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リヴィオは、リヴィオ・アリオストはいつも通りだ。 (a1) 2023/09/23(Sat) 22:20:17 |
リヴィオは、変わらない笑顔を浮かべている。 (a2) 2023/09/23(Sat) 22:20:29 |
【人】 無敵の リヴィオ>>7 ダニエラ 今日は君との 約束通り 、男は午後から休みを取っていた。そうして約束通り、 明日に君へ元気な姿を見せる──訳ではなく。 「……やぁ、ダニエラ君」 何の要件か。 こうして今、君の元を訪れたのだった。 名を呼びながら身を屈め、パラソル下の君に微笑みかける。 そこに浮かぶ笑顔はやはり、いつもと変わらない姿。 「偶然だね。いや、出会うのは必然だったのかな。 こうして午後も君に出会えて嬉しいよ」 「……あぁ、すまない。こうして話していては、 せっかくのジェラートが溶けてしまうね。 ここでさようならをするのもひとつだが」 ──少し、君と話がしたいんだ。 そう付け足して、 図々しくも同じパラソル下の席へ座ろうとする。 最もここで嫌な顔をされようが座る気満々。 どこかへ立ち去る様子もないのでどうか許して欲しい。 #specchio (8) 2023/09/24(Sun) 2:51:49 |
【人】 無敵の リヴィオ>>9 ダニエラ 「はは、そう言われるんじゃないかとは思ったよ。 だけどね、今日 だったから 必然なんだ」仏頂面にも怯まず笑顔のまま席へと座る。 そうして腕を組み、首を僅かに傾けながら口を開いて。 「……で、だ。こういうのは単刀直入に話そうと思う」 ジェラートは食べながらで構わないよ。 溶けてしまってはジェラート屋の店主が可哀想だ。 話しかけた側が何を言っているのかという話だが。 いつもと同じスーツのポケットの内側、 そこから小さな袋を取り出して、 君にも見やすいようテーブル上へと置いて見せる。 万が一のため、その袋に左手は添えたままだ。 きっと君には──いや、君なら、見覚えがあるはずだ。 #specchio ▼ (11) 2023/09/24(Sun) 8:05:45 |
【人】 無敵の リヴィオ>>9 >>11 ダニエラ その透明な袋の中には『銀のヘアピン』が入れられている。 勿論、知らないとただ首を振るのも簡単だろうが。 「……俺は、嘘つきでどうしようもない人間だが。 君が言葉を渋り、いつもとは違う様子を見せたのなら、 近付かれても間抜けに笑っているほど無能じゃない」 「最も、無能な人間は上に沢山居そうだけどね」 目が飾りの代理様とかね。 口にはせずとも態度に出していく。 「まぁ、それに……君と俺は案外似ているらしい。 本当の意味で仲良くやって行けそうな程にね。 俺としては、あー……犬カフェに行きたいのは本音だ」 単刀直入と言いながらいつもの声色で、 いつもの……とは異なる柔く弱々しい笑顔を浮かべて、 まるで会話を早々に終わらせるのは惜しいというように 語り続け、その翠眼は揺れることなく君を見ていた。 #specchio (12) 2023/09/24(Sun) 8:08:49 |
【人】 無敵の リヴィオ>>13 >>14 ダニエラ 『銀のヘアピン』を壊さずにいた理由は 単に壊したところで怪しまれるだろうという点と、 君に疑われるのならそれもいいかと考えてしまったから。 流石にルチアーノとのやり取りの際には上着を脱ぎ、 ベンチへと放り投げて会話の一部を隠していたが、 それ以外は敢えてずっとポケットの中に仕舞いこんでいた。 君がこれを贈り物とせずにいてくれたことが、 男にとって何よりの救いなんだろうと思う。 男は今まで何かを受け取る側にはなれなかったからこそ。 言い訳がないことに安堵したのか。あるいは胸を痛めたのか。 どちらとも言えるし、どちらとも言えない表情を浮かべて、 少し伏せた視線は、また君へと戻されていく。 「……はは、残念がってくれるのかい? それは嬉しいものだね、惜しまれるとは思わなかった」 こんな男だが、何故か慕ってくれる後輩は居た。 嘘ばかりで、嘘の自分を慕われることが苦しかったが、 彼らとの日常は、とても楽しい日々だった。 それは確かに、嘘じゃない。心からの本音だ。 #specchio ▼ (15) 2023/09/24(Sun) 9:48:24 |
