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![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ「駄目ならここに来てない」 やっぱり素直に頷かずにそっぽを向いた。頷いたも同じである。 男は狼とはよく言うが、僕だって男であるはずなのにどうしてこう、狼を迎え入れるような気分になっているんだろうか。 何度も同じパトカーなどで乗り合わせたことはあるから、運転技術は疑ってない。 運転を申し出られたなら、じゃあよろしくと、鍵を押し付けて助手席に乗り込んでいく。 自分の車なのに、助手席で景色を眺めるなどというのは珍しく、別のことでソワソワして、あまり乗り心地は良くなかった。 「キミはちゃんと食べて良いんだよ?」 なんて、夕食を選ぶ際は意見も出しただろうが、軽くつまむ程度の軽食はありがたく思ってるだろう。 家は一人暮らしのマンションの一角。 一人暮らしだからそこまで広くはないものの、セキュリティはしっかりした新しい建物だ。 扉を開けば、シン……とした空気が二人を出迎える。 あまり生活感のないモノトーンで統一された部屋は、冷淡な猫には似合いだった。 (-6) 2023/09/17(Sun) 21:20:39 |
![]() | 【神】 花浅葱 エルヴィーノ「……は?」 逮捕者の名前が発表されて、思わず口をついて出た。 嘘だろうと、口元を抑えて呟いてその表情を隠してしまう。 昨日までここで、くだらない話したり、食事させられたり、チェスをしたりしていた後輩たちが……何故。 黒眼鏡だって、尻尾を出すような真似は……してないはずだ。 カポ・レジームだぞ、アレは。 それは今まで保ってきた均衡が崩れることを、意味しているに違いない――― #朝礼_警察署 (G1) 2023/09/17(Sun) 21:36:22 |
![]() | 【神】 花浅葱 エルヴィーノ「どうするの、これ」 流石に看過できないだろう。 イレネオは過激な発言することはあっても、職務に忠実な忠犬だ。 ニーノは苦手なことも時間をかけて解決する努力家で。 そのどちらもが、逮捕されるような人間ではなかったはずだ。 とはいえ、現行法において正攻法のやり方で逮捕されたとなれば、救うのは自分たちでは難しい。 「せめて……会いに行ければいいんだけど……」 #朝礼_警察署 (G9) 2023/09/17(Sun) 22:38:00 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → マスター エリカバー、アマランテ。 ここにはどんな情報も、3つだけ買えるというマスターがいる。 それ以上を望めば災難が降りかかるとも。 できればこういう場所は使いたくなかったけど、背に腹は変えられないだろう。 「マスター、あなたの持つ情報を買いたい」 「イレネオを逮捕したやつは……誰かな」 (-27) 2023/09/17(Sun) 23:01:16 |
![]() | 【秘】 情報屋 エリカ → 花浅葱 エルヴィーノ──夢、夢、夢。 曖昧な意思を拾い集め、投げかける者も多い中、 あなたは確固たるそれを持って現れた。 さて、求めたものへは辿り着けたか。 /* こちら夢の情報屋ですので、RPは夢でしっかり意思を持ってやってきた というように変換して読ませていただきます。 (夢ではマスターでもなく単純に情報屋です) 襲撃者PL様に情報開示の可否の確認後にまたご報告しますね! (-32) 2023/09/17(Sun) 23:15:41 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノいくらか付き合いのある中で、貴方のことは分からないなりに分かってきたつもりでいた。 それでも、一面でしかなかったのだと当然なことを理解していく。向けられた表情の種類はこの一日だけで随分増えて、それがやっぱり、嫌ではなかった。 そっぽを向かれればまた口の端をきゅうと持ち上げたんだろう。ああ、そういう顔は、案外分かりやすい人なんだ。 助手席で落ち着かない様子でいるのだって、なんだか年下のようで可笑しかった。こちらに気遣いながらも、少ない食事に安心を隠さない様も。無性に可愛らしく見えて、撫でてやりたくなった。 その度に少し口角をあげたのを、貴方は気づいていただろうか。 貴方の住処に案内されれば、まずは物珍しげに見回したんだろう。 遠慮のない視線。もし万一隠したいものがあったのであれば、隠しておくべきだったと思ったかもしれない。 「良いところですね。」 とまれ、初めの感想はその一言。 おそらく、セキュリティの硬さに対して。 (-35) 2023/09/17(Sun) 23:22:01 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ隠したいものは特になかったけれど、そもそも言ったその日のうちに来てるのだから、片付ける時間なんてなかっただろう。 深酒して寝に帰るくらいしかしないものだから、そもそもが物が少ない。 必需品の家電や家具の他は、ノートパソコンと、本棚くらいしかない。 本を読むのが好きなのか、本棚には推理系の小説と、チェスの本などが並んでいる。 「見すぎ」 「車の中でだって、止まるたびにこっち見てた」 どうやら視線には気づいていたらしい。 見られるたびにその顔が笑ってたから、乗り心地の悪さには拍車がかかっていたはずだ。 仏頂面がこんなに表情を崩したままなのは珍しいにもほどがあるだろう? 本当に。 調子が狂うからやめてほしい。 「まぁね……警察ってだけで信用されるからいい部屋探しやすいし。無駄に変なの入ってこないから助かってる。 ……何か飲むかい?」 部屋の感想については、セキュリティの話だろうなと判断して答えて。 荷物をソファに置けば、とりあえず冷蔵庫へ向かった。 お茶と珈琲もあるけれど、確かあなたもお酒は好きだったはず。 軽食のお供の飲み物には最適だと思うが、どうだろうか。 (-55) 2023/09/17(Sun) 23:46:25 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノどうやら気づかれていたらしい。 拗ねたように、皮肉るように突き付けられた言葉には少し面食らった。 ああ、そうか、自分が見ていたのだ。 今日はやけに貴方の表情が目に入るのも、その瞳の色を花浅葱だと知ったのも、困ったように視線を逸らす軌跡が網膜に残像を刻んだのも、全部自分が見ていたからだったのだ。 そんなことに今更気づいて、少しの間口ごもる。 「……。」 「嫌でしたか。」 やや困ったように問いかけるのはそんなこと。 聞かれた方が困るだろうことを、これは簡単に口にする。 「そうですね。いいことだ、警察に信用があるのは。」 「裏切りたくないものですね。ああ、いただきます。」 酒を飲むと眠りが浅くなるとは言うけれど、少しくらいなら構わないだろう。 貴方の今晩の相手は自分であって酒ではない。酔い潰れるために飲むわけではないのだ。 そう知っているから、貴方の好意に男は甘えた。 「ここに出していいですか。」 その間に持ってきたものをテーブルに出そうとしている。 皿に出すのではなくパックやケースのままで気にしないたちらしい。どうもズボラなところが見て取れた。 (-72) 2023/09/18(Mon) 0:24:11 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 檻の中で イレネオ「嫌じゃ…………ないけど」 「困る。 ……調子が狂うから 」聞かれたことにぼそぼそ答えて、そんなに種類を置いてるわけではないけれど、食事に合わせやすいビールのモレッティや、ワインを出して持ってきてテーブルに置いた。 案外ズボラなのも知ってるし皿に出すまではしなくていいけれど、取皿やコップ、フォークくらいは必要だと、それぞれ準備してくるだろう。 酒の量も、ちゃんと人並みの控えめだ。 たくさん飲んでしまっては意味がないことはちゃんとわかっているけれど、全くの素面というのも……この後が気恥ずかしいだろうから。 ――困るけど。 やることなすこと、別に嫌ではないから始末に負えない。 嬉しそうによく笑うのも。 そんな風に眉を落とすと、叱られた大きな犬にしか見えなくなってしまうのも。 今までとは全然、違って見えてしまう。 そういうのが、全部時分が原因かと思うと戸惑ったっておかしくないはずだ。 だからついには、寝る時は部屋着を貸してもいいけれど、10cmも違えば僕のは小さいだろうな……、なんて。 明後日なことを考え出していた。 (-100) 2023/09/18(Mon) 1:01:17 |
