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【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノちゅ、ちゅ、と軽いリップ音。柔らかい舌の感触。 貴方から唇を重ねに来た時はくすりと笑っていた。 絡んだ舌先が離れた拍子に、銀糸が伸びてぷつりと切れる。 自分が吐いた息もまた熱かった。 浮かれているし、浮かされている。 「は、……ハハ、こんなのあんまり人にはやりませんよ」 「いつかは刺されるかもしれないけど〜……ん、っ」 やるとしても普段はもう少し事務的ではなかったか。 気心の知れた人に求められると、自分はこうなるんだな。 そんなことを考えながら、片方の手は貴方の耳を塞いで覆うように。深い口付けを交わしつつ、もう片方の手は貴方の下半身へ伸びた。 緩い円を描くように下腹部を優しく撫でてから、 ベルトの留具に指を掛ける。 離した顔を今度は首筋に埋めながらそこへもキスをした。 甘く噛んで、微かに付いた歯型を舐め。 「っは、…………いいでしょ、もう」 擦り寄るみたいな、甘えた声でねだった。 「あー、かわい……」 (-305) 2023/09/25(Mon) 7:12:45 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオあんまり、そうだろうなあ。 もうわかってしまったし、二度目を起こさないように自制できるかわからなくなってきたところだ。 やり返してやろうかと思っても、貴方にとっては得になるのだからたちが悪い。 「……やめ、てくれよ……? お前死ぬぞ……本気で」 お前を刺すほど好きな奴が出来てしまったら、 お前はそいつの殺意に応えてまうのではないかと。 「嫌だから、な。そんな理由で死んだら、……許さないからな」 伝えられるようになってしまった願望は、今後素面でも言えてしまいそうだ。 色々なことを堪えきれなくて、今貴方の前で決壊してしまったものだから。 ふ、とこの後の予定を思い出して、伸ばしていた手の動きを止めかけた。 この日、空が暮れた頃、会いに行くのは高確率で自分を捕まえる警官の元だ。 言えやしない、きっとそこで自分は警察に連れていかれるということを。 さっき何か言われたような気がするのだが、違えても大丈夫だろうか。 「……っ、ふ、……」 もう既に熱が昂っているのを感じる、甘やかに喘いでしまえば、噛まれた場所に痕は付けるなといえる暇もなかった。 その手が近づいてくるにつれ過敏に反応してしまい、 羞恥で頬を赤く染めながら、吐息交じりに貴方へとこたえた。 「ん、……いい、からぁ……早くくれぇ……」 (-312) 2023/09/25(Mon) 10:10:02 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → corposant ロメオ「それも悪くないのかも。 いらっしゃいませって一緒にするし、パンも焼けるかな」 返す言葉は冗談交じりのそれだった。 或いはと過るものは一度隅に置き。 その手から食べさせてもらうパンは、こんな状況なのに一人で食べるよりもおいしい気がする。 それでも、貴方の溜息を聞けば食事の手も止まるのだろう。 「センパイ……? ……イレネオせんぱいって、捕まってたんだ」 ぽつ、と落ちる。それさえも知らなかった。 「……わかんない。 拷問されて酷い怪我してる人、いるって聞いたけれど。 やったのがせんぱいかどうかまでは……」 確かめていない。 そこまでを紡いでから、貴方をじいと見つめた。 言葉を聞きながらようやくに男は、もう一つも勘付き始める。 気が付くにしては遅く、そうして今までなら目を逸らしていただろうが。 ……そうしたことを悔いたばかりだ。 「…………あの、ろーにい」 「……ここ、もし、出られたらさあ」 踏み込みたい、けれど、場所が悪い。 だから、代わりにと。視線が落ちた。 「ナイショ、教えて欲しい……」 (-321) 2023/09/25(Mon) 12:00:58 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「一回ぐらい刺されても死なないかもな。丈夫だし。 ……なんて、大丈夫ですよ。オレはくだらない理由で死なないから」 自分はガラクタだけど、安易に死ねば迷惑が掛かる。 