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【人】 Chiavica テオドロ>>86 ルチアーノ 「あんたとデートする趣味もないんですって」 方便と分かっていても釘を刺さずにはいられなかった。 趣味は無かろうと付き合ってしまうのだが。どうせ遊びの予定なんか無いし、直近の非番の日を調べてそこに滑りこませる形で。 「生憎、俺の周りに集まる愛しの人どもは、 それこそ他を優先させるようなお優しい子ばかりなので。 色好い返事を期待しててください、恋する伊達男」 腰に手を当てて、言葉と表情はまるで一致しない。 真摯な男の周りには真摯な奴が集まる。大したことじゃないか。思って言うこともない。 「全く、お人好しの多いことで」 #街中 (98) 2023/09/13(Wed) 8:57:37 |
【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ「そりゃあ頑張らないとな〜」 狭い車内で、慣れた様子で首を巡らせて周囲を確認。 エンジン音を響かせながら、するすると車の流れに乗っていく。 堅実で真面目で、リスクを取らない。 今のアレッサンドロの仕事のような運転。 後部座席にはちらりと目を向けながら、 特に秘めた疑問には気が付いた様子はない。 それよりも、対向車の動きにじっと注意を向けながら。 「じゃあどこかで買って食うか。 俺もまだだ」 家に帰れば、ホットドッグ…用のパンがある。 そのうち食べようと思っていたが忘れていたので、 まだ食べていない。 「仕事に穴をあけるようなことはしないさ」 「お前もな。 大変じゃないか、仕事」 仕事。 こっちの仕事とか、 あっちの仕事とか、 色々な意味だ。 車はすでに、海辺に続く広い道へと合流していた。 (-116) 2023/09/13(Wed) 9:07:35 |
【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ菓子。電化製品。装飾品。酒。 高価なものから安価なものまで。共通点はない。 あえていうなら、必要とされていない、そのくらいだ。 当時から、飾り気や色気には興味のない男だった。 けれどそれは、先を焦り、目を向ける余裕がないだけだった。今は。 「税金は払えてるさ。…ンまあ、そうだな、長く続くとは思えない。せいぜい、身をかがめてドアをくぐるさ」 額をぶつけないようにな、と身をかがめる仕草。 ばり、と口の周りが汚れるのも気にせずに生地を噛んで、 少し溢れたバニラクリームが唇にしがみつく。 それをぺろりと舌先でなめとりながら、 ほんの3口程で食べ歩きの林檎のようにビニエを平らげてしまった。 味わう、という言葉とは程遠い。 「いつも警察の皆さんには、お世話になってます。ははは、そう、イレネオくん。 "表"の仕事してるときにまで、港に張り込みに来てたらしいよ。 国税局に転職したほうがいいんじゃないか、あの真面目さは」 言葉の内容ほどにはあざける様子はなく、むしろ好ましそうな語り口。 頑張っている若者。この男が明確に好意を示す、数少ないものだ。 「……で?」 そこでぱた、と笑顔を止めて。 「忠告は分かったけど。旦那はどうすんだい」 #Mazzetto (-117) 2023/09/13(Wed) 9:17:10 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ「彼は自ら仕事を引き受けてやることが生きがいみたいですからね……」 あの考えだけは一生理解できそうもないが。 息抜きの話には、それくらいならと頷いて差し出された焼き菓子を素直に受け取るだろう。 シエスタの時にいただく食料が、ひとつ増えた。 「くらい……っていう量じゃない気もしますが……。 警部も息抜きをなさっては? ってか……気苦労なんて僕には似合わない言葉ですよ」 何言ってるんですか、と息をつく。 必要なことはしっかりこなすとは言え、面倒事は抱えたくないし、必要以上の仕事を進んで引き受けることなどないというのに。 それに、目的のためには手段をあまり選ばない思想は、問題児と言われこそすれ、決して他人を気遣うような優等生ではないはずだ。 (-118) 2023/09/13(Wed) 9:18:07 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ恋人は別れればそこでおしまい。夫婦も友人も分かれてしまえば終りが来るものだ。 あなたは知っているだろうか。 幼馴染という関係に区切りも期間もありはしないということを。 進む道が分かれてしまった今も、たとえこれから絶交しようとも、幼馴染であるという関係は変わることがないのだ。 それはきっと、血縁以外の他にはない特別なことで。 「……無理して大人になるから……」 眠ってしまった顔を見つめて、そんな事を呟く。 撫でる相手が居ないのは、無条件に愛してくれる親がいなくなってしまったから。 厳しいマフィアの環境で使い捨てられないように背伸びをしていたからこその事なんだろう。 「また、って…… なんだよ 」また撫でて欲しいということなんだろうか。 本当に? 発言の意図は、発した本人にしかわからないことだ。 眠りに落ちたあどけない顔のあなたにそんな事は聞けやしないから、諦めたように深く息をついて同じように布団に潜り込む。 あなたが纏う香水の心地いい香りと、不思議と感じる安心感が眠気を誘って。 そう長い時間が経たぬ間に、寝息が一つ増えただろう。 朝までぐっすり眠りに落ちてしまったのは、実に10年ぶりのことだった。 (-119) 2023/09/13(Wed) 9:20:39 |
【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ「おう、来るなら来ると連絡しろよ」 自分だって、あんまりアポをとる性質ではない。 黒眼鏡のお気に入り、赤のフィアット500がガレージに滑り込む。 丸みのあるどこかユーモラスなフォルムは、黒眼鏡が乗るには小さすぎるようにも思える。 窮屈そうに車体から降りて、ばたんと扉を締めて、指先でちゃりちゃりとキーをまわしながらあなたに歩み寄る。 「いいや、仕事はいつも通り。 つまりは珈琲をいれる時間はあるってことだ。 お前も飲むだろ? まあ、入れよ」 そのままあなたの前亜を通り過ぎて、店の正面…カウンターの方へと向かう。 そこは自動車修理工と喫茶店を適当に混ぜ合わせたような、妙な内装だ。 壁際のボードに車のキーをかけながら、テキバキと手際よく珈琲の準備を始める。 「面倒ってことは、女だな。 まったく、女に手を出すのは気を付けな」 サイフォンに火をかけながら、にやにやと笑っている。 (-120) 2023/09/13(Wed) 9:25:27 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ――あなたが目覚めた時。 そこには、すり寄るようにして眠る男の姿があっただろう。 これもまた、 一人を選んでいた男にとってはありえないもの。 (-121) 2023/09/13(Wed) 9:26:10 |
【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ大きなスチール・ガレージに張り付くように建てられた店舗部分――カウンターが拵えられた店の正面側は、自動車修理工と喫茶店を適当に混ぜ合わせたような、妙な内装になっている。 気分で開店中だったり閉店中だったりして、黒眼鏡自身もいたりいなかったり。 けれど古びたガレージの中、年代物から最新のものまで自動車が押し込まれたそこは、文字通り黒眼鏡の城だった。 「おう」 今いじっているのは、彼の愛車である赤のフィアット500――某怪盗の三世が乗る、レトロな車だ。 肩にタオルをひっかけて、上半身は腕まくりした柄もののシャツ。 下半身だけをツナギに突っ込んだ作業着にしてもラフな姿で、黒眼鏡だけはいつものまま。 頬に油汚れをつけたまま、軍手をつけた手を一度挙げた。 「このとおり、いるが趣味の時間だ。 珈琲くらいなら出すが、ご注文はなんだね」 車いじりは、仕事ではないらしい。 (-122) 2023/09/13(Wed) 9:34:17 |