![]() | 【秘】 無敵の リヴィオ → 花浅葱 エルヴィーノそれがいつだったか、見回り中か。 あるいは休憩中かは分からないが、 君が一人でいるその時に、男は君を探して 「…あぁ、いたいた」 姿を見つければ直ぐに駆け寄っていく。 その手には袋が握られていて、揺れるとガサガサと音が鳴る。 ピザのように匂いのするものではないことは きっと気づけるだろうが……。 確認させる間もなく、その袋を君へと差し出した。 「パスタを食べた日の後から君の食事事情が分からなくてね、 良ければ……いや、とにかく貰ってくれ」 袋の中には水と紙袋に入ったフォカッチャ2つとティラミス。 食べれなかったらそれはそれでと考えているらしい。 好き嫌いを把握していない癖に押し付けようとしている。 (-114) 2023/09/18(Mon) 2:13:18 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 無敵の リヴィオ「お疲れ様です」 仕事の日にあなたを見かければ、挨拶はとりあえずこれだろう。 何やら探されていたらしく、見つけるなり差し出された袋を受け取って、どうしたんだろうかと首を傾げた。 「え、僕の食事事情ですか? ……いつも昼を食べさせられるくらいですけど……あ、りがとうございます……?」 食べられる絶対量が少ないだけで、好き嫌いが多い訳では無い。 パスタを食べた時も、通常より少ない量のあっさりしたものを食べていたはずだ。 だからフォカッチャ2つは男にはちょっと多いかもしれないが、先輩の厚意は無駄に出来ないと素直に受け取るだろう。 「どうしたんですか、珍しい。 僕に何か……頼みたいことでもあります?」 (-123) 2023/09/18(Mon) 7:17:19 |
![]() | 【魂】 花浅葱 エルヴィーノ「そうだったんだ。 ……や、別に良く寝れたのは良いこと……って、いやらしくないだろ、別に」 酔っ払って、普通に寝ただけだ。 あなたも睡眠不足だったのなら、あの寝入りようには納得だけれども。 心地よく寝れたなら、それは嬉しいことだ。 少なからずは、信用してくれているということだろうから。 「僕のことは……別に、どうだっていい。 必要な時には薬使ってるし、管理はしてる」 「夢を見なくなるのは怖いことだよ、……僕にとってはね」 病院を勧めらるのも理解できるが、そもそも、この男は睡眠障害をあまり気にしてはいない。 不便とは思いはすれど、夢が見せてくる凄惨な光景は、自分のやるべきことを思い出させてくる。 それに、それを成すのが最優先であるからこそ、自分や関係のない何かがどうなろうとあまり気にならないものだから。 それがひとつ、自分をおろそかにしてしまう原因だった。 夢の途中で目覚めたら夜が濁ってしまうならば、男の夜は濁りすぎていて、星の一つも見えないに違いない。 「一つしか変わらないのにガキ扱いかい? 出来るって言ってるんだから良いじゃないか……」 「この程度で傷つくほど子供じゃない」 あなたが少しでも心地よさを感じられるなら、別に、なんだって出来ると。 去ろうとする背中に、はっきりと、そう告げた。 (_1) 2023/09/18(Mon) 7:40:15 |
![]() | 【秘】 情報屋 エリカ → 花浅葱 エルヴィーノ「──誰?」 「そう問われたらば、『アリソン・カンパネッロ』と返すが」 視界の外から声が返る。抑揚の薄い、滔々と流れる低い音。 そちらを見やれば、随分と大柄な人物がいた。 「マフィアの排除を望む、資産家だ。 署長代理を通して多額の献金を行い、 今回の法案の成立に大きく貢献した」 指先に海の深い青を宿した手が、顎にあてられる。 「──それでは不十分?」 何かを試すような声音。 にこりともせず、その人物はあなたに問いかけた。 (-132) 2023/09/18(Mon) 9:06:10 |
![]() | 【秘】 檻の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノそう言われれば、安心したようにゆっくりと瞬きをした。 それから言うことには、 「先輩。」 「眼鏡、外してもいいですか。」 きっと、貴方には意味がわからないだろう。男が署内でこれを外したことはない。 視力について言及することもされることもなかったのだから、単に目が悪いのだろうと認識されているはずだ。なんのことはない、視力矯正の補助器具。そのはずで。 食事が並べられたテーブルの隅を指で叩いて、ここに、と示している。 明後日の方向にいった貴方の意識は、その音で引き戻されるだろうか。 (-136) 2023/09/18(Mon) 9:38:30 |
![]() | 【秘】 無敵の リヴィオ → 花浅葱 エルヴィーノ受け取ってくれれば満足そうに頷いて、 問われた内容に答えようと口を開く。 因みにフォカッチャは小さめのものだ。 それなら君でも食べられるかもしれない。 「いや、何。顔を見るための口実ってやつさ。 皆随分と参っているようだからね」 君もとでも言うように、人差し指を立て君を指す。 穴が空いたように空席になった机を見ては、 何とも言えない表情で少し眺めて立ち去る者。 人目が怖いのかそこを通る時だけ足早な者。 席へと何かを置いて立ち去る者。 皆疲れたような顔で、心配にもなる。 君がそれに当てはまるかは別として、 朝礼の様子から気になっていたというだけ。 (-148) 2023/09/18(Mon) 10:29:42 |
![]() | 【魂】 花浅葱 エルヴィーノ素が出てきたのは良いことだと思う。 昔の、遠慮のない兄のようなあなたが帰ってきた気さえするから。 自分が知る今のあなたの顔は、背伸びして大人になって貼り付けた絵のように見えた。 それはそれでルチアーノという一人の人間の一面だとは思ってるけれど。 「だって、かなり無理してるように見えるし」 あなたの上司や部下のことはそれなりに把握している。 今日捕まっていた彼は、どうだっただろうか。 急に居なくなってしまった人がいることも、今日、聞いた。 この時の犠牲者はまだ少なかったが、翌日にはさらに身近な人物たちが捕まってしまうことを、今の僕たちはまだ、知らないけど。 あんな法が無理やり施行されてしまって、マフィアが動揺してないはずがない。 警察ですら、あれだけ動揺してたのだから。 「いつでも言いなよ」 ずっと、待ってる。 そう言って、足早に去るあなたを見送った。 約束をしないのはいつものことだ。 会おうと思った時は、バーであなたを待てばいいから。 けれど、なんとなく胸騒ぎがして、また直ぐにでも顔が見たい。 そんな風に思ってしまったたのは、これが初めてのことだ。 ―――翌日、見回りで街を歩いていると、路地裏に入っていく目立つ男の姿が見えた。 追いかけない、はずがない。 なんとなく声はかけづらかったから、タイミングを見ようとあとをつける形で。 (_3) 2023/09/18(Mon) 13:14:12 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → マスター エリカ「それは本当に居る人物なのかい? 調べてもそんな人物、全く出てこない」 大体、そんな重要なことを顔を見ずに進めるなんてどうかしてる。 所長代理も、なんらかの息がかかった人間なのではないかと、僕は推察している。 「あぁごめん、これは質問にカウントしないでくれよ」 「そもそも、強硬派と思われるアリソン・カンパネッロとその一派が……同じく考えが過激で職務に忠実な男から捕まえるはずがないだろう。 おかしいんだよ、最初からね」 知略を得意とする自分だが、目の前にいる情報屋の不気味さは理解し難い。 何か試しているような声音に、ごくりと喉が鳴った。 ここであったことを起きた時、僕が覚えていたなら。 僕はきっと、そいつに会いに行くよ。 「だから不十分に、決まってる」 (-170) 2023/09/18(Mon) 13:22:00 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 檻の中で イレネオ「え、眼鏡?」 急に思考が呼び戻されて、ぱちぱちと2回、瞬きをした。 テーブルをこんこん叩く指を見て、問い返しながらも小さく頷く。 「良いけど……、何も見えなくなるんじゃないのかい?」 いつも眼鏡をかけているから、視力が悪いのだろうと思ってたけれど。 眼鏡が曇る……ような料理はないし、実は伊達メガネだったりとかするんだろうか。 サラダのハムを口にしながら、はて、と首を傾げた。 (-172) 2023/09/18(Mon) 13:28:13 |
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![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 無敵の リヴィオ「あぁ……、なるほど」 確かに今朝の出来事は、皆少し参ってしまっている。 近しいものが二人も、理由も分からず逮捕されてしまったのだから、次は我が身かと恐れるのは仕方のない話だ。 現に、自分もまた朝から気分がもやついてしまっていて……。 「イレネオはむしろ、強硬な人たちには喜ばれるような職務態度だと思ってましたけどね。 ニーノも……まだ未熟かもしれないですけど、努力家ですし、二人共逮捕される理由が全く……わからない」 前者はあなたと同じように、僕が直接教えた後輩だ。 後者はシエスタのたびにチェスの勝負を挑んでくる弟子。 二人共知らない仲じゃないからこそ、何か出来ることはないかと、そう考えているのだが……。 (-173) 2023/09/18(Mon) 13:35:47 |
![]() | 【秘】 檻の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ貴方の疑問は最もで、だから男は首を振った。 これは誰にも言ったことがない話。言う必要がなかったから、言ったことがない話だ。 「目はいいんですよ。」 「両目とも、2.0あります。落ちたことはない、だから」 無骨な指がつるの部分にかかった。話を続けながら、ゆっくり外していく。 「だから」 「見えすぎるんですよね。」 「向こうの方に掲示されてる嫌なニュースとか目に入るでしょう。特に署内だと。」 「つい読んでしまって嫌な気分になるので、ぼやかしてるんですよ。」 レンズを上にして、汚れないよう机の上に。 語る視線は落ちていた。そのままテーブルの上を滑って、貴方の手指から上半身を上っていく。 「今はいいので。」 かちり。 ハムを齧る貴方のかんばせに眼差しが合った。 それからまた逸れて、テーブルの上の軽食に落ち着くのだろう。 「俺も食べようかな。それ、美味いですか。」 (-178) 2023/09/18(Mon) 14:41:01 |