死ねば悲しむ人も居るらしい。嫌がる人も居るらしい。 例えば、貴方とか。だから、そうしない。 「おんなじこと、あんたに言ってもいいですか。 あんたに居なくなって欲しくないんで」 自分は首輪を掛けられる側で、リードを握ってもらう側。 だから貴方に首輪は渡せない。 けれどもしリードを握り合えたらどうなるだろう。 繋ぎ留める代わりに、貴方のネクタイをぐいと引いた。 「一緒に居てくれれば、いつでもできますよ。こんな事」 カチャ、と金具の外れる音。 「体勢変えなきゃな。腰上げて」 互いにやりやすいように体勢を変えれば貴方のズボンの前を寛げた。そのまま下着に指を掛けて、するりと下に引いていく。露出したあなた自身の芯を、熱い手がゆっくりと握って擦り上げる。 先走りがあれば、それを絡めた指先を貴方の後孔へ当てた。 ロメオはなんとも楽しそうだった。 それでいて、何とも愛おしそうだった。 (-322) 2023/09/25(Mon) 12:04:29 |
【秘】 corposant ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ「アハ、いいな。やろうぜ。 新しいメニューの案出しとかも楽しいぞ」 ふ、と二人で並んで仕事している姿を想像して笑う。 そんな光景が現実になるなら、なんて平和なんだろうか。 「おう。オレの貰った情報が正しけりゃ、 A.C.Aに睨まれてお縄になってる」 「ふうん……成程なあ。そうか」 それを聞いて、目を細めて考える素振りを見せた。 瓶底眼鏡は他の牢の方を向く。 本人から直接聞くか。そうしよう。 「ん?」 その思考も声を掛けられれば戻って来る。 どうした? と、首を傾げて貴方を見て。 「…………」 その言葉を聞いて、ああ、と思った。 そうか、気づかれたか。隠し通せる訳はない。 けれど同時に、いいやと思った。 貴方ならそれでも、受け入れてくれるだろうと。 だからロメオは頷いた。貴方の顔を真っ直ぐ見て、真摯に。 「うん。……言うよ、必ず」「待ってな」 (-326) 2023/09/25(Mon) 12:18:52 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → corposant ロメオ「新しいパン考える? あはは、楽しそう。 オレがたくさん食べて培ったパンパワーを発揮するとき……」 なんて軽口を言える程度には、心が落ち着いてきていることに安堵した。 ジュースをまた一口貰いながらもせんぱいの追加情報には成程と納得をする。 しかし、自分も捕まっていたのにあんな態度だったのか……? だからこそだったのかと考える最中に気が付きはしない。 貴方が今、何を決意したのかなんて。 今の己にとって大切で、わかることといえば。 「…………」 向き合い投げかけられた視線が真っ直ぐなもので。 貴方は確かに頷いてくれた、ということだ。 顔を上げれば少し安堵したように笑った。 「……待ってる」 「やくそく」 そうして理解する。 きっとずっと、ちゃんとぜんぶを知りたかった。 他の誰からではなくて、貴方の口から、ちゃんと。 そうと鉄格子越しに差し出したのは、左手の小指。 (-341) 2023/09/25(Mon) 13:34:40 |
【秘】 corposant ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ「おう頼むぞ、パンパワーなら多分お前の方が上だわ。 きっとより良いパンが生まれる」 そんな風に軽口を合わせて笑う。 こんな内容じゃ、看守だって目くじらを立てないだろう。 久々のこんな会話が心地よかった。 早く皆解放されたらいいのに。 こんな場所に捕まってやる義理、一つだってないのだから。 「うん。約束」 「絶対」 差し出された小指を、自分の小指と絡めた。 しっかりと結んで、ゆびきりげんまん。 「いつか言わなきゃと思ってた。いい機会だ」 そうぢて貴方がそれでも受け入れてくれたなら、 ちゃんと隠していたことを謝ろう。 それからまた、家族でいよう。友人でいよう。 ──貴方がパンを食べ終わる頃、ロメオはまた口を開く。 「絶対に助けは来る。絶対だ」 「それまでもう少し辛抱してて。オレ、待ってる」 (-351) 2023/09/25(Mon) 14:04:37 |