【人】 渡りに船 ロメオ>>96 ヴィンセンツィオ 笑みを向けられれば、ロメオは一回、二回。 ぱち、ぱち、と間を開けて大きい瞬きをして、きょとんとした顔になり。 熱心の言葉に「どーもぉ」と今度はこちらが薄く笑って返した。 ……本当に熱心かどうかはさておき、出勤の度に当然の如く今日はどのパンがおすすめなのかを選んで覚えているのは事実。 店長に言われたわけでもないが、その方が客とのコミュニケーションが円滑に運べるだろうという考えだった。 それに味見をして決めているので、ハズレはないと自負している。 トレーに乗せられたパンがカウンターに置かれ、会計の途中。 「お客さん、あんま来ない人っすよね。それともオレが非番の時に来てたり?」 「誰かの紹介とかー……」 ふとそんな事を尋ねてみる。 店員としての話題作りもあるが、ここにはあんまり新しい客が来ることは少ないから、興味があった。 #パン屋 (99) 2023/09/13(Wed) 9:35:23 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ>>77 カンターミネ 「……ッ、」 瞬間、男は顔を逸らした。 揺れた裾の向こう、見せつけるようにして一時曝された白肌を視界にいれないようにするため。 それは年頃の男子には刺激が強い故に照れたもの──では、なく。 「んなわけねぇだろ……」 顰められた眉と零した声音から感じ取れるのは、はっきりとした"嫌悪感"だ。 #路地裏 => (-123) 2023/09/13(Wed) 9:49:53 |
【人】 陽光の元で ニーノ>>77 カンターミネ からかうと面白そう、などと考えられていることも勿論知らず。 「──────……」 貴方の態度に何がしかの反応を示してビュンッと顔を逸らしていた男は、それでも。 唐突な早口には目を瞠って驚いたかのようにそちらを見上げた。 え、なんて?ついていけてません。 「ちょっ、……あの……???」 口を挟む隙がこれっぽっちも見当たらないから。 目の前を大股で歩いて行く姿にぱくぱくと唇を動かしながらも、言葉をただただ受け取るばかり。 とりあえずは最後教えてもらえた名を記憶し、それから、おまわりさんって。 「なんで知ってんの……?」 残されたウインクと投げキッスにはげえ〜の顔をしつつ、既に貴方は去った後。 零した疑問を拾い上げてくれそうな誰かは今のところちいさな毛玉しかいない。 危機、去りました…?と言わんばかりに顔を出した子猫を、そうっと抱きかかえてはその後頭部にほんの少し鼻先をくっつける。 「ぐ〜…………」 「…………苦手なタイプだ……」 情けない声をあげる大きな生き物に擦り寄られながら、子猫はようやく「みゃぁ」と鳴いていた。 #路地裏 (100) 2023/09/13(Wed) 9:52:37 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード「ダヴィ〜ド」「いる?」 アジト内。 片手に中身の入ったビニール袋をぶら下げて、 貴方のいそうなところを見て周っていた。 特に、というか全く急ぎの用事ではないので、見つかったらラッキーくらいの気持ちだった。 今日はあまり頼まれ事もしていないので、割合暇なのである。 (-124) 2023/09/13(Wed) 10:00:18 |
【鳴】 陽光の元で ニーノ「あ!ロメオさん!」 貴方が到着したのを見ればぱっと顔を輝かせた男は、そのまま駆け寄っていく。 こちらの服装はシャツにスラックスにベストと、ジャケットを外したスーツスタイルだ。 もっとラフな出で立ちをしていることもあるが、職業柄か家柄かきっちりとしていることも多いのであまり珍しくはない。 「ちゃんと迷わないで来れた! でも普段入らないからそわそわしてて、来てくれてよかった」 「い、胃薬はいるほど飲むかなぁ。 わかんね〜けど……っていうかお金も! オレ働いてるからちゃんと出すよ」 えいと腕を小突くのは普段のじゃれ合いのひとつ。 一先ずは此処で立ちんぼしているのもなんだからと、二人で店内へと足を運ぶのだろう。 けれど入ってすぐこちらは足を止める。 昼間の店とは異なる薄暗さ、その中に漂う大人な雰囲気に圧倒された様子で店内を見回して。 「おっ……オレ、場違いじゃない……?」 先程の腕の小突きとは異なり、今度はちょん……と貴方の服の裾を握った。 (=2) 2023/09/13(Wed) 10:03:11 |