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![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 檻の中で イレネオ「へぇ……」 つまりは、なんだ。 視力は良いのに度のある眼鏡をかけて逆に視界を悪くしていたということか。 嫌なニュースなどを避けたいというのは、わからないでもないけれど。 「………………」 思わず眼鏡を置く骨ばった手を目で追って。 だんだんと上がってくるあなたの視線を強く感じて、その視線を合わせた。 確かに。 見るなとは言ってない、けれど。 嫌なニュースなんかはこの部屋にはない、けれど。 つまり、それは。 レンズで濁さずに見たい、と言ってるんだろう? 「……おっ、美味しい、けど。欲しいならあげるよ」 喋る言葉が詰まる。その視線だけで頭が茹だりそうだ。 だからいつもなら、どうぞとサラダごと渡すのだけど。 なんとなくその視線を外したさに、ハムと野菜が刺さったフォークをあなたに突き出した。 (-181) 2023/09/18(Mon) 15:09:27 |
![]() | 【秘】 情報屋 エリカ → 花浅葱 エルヴィーノ「ああ、回数に関してはそう構えなくていい。 都合上融通は利かないがサービス精神はあるんだ、こちらは」 情報屋は情報屋で、何某かの制限があるらしい。兎角、確認事項に関しては回数制限気にしなくていいということだ。 「同じく、ね。見えているものがすべてとは限らないだろうに。 ……いや、これは戯言だった。聞き流してくれ」 ほんのいくらか、呆れの混じった呟き。それから、自戒の籠った言葉。この情報屋は、得体の知れなさを保ちきれはしないらしい。 (-189) 2023/09/18(Mon) 16:05:18 |
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![]() | 【秘】 情報屋 エリカ → 花浅葱 エルヴィーノ「イレネオ・デ・マリアに捕らえられたその男は、 己を捕らえた彼が捕らえられる原因を作った」 「報復に見えるだろうか。 それとも、他の何かがあったように思えるだろうか」 「それは、此方に尋ねるより、彼方に尋ねるといい。 知られている秘密を取り繕うことほど、無駄なこともない」 「そうだろう?」 無駄であると思えることを、人は普通、しないものだ。 (-191) 2023/09/18(Mon) 16:06:54 |
![]() | 【秘】 檻の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノそれを貴方が言葉にしていたなら、男の口元はまた弧を描いていたはずだ。その表情は自分の欲求を自覚しての苦笑でもあり、やはり言葉にしない肯定でもあるのだろう。 貴方が男を意識しているのと同様、こちらもまた貴方を意識するようになっていた。 だってそうだろう。いちいちそんな顔をされては堪らない。 自分の一言に、一仕草に呼応するように色を変える表情。 時に開かれ、時に閉じられ、時に逸らされる鮮やかな瞳。 男の性質はおおよそ犬に似ていた。 肉食の生き物は、動くものによく反応する。 今だってそう。 貴方の突き出したフォークを、男は受け取らなかった。 代わりに身を乗り出してそちらに迫る。そうしてそのまま、ぱくりと。突き出されたものをそのまま食べてしまった。噛み付く時の微かな衝撃が貴方の手に伝わったかもしれない。 「ん。」 「美味いですね。本当だ。」 そろそろと身体を戻せばそんなふうに言ってのける。 感想は簡潔だが肯定的だ。気に入ったらしい。 (-196) 2023/09/18(Mon) 17:05:40 |
![]() | 【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ>> 1日目 例えば貴方が解決した事件をして、貴方を見る目を変えるものもあっただろう。 男もその内の一人で、貴方の危うさを慮るような素振りを けれどもそれを有り難いこととして思うかなんて、能動の側が決定することではない、そうだろう。 次いだ情報を聞くと、いつも悠揚と構えた目が少しだけ見開かれた。 名前ばかりではわからなかったのかもしれない記憶の中で、 多少は"彼女"の輪郭が、多く思い出されたのかも知れない。 「……ああ。そうだったのか。 それは……元気であったならば、いいが」 僅かに表情が強張る。 それを悲哀の滲む言い回しに対する気遣いと取るか、 それともある種の動揺と受け取るかは、貴方に委ねられるべきことだ。 「案じていた、……いや。なんでもない」 (-197) 2023/09/18(Mon) 17:20:08 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 檻の中で イレネオ絶対わざとだ。 フォークを受け取ればいいのに、テーブル越しに身を乗り出して食べた。 わずかに触れたフォークの振動が、心臓に悪。 いつもの自分が出せないのは、どうにももどかしい。 「そ、れなら良かった」 「……ん、これも美味しいね」 トマトのカプレーゼをひとつ頬張って食べて見せ、うんうんと頷く。 こういうのなら食べやすいし、お酒にも合うというものだ。 いつもとは違って空きっ腹に入れてるわけではないから、酔の周りも遅くちょうどいい塩梅だろう。 そうしていくらかつまみのような食事を少量ずつ食べて、もうお腹いっぱいだとフォークを下ろす。 いつもは食べないから、すごく食べたような気がして、ほうっと息をつくだろう。 「僕はこれ片付けておくから、シャワー浴びておいで」 満腹からくる安心感か、にこりと目を細めてそう言って。 食べ終える頃のあなたに声をかけるだろう。 (-203) 2023/09/18(Mon) 18:56:18 |
![]() | 【秘】 無敵の リヴィオ → 花浅葱 エルヴィーノ君の思うように何故、と疑問が浮かぶのは最もだ。 男は頷いて同意を示し、少しだけ辺りに視線を向けて。 「……きっとそう単純な法とは言えないんだろう。 強制的に施行出来る法の前では誰であっても無力だ」 囁くように告げるのは、 聞き耳を立てるものがいないとは言い切れないから。 誰が敵で誰が味方か、疑心が広がっていく。 「何かを、出来るならいいんだけどね。 困ったことに思いつきそうにもない」 しかしこんな無茶苦茶な法だ。 これが本当に長く続くのかと言えば……。 有り得なくもないが、同時に有り得るとも言い切れない。 いや、これは願いなのかもしれない。 そうあって欲しいという、願い。 (-209) 2023/09/18(Mon) 19:53:40 |
![]() | 【秘】 檻の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ美味そうなものが目に入ったら、喰いつくのは当然のこと。 とはいえ、普段からこんなことをするわけではないのも当然のこと。人目がなくて気が緩んでいるか、貴方だからかのどちらかだ。 そのままぽつぽつと話をしながら、軽い夕食を。 仕事の話はあまりしなかった。なるべくリラックスしていてほしいと想える、そのくらいの気遣いは男にだってできた。 貴方の食べたものを追うように食べるのは、自分が平らげてしまわないよう考えてのことだった。そちらの手が止まった頃にじゃあと食べきってしまおうとして、明日の朝食に充ててくれた方がいいと思いとどまる。 「いいんですか。」 これは、癖。 「じゃあ、お先に頂きます。」 これは、あまりないこと。 貴方がいいと言うのをわかっている。だから、返事がある前に受け取った。 (-221) 2023/09/18(Mon) 20:56:20 |
![]() | 【魂】 花浅葱 エルヴィーノ「…………」 物陰からじっと、あなたを観察している。 いや、これは様子がおかしいだろう。 セレブの放浪息子だから、金遣いが荒いのは理解できるけれど。 次から次にものを買う様子は、ただの憂さ晴らし。買い物を楽しむような、そんな良い物には見えない。 「ルチア。……度が過ぎた買い物は危険だよ」 これ以上見てると、後悔の上塗りを増やしてしまいそうな気がして、どこかの店から出てきたところを、腕を掴んで引き止めた。 笑みの一つもない、4cm高いその顔を見つめて心配そうに眉を下げた。 あなたが本気でエルヴィーノを突き放したりするならば、止めることはできないかもしれないが……、それでも、こちらも本気で踏ん張るはずだ。 (_5) 2023/09/19(Tue) 1:27:26 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ「元気……では、ないです」 「警部は覚えてないでしょうけれど、彼女も薬物事件の被害者です」 どこぞのマフィアと推察される誰かから唆され、少女は薬物中毒になった。 足元もおぼつかない状態で外を歩いていた所に交通事故に遭って半身不随となってしまったのだ。 養育院はあくまで子供を保護し養育し、社会へ出す所だ。 廃人となってしまった少女を看る余裕なんてどこにもないから、少女は病院を経て、今は薬物更生施設に居るということを説明した。 