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【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ「覚えてねえな、まあ悪い夢だろ」 なんだそりゃ、なんて笑いとばす。 いつも通り、なんでもないように。 大きく伸びをすると同時、わざとらしく力こぶを作って見せる。 「いつだって喧嘩できるよーにしてるからな。 カポの仕事じゃ使わんから、まあ、無駄な筋肉なんだが」 あなたは部屋にちらばる乱雑な荷物の中に、トレーニング用のあれやこれやが溢れているのを知っている。 体を維持するために、彼の少ない余暇のいくらかを費やしていることも。 「保護ね。 あいつは巻き込まれてほしくなかったんだがな」 眉をしかめながら、そうだ、とかるく膝を叩く。 「お前が顔だしゃ元気になるさ。 あ〜、うちにあるものなんでも使っていいからな。 鍵開けっ放しだから」 ついに住処まで放りだし始めた。 (-334) 2023/09/22(Fri) 9:22:47 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 渡りに船 ロメオ「本当に……本当に、ひどい……」 「近くで、笑ってるのも……将来の夢を語る姿も、見ていたはずなのに……っ」 あの男にとっては、それすら取るに足らないことだったのか。 何の意味もないただの音に過ぎなかったのだろうか。 自分がスラムにいた時から、臓器売買は行われていたらしい。 幼い頃の私や弟が無事だったのも、きっと運が良かっただけで。 被害がなかったから良かったなんて口が裂けても言えなくて。 頭をあなたの肩にくっつける。肩口をじわじわと濡らしてしまって。 「許せない……」 「許せないの……」 ファミリーの前でさえ、どんな仕事の後であっても。喜怒哀楽の喜楽ばかりを見せていた女の。 絞り出すような、怒りと悲しみの滲んだ声だった。 (-349) 2023/09/22(Fri) 12:16:39 |
【秘】 徒花 テオドロ → 路地の花 フィオレ「ご想像にお任せします。 とはいえ幸い腹は掻っ捌れる前に助かりました」 それが無事だと言うのなら間違いなく、 自分が幸運だったのもやはり違いない。 「……分かってると思いますが。 俺の人格なんかはどうでもよくて、 ここまでの規模、期間の悪質な事件が警察内で起きていたとなれば、一層混乱は広がるばかりでしょう」 「やることが上手くいかなくても、気負わないでとまでは言いません。ただ、……そうですね」 月並みな言葉の一つや二つ、 言おうと思えば幾らでも言えるのだが。 あんたに対してはこれが相応しいだろうと。 「決して枯れないように。 あんたはきっとまだまだ花盛りですからね」 自分と違って、幾多のものを背負うのだろう。 こちらもまた支えくらいにはなりたいと思うのだ。 (-355) 2023/09/22(Fri) 12:55:39 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ濡れた肩口を気にすることも無い。 ただ貴女の哀しみが少しでも収まるまで、 横で寄り添っていようと思っていたのだ。 居たけれど。 「───へえ?」 「なんだ。あんたのそういう声、初めて聴いたよ」 興味深げに目の色を変え、重たい瞼を少し持ち上げる。 ▷ (-425) 2023/09/22(Fri) 21:00:03 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ「そうだよなあ。許せないよな」 「許せないのは当たり前だよ……。 あんたとあんたの大事なもんは踏みにじられたんだ」 「あんたは信じてたのに。そうだよなあ……」 途端に、寄り添い方を変える。声音を変えて囁くように。 「縄張りを荒らされたようなもんだ。 善意を装って付け込まれたんだ。 あんたの大事な場所は、アイツの目には金鉱山か、 家畜小屋にでも映ってたんだろうぜ……」 貴方の肩に腕を回した。悲し気なトーンを持たせた。 いやに落ち着いた声だ。 「オレもスラムには僅かばかりの恩がある。 あんたにはやる事がある。そうだろ?」 「なあ。どうしようか」 「──オレはあんたの力になりたいんだ」 この男は明らかに貴女を焚き付けるような真似をしている。 貴女の言葉の端に感じた火種の──熱のその先を見たい。 その興味と善意を薪にして、貴女の選択を見たがっている。 余計な真似と思われても仕方が無い。こちらが怒りを買っても仕方が無い。 