調子が狂うのは、
   己の考えている人間の枠組みから外れた少女が
   『ラサルハグ』の知る常識を覆していくからか。

   少女の手を引いて村を目指す間
   『ラサルハグ』の放つ雰囲気は幾分も柔らかく。
   さしずめ少女の陽気に当てられたというべきか。




(337) 2021/06/18(Fri) 16:47:47

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   しばし歩み続けた先。
   森をぬけて村の入口が見えるところまで来れば
   『 大蛇 』はソフィアの手を離す。


      「私のことは他の者には言うな。
       言えば混乱を招きかねん。」


   村人達のことをよく知らない『 大蛇 』は
   神様を知っているという理由でソフィアが
   奇異の目に晒されることを危惧していた。

   少女の反応を伺いつつも
   ソフィアから離れるように一歩後ろに後退り。


(338) 2021/06/18(Fri) 16:50:29

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




      「これに懲りたら...もう森には近づくな。
       さもなくば、今度はお前を攫うぞ。」



   ソフィアにそう言い残して
   『 大蛇 』は少女に背を向ける。

   『ただの子ども』はこの日を境に
   『神の招待を知る子』であり
   世界でただ一人の『蛇に魅入られた娘』となる。


            ── ▷ 蛇と花嫁  ──**   
(339) 2021/06/18(Fri) 16:51:53

【人】   天狗

[助けたいか、という問いには予想通りに「是」が返る>>272
天狗の言葉を疑う様子もなく、身代わりという言葉にも頷いて
あの村の人間の中にこんな真っ当な者もいたかと驚くが
やれ、疑われないならいいように言いくるめてしまえば
暫くは「愉しめる」だろうとほくそ笑む
小僧が元々村の者ではないなど、村そのものに興味のない天狗は知らず

小さく声を零し、表情がどこか諦めたようなものに代わり
どこか思いつめたような声で承諾を返すのに、あぁ、と天狗は思い出す

村人の間では嫁とは「贄」だ>>273
還らぬ娘たちがどうなったかという噂は天狗にも届いている
それを訂正する気などはなかった、恐れを抱くくらいが丁度いい]
(340) 2021/06/18(Fri) 17:08:08

【人】   天狗

[最後に笑って見せたのは強がりか諦めか
ああ、そうまでして助けたいのかと余計な関心をする>>274

この純粋な小僧を弄んで染め上げて、安心しきったところで村を襲ったなら
こいつはどう思うだろう、嘆くか、それとも天狗の毒に狂うて解らなくなっているか
など、天狗の本質は隠したままに]

 安心しろ、殺しゃしねえから
 嫁っつーのはお前、一緒に暮らすもんだろうが
 俺を愉しませろ、ってことだ
 意味が解ってねぇみたいだがな、ま、すぐにわかる

[いつもなら頂に近い住処に連れて行き、そこでことを成すのだが
状況をわからせるためにここで処女を奪ってやろう
小僧でも処女というのかは知らぬが、まずは此方を見るその顎に手をかけて
逸らせぬようにしてからその目を見据える
その奥に宿る不穏な色に、無垢であろう小僧が気付くかどうか]
(341) 2021/06/18(Fri) 17:11:11

【人】   天狗

[くつくつと笑いながら、小僧の首筋に朱く所有の印を刻む
その意味を多分小僧は知るまいが、その後に耳元に寄せて零した言葉は、おそらくもっと意味不明だったろう

「簡単に、壊れてくれるなよ」
**]
(342) 2021/06/18(Fri) 17:13:56
  天狗は、メモを貼った。
(a28) 2021/06/18(Fri) 17:22:44

【人】 土地神 リン

[ 楽の音の様に男が話す
 その響きは耳に好いもので
 
 怪談話しに、身体の作り方
 果ては国産みの神の話しへと
 男の語る話は止める間も無く流れていき

 ──ふ、と思う
 蘇芳はこんなにもお喋りだったかと

 記憶の底を探っても思い出せない
 なぜなら彼の嫁は話すより
 もっぱら笛吹くことを好んだから
 
 道具が笛から三味線にかわり
 口が自由になった分、数が増えた
 引っ掛かりをそう解釈しようとすれば ]


  冥桜であって蘇芳でない
     ……それは、名を変えれば
         ──当然のこと、だろう?