「僕は知ってて、見て見ぬふりをしてしまったから……」 「あの時、ちゃんと止めていたら彼女はこうはなってなかったんじゃないかと、思います」 薬物を与えた犯人は、まだ、捕まっていない。 だから男は、似たような案件には無条件に首を突っ込んでしまうようで、それが、数年前の事件の解決だったのだろう。 説明する男の表情には、熱はない。 凪いだ海のように静かなものだ。 (-284) 2023/09/19(Tue) 1:41:12 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 無敵の リヴィオ「どうにもきな臭いんですよ」 「いくら調べても、アリソン・カンパネッロなんて人物がヒットしないし……。 誰かが巧妙に偽ってるとしか思えない」 ぼそぼそと会話する様子は、はたから見ればおかしなものだろうが、皆も逮捕を恐れて同じようにしているから目立たない。 こんな様子が続くのは明らかにいい状態とは言えないはずだ。 「どうにかして……牢にいる二人に会えませんかね……」 どちらかといえば知略を得意とする男も、流石にお手上げに近かった。 (-285) 2023/09/19(Tue) 1:48:22 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ「良いよ。……一応着替えに僕の部屋着出しておくけど……小さかったらごめん」 いや、多分、確実に小さいのだけれども。 ゴムが少し伸びるくらいは許容範囲だ、気にしないこととする。 黒が好きそうなので、黒色のスウェットの上下セットだ。 あまり柄のあるものを好まないのかシンプルなもので、あなたもきっと着やすいデザインのはずだ。 片付けをしながらあなたが出てくるのを待って、ドライヤーや洗面台など説明することをし終えたら、自分もまたシャワーを浴びた。 おそらくは、あなたがシャワーを浴びた時間の倍くらいの時間をかけてだ。 「いや……これ本当に寝れるのかな……」 呟いた言葉は、水音に消えてしまって、外にいるあなたには聞こえないはず。 待ってる間、あなたは自由にしていて構わない。 (-288) 2023/09/19(Tue) 1:59:57 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → マスター エリカ「アレッサンドロ……ルカーニア」 一瞬、誰のことかわからなかったが。 アレッサンドロ・”黒眼鏡の”・ルカーニア そう、あの男のフルネームだと思い出せば、嘘だろうと口元を手で覆った。 まさか、マフィアの幹部ともあろうものが強硬派を牛耳っていようとは。 これでは、マフィアの……ノッテの連中も、実に可哀想ではないか。 エリカの話しぶりからいくと、どうやらイレネオは黒眼鏡とやりあったらしい。 その結果、二人共共倒れ……と、いうことなのだろう。 二人の間には何かあることは先日問い詰められたことからも明らかだったが、こんなに早く。 「……まったく、無理をしてるのはどっちなのだか」 「ありがとう。これは重要な鍵になりそうだよ」 会いに行かなくては。 ―――あの、黒眼鏡に。 (-299) 2023/09/19(Tue) 5:26:31 |
![]() | 【秘】 無敵の リヴィオ → 花浅葱 エルヴィーノ「…そうだね、俺も調べては見たが。 ……どうなっていくんだろうね、この国は」 巧妙に偽っているとして暴く術がなければ何も出来ない。 自分のことだけなら無敵になれるが、 他者の状況を思うと笑ってばかりではいられなかった。 警察の立場でもどうしようもないと言うなら、 この国は何が守ってくれると言うのだろう。 「会う方法としては素直に面会を申し出るくらいしか。 それが通るかどうかはまた別だけどね」 その行為によって生まれかねない疑念を思うと、 決断するに迷いを抱いてしまうのだが。 (-314) 2023/09/19(Tue) 7:28:29 |
![]() | 【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ元気ではないと聞いて、そうだろうな、と得たように視線が僅かに翳る。 語り口からそうと知れたことを敢えて暈した、曖昧を貫いて吐露される言葉を聞く。 どうした意図をして己に伝えるのか、それを受け止めるように、 視線は側にあるだろう貴方を見上げる形で投げかけられる。 「君がそうだと感じるのなら、そうなのだろう。 けれども過ぎた出来事を、いつかの自分が出来ていたなら、なんて評価するのは、 君自身を壊してしまいたくないならやめておいたほうがいい。 全て知った後の自分がどう俯瞰しようと、当時の君にとって最善だった筈だ」 いつか、かつて。 見たこともない小さな少年の面影を、成長した貴方に見て説く。 今そこにある貴方から、かれを庇い立てするかのように。 僅かな緊張は尾を引いて。ふと瞬きをした瞬間にほどけてしまった。 「それに今の君は、よくやっている。 ……資料室の鍵、借りっ放しではいけないよ」 (-318) 2023/09/19(Tue) 8:08:26 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 無敵の リヴィオ「そうですね……。 僕ら警察であっても見張りが立つ可能性もあります」 その場合突っ込んだ話は出来ないかも知れない。 それでも、牢の中で不安ばかりであろう二人のことを考えると、会うくらいはしてやりたいと思うのだ。 警察が、国が民を守らないというのなら。 その時は、個人が動くしかない。 とはいえこの男は、全部を守るなどという殊勝な思想は持ち合わせておらず、ただ、手の届く友人を自分勝手に救おうとするのだけども。 「まぁ……僕はもう少し調べてみます。 何かあったらその時は……よろしくお願いします、先輩」 (-323) 2023/09/19(Tue) 8:33:25 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ壊れる、という事が。 初恋を歪に変質させた情をかかえて、人一人の人生を左右させるような、自分勝手で傲慢な幸を与える思想に至った事も含むのだとしたら。 この男はもうとっくに壊れてしまっていることだろう。 「どうですかね……、まぁ。でも……これは個人的に報復を考えてるから犯人を探してるだけです。 幼馴染の家族が殺された事件も調べてますし……」 「彼女には、ただ、施設を出ても人として生きるだけのものを与えようと思っています」 養育院にいたのだから、女には身寄りがない。 施設を出ても、重度の精神疾患と動かぬ体を抱えていては、死ぬしか道はないだろう。 男の行動は、やること成すこと彼女と幼馴染の事に直結しているが、内情をあまり話すことをしてこなかったため、これを知るものは極端に少ない。 それでも自分の身さえどうでもよく、手段をあまり選ばない思考を除けば、優しいだけの男に見えてしまう。 生活態度の件がなければ、相当の優等生に見えていたかもしれない。 「……あ、はい。 見回りに行く時間になったら返します」 鍵を、手の中でしっかりと握り直した。 (-326) 2023/09/19(Tue) 8:50:29 |
![]() | 【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ貴方が例えその腑を曝け出すことで大多数の他に指差されるような人間であってしても、 この男は今と変わらない態度を向け続けることだろう。 それが絶対評価たる上司としての務めだ。情のためではない。 そういう類いの寛容を含む目は、貴方からの返答を聞いて微笑むように細められる。 「いつも通り、忙しくならないうちにやるべきことを終わらせて息抜きしてしまいなさい。 常通りのコンディションでいられるのが一番いいことだ、我々はね」 今も、そして日が経って混乱が彼らに忍び寄ろうとしてもそれは変わらない。 手袋に包んだ手が貴方の腕を軽く叩いて送り出す。 その日ばかりははっきりと、何事もなく過ぎていったことだろう。 (-328) 2023/09/19(Tue) 8:59:27 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ男は、シンプルなものが好きだ。 というより、込み入ったものをあまり選びたがらない。 それは服もそうだし、香りもそうだし、捜査の方針もそうだった。唯一味覚だけは、それなりに複雑でも平気そうにしていたけれど。 だから黒いスウェットには安心感を覚えるはず。ありがとうございます、と答えて頭を通す。 丈が少し短くとも気にする性格ではない。寝巻きのゆったりした着心地も幸いして、男の体格でも突っかえることはなかったはずだ。 さて。 貴方がシャワーを浴びている間、やっぱり男は無遠慮に、貴方の部屋を見て回っていた。とはいえざっと見回すくらいのものだ。ここが寝室、ここがリビング、ここがトイレ、というだけの。 それは貴方に興味があるからであって、男自身落ち着かなかったからという理由でもある。 どうしようかな。 それを済ませばベッドに腰掛けて思考を巡らせた。人の考えを読み取るだとか、駆け引きをするだとか、そういうことは苦手だ。 貴方は眠るために自分を呼び付けたはずで。 けれど自分がそれ以上に踏み込んだことも分かっていて。 さて、自分としてはもう一歩踏み込む準備もあるにはあるけれど。 貴方はどうかな。 間違えて、嫌われたくもないし。 結局、多分答えは出ないまま。 男は自分の唇を指の背で撫でていた。撫でていたのは犬歯のあるあたりで、それは男の癖だった。 (-353) 2023/09/19(Tue) 12:05:08 |