【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオがつ、 がつ、 がつ。 ──法改正による騒動が起こって実に5日目。 次々と逮捕者が増え、並ぶ牢屋が嫌に賑わいを見せている。 本当に嫌だな。 留置所の廊下を、厚底のショートブーツが叩く足音が響く。 歩きながら、髪を結んでいたゴムを解いて、眼鏡を外し、 そのまま鞄へとしまい込んだ。 がつ、 がつ、 がつ。 そのゆったりとして重い足音は、 不意に貴方の居る牢の前で止まる。 「ciao〜……どうも」 そこに居たのは長身の男だ。 薄いレモン色の癖のある長髪を揺らして立っている。 見下ろすのは貴方にとって見覚えのない翠の双眼。 重く、影から湧いて出たような低いトーンの声。 「はじめまして。あんたがイレネオ・デ・マリア?」 初対面なのだ。だから、男は笑ってみせた。 見世物小屋にでも来たかのような笑顔だった。 (-356) 2023/09/25(Mon) 14:25:21 |
【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオその日、面会の予定はなかった。 ────その日どころか、特に一日だってなかったが。 おまけに、近づく足音にも覚えはなかった。 その上、届いた声にだって覚えはなかった。 名前を呼ばれれば、男は顔を上げただろう。 ……その顔にだって、やっぱり覚えなどない。 「そうだが。」 「何か用か?」 殊更に。 強調するように、冷ややかな眼差しを男は貴方に投げやる。 それは拒絶の視線だった。緩やかに侮る貴方の笑みを、そのまま跳ね返すように。 (-363) 2023/09/25(Mon) 14:38:20 |
【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ「やっぱりそうだ」と男は笑顔を崩さなかった。 冷たい視線に怯むわけでもない。 むしろ愉快そうに目を細めている。 そこに含まれる拒絶の意図をまるっきり無視するつもりだ。 「すみませんね、イレネオ巡査長。 あんたに聞きたい事があってここに来た」 質問は至極簡単なものだった。 「あんた、ニーノに手出したか?」 首を傾げ、答えを、反応を待つ。 (-364) 2023/09/25(Mon) 14:43:58 |
【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ問いに対して。 男はゆっくり、目を開いた。そうして細めた。 とはいえ時間にして数秒。答えに窮した、というほどでもない。 「身内か?」 返る言葉は簡単だった。 それは答えではなかった。 無礼な輩に真っ向から対してやるつもりはない、と言うように。 男は、ニーノ・サヴィアに手を出していない。 だから報復などに怯んだわけではない。 男は、取調べをしただけだ。 (-371) 2023/09/25(Mon) 15:27:00 |
【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ「身内。まあ……そうだな」 「そうならどうする? お巡りさん」 表情は変えない。身動ぎもしない。 ジャケットのポケットに両手を突っ込んで、 首を傾げたまま続ける。 そういう置物のようだった。 「他の奴も怪我してるんじゃあないか?」 「あんたの尋問の後、傷を作って……」 ん? と、答えを促す一音。 (-377) 2023/09/25(Mon) 16:01:32 |
【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ「捕まえる。」 いっそ無謀なまでの生真面目さ。 愚直なまでの勤勉さが、男の常だった。 牢に入っているのはこちらだ。身動きが取れないのはこちらだ。 そのくせ、まるでその障害などないように。男は単純に言ってのけた。 ニーノはこの男のことを、貴方にどう伝えただろうか。 さてその言葉と今貴方が見たこの男に、何か違いはあるだろうか。 立ち上がった男が貴方に相対する。 上背はある方だという自負があった。貴方の視線はそれより高かった。 それだって不快で、チ、と舌が鳴る。 「そうだな。灸を据えたよ。全員じゃない。」 「それがどうした?」 (-384) 2023/09/25(Mon) 16:46:53 |