男は貴女の答えを待っている。 (-426) 2023/09/22(Fri) 21:04:50 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 暗雲の陰に ニーノ「ふふ、姉さんは大人になってからチーズに目がないのよっ」 「って言っても全然作り方とかは分かんないんだけど……」 アイスケーキのようなものだから、作れば一緒に食べられるだろうし。 カッサータを持って、笑顔で寄ってくるあなたの姿が目に浮かぶようだ。 今からもう楽しみで。 この世で一番なんて大きく出たなあなんて笑いながら。 楽しみにしてるからね、と笑う。 クロスタータを食べるのも楽しみだな、なんて袋を揺らして。 「頼もしいなあ。 フレッドは立派な警察さんなんだもんね」 「じゃあ、約束」 絶対に助けてくれるはずだ。自分だってそう信じていた。 立派に成長したあなたが、何かあったら助けに来てくれるはずだと。 何かの間違いで、あなたが捕まりそうになったとしても。 その時は自分が助けてあげられると。 信じていた。 ずっと。 「なにからなにまでありがとうね、フレッド」 「貰ったもの、食べたらすぐに感想送るから。楽しみに待ってて」 にっこり微笑んで。また一つあなたを抱き締める。 また次も無事に会えますように。 (-427) 2023/09/22(Fri) 21:05:43 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 路地の花 フィオレ「じゃあ本当にとびきりの作って持っていくから、待ってて?」 貴方の言い方が面白くって、だからくすくすと笑ってしまった。 カッサータはどれくらい作るのが難しいだろうか、今はまだ想像もできないが。 それでも大好きな貴方のためならいくらだって頑張れる。 「そう!オレもう警察だから! 約束できるよ、まだまだ下っ端だけど」 少しぐらいは何かできるはず。 だからそのときはと、約束の一言には小指だって差し出していたことだろう。 昔からの変わらない契り方。 ぎゅっと絡めて、そうして解いて、じゃあって。 離れる前に両腕が伸ばされていた、気付けば貴方の腕の中だ。 「……へへ」 「うん。 楽しみにしてる、フィオねえ」 其処は揺り籠同然の場所で。 恐れるものなんて何もなかったから、ぎゅうとこちらも抱きしめ返す。 子どもみたいに貴方の髪にも少しだけ頬を摺り寄せてから、名残惜しくもじきに離した。 そうして今度こそ手を振って離れていくことだろう。 もう少し夜が深くなれば雨も降り始める日のこと。 その晩に貴方は何かを食べてくれただろうか、メッセージででも感想を伝えてくれただろうか。 だとしても──そこに返るものは、何もなかったのだけれど。 [1/2] (-440) 2023/09/22(Fri) 21:38:51 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 路地の花 フィオレ────こえがする。 暗い牢越しに貴方が名を呼んでも、そこにいるのが本当に"弟"なのかはすぐに分からなかっただろう。 冷たい牢の隅、与えられた毛布に丸まって蹲る人影。 声をかけられてもぴくりと跳ねるだけで、すぐに顔を上げない。 幻聴だと思った。 だってここであなたの声を聞くはずがないから。 ……それでも、その内に。 緩慢な動作でゆっくりと顔を上げる。 泣き腫らし腫れた瞼も、熱で赤らみ汗ばむ頬も、暗くて貴方にすぐ見えるものかはわからない。 「…………ね、ぇさ、ん……?」 けれど貴方を呼ばう声が掠れ切っていて。 聞き落としてしまいそうな程に弱いものだったことだけは、明らかで。 夢かもしれないと思った。 なら夢でいいとも思った。 身体を動かす、それだけで。 走る痛みに喉奥がひきつる。 [2/2] (-443) 2023/09/22(Fri) 21:43:08 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 路地の花 フィオレ/* すみません、お待たせいたしました! まだ最後まで状況は確定しておりませんが、とりあえずはこの程度は……といったところまで分かったのでお返事いたしました。最終的にもう少し酷くなる可能性はありますが、とりあえず、とりあえず…… どうぞごゆるりとお付き合いいただければ幸いです、ねえさん〜…… (-444) 2023/09/22(Fri) 21:43:42 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 徒花 テオドロ「それならよかった。 