![]() | 【秘】 無敵の リヴィオ → 花浅葱 エルヴィーノ君の思いは最もだ。 牢の中というのはきっと計り知れない不安を得るもので。 誰か知り合いが会いに来てくれるというのは、 きっとその者の心の支えとなるだろう。 「……あぁ、気をつけて。 縁起の悪い言葉はあまり聞きたくはないが、 そうだね……その時は任せてくれ」 こんな自分でも先輩と呼んでくれる君に、 少しでも安心を渡せるよう笑みを浮かべて頷いた。 「俺も、出来る範囲で動くとするよ。 誰もが動けなくなるってのはそれこそ良くない状況だからね」 左手を君の背に伸ばし、いつかのように軽く叩こうとする。 それが叶う叶わないどちらにしても、 男は君から一歩離れ、「それじゃあまた」と口にすることだろう。 (-356) 2023/09/19(Tue) 12:13:02 |
![]() | 【秘】 情報屋 エリカ → 花浅葱 エルヴィーノ礼の言葉に、目の前の人物は静かに笑んだだけだった。 訊ねることは他に何かあるだろうか。 なければ、あなたは程なくして現実で目覚めることになるだろう。 (-362) 2023/09/19(Tue) 12:28:40 |
![]() | 【魂】 花浅葱 エルヴィーノ「お金の心配はしてないけど……必要なものを買ってるように見えなかったし」 後で結局要らなくなるだろうと、思うのだけど。 抵抗したり逃げられることはなさそうだから、掴んだ手の力を緩めて。 覇気が全くない顔をみつめながら、きょとり、と首を傾げた。 「え、何。突然……」 「男も女もなく考えたことなかったけど……そうだな……」 何かを想像しながら考えて、少しの間、沈黙の時間が流れた。 そういう事をする相手なら、少なくとも、内側の人間だと認めてしまった人、だから。 「それなら、相手の好きにさせてあげるよ。 抱かれる、のは……嫌じゃない」 逆が良いって言われたら、うーん……努力はすると思う。 と付け加えて答えるあたり、自信はあまりないようだ。 (_7) 2023/09/19(Tue) 16:07:40 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオいつもはこんなに長くシャワーに時間をかけたりしないのだが。 一緒にベッドに入ることを考えると、念入りに洗わないといけない気がしてしまった。 時間をかけてしまったのは、そういう理由。 揃いというわけではないが、似たような灰色のスウェトの部屋着を着込んで、ほかほかの身体で帰ってくると、あなたはベッドに座っていただろう。 睡眠に難があるのはわかっているから、ベッドにだけは他よりも少しお金をかけていた。 サイズもゆっくりできるようにとセミダブルを選んでいたから、二人並ぶの自体は可能のはずだ。 質もよく、本来であれば気持ちよく寝れるはずなのだが。 何分ベッドの主が不眠症なため、その結果は悲しいものだった。 「ごめん、待たせたね」 ええと……と、唇を撫でていた手を見つめて、どうしたのだろうと首を傾げた。 あなたは座っているから、視線は逆。 何か考え事かい? と、心配そうに見下ろしている。 (-396) 2023/09/19(Tue) 16:27:40 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 無敵の リヴィオ「はい、気をつけます。 僕だって捕まりたくはないですし」 任せてくれの言葉に、満足そうに頷いて、小さく笑みを浮かべて返す。 いつも髪を気にしたりして動かない印象を持たれているが、やる時はやってくれる先輩だし、親身になってくれることを知っている。 だから、男はいつも、自然にあなたのことを先輩と呼んでいた。 「多分同期も動いてるはずです。 なにかの際には警部にも頼んでみると良いかも知れませんね」 そう言って、伸びてきた手を背中で受け止めれば、ぽん、と音が鳴った。 いつもの仕草が、今は大層ありがたい。 別れの挨拶にこくりと頷いて、「ではまた」と踵を返していく。 男はその日のうちに面会に挑戦しようとするだろう。 (-403) 2023/09/19(Tue) 16:51:26 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ「ああ。」 足音に顔を上げる。貴方を見るなり、ふっと頬を緩めた。似たようなかっこうが面白かったのだ。 お揃いですね、と口に出す。貴方はどんな顔をしただろう。 その間にも指は口元を撫でていて、問いかけられればええ、と答えるのだ。 「考え事を。」 「していて。」 視線が振れる。右、左。貴方に留まってまた、右、左。 この男はシンプルなものが好きだ。込み入ったものは好まない。 当然考え込むことは少なく、思考よりまず足を動かすのが男の常だった。 だからこの姿はおそらく、少し妙なものに映るはず。 つまりそれほど、この状況が特異だということ。彼にとっても。 ▽ (-419) 2023/09/19(Tue) 18:31:37 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ思考の合間に貴方の顔色を伺う。 見下ろす目線はいつもと逆で、それが妙な心地になった。 がり、と歯が鳴る。無意識のこと。 ああ、なんだか心配そうだ。 それに、やっぱり隈も濃い。 据え膳食わぬはなんとやら。 しかし貴方がそうなるつもりかは微妙なところ。 うん。と男は頷いて、一度ベッドを降りるだろう。 「じゃあ。」 「俺は、見ていますね。」 さて。 この選択は正解だろうか。つまり男はこう受け取った。 貴方が眠るまで、その眠りを妨げずに護る番犬になる。 そのために呼んだんでしょう、と言いたげに首を傾げ。 自分は待ての出来る犬で、故に選択の権は貴方にある。 つまり男は待っているだけだ。いつかは貴方を捕まえるつもりでいる。 それでも今日くらいは、単に安らかな寝顔を見るだけなのも悪くないかなと思っただけのこと。 それだから貴方の許可ひとつ出れば、簡単にスタンスを変えることだってするんだろう。 " 待て"を解かれた犬がどうするか、知らない貴方ではないはずだ。 (-420) 2023/09/19(Tue) 18:32:16 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ「そっ」 「揃いというわけじゃなくて……似たようなのしか持ってないんだよ」 どう聞いても苦し紛れの言い訳だ。 本当に似たようなのしか持っていないのだが、揃いと取られて当然ではあるのだから。 ただ、それを柔らかい笑みを浮かべて言われるものだから動揺してしまうのは仕方ない。 だって、ベッドはもう、すぐ側にあるんだから。 何をそんなに考え込むことがあるんだろうと、心を落ち着けながらも訝しんで。 揺れる視線をきょろきょろ追いかけながら明け渡されるように、ベッドの上に足をかけた。 「は、見る?」 「あ、いや……うん、そう、だよね」 通常、人を寝かそうとするだけなら一緒に寝る必要は必ずしも必要ない。 けれど以前の事を考えたなら、一緒に寝てもらったほうが良い。 酔いもあったが、隣に人がいる温かさと隣の寝顔のあどけなさが安心感を誘って、寝ることができたのだと、そう思うし、隣で見られているというのは、逆に緊張してしまうだろう。 だから――――― ▼ (-503) 2023/09/19(Tue) 23:32:02 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ「キミも一緒に……、横に、 寝てくれない、かな 」心の中の言い訳を打ち消すかのように、ベッドの上から、そろりと手を伸ばして、ぎゅ、とその袖を掴んだ。 もう寝転ぶだけの状態だったから、あなたの視線は10cmよりももっと高くて自然と見上げていて、なんだか強請ってるみたいだな、なんて心の中で呟く。 揺らめく花浅葱が、こう言うので限界だと語っているように見えるかもしれない。 子供ではないのだから。 あんな話をしたのだから。 それがどういう事になるかなんて、ちゃんとわかっている。 逃げるチャンスだって、ちゃんとあった。 これが最後の”待て”なのなら、僕は”いいよ”と手を広げてやるだけだ。 (-504) 2023/09/19(Tue) 23:35:24 |