【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡「おー、作業中だったか。 いや、趣味の時間に押しかけたんだ。 珈琲は気にしないでくれ。」 この場合であれば 邪魔をしたのは自分の方であるから 気遣いはしないで良い、と両手を振るだろう。 「元より、聞きたい事があって来たんだし。 作業しながらで良いから、時間を貰ってもいいかな。」 ロマンやカッコよさの詰まった車を見ては かっこいいなぁ、と男ならば思うそんなことを考えながら。 店を利用しに来た訳ではない、と伝えるだろう。 (-125) 2023/09/13(Wed) 10:16:15 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 黒眼鏡「ええ〜?偉くなったから、やんちゃするのやめたってこと?」 「昔はあんなに暴れてくれてたのに……年食って変わっちゃったのかしら」 それこそ、スラムの人間からすれば一種のイベントのようなものでもあったわけで。 納得のいっていないような表情で失礼なことを口にしながら、あなたを見上げて。 首に引っかけた腕であなたごとベッドに倒れ込んでやる。 「冷凍ならいつでも食べられるし、暫く外に出なくてもよくなるし…… まあこれは良いことなのかわかんないけど」 「最近……?」 もしかして太った……?とでも言いたげな、焦りの滲んだ顔。 肌が思ったよりもちもちしてるんだろうか。 気を許していると察しが悪めなのもずっと変わっていない。 「私たちにとってはずっとお兄さんみたいなものよ、これからもずっとね」 「ん……もう、自分にはないみたいに言う」 「もっと一緒に年重ねていってくれなきゃ嫌なんだから」 触ってもいいよ、と体温を分け合うように腕に身体を押し付けて。 鼻の頭に口付ける。じゃれ合い、そして好きにしていいよの合図だ。 どのような形であれ、満足出来るまで共に夜を過ごすことにはなるのだろうけれど。 (-126) 2023/09/13(Wed) 10:22:19 |
【人】 陽光の元で ニーノ>>82 リヴィオ 反応は予想出来ていたものだった。 滅多なことで怒ったりもせずにいつも微笑みを返してくれる。 そんな寛大さだって男が貴方を憧れている要素のひとつ。 それでも礼儀というのは大切だから、訂正は自分の意識を正すための儀式だ。 ……とはいえ。 「かっ、からかってたんですか!? っていうか後輩かあ、そっか、なるほど、な〜んだ……」 正したところですぐにまた崩れるのだが。 勝手に変な想像しちゃったな、なんて肩を落とす。 にしても誰だろうなと考えて、なんとなくわかるような、わからないような。 「でもそうやって毎日着けてくれたら渡した相手もうれしいだろうな。 オレもせんぱいに何か渡したくなったら、渡しますね!」 サプライズにならないような言葉を添えて、今度握り直した拳はやる気から。 仕事を邪魔してしまっていることに関しては気にしなくてもよいみたいだけれど。 「あ、そういえばリヴィオせんぱいに話したいことがあって…… またえっと、ご飯とか行ってくれたらうれし〜んですけど……」 それでもやっぱり引き留め続けるのは悪い。あんまり約束を取り付けられるタイミングも多いわけではないから、最後にそれだけ、と。男はちらり、貴方を見上げていた。 #街中 (101) 2023/09/13(Wed) 10:24:07 |