   
[ 応える声音に疑問が滲む

 己を蘇芳ではないと云う男
 その面差しをしっかりと確かめようとして ]
(343) 2021/06/18(Fri) 17:46:34

【人】 土地神 リン

[ ──ガラリ
 扉の開く音に、ハッと息が止まる

 足で扉を開けるなど
 蘇芳であれば決してしない

 己に詫びて一度おろし
 それから、手でもって開ける
 必ずそうしていたのだから ]


  ……そうか、違う。か

    あぁ、そこでよい
      次のは寝ているからな
         騒いで起こすと叱られる


[ 扉を開けば広がるのは
 そこには、がらんとした広い部屋
 
 調度のたぐいはあまりなく
 あるのは黄ばんだ紙束の乗った文机と火鉢
 それに屏風の向こうに置き畳みがある程度

 障子から差し込む橙の光が
 板敷の床に積もった埃を明るく照らし ]
 
(344) 2021/06/18(Fri) 17:46:57

【人】 土地神 リン


  起きていた時は
      もっと、綺麗にしていたが

    寝ているところ
        箒や雑巾掛けするのは……
          
  
[ そも、己は食べずとも不自由はせず
 綺麗にせずとも病にかかる心配もない

 ならば騒いで起こしてしまうより
 起きるまでと思うのも当然の結果であり ]


  緋扇、これが次の嫁の
     ────冥桜、だ
    
    
[ 置き畳の上、横たわる黒髪へ
 妬くなと揶揄っても、やはり応えはない* ]
    
(345) 2021/06/18(Fri) 17:47:21

【人】 白竜 ヤオディ

 いたっ いたたっ
 強く擦りすぎだ、このバカ力めっ


[おかしい。手と湯で擦っているだけだというのに、なぜか白い肌が赤く染まっていく。どういう原理なのだろうか。
何もかんぅに触れられたから肌が“ぽ”というわけでなく物理攻撃を受けているのと同じダメージを受けているのだ。
肌は特性:うるおいボディであるのに。(ヤオディはきっと水属性)ちなみに同じ水属性でも、特性:さめはだではないし、竜だからといって過去に跳ねるしか能がなかったわけでもない*]
(346) 2021/06/18(Fri) 18:54:16

【人】 白竜 ヤオディ


[かんぅが肉体もメンタルも強すぎて、自分ちなのに全然安心ができない。
顔にてぬぐいを投げつけても微動だにしないし。
いや、あんなことでダメージくらわれたら心配にしかならないのだけれど。
まさか自分以上に魔物っぽいかんぅに脳内嫁認定されていると思ってもみないが、なぜかノリノリのかんぅが勢いよく湯からでてくる]


 わあああ!


[少しは前くらい隠さんか!と思ったら、まるでなんかの映画かアニメのようにエフェクトもどきが入って大事なところは隠してくれる。便利である。なぜ自分の方にはその機能がないのだろうか。
座って洗ってもらうつもり満々の男の後ろに回り込む]
(347) 2021/06/18(Fri) 18:54:32

【人】 白竜 ヤオディ


 どこって、背中以外ありえないだろう?
 他のところは己で洗え!

[かんぅボディは傷だらけ。自分と違って状態異常を直す効果は内容だ。
まったくもう、と図々しい相手だが、背中をごしごしとこすってやろう。
そういえば、身近な存在は水生生物ばかりなので、湯をあみ、こすって体を洗う習慣を持つものはいない。
魔物は一人で産まれ、一人で生きる。
こうして自分以外の人の体に触れたのもいつぶりだろうかと考えながら、背中を洗っていたが]


 ひ、広すぎる……。

[かんぅの背中はこすってもこすっても洗い終わらない。
ようやく全部を入念に擦りあげたと思った時には、すっかり息が上がっていた*]
(348) 2021/06/18(Fri) 18:55:04
書生 茅は、メモを貼った。
(a29) 2021/06/18(Fri) 19:04:39

【人】 五色 冥桜

[その声色は失意の音をしていた。
男と蘇芳は違っていて当然であるのに落胆が見えるのは前と蘇芳の罪であろう]


  違うとも。
  変わるのは、違うのは名ばかりではない。
  生き様も変われば性別が変わることもある。
  或いは生き方が違うからこそ名も違う。
  例えば豆腐だ。
  絹ごしと綿では同じ豆腐でも味わうが違う。


[リンを抱く腕に力を込めて抱き寄せると男は更に語りゆく]


  予は笛を嗜みはするが好むのは絃だ。
  笛は音でのみ語れる絃は合わせて詩で語れる。
  蘇芳と予ではそうした好みが違う。

  ちなみに名前は変われども中身が同じものもある。
  鰤と言うのだが――それは追々としよう。
  随分と騒いでしまったからな。


[反省の色が見えぬ声であるが本当に反省はしていない]
(349) 2021/06/18(Fri) 20:28:48

【人】 五色 冥桜

>>344がらり開いた扉の先。
やたらと部屋が広く感じるのは調度があまりないのと、人の気配がないからだろう。
埃臭く、黴臭い。
その部屋は一体いつからそのままであったのか。
屏風の向こうで寝ていたそれは緋扇と言うらしいが長い黒髪を見ればなるほど確かに五色の人間なのだろう]