![]() | 【魂】 花浅葱 エルヴィーノ「どういう意味だよ」 言い方が、なんだか気に入らなくて拗ねたような顔になる。 急に変な例え話をしておいて、そんな、安心したような息をつくなんて、意味がわからない。 「普通じゃなかったら、なんなんだい?」 「言ってる意味はわからないけど……僕が誰に身体を許そうが僕の勝手だ。 許してもいいと思ったら許すし、自分の価値なんてどうでもいいよ」 大事な人に幸を与えられるなら、それを成すその時に、自分は別にそこに居れなくたって構わない。 他の誰が傷つこうとも、自分が傷つこうとも、それを成す方が良いと、本気で思っているのだから。 「でも、そうだな……」 「もし、そういう機会があったとしても……キミと恋人になるのは、嫌だな」 だって。 3ヶ月で飽きられてしまうのは、嫌だろう? 例え身体をキミに許したとしても、幼馴染が良いんだ。ずっと、ずっと、壊れることはないから。 執行候補の話には、一瞬目を見張ったが、そうか、と小さく息を漏らした。自分でも怖いほど落ち着いているけれど、自分には今はやるべきことがあると思っているから、取り乱している場合ではないのだ。 「近寄るなっていうけど……僕は僕のやれることをやる。 キミが捕まるなんて、僕は許さない」 「アリソン・カンパネッロに……僕は、会いに行くよ」 (_9) 2023/09/19(Tue) 23:50:58 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡――かつん。 廊下に一つの足音が響く。 牢の中にあなたはどんな格好でいるだろうか。 立っているなら堂々と見据えて、座っているなら冷めた目で見下ろして、あなたを見る一人の男が牢の前に立った。 いつもは客としてあなたの前に立っていたけれど、今日は違う。 警察として、多少の無理を通してここに訪れた。 そうでなければ、ここに堂々と来ることは出来まい。 「アレッサンドロ・”黒眼鏡の”・ルカーニア……いや」 つらつら語るはあなたの名前。 でもね、知っているんだ。お前の、正体。 「アリソン・カンパネッロ」 「……取り調べを……させてもらうよ」 ―――聞きたいことが、あるんだ。 (-511) 2023/09/20(Wed) 0:08:46 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ否定の言葉にまた笑みを深めもしたんだろう。 それくらいわかる。自分の家にある寝間着だって、全部同じような色形をしているんだから。 少し考えれば────考えずともわかるようなことを、真面目に否定する貴方が可笑しかった。 そして、続いた貴方の言葉。 段々小さく、尻すぼみになったそれ。 けれどその音は、きちんと空気を震わせて男に届いた。 それを男は、ひとまず無言で咀嚼したのだろう。 それが。 ▽ (-512) 2023/09/20(Wed) 0:35:29 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノそれが、男が穏やかな顔をしていた、最後のこと。 貴方は男の袖を引いた。 それよりも強い力で、男は貴方の背を引き寄せた。 鼻先が突き合わされるほどの距離。 吐息を感じるほどの距離。互いの瞳しか映らないくらいの距離。 色を増した金色が、瞳孔の開いたその瞳が、全てを飲み込もうとするようだった。 「いいんですか?」「先輩。」 「 解っていますか ?」問う。 のは、きっと形だけ。 本当に止める気があるなら。 本当に止められる気があるなら。 こんな、確認はしないのだ。 これは責任を分かつ言葉。 貴方を共犯者にする確認。 狼は、既に牙を顕わにした。 (-513) 2023/09/20(Wed) 0:36:44 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ「ぅ、わっ」 強く背中を抱かれて、膝立ちになる。 何も支えがなければベッドから落ちていたかも知れないけれど、あなたの腕と身体が男を包むから、しっかりと抱きとめられてしまった。 くっついた身体から、互いの熱が伝わる。お風呂上がりだから二人共きっとまだ温かいだろう。 くどいほど何度も繰り返される確認は、それだけで羞恥を掻き立てられて心臓に悪い。 無言でこくりと頷いたから、額がこつんとぶつかりそうになった。 解ってるよ。 ―――それが、肯定。 ……もう、これは決して従順な犬なんかではない。 獰猛で、震える獲物を狙う狼だ。 眼前に広がるのは、怖いほど貫いてくる金の瞳。 近づきすぎた自分の目には、ギラギラとしたそれしか映らなくて。 その中に映る自分の顔が見たくなくて。 きゅ、と花浅葱の花弁を閉じた。 それはもう、あなたにとってはただの合図にしかならないはずだ。 (-516) 2023/09/20(Wed) 1:17:48 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ数値にしてきっかり10cm。小さいように思えて、その差は大きい。 目線が違う。服のサイズが違う。手の大きさが違う。一歩の幅が違う。体格が同じでも体重が違う。 おまけに貴方は華奢だから、余計にその差は顕わになった。 引き寄せた手は抱き竦める手に変わり、捕らえる腕になる。 ひっくり返す術もない体重をかけて男は貴方を縫い留める。 そうしてやはり、犬がするように貴方へ身体を擦り寄せて。 これもまた犬がするように、ついには鼻先を触れ合わせた。 それでもこれから行われるのは、主人と飼い犬の間では絶対に行われない行為だ。 唇を合わせるより先に、これは貴方の首筋に顔を埋める。 そうしてすうと息を吸って、柔くその部分に噛みついた。 「先輩」 「俺は嬉しいですよ」 何も聞かれていないのにそんなことを言うのは、高揚の証なのだろう。 (-520) 2023/09/20(Wed) 1:49:31 |
![]() | 【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ「おう、きたか」 男はベッドの上で、腕を枕にふてぶてしく寝転がっていた。 その顔はさんざんにはれ上がっていて、瞼は片方ろくに開いていないようだ。 それでも口許のつり上がった笑みはそのままで、 見下されているのに見下ろしているように錯覚する。 「おっと、それは女の名前か? 悪いが俺は女子供は苦手でね。 警察ならキチンと証拠を揃えてからきてもらおうか」 ははは、なんて声が檻の中にこだまする。 ──実質認めているようなもので、きっとこれは挨拶だ。 あなたが何を聞くのかと、だらしなく組まれた脚の先がちょいと手招くようにして待っている。 (-529) 2023/09/20(Wed) 2:22:33 |
![]() | 【魂】 花浅葱 エルヴィーノ「僕に価値がなくなったとして、何が変わるっていうんだい。 初物は高いって言葉では聞くけど、別に、身売りしようなんて思ってない」 ただ、傷ついてもいいと、思っているだけ。 「わからないよ。身体は担保になるって話かい? そういう仕事を……してきたんだよね、キミはさ」 望まないし、要らない。そんなまやかしの三ヶ月は。 自分に甘くしてほしいなんて思ったことがないのだ、ましてや、夢にしたいなんて絶対に願わない。 弱みだって何も気づいてないけれど…… ただ、あなたに願うのは、置いて行かないで欲しい。 たった、それだけなのだ。 「キミを捕まえるのは僕だよ。 逮捕されるほどの……、正当な理由がないのに無理やり逮捕するなんて、間違ってる。 僕だってただで捕まえられるのは嫌だけど、アレの正体を掴んだなら、行かないわけにいかないだろ」 「捕らえられた後輩が居て、僕は先輩」 「キミは、たった一人の幼馴染で」 「僕は警察だ」 (_11) 2023/09/20(Wed) 7:41:38 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ―――嬉しい? それなら、よかった。 耳に届いた言葉と殆ど同時に、首筋に柔く歯が立てられた。 抱き寄せられ、覆いかぶさるように抱きすくめられた状態では、抵抗どころか身動きすらできそうもない。 遠い子供の頃の記憶に一度だけ、ゴールデンレトリバーを飼ってたけれど、よくこんな風に乗られては顔中舐められたっけ、なんて思い出したりしてしまった。 そんな事を思い出してる間にも、首には歯型か鬱血痕がついてしまったかもしれないが、男は別に、それでも構わない。 「……っ」 それよりも。 手なんて繋いだことなかったから、あなたの手がこんなに大きくて無骨だってことを今まで知らなかった。 服のサイズも、何もかも、今までこちらに合わせてくれていただけで大きな差があるということを、初めて知った。 やり場のない手を、そっとその背に回してしがみつくようにして、僕は。 その背の広さも違うということも、やはり、初めて知った。 (-558) 2023/09/20(Wed) 8:05:11 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「酷いツラだね、誰にやられたの?」 くすりと、笑う。 その様子では、クリアな視界ではないだろうから、どこまで自分の顔が見えてるかわからなくて。 男は牢の格子に手をかけて、その顔を寄せた。 「まぁ、答えずとも大体わかったけど……。 僕の大型犬の後輩が、随分と世話になったみたいだね」 正義感が強くマフィアを嫌う彼のこと。 自分が睡眠薬を買いに行った、それを見ただけで強い力で問い詰めてきたくらいだから、彼があなたを狙うのはおかしなことではない。 それでも、個人的な理由でもなければ、一人で突き進むなど。 こちらを止めておいて自分で行うなど、到底、許したくはないものだ。 「証拠なんてこれからいくらでも。……じゃあ、まずはひとつ」 「うちの大型犬……イレネオ・デ・マリアとはどういう関係なのかな」 (-560) 2023/09/20(Wed) 8:22:26 |
エルヴィーノは、今、牢屋の格子の前にいる。 (a21) 2023/09/20(Wed) 8:24:02 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ貴方が許してくれたから。 貴方が受け入れたから。 貴方が頷いたのだから。 それらは確かに理由だった。男がこの行為に及ぶ、理由。 けれどそれを言い訳にするつもりはこれっぽっちもない。 それを傘に着て無体を強いる気はなくて────、ただ。 ただこの男の性質がそうであるというだけ。酷く強引だ。 やはり嫌がられないことを確認すれば、あからさまに歯型をつけもする。 二度、三度。肉の柔さを、それとも薄さを確認するようなそれ。力は徐々に強くなり、貴方は痛みを感じただろう。 貴方の首元に埋まった男は、時々はちらと反応を伺った。 苦しいのでなければそのまま、服の上から貴方の腹あたりを撫でやって。 (-566) 2023/09/20(Wed) 9:18:36 |