【鳴】 渡りに船 ロメオ「カクテルって度数強いからさぁ、油断してると来るし……」 「いーだろ。払いたいってんなら割り勘でも」 小突かれたら小突き返す。いつものやりとりだ。 ドアを開けて店内に入れば、薄暗い空間に雰囲気の良いBGMが流れていた。 それに混じって聞こえるのは先客の談笑、シェーカーのフラれる音、グラスが置かれる固い音。 「場違いなもんかよ。あんたちゃんとしたカッコしてんだから」 「どうせならカウンター座るべ〜」 こちらはそんな空気に気圧される様子はない。 むしろ慣れた様子で裾を握られたままカウンター席を指さし歩き出した。 「マスターどーもぉ。チーズ貰える?」 先につまみの注文も。カクテルは二人で選ぼうと思って。 (=3) 2023/09/13(Wed) 10:31:57 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ「好きですねえ、お菓子」 それもやっぱり相変わらず。 でもそんな貴方の朗らかさを好いものと感じているのは事実だ。 だから目元を緩めていたものの、投げかけられた問いにはん〜とすぐに答えの出なさそうな声。 考え込むようにしてそのまま一度瞼を落とした。 「…………いい、とは言いませんし。 警察の立場で、言っちゃだめだろうなとも」 「それでも裏にあるものを考えないで、肩書だけで悪い人って頭ごなしに決めつけてたら。 取り零してしまいそうなものがありそうで、……ううん。 なんというか、オレだったら嫌だ」 「悪いことに手を染めないと、生きられないときだってあるし……」 そうして視界を少し開けば、まだ数文字しか書き始められていない書類に指先を滑らせる。 「だから、分かりたいなって思うんです。 理解したからって何ができるかはわかんないですけど。 ……変ですかね」 (-127) 2023/09/13(Wed) 10:32:18 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 口に金貨を ルチアーノはぁい、と間延びした返事。 仕事が絡んでいなければ気を張る必要もないから、そのまま電話を切ってしまって。 「ありがとう、紳士な殿方」 「お疲れみたいね、何かあったのかしら」 日頃の塵が積もって山となった可能性もあるだろうけれど。 電話口の声色が気になって、何となしに問いかけを投げた。 (-128) 2023/09/13(Wed) 10:43:31 |
【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ「いや、珈琲もまた趣味だ。 今淹れるから、カウンターの方に来なさい」 わはは、なんて笑いながら軍手を外して、タオルをガレージの隅の作業机に放る。 気遣いなんていらない、という押し付けがましい振る舞いは、 この男の性分でもあり――つまりは直らない。 隙があればものを押し付けてくる、ノッテファミリーの聖・黒眼鏡だ。 「車もサイフォンも、いじりながら話を聞けるという点では平等だ。 それで?」 君の言葉も聞かずに狭いカウンターに入り、珈琲の準備をはじめながら話を促す。 (-129) 2023/09/13(Wed) 10:56:07 |
【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ「女ってのはそうして、男の生き方を要約する天才だと思うよ」 降参だ、なんていって笑う。 「勘弁してくれ、この年で若者と殴り合ってられるか……っと」 見上げてくる瞳と、自分の瞳を繋いだまま、ベッドにどさり、と倒れ込む。 シーツのしわがふたりのからだの形に伸ばされて、 ブラインドの隙間から差し込む外の灯りが体のラインにをぼんやりと、まばらに照らし出した。 「技術の進歩とは、いいもんだなあ」 「んー」 なんでもないよ、といいたげに。 男のそれに比べれば豊かな、腰回りの肉を掌で包むように揉んで。 「スラムのガキはそういうところ、律儀だよなあ」 自分だって、スラムのガキな癖に。 賢しらに大人ぶった口調は、わかっていておどけているのだろう。 「いやあ、それがな、最近どうにも生え際が気になる」 「禿げ上がったらショックだよ、シブい白髪じゃないと嫌だね…」 言葉にまで及ばない合図が、肌と肌の間にこもる。 服の上から触れていた指がするりとその下にもぐりこみ、 脇腹から背中をするすると撫でていって。 (1/2) (-130) 2023/09/13(Wed) 11:11:30 |