  嫁の冥桜だ。
  それでは妬いても歯ぎしりも立てられまい。


[恐らくは布団も黴ているだろう。
恐らくはその身も朽ちているだろう。
色白も過ぎればやがては黄変していく身から流る黒髪は精気のないそれであろうことは窺える。

次が嫁が着たのだから役目は御免。
なのにそこに在るということは――そういうことだろう]
(350) 2021/06/18(Fri) 20:28:55

【人】 五色 冥桜

  お主、リンよ。
  寝ているところを掃除してもこやつは起きぬよ。
  人は皆、永らく眠る時が来る。
  そうなると多少のことでは目覚めはせぬ。


[部屋の中へ足を踏み入れる。
床に溜まった埃を踏みしめ文机の前へと向かった。
そこに置かれた紙束には何が記されているのだろうか。
すぐには読めはせぬが間近に紙を寄せ目を凝らせばその内見えることもある]


  それにな。
  起きた時にこの有様では困り顔にもなろうものだ。
  あと廊下もであるしお主、いつから掃除しておらぬのだ。
  ああ、もしや飯も喰っておらぬのか?
  だからこう小さいのだな。
  風呂には入っておるのか?
  予は目は悪いが他のものは結構敏感だぞ?
  どうれ、匂いを嗅いでやろうか。


[ほれと顔を近づけリンの視界を男は自身で埋めてしまう*]
(351) 2021/06/18(Fri) 20:29:10

【人】   天狗

―― これまでの嫁と天狗の話 ――

[天狗は今まで一人たりとて「自分の意志で」嫁を手にかけた事は無い
「嫁とは共に暮らすもの」その言葉に偽りもない
夜伽の相手として、慰み者として手元に置くための嫁だった

何しろ、天狗は「多少」その欲が強かったので
人と比べると強すぎたので
それを満たすためにも、嫁は殺すつもりなどないのだ
なかったのだ

では、何故数年に一度嫁を求めるのか
嫁になった娘は何故入れ替わりに戻らないのか

それはひとえに、天狗自身の質のよるものなのだ]
(352) 2021/06/18(Fri) 20:54:00

【人】   天狗

[数多の魔性が特性として持つように
今は天狗となった悪童も体液に妖力を含んでいる
時に薬となり、時に毒となるそれは
当たり前だが唾液にも精にも含まれ、嫁相手には媚薬として働く
抵抗しようが拒もうが、それを受けてしまえば大抵の女は堕ちるのだ
虜になった嫁を、天狗は昼となく夜となく弄んだ
それ故に、嫁は短命になってしまうのだ

何しろ、天狗の妖力は人を蝕む毒でもあったので]
(353) 2021/06/18(Fri) 20:55:30

【人】   天狗

[ある嫁は、度重なるまぐわいの果てに衰弱して死んだ
ある嫁は、堕ちていく自身に耐え切れず自害して
ある嫁は、快楽に溺れ狂い果て天狗を貪るだけの抜け殻となり
ある嫁は、受け続けた妖力で異形になり果てた

壊れてしまうのだ、もって数年、早ければ数日で
心の底で天狗を拒み続けている以上、その力とは相容れず

それが自らの質のせいとわかっていた、それでも
今度の嫁は壊れずにいてくれやしないかなどと、在りもしないことを思い

「壊れてくれるな」と口に出せるはずのない思いで嫁を娶る
天狗を受け入れてくれる「ヒト」など、何処にも


それは天狗自身も気づかない事だけれど]
(354) 2021/06/18(Fri) 20:56:47

【人】   天狗

[逃げ出した嫁もいたが、山の頂は獣と魔性の住まう領域
皆、麓に下りる前に攫われ腹の中に納まった
壊れた嫁を哀れんで解放したところで辿るはいずれ同じ道

それでも、何も知らぬ村人にとっては
天狗がとり殺して食らうのと同じこと**]
(355) 2021/06/18(Fri) 20:57:40

【人】 将軍 かんぅ

[やだ、かんぅ強すぎ>>347
湯から出れば大きな声が上がった。
まるで恥じらう乙女のようであると勘違いするには十分だったかは定かではない。けれど、こうして傍によれば婿殿の肌の白さがよくわかる。かんぅの観察眼は逃さない(かんぅあい)その肌が弱く、すぐ赤くなることも。
まるで白兎のよう。

決して獲物と思ってはいけない
白竜というよりも小動物
水属性とは叫び声のことではないか疑惑]


 ほう、背中を洗ってくれるのか


[このかんぅ、すっごい。
婿殿に洗ってもらえるのなら、花嫁冥利だとほるほる。流されている婿殿めちゃくちゃ流されている。そもそも背中を洗う必要なんてないんだ。という声はない。何せ二人っきり。
花婿と花嫁が水入らず。…不穏な二人っきりだな。