きっと何事もなかったんだと思っておくわ、今は」 触れられる距離にあなたがいたのなら。 その服を引っぺがしていたところだ。 そうでなくて良かったと思う。あなたにどんな顔をされていたか分からないから。 「そうね、最悪信用もなくなってしまうでしょうね。 私は警察内部の情報に明るくないから、自浄作用って奴があるのかもわからないけど」 「……許せない、本当に」 弟のことを思う。 真っ直ぐに明るく仕事に励んでいた彼をも欺いて、ともすればターゲットにすら入っていただろうことを思うと。 はらわたが煮えくり返りそうだった。 冷静に、この後の街を考える余裕は、今の彼女にはない。 けれど。 「枯れないわ」 「もっと、もっと、綺麗に咲き続けてみせる。 そのためにも……脅かす虫は、追い払ってしまわないとね」 胸で揺れるネックレスにキスを一つ送って、笑ってみせる。 あなたがそう言ってくれるなら、何だってできる気がした。 (-446) 2023/09/22(Fri) 21:55:01 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 黒眼鏡「は、っ、う……ぁ、あっ…」 立てられる水音に、耳を犯されるような感覚。 羞恥が沸きたてられて、余裕が奪われていく。 奥まで責められて、昂った身体は生暖かいそれに的確に絶頂まで追い立てられる。 ひ、と悲鳴のような声が漏れる。 敏感な太ももは大きく震えて、軽い痙攣のような状態が足先までを襲う。 まだ、と思うのに。体位を変えて、快楽を楽しんでいても。 ふと目を向けた先の、あなたの瞳に。 「――――ッ、ぁ、……!!」 刹那、堪えきれなかった快楽の波に身体が跳ねて。 シーツをぎゅうっと握り込んで、背を反らす。 長く、大きな絶頂を迎えて。とぷ、と秘部からはまた愛液がこぼれてシーツを濡らしていく。 間を置いて、くったりとベッドに沈み込む。 息を整えながら、ぼんやり自分だけが達してしまったことを考えてはいるのだが。 「……アレ……」 どうするんだろう、と目を向けた。 (-472) 2023/09/22(Fri) 23:48:15 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 渡りに船 ロメオあなたの言葉を聞きながら、鼻を鳴らす。 涙は止まってくれなくて、嗚咽が漏れている。 肯定された"許せない"。 裏切られたこと、その相手に対する感情が正当であると言われたような気がして。 そして極めつけに。 フィオレという小さな花は、マフィアとして役に立てていない自分に劣等感を抱いていた。 囁くようなその声が、小さな 火種 を炎 に変える。頼りきっている大事な大事な"ファミリー"のあなたの言葉を突っぱねる選択肢なんてハナから存在しない。 この女は、あなたの思惑通りに。 「……逮捕されたら、死んだあの子達は救われるの?」 「違う……そんなわけない」 「……私、あいつを――――ヴィンセンツィオ・ベルティ・デ・マリアを、殺してやりたい」 初めて、明確な殺意を。 憎悪を滲ませたような表情を、見せるのだ。 (-498) 2023/09/23(Sat) 1:17:13 |
【妖】 路地の花 フィオレ私の大事なものに手を掛けていたことを、 今更後悔してももう遅いってこと。 「その身に、嫌ってほど教えてあげる」 路地に咲いた可憐な花は、害虫を排除する食虫花の顔を隠している。 怒りも憎しみも知らなかった頃にはもう、戻れない。 ($2) 2023/09/23(Sat) 1:28:52 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ「 ──いいね! あんた本当に美人だよ……」 肩に回した腕に力を込めて寄せる。 ロメオは途端に笑顔になって、その決断を肯定した。 冷たい憎悪が差し込む貴女のその表情。 そこにはいつもの可憐な雰囲気とは違う、ぞっとするような美貌があった。それが本当に綺麗だと思った。 「その言葉を聞きたかったんだ。 心配するなよ、メインディッシュは勿論あんたに譲る。 それ以外の事は全部オレがサポートしよう。 車、武器、情報、シチュエーション…… できる事は全部やろう」 「上手くやろう。上手くだ。 あんたはできるよ。なんせノッテの人間だ」 「もう正義も悪も関係無い。道理と因果がここにある」 甘言。教唆。それ以外の何物でもない。 しかしそれが相互利益に繋がるだろうと。 「一花咲かせようぜ。フィオレ」 「とびきりのやつをな」 果たして燃え上がった復讐がどんな花を咲かせるのか。 