【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ「ん」 そうして、会話の途中、言葉の途中、その息ごと抱きしめるよう。 促すような吐息と同時に、唇を重ねる。 熱で湿った音が交じり合うほどに近づきながら、 自分から押し付けるのではなく、 最後の1cmだけはあなたに唇を寄せさせて。 (2/2) (-131) 2023/09/13(Wed) 11:12:38 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 路地の花 フィオレ「……、子猫ちゃんがなかなか離してくれなくてなあ」 まだ言葉を飾っても良かったがこの先はふたりきり。 扉を閉じて好きにするように言えば自分はソファに腰を掛け少しだらしなく脚を組む。 「母親が恋しいのかね、夜泣きが激しくて寝かせてもらえなかった」 巫山戯た物言いをしているが、これは 本物の猫 の話だ。ルチアーノは時折猫を引き取ってきては里親探しをする趣味がある、以前は数年前、ひと月に二十匹の猫を保護して送っていたこともある。 疲れはどうやら寝不足であるらしく、今この部屋に猫の姿は特に見えないだろう。 (-132) 2023/09/13(Wed) 11:15:35 |
【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡「なるほど、趣味か。 だったらお言葉に甘えさせて貰おうかな。」 城の主がそういうのなら 更に断るのも無粋というものだろう。 振っていた両手を降ろしては肩を軽くすくめてから カウンターへと足を進めた。 「そりゃ確かに違いない。 いや、アンタは一応、マフィアなんだろう? 何で警察のやる事に融資なんかしたのかなってさ。」 「マフィアにとって仲間ってのは 家族に等しいって聞いたことがある。 裏切ることになるんだぞ。」 愚問、なのかもしれない。 けれど守るべきものを守るために手を上げた立場として 貴方の選択がどうにも腑に落ちなかったのだった。 (-133) 2023/09/13(Wed) 11:36:36 |
【人】 Chiavica テオドロ>>95 ヴィンセンツィオ 0日目 「他人に身を切れと強いる手間を考えると、自分が切った方が早いですから……どうしても。好きでやってるわけではありません。 必要に迫られることがなければいいくらいは思っています」 茶目っ気が伝わったからか、此方も気兼ねなく拗ねたような物言いで。地位、年季、それらの差が縮むことはなく、対等でこそないが、対等でないなりに肩の力を抜いて居られている。 「……問題なければ、特には。 拘りらしいものはありませんし、他の皆に迷惑が掛からなければそれでいいんです。命じられればプライベートでもある程度気を付けようと思うだけ」 「俺は何にも理想を抱いたりはしませんが、 そこ行く市民や、同じ警察の人間はどうか分かりませんから」 一人鯱張ったところで、それこそたいして世の趨勢は変わりはしないのだろうけど。それ一つで誰かの溜飲が下がるなら吝かではないとも思う。 「俺は多少の骨身くらいは惜しまないんですが、 周りの方々はどうも便宜を図ってくれるというか、お優しい人ばかりで。 ……皮肉ではなく。言った通り、楽にしていても構わないならその厚意を喜んで甘受します」 言葉面こそ素直ではないが、やはり必要を越して抑圧する必要がないのは助かってはいる。不器用ながらもそう伝えたい様子だった。 #街中 (102) 2023/09/13(Wed) 11:37:47 |
【秘】 路地の花 フィオレ → Chiavica テオドロ「口にしない方がミステリアスで良かったかしら」 「何にせよ……世話もお節介も焼く相手と程度は考えないと、あなたの言うところの"物好き"が集まって収拾がつかなくなるって覚えておかないとね」 冗談めかして笑う。 とはいえ、殆ど自戒のようなもの。頭の片隅に入れて、いつか問題が起きたりしないようにするためのものだ。 決して当て擦っているわけではない。 そう捉えられても仕方ないような言い方をしてはいるが……。 「私だってまさか誘ってもらえるなんて思ってなかったわ。 今日もちょっとお話して、あわよくばお散歩……くらいのつもりでいたのよ」 あの時、エスコートがどうとか言ったのは自分だった気もするけれど。 まさか誘ってもらえるとは思っていなかったのは本当で、だからこそ素直な感情を表に出したことは覚えている。 