背に感じるのは人の体温。
とは異なるもの。]
(356) 2021/06/18(Fri) 21:25:03

【人】 将軍 かんぅ

[そういえば、戦ばかりの身。
こういった穏やかな時を過ごすのもよいものだと考えていたが、その考える間はすごく長く感じた。婿殿の体力がミジンコだったからかもしれない。おお、婿殿。ここで息を上げるのは危険です。どう見ても危険が危ない>>348

一人で生まれ、一人で生きる身だったから
危機管理能力に乏しいのか。

いや元々、不運なのかもしれない
息を上がらせる婿殿の髪を梳くように撫で]


 感謝いたす。


[と、慈しむように指を通し、
白を指から落としていく。綺麗な婿殿である。この美しい婿殿がかんぅを綺麗にしようと磨きあげてくれたのだ。かんぅの好感度きゅんきゅんである。違うそうじゃない。とか、いやまてとか静止は静止とならないのは、多分もう自業自得じゃないかな。まな板の上の竜を前に、此方も背を洗おうと。

ひょい、っとまた抱き上げたと思ったら
風呂椅子の上に座らせた。

ああ、またやったよ。
また力こそ正義しちゃっているよ]
(357) 2021/06/18(Fri) 21:25:36

【人】 将軍 かんぅ



 かんぅも背を洗おうぞ。


[泡泡、泡。
細く白い背を洗う手は意外に優しい。
これぞ、厳しい人が見せた不意の優しさ。厳しい人ってどういう意味だっけと言ってはいけない。そう普段とは違う。そんなもえ(ぎゃっぷ)を目指しています。

まだ知り合ったばかりと言ってはいけない。
あそれそれ、背を沢山あらうぞ。
ついでに泡まみれ

いっぱい、優しくもこもこに。*]
(358) 2021/06/18(Fri) 21:28:12
  天狗は、メモを貼った。
(a30) 2021/06/18(Fri) 21:49:13

【人】 白竜 ヤオディ

[先ほどから何度叫んでいるのだろう。
こんなに騒いでいるのに、使用人たちが何事だと覗きにきたりしないところが放置されているようで悲しい。
単に我々の強い主があんな人間ごときに負けるわけないと思ってるせいだと思われるが。
でもかんぅは恐ろしい。今まで自分が知らないような存在で、未知との遭遇である。
まさか白兎とか小動物なんて思われているとも思っていないが>>356]
(359) 2021/06/18(Fri) 22:19:07

【人】 白竜 ヤオディ



 そ、それならよかった。


[まさか彼が不穏なことを考えているとは思わず、感謝の言葉をきけば素直に喜ぶ>357
髪を梳くように撫でられ、くすぐったそうにほほ笑んだら、また抱き上げられた。
まるで童のように彼は自分をひょいひょいと扱う]


 余の方はいらぬ。
 幼子ではないのだから、自分で洗えるわ!

[目の前の男はどう見ても幼子ではないが、背中を流したのはなんだというツッコミはいらない。
気付けば泡でもこもこにされて、強引に洗われていくが]
(360) 2021/06/18(Fri) 22:19:30

【人】 白竜 ヤオディ

 あまり擦るでないぞ。
 また肌が傷む

[人と竜という違いはあるとは思うが、どうしてこうかんぅと自分は違うのだろうと不思議になる。
むしろ自分が普通で、かんぅが丈夫すぎるのが異常なのだろうけれど。

我の肌はそれこそ、玉のように滑らかで大事な肌なのだからな、と威張ろうか。しかし]
(361) 2021/06/18(Fri) 22:20:50

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 
 
  神様にとって、昔とはどのくらい前の話なのだろう。
  横道に逸れやすい思考は、言葉を聞いて
  そんなことを考えた>>330

  
   「 そっか、……ありがとう。 」


  謝らなくていいと、そう言ってくれるのは
  優しさだと感じた。
  だから返すのはお礼。気にかけてくれたことに。

  問いに答えが返らないのは、
  もしかして『神様』と、
  呼ばれるのが嫌なのかなって思ったけれど。
  
  名前で呼ぶのは敬っていないように感じて
  やっぱり私は神様と呼ぶことにした。
  
(362) 2021/06/18(Fri) 22:27:48

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  “覚悟”という言葉の意味を>>331
  彼が推測するように、私はまだ知らない。
  あの村に住んでいるのなら負うべき責任を
  負わずにのうのうと生きている。