【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ「どうして。彼は実直な巡査じゃないか! 彼の何がどうしてそんなに悪い?」 わざとらしく目を丸くして、ポケットから手を出して上げた。 随分急な話だ。捉えられているのはそちら。 こちらはまだ自由の身だ。 それに、すぐにその結論に至る理由が分からない。 貴方が立ち上がるそのままに視線も上にスライドする。 高い、が、自分よりは少し下か。 「へえ……そう。噂通りだ。 正しい正しいお巡りさんだから、それでも平気な訳だ。 あんたは立場と法にぬくぬく護られてンだねぇ……」 (-389) 2023/09/25(Mon) 17:06:02 |
【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ「悪いだろう。お前のような者とつるんでいる。」 貴方は彼の身内だと言った。 その意味するところは明白だ。 「実直な巡査のすることじゃない。」 言い切る言葉もまた明白だ。 男の言葉は存外素直で親切でいる。のらりくらりと躱すところがない。 続く言葉には呆れたように鼻を鳴らすだろう。ふん、そんなことも知らないのか。 「そうだよ。」 「法は、法を守るものを守る。」 「わかるか?」 「その穴を突いてずるをしようという輩のためにあるものじゃない。」 (-395) 2023/09/25(Mon) 17:27:48 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → corposant ロメオ「より良いパンを生む〜」 同じ軽さの言葉が返ってくるのがこちらも心地よかった。 此処が牢獄の中だなんて一瞬、忘れてしまいそうになる程。 底にばかり落ちていた心が普段の暖かさをふと思い出した頃。 差し出した小指に返る、同じぐらいの体温に瞳を細めた。 ゆびきりげんまん。 「……うれしい」 どうか覚えていてくれたらいい。 きれいじゃなくても構わないのだと伝えたこと。 貴方のお陰で直にお腹は膨れて、そうして終わりが近いと分かればどうにも。 ……さみしいな、でも。 「……うん」 「待ってて、それまでちゃんと折れずに、がんばるから」 子どもじゃないから駄々は捏ねない、こくりと頷く。 それでも貴方が居なくなってしまう前に。 すこしだけ間を開けてから、不意に尋ねた。 「あのさ」 「……困ったことがあったら言いな、のやつ」 「有効期限ある……?」 何やらいつかの言葉を掘り返してはそんな聞き方をする。 まるでその内それがあるのが分かってるみたいに。 (-396) 2023/09/25(Mon) 17:29:50 |
【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ「──ふーん。そっか。残念だね」 ぱ、と泡の弾けたようだった。瞬きの間。 一気に力を抜いた腕はそのままぶらりと降ろされ、 一瞬で笑顔を取り払ったままの表情になる。 全くの無表情で、自分から問うた質問の答えを 放り投げるように返事をした。 「そうらしいな。 オレはあんま守られた事無いから関係無いけど」 「法を守れば取り調べの最中暴力を振るっても良い…… 素敵だね。実に都合がいい。捕まっても自由だ。 あんたは傷一つ付かず、ここでただ暇を潰すだけ。 デジタルデトックスにでも来たの?」 男はぼそぼそと喋る。だのに声の通りは良かった。 演劇じみた声の抑揚と低いトーンはそのままに、 翠はまだ貴方の方を向いている。 「皆殴られてあんただけツラっとしてんの、ヤダね〜……」 カツン。カツン。 人差し指の爪の先が、牢を等間隔で叩く。 「あんたの正義って何?」 (-400) 2023/09/25(Mon) 17:43:59 |
【秘】 corposant ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ結んだ小指は離れる。 まさかここに自分も入るわけにも行かないのだから、 自分は帰らなければならなかった。 大丈夫。自分は覚えている。 どんな自分でも貴方はきっと受け入れてくれる。 名残惜しさは残るが……やる事がある。 「よし。それじゃあお互い頑張ろうぜ。 もうひと踏ん張りだから」 そう言って、立ち去ろうと背を伸ばし。 「……無期限。回数無制限」 「いつでも言いな。」 ふ、と笑って爪先を廊下の向こうへ向ける。 引き留められなければそのまま歩きだすだろう。 (-404) 2023/09/25(Mon) 18:12:11 |
