08:55:30

人狼物語 三日月国


184 【R-18G】ヴンダーカンマーの狂馨

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【人】 給仕 シロタエ

―― その頃の仔狐亭 ――
[本来なら火の気も人気も絶えるはずの時間
最初の狂乱はすでに無くなっていたけれど

掃除に憑りつかれたベテラン給仕は、汚れが、と言いながら水をぶちまけて調度品を台無しにして
店のものを食い散らしていた客たちは他へと移動したらしく
客とまぐわっていた給仕はあられもない姿で転がって動かない

店主はといえば相変わらず血まみれのエプロンのまま大鍋をかき回している

「あぁ違う、こんなんじゃない俺が作りたい味は!」

そう言いながら調味料やらをくわえていくが、何をどう混ぜたのか酷い臭いがする
鍋の中は煮込まれすぎて、何が入っているのかもわからない
足元には様々な食材とそうではない物の残骸が散らばっている

そうして、新たな「食材」を放り込もうとしたところで

開け放たれていた窓から「それ」は来た>>n7]
(8) 2022/11/14(Mon) 22:40:47

【人】 給仕 シロタエ

[店主の手が止まる、瞬きをして、目の前の鍋とその臭いに顔をしかめ
手にした食材と思っていたものが何かに気付き絶句する]

「なんだ、これは……俺は一体何を……何を料理していた?」

[答えなど聞かずとも目の前にあった……鍋の端に覗く人の名残

呻き、よろめいて、店の中へと視線を向け
大事な店が酷い惨状に変わり果てているのを見た
ベテランの給仕がモップを抱えたままやはり呆然と店主を見ていた]

「あ……なんてことだ、なんて……」

[崩れ落ちて、目を見開いて
当たりに悲痛な叫びが響き渡った**]
(9) 2022/11/14(Mon) 22:42:30

【人】 給仕 シロタエ

[娘は運がよかった
大した怪我も負わず、手に負えない相手にも会わず
誰かがまき散らした毒に触れることもなく

だけどそれはたまたまそうなっただけの事

娘が歩いた足元に澱んでいた毒は靴底に張り付いて
すれ違う誰かが跳ね上げた毒の飛沫は服に染みついて
そうして気化した毒は知らず娘に纏わりついて
知らぬうちに肺に、肌にそれが取り込まれていることに娘は気付かない

高揚した頭では体調の異変に気付かずに
気付いたとして気にも留めずにここまで来た

娘は、運がよかった]
(31) 2022/11/16(Wed) 1:29:20

【人】 給仕 シロタエ

[悪い人>>2:71
その言葉を投げられた男は明らかに激高していた
恐らくは、それが狂気の引き金になる言葉だったのかもしれないが、それは娘の知ることではなく
意識がこちらに向いたことで、それを避ける、という選択肢が消えた

運がいい娘なら、うまく躱すことを選んだだろう
狂気故か、それともほかの理由か判断力が歪んでいた
運というものに限りがあるとすれば、それが尽きるのが今だったのだろう

ここまで己の動きが鈍っていることに気付かずに来た娘は
大きく息を……身に纏わりついた毒気を吸い込み、胸元の痛みにほんのわずか顔を顰めた]

 まぁったく、ロクデナシがいると気分が悪いわねぇ

[先ほどまでなら避けていただろう相手を煽るように笑う
尊大になっているのか思考がぼけているのか、その両方か
娘は運がよかった……それは
過去形
]
(32) 2022/11/16(Wed) 1:31:34

【人】 給仕 シロタエ

[ロクデナシ、それも目の前の男には地雷だったのだろう
大声で叫びながら手にした鉈を振り上げる、鉄パイプなどでは差は歴然
初手を避けて、向き直って踏み出そうとして、足がもつれた
その立て直そうとしたところに鉈が振り下ろされ……]

 


[鈍い音と衝撃、そうしてどさりと何かが落ちる音
娘の右腕が肩口から切られて地面に落ちていた
空気が冷えたような気がして震える
汗なのか血なのか服がじわりと湿気を帯びていく

体勢を立て直す間も声をあげる間もなく、更なる一撃が今度は左腕を落とした]

 ひゅ……

[息を吸い込む、湿度の高い空気を吸い込んで……不意に何かが頭で弾けた気がした]
(33) 2022/11/16(Wed) 1:33:23

【人】 給仕 シロタエ

[娘の腕を落とした男は、そのままの姿勢で瞬きをする
何が起きているのかわからないという表情で
娘を見て、その周辺の血だまりを見て

そのまま声もなく崩れ落ちる]
(34) 2022/11/16(Wed) 1:34:30

【人】 給仕 シロタエ

 あ……ぁ……

[何が起きたの?何があったの?
落ちているものは何?
そんなこと、聞かなくても全部知っている!!]

 
あああああぁぁぁ!!!!!


[痛い、痛い、
痛い

心が?体が?どうして?
全部覚えてる、全部自分がしたことだもの!
血の気が引いていく、その血を止める腕はなく
顔を覆いたくてもそのための腕はなく

どうして、と呟いて娘は膝をついた]
(35) 2022/11/16(Wed) 1:37:20

【人】 給仕 シロタエ

 「まったく、お前は父親にそっくりだよ!」

[頭の中で声がした]
(36) 2022/11/16(Wed) 1:38:13

【人】 給仕 シロタエ

 「まったく、あの人は稼ぎも悪いくせに船を新しくしたいだってさ」
 「どうしてお前はそうなんだい、あれに似てぐずなんだから」
 「いい加減ちゃんと覚えとくれ、何度言えばできるんだい?」

 ごめんなさい、アタシちゃんとやるから

 「あのロクデナシやろう、全部持って逃げやがった!」
 「きっとお前もロクな奴にならないだろうね」
 「ロクデナシになりたくないならいう事を聞けばいいんだよ」

 「あぁ、本当にお前はあのロクデナシそっくりだ」
 「教えたこともできないロクデナシだよお前は!」

 アタシ頑張ったよ、だけどダメだったの
 アタシ、ああ。アタシ、は
(37) 2022/11/16(Wed) 1:39:35

【人】 給仕 シロタエ



 
あは、は
(38) 2022/11/16(Wed) 1:42:32

【人】 給仕 シロタエ

 
なぁんだ アタシもやっぱりロクデナシだったんじゃない
(39) 2022/11/16(Wed) 1:43:14

【人】 給仕 シロタエ

 
あは、あはは  あぁぁぁぁ!!


[笑う、笑う、慟哭ともつかない声をあげて
気付かない振りでいた本当の自分を嗤う

そう、そうだわロクデナシは片付けられなくちゃ
だからこうなったのも当然なの
だって、あたしはロクデナシなんだもの]

 
あはは あはっ   
かはっ


[笑いすぎたか咳き込んで、血を、吐いた
吸い込んでいた毒がいつの間にか肺の奥を侵食して
激しく笑ったことで崩れ出していたなんて、娘は知らないけれど]
(40) 2022/11/16(Wed) 1:45:37

【人】 給仕 シロタエ

[つい、と頭から最後の血が抜け落ちていくのを感じる
怖くはない、忌避もない、だってこうなるのは当然だから]

 
あは は


[最後まで娘は笑ったまま、ゆっくりと地面に倒れ伏した**]
(41) 2022/11/16(Wed) 1:47:46