  それは私だけではなく、私以外の人たちも。
  でも、他がそうだからって、
  決して許されることではないのだろう。

 
(363) 2021/06/18(Fri) 22:28:27

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

   残酷な世界の真実を>>332
   この時知ることが出来なかったことが
   後にどんな影響をもたらすか。

   
   幸となるか不幸となるかは
   それこそ、
にしかわからない。



── ▷      ──   

 
(364) 2021/06/18(Fri) 22:30:12

【人】 『ただの子供』 ソフィア



   「 違う村に住んでいるの?
     なら、そっちにまで行けば会えるのね。 」


  どうして元の村に戻れないのかはわからないけれど
  お手伝いを終えた人は普通に生活しているらしい。

  よかった、と安堵の息を吐きつつ。
  疑問を口に出そうとしたら、先手を打つように
  今はダメだと言われてしまった>>335
 
(365) 2021/06/18(Fri) 22:31:25

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  なんで?
  そう思わないわけじゃなかった。

  けれど、視線を合わせた水のような瞳が
  こちらを穏やかに見ているように感じたから。

  意地悪を言っているんじゃなく、
  本当に必要だからそう言っているんだろうって
  私は素直に、彼のことを信じようと思ったんだ。
 
(366) 2021/06/18(Fri) 22:31:45

【人】 『ただの子供』 ソフィア

  
 
***

 
  聞きたくないのに聞いてしまうというのは
  なるほど、確かに大変なことに思う>>336
  安堵に緩んだ表情を神妙なものに変えて
  どう言おうか迷った結果、


   「 じゃあ、出来るだけ、
     うるさくしないようにする。 」


  自分一人の努力でどうにかなるものではないと
  子供の私に気づくことは出来ない。
 
(367) 2021/06/18(Fri) 22:32:08

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  そうして、少しゴツゴツとした
  大人の硬い手に引かれるまま歩き始めれば>>337
  一人で闇雲に歩いていた時とは裏腹に
  気分は上がり始め、機嫌良く
  木々の隙間から空を見上げた。

  見えるものは少ないけれど。
  綺麗に見える星の数々。
  もし『Rasalhague』の意味を知っていれば
  探すなんてこともしていたかもしれない。
 
(368) 2021/06/18(Fri) 22:32:26

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  夜の森、最初は怖かったけれど
  今は楽しくて、好きになりそう。
  上を見上げていれば転けてしまいそうに
  なったりもして。
  その時は彼に迷惑をかけたかな。


   「 あ、 あそこ! 」

  森を抜けて村の入口が見えれば
  思わず歓声を上げて喜んだ>>338

  周りには運がいいのか大人の姿はなく
  私たちの姿は見られていないみたい。
 
(369) 2021/06/18(Fri) 22:32:43

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  するりと手が離れれば、もう
  この楽しい時間は終わりなのだろう。
  名残惜しげな顔をしながら彼を見上げたけれど
  月の光が邪魔をして、その表情は伺えない。


   「 ……そっか、神様に会ったって言ったら
     みんな驚くものね。 」


  「こんらん」の意味はわからなかったけれど
  言いたいことはなんとなくわかる。

  手伝いに行った人達がどうなったか
  友達たちに言いたかったけれど、きっと言えば
  あまり良くないことが起こるのだろう。
 
(370) 2021/06/18(Fri) 22:33:03

【人】 『ただの子供』 ソフィア



   「 あ……、 」


  「森に近づくな」、そう言って、
  彼は去っていこうとする>>339

  私は、追いかけようか一瞬悩んで、一歩踏み出すと
 
(371) 2021/06/18(Fri) 22:33:20

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 


   「 ありがとうー! 」



  そう、大きな声で叫んだのだ。
 
(372) 2021/06/18(Fri) 22:33:40

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  だって、きちんとお礼を言えてなかった。
  言いたかった。 貴方のおかげで助かったんだって。

  私の気持ちは伝わっただろうか。
  月の光はどちらの向きか。
  あなたの表情は見えただろうか。
 
(373) 2021/06/18(Fri) 22:34:58

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  村に帰れば、案の定とても怒られた。
  友達には泣かれたし、
  大人はなにを叫んでいたんだって
  訝しげに見てきたり。

  それでも、森で出会った彼のことは誰にも言ってない。
  友達にも、両親にも、内緒の話。*
 
(374) 2021/06/18(Fri) 22:35:12

【人】 『ただの子供』 ソフィア



***


  ─── あの日から数日後。
  私は両親が仕事に行っている間に
  キッチンに立って料理をしていた。

  そう、料理である。

  パンの耳を切って(手が危うく切れそうになった)
  具材を混ぜて(それっぽいものを)
  パンに挟んで(量の加減が難しい)

  皿の上に出来上がったのは、見事なサンドイッチ。

  少々形が不格好で、マヨネーズが多すぎて、
  野菜が多かったり少なかったりするけれど。
  これは立派な料理。

  それらをバスケットに優しく入れたら、準備は完了。
  持ち手に腕を通して家を出て、目指す場所は、勿論。


── ▷ 森の入口  ──   

 
(375) 2021/06/18(Fri) 22:35:44

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  大蛇心子知らず。
  今日はお昼の時間帯に、
  入口付近にバスケットを置いた。**
 