リヴィオは、リヴィオ・アリオストは嘘吐きだ。 (a12) 2023/09/24(Sun) 9:49:24 |
リヴィオは、別に、無敵なんかじゃあない。 (a13) 2023/09/24(Sun) 9:49:46 |
【人】 リヴィオ>>13 >>14 >>15 ダニエラ 「どうして欲しい、か……そうだね」 考えるような素振りを見せるが、答えは既に決めている。 任されたから為すのではなく、それは男が決めた答えだ。 わざとらしい笑顔に切り替え、一呼吸置いてから。 「一緒に自首しよう、ダニエラ君」 「その一度きりのデートでは満足とは言えないだろうから、 全てが終わったその先で犬カフェにいこう」 未来はいらない。ここで破滅してしまいたい。 そう考えていた過去を思えば、 未来の話をする男はきっと、少しは前を向いている。 お節介で、お人好しで、物好きなやつらのおかげで。 それにきっと、終わることを許してくれないんだ。 仲間の一人を思い浮かべて、思わずため息が出そうになった。 「……そういうのは、駄目かな?」 わざとらしい笑顔は外して、何処か伺うように、 やっぱり弱々しさのある表情で君を見る。 傍から見れば君に振られた失恋男って感じだ。 まだ振られてはいない。色気のない口説き文句ではあるが。 #specchio (16) 2023/09/24(Sun) 9:50:56 |
リヴィオは、ただのひとりの人間だ。 (a14) 2023/09/24(Sun) 9:52:02 |
【人】 リヴィオ>>17 >>18 >>19 ダニエラ こんな口説き文句だけじゃ、 君はきっと落ちてくれないだろうとは考えた。 自分の裏は隠し、『証拠』を突きつけ笑って、 君だけを責めてしまうことは簡単だったが……。 だけどそれが出来なかったからこそ、 まずは真っ直ぐな言葉で伝えるしかなかったんだ。 その後にどうするかなんて、その時考えるしかない。 お姫様抱っこでもして警察署に向かうのも悪くはないけどね。 そうじゃないと、彼の呆れ顔を見ることになってしまう。 まぁ、辿り着く前にお巡りさんへ通報されかねないが。 「……俺個人ではなく、 頼み でもなければ、俺は多分君を見逃してしまっていたんだろう」 誰でも良かった。でも、誰でもいい訳じゃなかった。 知っている人間も、知らない人間も。 誰も彼も、無実の人間はあの狭い場所に行くべきじゃない。 本当はずっと分かっているし、 選ばないってのは責任逃れに過ぎない。 狡い人間なんだ、本当は。 #specchio ▼ (20) 2023/09/24(Sun) 12:34:12 |
【人】 リヴィオ>>17 >>18 >>19 >>20 ダニエラ まぁだから、君が見逃して欲しいと口にするなら、 それもいいかと代わりに俺も見逃してくれと笑って、 きっとその後は自己嫌悪に陥っていたんだろう。 そんな過去も未来も、なかった訳だが。 「…だから、すまないね。見逃されることを諦めてくれ。 君を休ませてやりたいと言った 彼 のためにもね」誰が言ったかまで教える必要はないだろうが、 ヒントくらいはいいだろう。 あとはその当人が後で問い質されればいい。 座る場所はどうにも心地がいいとはいえなさそうだが、 仕事を休むって意味でも悪くはない。 しかしもしも彼女に何かをする輩がいるなら、 俺が殴っても許されるだろう。 彼女に何かを思う人間だった場合は? …どうしようか、特に何も考えていない。 出来ることならそうならなければいいと願うだけ。 代わりに俺を殴る案でどうにかならないだろうか。 別にマゾヒストじゃないが。 #specchio ▼ (21) 2023/09/24(Sun) 12:35:48 |