![]() | 【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ「転んでぶつけたのさ」 へらり、と笑う。 「ああ、あいつ。 お前ね、しつけはちゃんとしろよな。 どうにかなるならよかったが、 邪魔だから除かざるを得なかった」 ベッドの上であぐらを組んで、頬杖をつく。 その様子からは、どこか余裕のようなものすら感じられた。 「関係って話だとまあ…」 自分の頬をつんつん、とついて。 「被害者と加害者かな?」 嘲笑った。 (-567) 2023/09/20(Wed) 9:18:55 |
![]() | 【魂】 花浅葱 エルヴィーノ「そんな風に言われたら、気になるだろ……」 何を面白がっているのかと、ジト目で見ながら考える。 自分が怒りそうな隠し事とは、一体なんだろう。 怒らない保証はないから、怒らないから言えとは、ちょっと言えない。 「…………」 「僕の望みはたった一つ。 もう二度と、居なくならないで欲しい……それだけだよ」 二度大事な人を失った時、どこかで捻れてしまった感情がある。 三度目が訪れたなら、その時自分自身がどうなるかわからないから、大事な人はもう作りたくない。 それでも、あなたは別なのだ。 再会した時どれほど嬉しかったか、あなたにはわかるまい。 だからあなたとは恋人になりたくないと言った。 傷つきたくは、ないから。 「逆に聞くけど……キミは、僕が傷つかずに居たら幸せかい?」 「キミの要求はひっくり返せば、僕には何の期待もないみたいだ」 別に、期待をしてほしいわけではないけれど。 キミにとっての僕は、僕にとってのキミほど、重くはないのかもしれないな。 「……、その理由を聞きに行くんだ」 「どうしてこんな法を作ってしまったのかも……全部ね」 「別に………素直に捕まってもらおうなんて、思ってない」 ただ、他の誰からも捕まらないでほしいと思っているだけだ。 (_13) 2023/09/20(Wed) 14:52:55 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ「あ、…ぅ……」 最初はただ、くすぐったいだけだった。 噛む力も弱かったし、舌の感触がなんだかぞわぞわする感覚がして身を震わせた。 けれども強く噛まれはじめれば、それに耐えるような声を上げて、でもそんな声を上げるのには耐えられなくて唇を噛む。 苦しくはない。 強引なのも嫌いじゃない。 求めてくれるのは、好きだ。 求めてくれたなら、与えることができるから。 「……っ、」 腹を撫でる手に気づけば、今度は何をするのだろうかと。 期待なのだか不安なのだかよくわからないまま、背中を掴む手に力を込めた。 (-594) 2023/09/20(Wed) 15:07:36 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「それは失礼。 うちの犬は正義感が強すぎてね」 犬に転ばされてしまったのかい? と、あざ笑う。 「はぁ……、今のことを聞いてるわけじゃないのはわかってるだろ」 今の姿を見れば確かに加害者と被害者ではあるが。 けれどもそれは、お互い様なのだろうにと肩をすくめた。 「強引な男なのはわかってるけど、それでもたった一人で無茶をするには理由があるはずだ。 お前たちは、過去にも何かあったんじゃないのかい?」 (-595) 2023/09/20(Wed) 15:13:12 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ押し殺した反応にく、と喉が鳴った。 ひくりと震える身体が好ましかった。 同時に唇やら歯に貴方の脈が触れて。 男は、確かに高揚する自身を感じた。 男は、己に潜む獣性に気づいていない。 犬を自称するのはただ忠実の一点でだ。 それでも。 観念したような貴方の姿に湧き立った。 背に回った手に力が篭れば、それが縋るのでも甘えでも構わないのだ。突き放されないことだけが分かればそれでいい。ずるりと頭を移動して、今度は反対の首元へ。 噛んだり、舐めたり。吸ったり、また噛んだり。腹を撫でる手はそろそろと衣服の中に潜り込む。 さて、硬い手のひらは先程よりは下部に触れる。きっと下着のゴムの境目あたり。 その仕草はこれから貴方の身に齎される行為を一層鮮明に予感させるだろう。直に触れた男の体温は、先程よりも熱いはずだ。 (-601) 2023/09/20(Wed) 15:59:48 |
![]() | 【魂】 花浅葱 エルヴィーノ首輪に付けられた鎖は、一体何処に繋がっているんだろか 「一度居なくなった人が何言ってるんだか……」 牢屋の中に居る分には、確かにそうかもしれないが。 捕まえる以前に、捕まえなきゃいけなくなる程の事をしないでほしいのが前提だ。 しなくていいのなら、逮捕なんてしたくはない。 だって。 追いかけるのが自分なら、様々な自由が効く。 警察として褒められたことではないが、無理な逮捕をしないですむ、そんな一面の事を、考えていたから。 「………」 「それって、僕が暴力を振るわれていたら、キミは喧嘩をしてくれるってことかい?」 そうだとしたら、だめだ。 一つだけ、譲れないことがある。 僕だって、ルチアを傷つけるものは許さない。 僕が傷つくことで、ルチアが傷つくのなら、僕は「それ」を絶対に許しては駄目なんだ。 「キミは……どうしてそんな事を知ってるんだい。 その様子だと……アリソン・カンパネッロが誰だかも知ってるんだね」 「…………行かない、と約束はできないけど……、牢の外から、安全に会う事くらいは約束しても、いいよ」 それでは、駄目かい? (_15) 2023/09/20(Wed) 16:08:15 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ吸血鬼じゃあるまいし、何がそんなに首が美味しいのかわからないが、そうこうしてると首の両方が歯型や鬱血痕で彩られてしまっただろう。 もしかしたら、ボタンをきっちり止めていても見えるものがあるかもしれないが、耐えるばかりの男はそれに気づけない。 「……ん」 腹を弄る手が、熱くて、くすぐったくて、焦れったい。 想像してたよりずっと恥ずかしくて、その羞恥に呻いてしまいそうだ。 身を捩ってみても、抱きすくめられたままでは何の抵抗にもなれやしない。 恥ずかしいから焦らすな、なんて言えないから、あなたの好きなようにさせてしまっている。 ただただ、体温ばかりが上がっていってる気がした。 (-604) 2023/09/20(Wed) 16:27:45 |
![]() | 【魂】 花浅葱 エルヴィーノ「キミにとってはそうでも……僕は」 もうどこかで死んでしまったんじゃないかとまで、言われていたんだ。 あなたとて、住所が変わってすぐは余裕もなく、会いに来るなんてことは出来なかっただろう。 たったそれだけの期間すらも、連絡も、詳しい事情も知ることもなく、足跡も分からず、生きてるのか死んでるのかも分からなかった事が、どれほど辛かったか。 今でこそ、連絡が少なくとも気にすることはないが。 それは、生きていてちゃんと足跡が残されているからにすぎないのだ。 「……わかった」 「危険が及ぶような会い方はしない。……はぁ、これついこの間後輩に言わされたばかりだな」 やれやれと肩をすくめた。 これはもう諦める他はない。 だって、男はあなたに傷ついて欲しいわけではないのだから。 「……じゃあ、二人が狙われた理由、教えてくれるかい? 代わりに、アリソン・カンパネッロの正体、教えるから」 (_17) 2023/09/20(Wed) 16:46:09 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノいいんですか、と聞くことは簡単だ。 それは男の癖で、いつもうっかり口を突く一言目だった。 男は書類仕事も嫌いではなかったが、頭が良いわけではなかったから、上司に確認を仰ぐところもよく見られただろう。 それでも。 この期に及んでそれを聞くのはムードがない────なんて、考えたわけではなかったが。 貴方の無抵抗が、貴方の無言が、許しの表れであることを男はとうに知っていた。 一旦は満足したらしい男が無言のままに顔を上げる。金の瞳が再び花浅葱を見た。きっとその奥には、きらきらと情欲が閃いていて。 「……。」 だのに、何も言わない。ただ熱い息を吐いただけ。 するり、と潜り込んだ指が下生えを擽る。指先やら手のひらで貴方自身の反応を確かめようとした。 (-605) 2023/09/20(Wed) 16:47:59 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ身体に溜まった熱は、どうしたって下腹部に集中してしまうものだろう。 直接それに触れられることなく、くすぐられるのは、明確に焦らされているということが理解できてしまって。 羞恥ばかりが込み上がって、再び見つめられたその顔を見返すのが難しくて、うつむいて視線を外した。 「……こ、こんな時ばかり何も聞かないの、ズルいだろ……」 「なんで焦らすんだよ…… 顔、見れな 」荒い息が、興奮を表してることくらい、わかるのに。 我慢されるほど、僕はか弱い存在じゃ、ないつもりだけどな。 (-607) 2023/09/20(Wed) 17:03:29 |