(376) 2021/06/18(Fri) 22:36:07

【人】 将軍 かんぅ

[新(じゃんる)
使用人に放置(ぷれい)される主。大好評発売中。
かんぅだって魔物は初めてなのになぜ平然としているのか。それはきっと憧れが強いからであろう>>359ご安心ください、この白竜の前に犠牲になった魔物はいません。たぶん。
もしかしたら、知らずに踏んだ。

何てことはあるかもしれないが。
感謝の言葉を伝えれば素直に喜ぶ彼は今までに見たこともない存在だ。軽く柔らかいその肉体はかんぅの手に係れば、簡単に浮かぶ。羽のようで、触れる程に食事の心配を感じさせた。もうちゃんと食べなきゃだめよ、婿殿。
と食堂のおばちゃんが出てきそう。]
(377) 2021/06/18(Fri) 22:56:10

【人】 将軍 かんぅ



 よいではないか、よいではないか


[何処かで聞いたぞ、この台詞。]


 かんぅの背を洗ってもらった礼だ。
 それに婿殿の背を洗うのは妻の務めであろう。


[>>360
もはや自然に流れていく。花嫁としての言動。
流されていく、流される。このまま婿殿は流されていくのであろう。ああー川の流れのようにーー。属性流される。とかじゃないかな。泡でもこもこあわ太郎の完成である。
なぜ太郎。とかあるけど。

とりあえず、擦るでない。という言葉に
あい分かったと頷くかんぅはご機嫌である]
(378) 2021/06/18(Fri) 22:56:30

【人】 将軍 かんぅ

[これは新婚生活!
まだ初夜もまだなのに
日常風景が出来上がっている気がするよ。婿殿、もうちょっと気づいて、素敵な肌を威張る前に気づいて、這いよる混沌。あなたの隣にかんぅになっている。

一家に一人。
白竜の妻はじめました
これは売れる。本にして売ろう。
絶賛発売中*]
(379) 2021/06/18(Fri) 22:57:17

【人】 土地神 リン

[ 生き方の違い、名の違い
 その様なものを己は知らない
 否、知る由もない

 己の前の己もまた名は同じ
 『リン』であり役目も同じ
 確認こそはしたことはないが
 姿形もおそらくは同じだろう

 それでも同一とは言えないのは
 記憶を引き継いではいないからで
 
 己になる前の己の記憶
 どんな嫁と共に過ごしたのか
 何を好み、何を学んだのか
 そればかりは己にもわからない ]
(380) 2021/06/18(Fri) 23:39:53

【人】 土地神 リン

[



             抱きしめられる腕の中
              あたたかい、と感じた ]
(381) 2021/06/18(Fri) 23:40:17

【人】 土地神 リン

[ 部屋の入り口で冥桜が口を開く
 新しくきた嫁が前の嫁に名乗る
 懐かしい光景

 ただ違うのは
 あの時、己を抱き上げていた嫁が
 今では前の嫁として褥にいるということ

 淀みなく紡がれる自己紹介に
 そろりと名桜の表情を盗み見て
 その唇が青ざめていないことを確認し ]


  多少のことでは──か
      たしかに、そうかもしれん

   前の……緋扇が来た時だが
     あの時は、蘇芳をみて大騒ぎで
         それでも起きはしなかったからな


[ 抱えられ、部屋から出されたのだったか
 その後、三日はここに入ることを禁じられた

 嫁同士話すというのがその理由であり
 三日が明ければ綺麗になった部屋の中
 埃と共に、蘇芳の姿もまた消えていた ]
(382) 2021/06/18(Fri) 23:40:38

【人】 土地神 リン


  多少のことでは、か
     ならばやはり起きるかもしれないぞ
  
    ──とはいえ、確かに
       この有り様では叱られかねん


[ やきもちやきの緋扇は
 あれこれ世話を焼く分、口煩くもあった

 近づく顔を手で制し
 嗅がずともよいと首を左右に振り ]


  ──む、ぐ……
     食事はしようと思えばできるが
          我にとって娯楽の一種よ
          
  あと、風呂は入っておる
     汚れでどうこうはならんでも
         同じところで寝る以上は、な


[ 得意げに冥桜の顔を見遣り、胸を張った* ]
(383) 2021/06/18(Fri) 23:41:17

【人】 書生 茅

[殺さない、と『山神さま』は言う>>341
けれど、嫁入りした者たちは帰らない
嫁は一緒に暮らすものだと
それならば…つまり……

今までのお嫁様は、皆、『山神さま』と共に在るのだろうか
共に、暮らしているのだろうか?]

 愉しませ……?