【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオわかった。 この男が嫌いだ。 「そうだよ。」 「やむを得ない手段だ。」 ぼそぼそとした声が不快だ。 見下ろす視線も腹立たしい。 大きな図体だって不愉快だ。 この男が嫌いだ。 「そもそも捕まる方が悪い。」 「そういうことをしたんだからな。違うか?」 音を立てる檻がうるさい。 早く帰れ。話すことはない。 目は逸らさず、むしろ睨みつけて言う。 さて、貴方が来たのが昼を過ぎた時間帯なら。 男の顔色は悪く、左の手には包帯が巻かれていたはず。 何も無傷ではないのだ。これも報いは受けている。 それだって、貴方にとってはどうでもいいことかもしれないが。 (-405) 2023/09/25(Mon) 18:28:17 |
【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ「あ、なんだ。あんたちゃんとやむを得ないって思ってんだ」 「よかった〜。暴力振りてえから警察やってんのかと思った」 安心したわ〜、と心にもない事を言う。 そこでようやくまた口元に薄く笑みが浮かぶのだった。 「おや。そらごもっともだ。捕まるには捕まる理由がある」 「例えば猿の考えた横暴な改正案とかな」 かつん。かつん。 叩く音は続いている。貴方の神経を逆撫でする為の音。 傍迷惑なメトロノームが、二人の間で響いている。 「じゃああんたも悪いのか?檻の中のお人」 「なんで俺が檻の外に居るんだろうな?」 「世の中には良い法律と悪い法律がある…… 今回のはことさら悪い。数撃ちゃ当たるって? ダセェな……所長代理顔真っ赤かよ」 何のために男がここに居るのか。 ただの嫌がらせ だ。敵討ちにしては陰湿で、悪戯にしては大胆。 憂さ晴らし、八つ当たり、その他諸々。 なんにせよ質の悪い事! 「おかげですっかりここはサーカステントだ。 悪人嬲りは正義の人々の心をスッキリさせる 脱法エンターテイメントですからね。 楽しそうで何よりだよ……」 (-412) 2023/09/25(Mon) 19:08:21 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ「お前からなら……聞いてやっても良い。 刺されなきゃ……いいんだろぉ……?」 もっとも断ることも知らない性分ではあったが、ネクタイを引かれればきっと自分から付けたみえない首輪がそこにある。 貴方の首にもきっと。都合良く絡まないように自分の分のリードを引いてやろうと思う。 「何度も、やられて、たまるか」 噛み付くように口付けを落として、声を上擦らせながら笑ってやった。 体制を変え腰を上げズボンも下着も脱ぎ去りれば、堪えきれずに既に持ち上がっていたものが外の空気に晒された。 先端から透明なものを滴らせる下半身は、毛の先一本まできれいに整えられている。 使用感のない後孔は指が宛が得られればヒクリと疼き、さらなる刺激を待ち望むように、艶めかしく腰は揺らされた。 久し振りでありながらも男の体が快楽を吸収するのは早かった。 圧迫され解される感覚が全て快感にかわれば、どんなに拙い仕草であろうとも甘く声を上げる姿が晒される。 その上で手慣れた動きであろうものならば、想像できない刺激には声を抑える思考もそぞろに敏感に締め付け早めの限界が訴えられた。 「ぁ……んんぅ、ロメオ……もっ、とそばに」 一段と愛おしそうなものを見つめる視線に偽りなどない。 貴方という存在を焦がれ、際限なく欲し甘えていた。 (-414) 2023/09/25(Mon) 19:27:46 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「そ。撃たれても、許しませんけど」 ……薬で死んだって嫌だし、うっかり事故で死んだって嫌だ。 そんな日が来ようものなら、そういう世界の造りに落胆し、 暫くの間は世を儚むことになるだろう。 「なぁんだ、残念……ん、ハハ」 下衣を降ろしたところで、こんな所まで気を使っているのかと感心したものだ。貴方のシャツのボタンの一つ一つを外しながら、丁寧に後孔を解していく。擦って、押し込んで、指を増やして。 その度に上がる甘やかな嬌声は随分耳に毒だった。 