[その頃、文化祭実行本部では椅子に拘束されている生徒会長以外の誰もが走り回り、当日を迎えてなお次から次へ増え続ける仕事を裁き続けていた。]

カイチョー！第2講堂13時30分からの講演のゲストが事故で遅れる旨はアナウンス終わったー！！
空く時間は放送委員会の過去のオリエンテーション紹介動画流して埋めてくれる手筈になってまっす！

んでパンフ在庫の件は書記クンが人連れて正面玄関に応援に行ってくれてるっす。

新しく通達来た『未承認で校内をゲリラ公演中の謎の全身タイツ歌劇集団』…何だこれ………風紀の担当区域に逃げたのが目撃情報最後っぽいすね。
これは…風紀に…このまま引き渡しましょ！

他は細々ありますけど、とりま緊急なのはこれで以上なんで確認おなーしゃーす。

[報告を終え、自席にかけ直す。
何かあっても関係無しに抜け出す気ではいたものの、何だかんだ己の生真面目な気質を裏切れぬまま 文化祭の準備、そして始まってからの殆どをこの部屋での軟禁状態に甘んじていた。

大きく伸びをすれば、身体のあちこちが哀れっぽく悲鳴を上げた。
ふと周囲を見渡す。他も大事の対応は落ち着いたのか、室内には何となく緩やかになった雰囲気が漂ってた。]

(…今ならちょっと抜けれっかな。)

……すんませーん、カイチョー、フクカイチョー！
*

[どうせ後始末で合わない予算の帳尻合わせに奔走することになるのだから、今くらい休ませてやろう。
そう伝えて来る副会長の瞳が早晩出荷される仔牛を見るそれであろうと、休憩を貰ったのは確かである。言葉に甘え、文化祭へと繰り出すことにした。

何か大事が起きたら呼び出されることもあるかもしれない。
そう考えると、同室者の担当するクラスに真っ先に足が向くのは当然のことだった。]

(最後までフケれないよう釘刺してくるとこ、優しいけど優しくねえんだよな〜〜)
[内心でひとりごちりながら、ドアに手をかける。
元教室・現カジノルームはなかなかの盛況を見せており、中は客の姿で賑わっていた。]

…今いんのかにゃー。確か今日もシフトあるっつってたけど。

>>0:121>>1

おー……制服があるってのは知ってたけど、カナくんめっちゃ似合ってんね。>>92

[前髪を固めて上げている姿が新鮮で、思わずまじまじと眺める。
こんな機会でもなければ高校生では着なかろうディーラーの衣装は、糊のきいたシャツにピッタリとしたベスト。
テーブルにより足元は見えないが、靴まで一揃えだと先日サカクラが言っていた覚えがある。]

(普段のカナくんだったら「そーいうの俺のキャラじゃなくない？」とか「知り合いに見られるのは何か気まずい」とか言って俺に着せたがりそーだな)

[目の前にいる相手のいつもの調子の副音声を頭が勝手に再生してみせる。妙に愉快な心地になり、人知れず笑みを深めた。

見つめすぎたせいか、澄ました態度に対し、心なしかカナモリの耳は赤く染まっていた。]

…褒めちぎるのは後でゆっくりさせてもらうとするかにゃー。

とりあえず参加費とー、あ。ドリンクあるじゃん。オレコーラ飲みたい。

[ウェイター役の生徒からドリンクチケットを貰いつつ、カナモリの前に陣取る。
飲み物とチップが尽きるまでは、休憩がてら彼の時間を貰うことにした。]

[慣れた手付きでカードを捌いていく姿にヒュウ、と口笛を吹く真似をすれば綺麗な笑みと共に会釈を返される。
カナモリは器用な男だが、何より努力家だ。
自分の留守中に何か練習していた様子は、恐らくこれであったのだろう。
その笑顔の裏から「よし、上手く出来たぞ！」という声が聞こえてくるようだった。

同時に、カナモリの一挙手一投足を追っては勝手にアテレコをつける自分に「オレだいぶ疲れてるかもな…」と他人事のような感想を抱く。] >>109>>111

んー、とりま全賭けかにゃー。
分かんない時ほど派手にいっとけってね。

負けても飲み物無くなるまでは遊ぶつもりだしー、良客っしょ？

[文化祭が終わったら泥のように寝て、そしてカナモリとどこかへ遊びに行こう。
儚い誓いを内心で立てつつ、ニカリと笑って渡されたチップをそのまま渡し返した。]