冷たく尖った殺意は、仇の命を狩り取るのか。 それを知りたいがために、貴女の背を押した。 (-506) 2023/09/23(Sat) 1:57:49 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 暗雲の陰に ニーノ誰もいないわけじゃないのは、気配で分かる。 寝ているのだろうかとも思ったけれど、寝息も聞こえない。 今動いたのは、嘘じゃないはずだ。 「フレッド」 一歩近付いてもう一度、呼んでみせる。 答えられないのだろうか。もしかして、やっぱり酷いことをされたんじゃないかって。 泣きそうな顔で。 そうして。 か細い声を、耳が確かに拾った。 小さい子が助けを求める声を聞き逃さないように、耳で音を拾う事をずっと続けていたから。だったのかも。 「フレッド……!」 酷い声。もしかして、また熱を出しているんじゃないのかな。 沢山の心配事が過る。 だっていつもなら、私の声を聞いて。喜んで寄ってきてくれるはずだから。 今は、自分と弟を隔てるものがとても分厚く感じる。 今すぐにでも駆け寄ってあげたいのに。 (-507) 2023/09/23(Sat) 2:01:18 |
【秘】 食虫花 フィオレ → 渡りに船 ロメオ引き寄せられて、あなたの顔を見上げる形になる。 首に腕を回すと。顔を寄せ、頬に口付けを落とした。 「ありがとう、ロメオ」 「私、何でもするわ。だから、教えてくれる?」 手段を選ぶ必要がないなら、今得意なものを使用してもいいし。 逆にもっと手に馴染む手段があるのなら、利用してもいいと思っている。 それも含めて、"殺しの手順"を学ぼうと言うのだ。 ソルジャーとアソシエーテ、直属でないにしろ。 マフィアとして正しい在り方、正しい行動だと思って。 「ファミリーに入るって決めた時から、私は」 「とっくに、正義も悪も捨ててしまっているわ」 そこにあるのは、ファミリーに仇なすかどうか。それだけで。 そのためなら尋問の末に殺すことは出来たのだ。 自分のためにそうすることが、なかっただけで。 だから、きっかけさえあれば。躊躇いもなく、このように。 「最期に、一番綺麗な花を見せてやるのは」 「癪に障るけどね」 それは、毒を吸って成長する食虫花。 かかった獲物は、全身に毒が回って死に至る。 獲物を取り込んで、それは美しく咲き誇るのだ。何よりも、どんな花よりも。 (-514) 2023/09/23(Sat) 2:25:36 |
フィオレは、毒の花を芽吹かせている。 (a20) 2023/09/23(Sat) 2:27:15 |
【妖】 路地の花 フィオレただ一つの懸念は。 「解放された時、私のしたことを許してくれるかな」 大事な弟にも、大事なあなたにも。 自分がマフィアだってことはついぞ告げられないままだ。 嫌われないといいな。 そんな、都合のいい言葉を思って。 ($3) 2023/09/23(Sat) 2:37:14 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 黒眼鏡「悪い夢……」 「 アリソン って人が、夢に出てきたの?」いつもだったら、そうなのね。なんて言って引いていたところだけれど。 こんな場所だから、こんな環境になってしまったからだろうか。 いつもより踏み込んで聞いてしまう。 「喧嘩なんかしないって言ってたのに」 「仕事に使わないけど、もう習慣付いてるからついやっちゃうって感じなの? 私にはトレーニングの良さは分かんないけど…」 力こぶに触れたらよかったのに。あなたの筋肉に触れるのは好きだったから。 鍛えてもらう分には、自分は得するのだけど。 喧嘩には使わないのに、というところはやっぱり引っかかったまま。 「私もそう思うわよ。 何であの子がって、ずっと考えてるわ。本当に保護ならいいんだけど……」 「そうじゃないなら、守ってあげられなかったことを悔やみそうだわ」 会いに行って元気になってくれるなら、とは思う。 「ええ、泥棒はいっちゃうわよ」 「食べ物とかダメになりそうなものがあれば持って帰っとくわ、他は……たまにコーヒーでも入れちゃおうかしら」 放り出すものが豪快すぎる。心配だ……… (-530) 2023/09/23(Sat) 4:09:52 |