もっと聞きたい、もっと自分の手で乱れている姿が見たい。 貴方が、この自分の手で、こんなになって。 頭がぼーっとしていた。自分の鼓動がいつの間にかうるさいことに気が付いた。 「は、」 それを自覚した瞬間に──奇しくもそれは、 貴方のその言葉が聞こえた瞬間と同時で。 「……アハ。挿れます、じゃあ」 ──どっと、限界が来た。きっと互いにそうなのだろう。 自分も下衣を降ろす。もはや自身の準備などいらなかった。 上を向いたそれに手早にスキンを付けて、 「ぁ、はあ、っ…………熱……」 そのまま覆い被さって抱き着くみたいに、ぐ、と腰を押し進めた。ゆっくり、負担にならないように、奥まで。 (-417) 2023/09/25(Mon) 20:02:38 |
【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ「それはお前たちの方だろう。」 「野蛮で。」 「横暴で。」 「低俗で。」 「自分たちの利権しか考えていない。」 かつん。かつん。 その音が嫌いだ。 この男は真面目で善良な警官である。 普段は、こうまで人に言葉の刃を向けることはない。 普段であれば。 「マフィアは抜け道を通るのが上手いからな。」 「正義はどうしても後手に回る。」 「必要な措置だよ。」 先回りのネズミ捕り。 虫が湧く前の除虫剤。 それと同じだ、と。 男は言う。 (-433) 2023/09/25(Mon) 22:19:55 |
【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ「え?オレ達が暴力振るいたいからマフィアやってるって? 非道い事を言うな……オレは嫌いだよ。 拷問とかももうやりたくないね。 好きな奴にやらせたらいいよ、ああいうの」 「それに相手の事を慮る事だってするんだぜ? あんた、固定観念に囚われるタイプ? それとも懐古的?」 べ、と舌を出してみせた。 野蛮で、横暴で、低俗な事を否定する気は無い。 だってそうなのだ。 だからどうした。 「正義……正義ねえ。病気だなあ……」 「正義だの悪だの言う奴は皆病気だよ。固執する奴は猶更。 重病だ。人類の課題だね。母親の臍の緒を通って 子から親に伝染すんだよ。救いようもない……」 かつん。 「遠いご先祖に変態が居たんだよ。 人の行い全てをカテゴライズして広めたプロバガンダ野郎。 それだよ。正義と悪って言い訳といちゃもんつけたい時に すげ〜便利だもんな。それが蔓延しちまった」 かつん。かつん。 「ま、それは治せねえ医者が悪いんだわ。気にすんな。 いつか気にならなくなる時が来るよ」 (-438) 2023/09/25(Mon) 22:35:53 |
ロメオは、生きとし生ける人間は皆病気だと思っている。 (a25) 2023/09/25(Mon) 22:38:58 |
【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオそら見たことか。お前たちはそういう生き物だ。 「はは。」 「したくないことは人に押し付ける。救えない。」 「奉仕の精神って知ってるか?」 この男が人を見上げることになることはそう多くない。 珍しく視線を上げ、顎を上げて。は、と嘲ったように笑う。 つらつらと淀みなく吐き出される言葉はこちらに向いているとすら思えない。何を言っているのかわからない。 頭の病気なのか? 最早哀れだとすら思う。嘲った口の形を元に戻して、今度は尖らせるようにして目を眇めた。 「熱でもあるのか? お前。」 「目障りだ。消えろ。そろそろうるさい。」 「ああ、名前だけ置いていけ。調書を取る時に面倒だからな。」 (-451) 2023/09/25(Mon) 23:22:52 |
【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ「え? 適材適所って知らないの? 作業効率とかもあんでしょ? やりたくない奴が無理やりやるより やりたい奴が生き生きと喜んでやった方が良くね? 警察ってそうなの? 労働環境大丈夫? 拷問やりたい奴は頭おかしいと思うけどさ」 おかしいなあ、と口をへの字に曲げた。 批判したいばっかりで論理的じゃないな。 物事を公平に見るのが警察なんじゃあないのか。 「健康体だよ。お陰様でね。ゴミなのは認めるけど。 別に名乗る程でもないガラクタだし 名前なんか抑えなくても良いんじゃないか?」 嘲笑に眉一つ動かさない。視線のブレすらない。 癇に障る様子も、何もなかった。 「でもあんたの『目障り』になれてよかったよ。 あんたの嫌な思い出になれてよかった」 そう言ってようやく金属音は止まる。 ▷ (-460) 2023/09/25(Mon) 23:44:30 |