あ、なるほどそーいうシステムなのね。>>119
そりゃそっか、他クラスの宣伝も兼ねてんだからある程度回転させないといけないもんにゃー。

[のめり込み続ける客が出ないようにという工夫でもあるのだろう。
本格的な賭け事の体を取るのを知った時は、いくらこの学校でも出し物として通せるか気にかかっていたが、サカクラたちも上手くやったらしい。
関心しながら、自分でも5枚カードを引き、場に明らかにした。]

>>122
うわなんだこれヤッベー。ウケんね。

いっそ全とっかえまでありかもしんないけどー…んー。
ペア出来た時の強さ優先でクラブの6、ハートの4、ダイヤの7を捨てるか。

効率的にカモられるって意味でも良い客かもしんないわ、オレ。
追加チップくーださい。次は…もうちょい行ける！

[即座に100円をカナモリに渡し、謎の腕まくりをして椅子にかけ直す。
先の宣言の通り、まだまだやる気であるようだ。]

>>125
そなの？そこらへんも良心的なんだにゃー。

[財布から取り出した100円をすぐ出せるようポケットに仕舞い、返却されたチップを受け取る。]

ならオレもまたこの2枚賭けるわ。さーいへーんきゃーく。

[代わりに受け取った5枚の手札を、即座にひっくり返していった。]

>>126
いや〜〜〜…1個しか変えれないけどブタしか見えないんだよなー！
まあやるかー。ハートの2を交換するわ！

カナくん。オレの気のせいじゃなかったらこの場には同じカードが4枚ある気がします。
>>127>>128

この場合は他のテーブルにきっと足りてないだろーダイヤのJを配布しつつ仕切り直しってことでいーんだろーか。

[顔の前に自分の引いた2枚のダイヤを摘んで持ちつつ]

>>139
[ディーラーの表情を保てなくなったカナモリ(と書いてゲラと読む。)を見る今の己の表情はきっと菩薩の如く穏やかだろう。

そのままの表情で他のテーブルにカードを持っていってやれば、横で見ていたらしいサカクラがこちらの顔を見た瞬間吹き出していた。]

おめーカードの管理はちゃんとしとけよな。何度も起こすなよこんな珍事。

[新たなゲラ(と書いてサカクラと読む。)を生み出したところで、再び配られたカードをめくり直した。]

>>133
(何も言わずかぶりを振り、そっと5枚をカナモリの方に突き返した。)

(代わりに返された5枚を更にめくり直している…。)

>>134 おし！！もうこれがブタでもオレは許す！！
ダイヤの4とスペードの7を捨てるわ！！！

[途中見てはいけないものを見たような気もするが、とかく己は勝ったのだ。
それはカードの数字としての勝敗でもあり、何からの因果(ラ神)からの解放でもあった。]>>136

おっし、これでこっちのチップは4枚になったな。
じゃあまた全賭けで───

[勝負を再開しようとしたところ、廊下が妙に騒がしい事に気付く。同時にスマートフォンから呼び出しの音が鳴り出した。]

あー……多分…休憩、終わりっぽいにゃー……。
カナくんごめん！オレ行ってくるわー。

[卓上に置かれたコーラの残りを一気に呷れば、結露し表面に浮かんだ水滴が指を濡らす。
一瞬浮かんだ遠い目を掻き消すように行儀悪くそのまま前髪をかきあげると、片手で謝罪をしながら席を立った。]

[つかの間の休みとはなったが、久し振りに自分の正面で大笑いしているカナモリの顔を見たこともあり、だいぶ気力は充填されていた。

片手で電話を取りつつ廊下を小走りで駆けていけば、見知った顔が屋台や舞台のあちこちに見える。
皆思い思いに文化祭を満喫している様子を見れば、気合は自然と入っていた。]

(たのしー文化祭運営の為に、あともーちょい頑張りますか。)

…はい、三五っす。今2年廊下から玄関ホール方面抜けます。
あー全身タイツの……何グループかに散っていって…

何て？
カップルっぽい二人組を見つけては周囲で暗黒舞踏を……何がどうなったらそんな青春に風穴空ける覚悟に殉じれんだよ……

あーはい。じゃあ空き教室は封鎖してるっすけど、他のしけこみに行きそうなスポット押さえて先回りすかねー。
こっちで把握してるとこ以外にあるか風紀に見て貰って…

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