【人】 リヴィオ>>17 >>18 >>19 >>20 >>21 ダニエラ 問いに誤魔化すことなく頷いて。 「あぁ、そうだよ。 俺達 は俺が最後のひとりだ。だからね、君がこれ以上に頑張る必要はないんだ。 安心していいよ、俺は嘘吐きだが──そういう嘘は吐かない」 自分さえ食い殺したかった凶狼の一匹は笑う。 こんなにも綺麗にひとりになるとは思わなかったな。 最後が俺ってのもどうなんだって話だけどね。 「という訳でだ、ダニエラ君。 『この街の執行役が全員いなくなれば平和だと思わないか』」 だってさ、これも君を座らせたいやつの言葉。 表舞台は残る人間に任せよう。幸い、そこに宛はある。 というか、黙って隠していたからでもあるが、 【A.C.A】のひとりに協力を頼む有能なやつがいるんだ。 それだけじゃなくて、流石にやり過ぎなこの状態じゃ あの目がない代理様も残り僅かの天下になるだろう。 そうなって欲しいからそう願っておく。 #specchio (22) 2023/09/24(Sun) 12:36:56 |
【人】 リヴィオ>>23 >>24 >>25 ダニエラ 君はやっぱりどこか、自分によく似ていると思った。 どんな理由であれ【A.C.A】に所属していたんだ。 地獄にひとりで落ちてしまえばいい、落ちてしまいたい。 そう思う心はまだ、ずっと、胸の内にあるまま。 だと言うのに、お迎えがなかなか来ないから こんなに留守番して、ここまで残ってしまった。 まぁ最後じゃなきゃ、未来の話はきっとなかった。 誰かとの未来に笑う自分が、許せなかったから。 別に、今も許せているわけじゃあないが──。 あの物好き達の顔を思い浮かべてまたため息が零れかけた。 多分、惜しいと口にしたのが自分の敗因だった。 案外、責められるよりも責められない方が苦しむらしい。 暫くはそこに身を下ろして、生きていこうと思う。 勿論、石や罵詈雑言も歓迎しているよ。 マゾヒストじゃないけどね。 #specchio ▼ (28) 2023/09/24(Sun) 20:18:57 |
【人】 リヴィオ>>23 >>24 >>25 >>28 ダニエラ 「…あぁ、最後だよ。本当の、本当にね」 繰り返すのは、嘘じゃないよともう一度伝えたくて。 君の本当の心までは理解出来ないが、 そのひとつの事実に、男はひとつ安堵する。 もしもまだ心配なら二人の名を伝えようかとも考えたが、 問題なさそうなので浮かべた顔に頭を振ってかき消した。 「………ありがとう」 こんな色気のない口説き文句で、 落とせるとは考えていないし思いもしない。 それでも、真っ直ぐに伝えることが今出来る全てだったから、 君が誘いに乗ってくれたその事実にまた安堵して、 強ばっていた肩の力を抜いた。 ──瞬間、意識が一瞬点滅する。 まだ全てが終わった訳ではないというのに、 どうやら力を抜きすぎたらしい。 再び君の様子を確認すれば、既に君は立ち上がって。 #specchio ▼ (29) 2023/09/24(Sun) 20:19:55 |
【人】 リヴィオ>>23 >>24 >>25 >>28 >>29 ダニエラ …まずい。意識が飛んでも何を言いたいかは大体分かる。 「…………はは」 分かるのだが、まずは笑って誤魔化そうとする。 誤魔化す必要はないが、感じた圧から逃げたくなったせいで。 体を逸らして少しだけ距離を取り、悪足掻きをする。 「……いや、えっと。あー………はい、そうだね。 それについては、うん……俺も諦めるとするよ………」 そのまま少しだけ悪足掻きを続けようとするが、 流石に君が諦めたのに、諦めないのはどうかと思った。 病院に行ったら長めに拘束されそうだが──。 「…病院へのデートも付き合ってくれるかい?」 仕方がない。医者に怒られるよりも君の方が恐いんだ。 デートの前にデートに誘って、 君の時間を長めに頂戴するとしよう。 熱の本当の理由を向かう途中で明かそうか。 出来れば、怒らないでいてくれると助かるよ。 …あぁ、そうだ。語るついでに言いたいことがもうひとつあった。 多分、辿り着くまでに時間はまだあるだろうから。 #specchio (30) 2023/09/24(Sun) 20:20:49 |
リヴィオは、叩き起された後、その場から姿を消していた。 (a28) 2023/09/26(Tue) 14:01:16 |
リヴィオは、「ほら、もうすぐ外は晴れるよ。───」 (a30) 2023/09/26(Tue) 16:08:24 |
リヴィオは、どこかでそう、呟いた。 (a31) 2023/09/26(Tue) 16:08:36 |
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