![]() | 【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ「過去〜……?」 真面目に考えるようなそぶり。 すぐにぱん、と指を叩いて。 「教会で喧嘩売られたぞ。礼拝の最中にうるさくすんなって言っとけ」 おとついくらい、なんて付け足し。──壁にもたれるように腕を組んだ。 「イヤ本当に、俺はしらねえのよ。まぁあっちは俺のこと知ってただろうけどな。 お前は理由があるはずというが、そいつはほんとにあるもんなのか?」 指を一本、立てて振り。 「いいトシの大人なんだから言わねえことは言わねえ理由があるか、 もしくはそんなもんねえんだよ。 あるとして、本人以外になーーんの意味もないもので、 そういうことに何もかんも全部身を投じる阿呆ってだけかもしれん。 どちらにしろ、理由を欲しがってるのはお前だろ? ここまで来れるんなら、本人に聞けよ。 俺が知るか、ばーかってことだよ」 一息に言ってから、に、と笑って。 「──だがま、若いモンだし、マフィアには無関係なやつだ。 終わったらさっさとシャバに戻って、マトモに人生送ってほしいと思ってるよ。 個人的には」 (-608) 2023/09/20(Wed) 17:21:41 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ「は」 恥じた顔も。 その仕草も。やっぱりまた、小さくなる声も。 「はは。あは、は」 可笑しくて。なんだかこみ上げるようなものがあって。 「かわいい人 だなあ……」 多分、屈託のない笑みを浮かべて言ったのは、貴方への返事にはならない言葉だ。 それはもしかしたら、愛しさとか呼ばれるものだったのかもしれない。 うつむけば貴方の瞳は自分の腹に向くだろうか。それとも男の胸当たり。 くく、と喉で笑いを転がした男は、擦り寄せていた身を僅か離した。そのまま片手で貴方の手を取って言う。 「ねえ、先輩」 「触ってくれますか」 別に、無理にさせたりはしないけど。 (-612) 2023/09/20(Wed) 17:29:44 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「勿論、キミとの話が終わったら会いに行くさ。 その前にキミから色々聞いておかなければいけないなと思っただけで」 だからそこは、順番が違っただけだと、前置きをする。 あなたの話を、嘘なのか本当なのか。 じっくりと見定めるように聞いて、笑顔を見れば深々と息をついた。 ――― 個人的に 、ね。「僕に、キミから物を買うのはやめろって止めに来ておいてね……。 理由がなかったというなら、それはしつけのし直しが必要だな」 格子にかけた手は離れることなく、意識を変える。 この男はイレネオが邪魔だと思った、それ自体は本当だろう。 けれど、本当に聞かなければならないことは、そこじゃない。 「―――。 じゃあ、2つ目。ここからが本題だ。 アリソン・カンパネッロ なんて名前を偽装して法案を通したのは何故だ」 (-613) 2023/09/20(Wed) 17:37:49 |
![]() | 【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ「オ、さすが。 ならなおさら、マフィアの言う事なんか聞いちゃいかんと思わんか。 お得意さんだから言ってるんだぜこれは」 へらへらと笑う。 施設から貸し出されたらしいスウェットの上下はだらしなく、 休日に寝転ぶおっさんそのものだ。 「いやまぁ、俺ぁ一応カポだから。 あいつからすりゃあ悪党の元締めだろ。 そこは別におかしなこと言ってねえと思うぜ。 心配かけてやんなよ」 …本人がいうことでもない。 自分の事を棚どころか天井裏にまで上げながら、 あぐらをかいたからだをゆらゆら揺らして。 「そりゃお前、マフィアのカポ・レジームアレッサンドロです! マフィア捕まえるために金出します! ……なんていったって受けてくれねえからだよ」 聞かれたことに、そう答えた。 (-615) 2023/09/20(Wed) 17:48:44 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ笑い声が聞こえて、思わず顔を上げた。 この瞬間ギラギラした瞳が穏やかになって、澄んだ笑みをしていたから、思わず魅入ってしまった。 まさか本当に、そんなに愛されてるかもしれないなんて。 この時はまだ、ちゃんと理解はしてないけれど。 やっぱりまた羞恥を感じて視線を彷徨わせてうつむく。 その視線の先には、多分、張り詰めた熱がある。 「え? ………あ、」 何を、とは言われなくとも。 同じ男なんだから、それが何かなんてわからないはずがない。 戸惑いはすれど、人のものに触れた経験なんてないけれど、ある程度はどうしたらいいかはわかっている。 わかった、と頷いたなら、あなたはその手を導いてくれるだろうか。 なににしろ戸惑いながら、下着の上から触れることになるのだろう。 (-616) 2023/09/20(Wed) 17:50:33 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「両方の話を聞いておくのは大事なことだよ」 「心配を……かけたことは自覚してるけれど。 僕だって心配くらいするって話で……いや、その話はもう良い」 本題と違うことまで思い出してしまいそうで、頭を振った。 話に集中できなくなってしまう、これはいけない。 というかそのだらしない態度はよせ、とは思うのだが。 牢の外からしか会わないと、もうひとり、心配性の誰かと約束したから破れない。 態度の一つくらいは大目に見たって構わないだろう。 ツッコんではいけない。 「そんな事はわかってる。 マフィアのカポ・レジームが金出してまでマフィアを取り締まるのは何故かと聞いてるんだ。 これはマフィアにとって重大な……裏切り行為だろう?」 (-617) 2023/09/20(Wed) 17:58:40 |
![]() | 【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ「ああ、そうだな。 その通り、裏切ったワケ。 よくよく理由を知りたがるやつだなあ。 答えはさっきいったじゃねえか。 俺が阿呆だって話さ」 ごろん。 ついには腕を枕には、もう一度寝っ転がる。 「なンでそんなこと気にするのやら。 あのワンちゃんのことでもない、マフィアの同士討ちの話だろ? 素直に仕事が楽でいいなあっつって喜ぶわけにゃいかんのかね」 (-620) 2023/09/20(Wed) 18:22:45 |
![]() | 【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「あぁ、駄目だね」 「裁判になればその理由は必ず聞かれるし、刑量の判断材料になる。 自分の首を絞めるだけだし、納得の行く理由を話してほしいものだけど」 むしろ話してくれたほうが仕事は楽になるんだけど?と冷めた目を向ける。 けれど裏切ったということをあなたの口からちゃんと聞いたことで、なんとなく、心が痛くなった。 多分それは……消耗している大事な幼馴染が、あなたの部下にいるからで。 「…………」 「裏切った仲間は、大事ではなかったのかい?」 語る声色は少しだけ、トーンが落ちた。 (-622) 2023/09/20(Wed) 18:32:06 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ振れる、惑う視線を見ている。 真白の海を泳ぐ宝石は綺麗だ。 触れたその手の薄さが違うこと。 貴方の手は自分の手ではないこと。 頭ではなく、もっと表面の部分。感覚だとか直感でそんな当然を理解して、どうにもそれがくすぐったい。 服の上から触れればきちんと反応しているのがわかるだろう。 緩くたちあがったものが指先に触れるはず。そのまま男の手は貴方の手を導き、ぺたりと這わせた。 そうして貴方が導かれたままでいるなら、また男は笑うんだろう。随分今日は上機嫌だ。 「はは」 「上からするんですか?」 面白い趣味ですね、なんて揶揄って。 こちらは貴方の上着をたくしあげ、下穿きとスウェットとをずらそうと。 (-625) 2023/09/20(Wed) 18:41:44 |
![]() | 【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ「おいおい、こんな強引にしょっぴいといて、 裁判だけはまじめに行われるとでも? 俺はこんな悪法で逮捕して、取り調べ中に暴力までふるっておきながら、謝罪も反省もない警察に大変不信感を持ち憤っている。 マフィアにも人権はあるんだぜ? 弁護士を通してほしいね」 だいいち、と指を立てて。 「それ以前にな、取締法に金を出すことは俺の逮捕に関係ないだろうが。 あれはただの匿名の寄付で、それを使ったのはおまえらんとこのトップだろ。 ランドセルを寄付する覆面レスラーは犯罪者か? 俺は薬物の取引で逮捕されたはずで、そこは係争すべき点ではないだろう」 違うか?と寝転んだまま顎を引き、黒い瞳だけがそちらを覗く。 そうしてわざとらしくひとつ、息をついた。 「そうだな。ご期待に添えず悪いね。 実は俺、聖人君子ではないしトイレにも行くんだ」 ひらひら、手の代わりに足を振る。 なんとも態度が悪い。規定に照らし合わせれば、指導の名目で殴っても良さそうだ。 (-628) 2023/09/20(Wed) 18:55:20 |
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