[たのしませる、とは…?
一発芸でもすればよいのだろうか?
正直、全く自信はないのだけれど……
ピンとくるものがない癖に、青年は曖昧に頷いた。
疑問ばかりが浮かぶのに、どれ一つとして答えを得られないまま、
けれど、『山神さま』がすぐにわかると言うのだから、分かるのだろうと、そう思っていたりなどして
青年にもう少しだけ余裕があったら、「もしや生きたまま喰われ、その悲鳴を愉しむなどするのではなかろうか」なんて思いついていたかもしれないが、幸か不幸かそこまで思い至ることはなかった。

く、と顎を引かれ、正面から出会う眼差しに、元々少し大きめの眼をさらにまぁるくさせて見返す。
驚いたが、とりあえずその瞳の奥になにやら楽しそうな色を見つけ、よくわからないが『これで良いらしい』とほっとする間も無く]
(384) 2021/06/18(Fri) 23:47:28

【人】 書生 茅


[首元に、朱の華を咲かせた青年は、怪訝な顔を見せる。
『山神さま』の行動の意味が、まるで分らなかった。
耳元に落とされた囁きに、反射的にごくりと唾をのむ。]

 えぇ……と……

[瞬時迷ってそれから青年は。

善処します…と小さく小さく呟いた。**]
(385) 2021/06/18(Fri) 23:48:27
書生 茅は、メモを貼った。
(a31) 2021/06/18(Fri) 23:49:08

【人】 鬼 紅鉄坊


[ 永久に起きないのではないかと、思わず呼気を確かめてしまうような
 静かで深すぎる眠りの終わりは、見守る者には唐突に映った。>>284

 いつかもう居ない女が楽しそうに語ってはしゃいだ、
 絡繰り人形の話を思い起こさせられる。

 囁きよりも細い声が、白い若者を無機質から遠ざけた。>>285
 鬼に向けたようには響かなかった一言に触れることはない。
 未だ続いている命の継続を、問いと食事を持って求めるだけ。 ]
(386) 2021/06/19(Sat) 1:17:55

【人】 鬼 紅鉄坊




自分が喰わないからといって、
作れないとは必ずしもならないだろう?

……うむ
確かによく舌が回っているな。何よりのことだ

[ 昨日の調子、恐らく素を取り戻した若者の揶揄に反論する。>>286
 が、その内容を否定はしない。そう間違ってもいないのだから。

 見守るつもりだった食事は直ぐに終わってしまった。
 否、決して相手が獣のように食い散らかしたわけではない。
 慣れない作業の成果の味と、痩せ身の喉に食事が通るのか
 ただただ心配で、見つめてしまったのだろう。 ]
(387) 2021/06/19(Sat) 1:18:10

【人】 鬼 紅鉄坊



そうか
食事の量は少しずつ、増やしていくほうが良さそうだな

[ 食わねば体力は付かないが、器より大きな物は詰め込めない。
 次はもっと小さくしようと、残った量を見て思う。
 いや。当人に見てもらい、その内自分で作らせるのが一番良いか。
 味について語らない理由も知らず、一時巡る思考。

 随分と呑気なものだったと直ぐに知ることとなる。

 何か思いも寄らないことを言われるのは、
 勘違いをしているらしい以上覚悟したつもりだったが── ]
(388) 2021/06/19(Sat) 1:18:29

【人】 鬼 紅鉄坊



……では、千太郎と

[ 咎めるように向けられた訂正と>>287
 結局はこちらに放るような態度。>>288

 確実に、言うべきことは他にある。だが、それ以外何も言えなかった。
 顔も知らないだろう母親の遺した想いはおろか、
 自分自身にすら関心が薄いかのような様子を見せられては。
 せめて自分だけは、さとの為にそう呼ぼうと決めることが精一杯。

 鬼は今までずっと、生活の殆どを独りで過ごしていた。
 こちらより口が回りよく喋る、あの妖怪の男やもう会えない女
 あまり気が合わない数多の同胞たち、
 そしていくら繕えど怯えていることに変わりない村人らとの接触は、
 鬼の舌の回りを滑らかにはしてくれなかった。 ]
(389) 2021/06/19(Sat) 1:18:44

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 残酷な程あっさりと名の話が切り捨てられ>>289
 昨日は半ばで終わりを告げた話が再開した。
 聞き漏らさぬよう、鬼は頭を少し前に垂れて耳を低くする。
 
 肌にも重みにも、命の主張が感じられない白い手が、
 襤褸の着物から覗く筋肉質な影色に添えられて。

 近い距離で覗き込み、昏い意思を持って逸れぬ二つの黒眼。
 伏せられなくなった紅色は、しかしただただ静かで揺らぎない。
 汲み取れる感情など、覗きたがりにも見つけられなかっただろう。

 「鬼の子」を蔑みながら、その手で転がされた村人とは違い
 鬼の目線は逸れず、じっと話を聞いてから口を開いた。 ]
(390) 2021/06/19(Sat) 1:19:02