【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレわざと音をたて、零れだす愛液を啜る。 太腿に爪をたてるよう、かりかりと刺激し、抓り、優しく摩る。 舌先で、肌で、音と感触。 すべてで情欲と快感を彩って、それでも無理矢理にではなく 体の奥底から誘うように押し上げる。 「………、……」 ──そうして、腕の中で痙攣し跳ねる肢体を、 かき抱くように抱きしめて。 「………はー、………」 あなたの体を、その曲線を確かめるようにゆるゆると撫でて。 …屹立した自分自身をばつが悪そうに、 どうしたもんかと首をかしげて。 「フィオ」 どうしてほしい、とは言外に。 脱力した体をくいと抱き寄せ、自分の腰やら膝に凭れかからせると。 あなたの眼前に、血液と昂奮でぱんぱんに張り詰めた性器を突きつけた。 (-565) 2023/09/23(Sat) 9:50:37 |
【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ「まぁ、出てきたっちゃ出てきた」 ──夢について僅かなりと語るのは珍しい。 「喧嘩な……」 掌をぎゅう、と握って、離して。 「しなくちゃならない喧嘩ってのはある。それをいつでもできるように、ちゃんと鍛えるワケだ」 「それはそれとしてトレーニングは嫌いじゃない。 自分にとって信じられる体を維持するのは、俺にとっては人生みてえなもんだから」 ははは、と軽く笑う。――口許だけ。 その目はぐらぐらと、どこか遠くを見て。 はるか先を見通しながら、その炉に炭をくべ続けている。 牢屋の中で座り込んだまま、 アレッサンドロ=ルカーニオは、どこかへ向けて進み続けている。今も。 「まあ、そういう法だ。捕まっちまったもんはしょうがない。 出てきたあとと――……今のケアをちゃんとしてやれ。頼むぜほんと」 念を押すように頼んで、あなたが頷けば安心したように息を吐いて。 「頼むぜ、泥棒サン。あ、車は危ないから触んなよ〜」 「食べ物は…あ、パン。ホットドッグ用のパン、買ったバッカで放置してんだ。 なんとかしといてくれ、あれ。珈琲は好きにしろ、あんなん誰でも入れられるから。それとだな――……」 ちゃかちゃかとあれこれ、残した食材やらの指示をする。 …どうしてプレーンのパンだけを業務用みたいな規模で仕入れるのだろうか? (-570) 2023/09/23(Sat) 10:08:47 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレグイと引き寄せられた先、 頬に感じた感触に目を細めて「ハハ!」と笑った。 かわいい犬にじゃれつかれたみたいな気分になったからだ。 「いいよ。あんたが知りたい事、なんでも」 「オレが教えられるのにも限度があるけど…… あんた、どこでどうやって殺したい?」 希望があればそれを聞こう。 それに沿った事を教えるのがいい。 直属でなくともファミリーなのだから、 そのくらいの事は喜んで教えよう。 「いいね。そういう人間は好きだ。 正義だ悪だ言ってる奴は皆病気だからな」 機嫌が良さそうにそう言って、 残ったボンボローニを口に運ぶ。 どんな色の花が咲くのかが楽しみだ。 花は咲き続けるのか、それとも──咲かずに終わるのか。 「ま、まずは奴さんがムショから出てくれねえとな。 牢屋の中の人間をやるにゃ骨が折れる」 (-574) 2023/09/23(Sat) 10:27:07 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 路地の花 フィオレ名前が幾度も呼ばれている。 鉄格子越しに貴方の姿が見える気がする。 声が聞きたいと、姿が見たいと願うばかりに見ている夢か。 だとしてそれでもよかったから。 近づこうとした。そのために立ち上がろうとした。 熱が収まらないから足に力が入らなかった。ならば這い寄ろうとした。 手錠に繋がれた両手を地面について、そのまま。 ──ズキリ。 「ぃッ」 刹那走る痛みに声を詰まらせて身体を折る。 情けなく地に一度伏せ、それでもと求める場所へ寄ろうとする。 もう少し光の届く場所へ、その体躯が辿り着いたなら貴方にも見えるだろうか。 薄汚れてはいるが酷い外傷はあまりない──ひとつを除いて。 右手の甲が腫れ上がり、 ちいさな穴が開いている 。その腫れ方から骨が割れているのだと、人より傷を見たことがある貴方なら理解できるだろうか。 「……ねえ、さ、ん」 [1/2] (-580) 2023/09/23(Sat) 10:50:48 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 路地の花 フィオレ──会いたかった、会いたかったな。 貴方を見上げた。泣きじゃくり続け濡れた瞳で。 ──ずっと考えてたんだ、オレの悪いこと。 今のこの状況を、迎えるに相応しい己の悪事はなんだろうと。 