【秘】 corposant ロメオ → 幕の中で イレネオ「オレの事、早く忘れな」 ──鉄格子に爪を立てた。力を入れる。下に引く。 キ イ、ィ、 イ、イ イ、ィ。「アハ!」 「そろそろ帰るよ。覚えときな。 正義と悪はこの世にはないが、道理と因果が代わりにある」 ……そうしてやっと、この男は牢の前から動いた。 重たい足音が、聖歌のハミングと共に離れて行く。 勿論名前なんて残していかなかった。 引き留めなければ直ぐに去る。 今の時間は、ただの悪い夢になるだろう。 (-461) 2023/09/25(Mon) 23:45:05 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ「〜〜ッ!! アッ……は……」 貴方が欲してくれている、何処までも傍にいてくれると言ったその言葉に生理的な涙以外の物が零れそうになる。 叶わないと思っていた願いが今だけは手に入っているような気がして。抱きしめ返す腕に力を入れた。 ここに来たばかりの時の弱い抱きつき方とは打って変わって、しっかりと貴方に縋り付いている。 もう昔の幻覚は見えていないし、名前なんてすっかり消えてしまった。 挿れられただけでキツく締め付けられたそこは細かな痙攣をしながらあなたを呑み込んでいく。 その間足の先をぴんと伸ばし浅く呼吸を繰り返す様子は、 熱い飛沫を吐き出すことなく一つの絶頂を向かえていた。 奥まで押し込められれば悦びのあまりうまく声すら上げられなかった。 酸素が足りない、頭が上手く回らない、苦しくて、気持ちいい。 死にそうなほどに、好きで、焦がれて、愛おしい。 「……っ、……好き、だ」 だから、遠慮なんていらない。 そう言ってやるようにまた、キスを重ねた。 (-463) 2023/09/25(Mon) 23:52:20 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「……ッ、あー。ハハ、ハ」 「イキました? いい、ですよ。ゆっくりね……」 強い締め付けに、一度息をするのを忘れた。 意識して吸い込んで吐くのに笑いがこぼれて、 こちらも抱き締める力を、ぎゅうと強めた。 熱い。暖かい。やはり抱き締められるのは好きだ。 気持ちがいい。嬉しくて、もっと欲しい。 「ん、……ふふ。オレも」「嬉し……」 キスを受け止めて、また貴方の頭に手を添えた。 ああ、もっと可愛がってあげたい。愛してあげたい。 この人のうちを自分で満たせばどうなるのだろう? もっと自分の事を必要としてくれるだろうか。 それがいい。そうでなくとも、いい。 手は頭を撫でて、頬を撫でて、また抱きしめて。 「……ルチアーノさんはあ」「オレの事そんなに」 「っ、好き……なんですか?」「は、はは」 ゆるゆると腰を進める。緩やかに抽挿を繰り返す。 貴方にもたらす刺激のほとんどが甘く優しいものだった。 たまに最奥へ押し込んではそのまま止まって、 ぐりぐりと揺らしながら抱き着いて、キスをして。 「オレも好き」だとか、「きもちいね」だとか、 そういった事をほにゃほにゃ耳元で言うのだ。 (-473) 2023/09/26(Tue) 0:24:56 |
【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ耳障りな音。音。音。 それに加えて悪趣味な言葉! 男は口を開いただろう。きっと何か言おうとした。しかし、その前に。 ──── キイ 、ィ 、イ、イ イ、ィ。あんまりに、 耳障りな音! 男は思い切り顔を顰めた。そうして去る後ろ姿から早々に視線を外し、大きく舌打ちをひとつ。 それだけ。 男は全く真面目な警官だ。 仕事の時間になればきっと、全てが切り替わる。 貴方の言葉は、毒にも薬にもならない。 名前は、次の仕事ででも聞きだせばいい。 (-478) 2023/09/26(Tue) 0:32:33 |
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