【人】 鬼 紅鉄坊




千太郎。お前は──……

そのように、思わされてしまったのか
(391) 2021/06/19(Sat) 1:19:15

【人】 鬼 紅鉄坊

[

 芽の内に踏み躙られ、歪み伸びた枯れかけの植物が
 もしも正しく育まれていたのなら
 どんな色の蕾をどのように美しく開かせたのかなど。

 躙った者は思い描きもしないだろう。
 己の行いも忘れ、醜いと容易に引き抜こうとするだけだ。


 つまりはそういうことなのだと、鬼は考える。 ]
(392) 2021/06/19(Sat) 1:20:56

【人】 鬼 紅鉄坊


同族に虐げられる人間を村から救いたいと、
山の鬼が思うことが厚顔無恥だと感じているのなら、
不快に感じたのなら謝ろう

[ 反応を愉しもうとするような皮肉の棘にも、鬼は真っ直ぐに返す。
 それでいて改めてはいない。 ]

私はかつて、お前の母をよく知っていた
どんな夢を抱き、どんな苦しみで胸を痛めたのかも
恋い慕った男、つまりお前の父親への想いもまた

選び救おうとした理由はそこにあるのだ……

[ 続けようとした言葉は音に乗らず、僅かな話の間が空いた。
 これ以上母親について語り聞かせても
 きっと興味を示さないだろう、示せないのだろうから。 ]
(393) 2021/06/19(Sat) 1:21:15

【人】 鬼 紅鉄坊



千太郎がどのように思わされていても、
ここにいるのが人の子を救う権利のない物怪だとしても

お前を牢の中で飼い殺すことが正しいとは、私には思えん

[ 表情も感情も覗い難い顔の人外であったが、
 そう言い切る声は穏やかにも力強く。揺らぎなく。
 想いに隠すものは一つもなく、歪んだ花嫁に全てを伝えきった。 ]
(394) 2021/06/19(Sat) 1:21:31

【人】 鬼 紅鉄坊


……さて。一つ、聞いてもいいか
花嫁と扱われる生活に、男児として思うことはないのだな

[ 男であると知った時からの疑問。
 今まで問わなかったのは、振る舞いを見れば答えは明白だからだ。
 故に口調にも既に理解していることは表れている。 ]

ならば、望むままに扱おう。私の花嫁よ

[ 「選んだ」
    「役目」
       「相応に」

 哀しい花嫁たちを妖怪達の元に送り届ける役目の鬼が、
 人里で穏やかに暮らし、家庭を築く夫婦のことなどを
 その言葉から想起する筈はない。していい訳がない。

 何を言われているのか理解しながら、態と口にした。
 花嫁という肩書きの元に、「せん」を選び求める。
 そんなものは助け出す為の口実でしかなかったが──

 少しばかり身を引いて、立ち上がる。 ]
(395) 2021/06/19(Sat) 1:21:47

【人】 鬼 紅鉄坊



まずは共に散歩にでも行くとするか
千太郎の身体では敷地の外は難しいが……
気分が変わるかも知れないぞ

[ 未だその言葉は役目を終えてはいないのかもしれない。

 屈みながら手を差し出しつつ、鬼はそう考えていた。 ]
(396) 2021/06/19(Sat) 1:22:17

【人】 鬼 紅鉄坊

── 外へ ──

昨夜は雨が降っていたから
止んだ時にはきっと、強く香っていただろうな
……ほら、六枚の弁のこの花のことだ

毎年、決まってこの時期に咲く

[ 差し出した手に重なるものがあっても、拒まれても。
 今繋いではいないことに変わりはない。

 気遣ってしようとしたことだが、身の丈が違いすぎた。
 腕を持ち上げられ続けるのは、筋肉の無い身には辛かろう。
 行き過ぎては止まり、また繰り返し。共に歩くことも難儀だ。

 時間を掛けて近づいたのは
 昨日暮れ始めた空の下で白く咲き誇っていた花々。
 あの美しい純白は、今は薄く黄色を混ぜたように色を変えていた。 ]
(397) 2021/06/19(Sat) 1:22:38

【人】 鬼 紅鉄坊



秋の終わりに実を結ぶ、それは薬の材料になる
私は実を、門の前までやって来る村の薬屋と取り引きして……

[ 語り聞かせる話がはたと止まる。

 薬屋の娘を昨日、同胞の寝蔵へ届けたことを思い出したのだ。
 その姉もまた昨年、花嫁となりもういないことも。 ]

……傷薬を得ているから、怪我をしたら隠さずに言うといい

[ 何事も無かったように続きを語る。

 あの薬屋の主には、千太郎を会わせないほうがいいだろう。
 きっと辛い思いをしているから。 ]**
(398) 2021/06/19(Sat) 1:22:52