「今みたいに一緒の時間を過ごしてもいいと思ってもらえてるなら」 「趣味に合うような女になったっていいのよ?」 にこり。隙を与えるとすぐこれだ。 彼女は自分の楽しいように、相手が良しとする以上は。理由なく離れることも、理不尽な強要を飲むこともない。 そして、好きなようにするのだ。今日と同じように。 だから、この線引きだってまたいずれ引き直されて。 結果的に"物好き"であるとされてしまう こともあるのだろう。あなたにとって、本当にタチが悪い相手かもしれない。 今飲んでいるカフェオレと、同じくらい甘い言葉ばかりを吐いて。 このくらい穏やかな日々が続けば、変わることのない関係。 いつかのもしかしたらを密やかに夢想する日々。 そう遠くないうちに、そんな日常が脅かされるとも知らないまま。 (-134) 2023/09/13(Wed) 11:39:30 |
【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 口に金貨を ルチアーノぶらぶらと散歩をするのはこの男の日課だけれど 夜にするのは仕事を兼ねている事も多かった。 しかしこの夜はとても珍しく、仕事が無い状態で 街中を、商店街を、何を思うでもなく歩いていた。 偶には珍しい人とも会えたらいいな、という 思いをほんのり抱きつつだ。 甘い香りを放つ客引きの女を断りながら 夜の街は今日も賑やかだろう。 (-135) 2023/09/13(Wed) 11:51:00 |
【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ「素直なやつは出世するぞ〜」 しゅんしゅんと湯が沸く音に、能天気な声が交じり合う。 カウンターに片手を突き、もたれかかつようにしながら 珈琲の準備を続ける。 どこかけだるげながら、手際は良い。 「そりゃあ、裏切るために決まっているだろう。 だから警察より、マフィアを摘発することを重視してほしいのさ。 法案自体の維持のため、警察を摘発するのも必要だとは思うがね。 俺にとっては自分の目的の方が大事だから、 ああして直接接触もした」 湯気とコーヒーの香りがふわりと広がる。 真っ黒な液体が、カップに注がれていく。 「そうとも、マフィアにとって仲間というのは家族で、血だ。 生きる存在そのものだ。 若いうちにファミリーに入ったものにとって、 それは人生に等しいものだ」 かちゃりと音がして、皿に乗せられたカップがカウンターの上にトン、と置かれて。 「――つまり、俺は人生を殺そうとしてるわけだな」 どうぞ? と。笑って、珈琲を促した。 (-136) 2023/09/13(Wed) 11:55:51 |
【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡「出世は勘弁だな〜。」 ケラケラと笑いながら その手際を眺めながら、言葉に耳を傾ける。 「裏切るって、そんな簡単に。 報復だってあるだろうし アンタも検挙される可能性だってあるだろう。 嫌になったのか?マフィアが…今の人生が。」 明らかな答えを聞いてもやっぱり 腑に落ちない。 何が貴方をそうまで駆り立てるのだろうか。 珈琲を一口、冷ましながら啜って貴方を伺う。 (-137) 2023/09/13(Wed) 12:03:18 |
【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ「してみればそんな悪いものじゃないさ。 ……いやどうかな…」 思わず首をひねりながら、自分の分の珈琲を注ぐ。 カップに指を引っ掛けるようにして持ち上げながら、 「マフィアってやつが嫌いなのさ。 何も救えない、何も残せない。 だって犯罪者だぞ? そんなに不思議なものかね」 なにかおかしいか? とばかりに肩をすくめる。 おかしくはない。彼が言うのでなければ。 「悪党と悪党が潰し合うなんて、警察からしたら渡りに船だと思うがね」 (-138) 2023/09/13(Wed) 12:10:41 |
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