熱に浮かされ朦朧とした頭で考え続けたらいくつか出てきた。 そのひとつをだから、貴方に会ったら、言おうとして。 「……ご、めんな、さい」 これが今までの罰だとするなら、ほら、帳尻が合うだろう。 「ごめん、なさい」 思い出す。 この世の掃き溜めの隅。 だれもいない場所で歩けなくなった日のこと。 目が覚めたら暖かなベッドの上にいたこと。 ──連れ出された新たな場所には、あなたがいなかったこと。 「オ、レだけ、ひろわれて、ごっ、めんなさ、ぃ……」 燻る罪悪感は今になってその重さに耐えきれなくなったように。 頭を垂れた、許しが欲しいんじゃなかった、ただどうしても謝りたかった。 壊れた涙腺がまたはたはたと涙を零したけれど、もうそれもよくわからなかった。 [2/2] (-581) 2023/09/23(Sat) 10:52:34 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 暗雲の陰に ニーノほら、寄ってきてくれる。 いつもみたいに、明るい笑顔で。 笑顔、で。 ────何が起きているのか、すぐには理解できなかった。 涙に濡れた顔が痛みに歪んだことも。 熱に浮かされたような表情も。 腫れ上がった右手も。 なんで、と。ただ声がこぼれ落ちた。 「何、言ってるの」 謝らないでよ、と声が上擦った。 あなたが暖かい場所で拾われたこと、スラムで過ごしていた時よりもずっと肉付きもよくなって。安定した生活が送れていたこと。 全て、自分のことのように嬉しかったのだ。 自分が拾われなかったことを、恨んだことなんて一度もない。だから。 「謝らないでよ…っ、フレッドに謝ってもらうことなんて一つもない…!」 笑って安心させてあげなきゃいけないのに、涙があふれて床を濡らしていく。 (-588) 2023/09/23(Sat) 11:17:27 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 路地の花 フィオレ/* 突然、PL連絡にて失礼いたします。 四日目時空にてロールを送りたいのですが、三日目の秘話はあちらで〆になってよろしいでしょうか? 返し忘れかはたまた終わりかを見極められず連絡させていただきました。お忙しい所すみません! (-589) 2023/09/23(Sat) 11:19:46 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 口に金貨を ルチアーノ/*あ!すみませんご連絡ありがとうございます…! 返したつもりでおりましたが確認したら返せていなかったので、後ほど〆の秘話送らせていただきます!申し訳ないです…! 夜まであまり動けないのですが、並行で4日目時空送っていただいて大丈夫です。 お手数おかけしますが、よろしくお願いいたします…! (-592) 2023/09/23(Sat) 11:31:19 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 路地の花 フィオレ聞こえる声が涙で滲んでいる。 ゆっくりと上げた顔、移る視界に貴方の涙が雨のように降っていた。 なかないで、とおもった。 いつもそうしてくれるみたいに、だきしめたかった。 望みはなにひとつ、この場で叶うものではないのだけれど。 「……ね、ぇさん」 「ごめんなさ、い」 出来るのは案じてそう呼ぶことだけ。 己の謝罪で泣かせてしまったことを……また謝ることだけだった。 そうしてその頃になってようやく──夢ではないのだな、と理解する。 ああ、ならば。 「……ぁ、……にげて」 アレッサンドロ・ルカーニオはノッテ・ファミリーの幹部。 既にそれを知っている男は、もうひとつの予想もとうに付いていた。 きっとあなたも。 「つかまっちゃう」 「オレ、だいじょうぶだから」 あんな拷問を受ける姿を想像したら、ぞっとしたから。 「ねえさん、ここ、早く出て……」 (-617) 2023/09/23(Sat) 13:41:23 |
【神】 路地の花 フィオレいつかの時間。 アジトの会議室に、山ほどのホットドッグ用パンを置きにきた。 具材はない。パンだけだ。 『ご自由にどうぞ』 (G22) 2023/09/23(Sat) 14:57:10 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 路地の花 フィオレ多くを震撼させたニュースが出回った日。 姿が見えなくなった上司は貴方に連絡をしていた。 その登録されていないメッセージはやけに遅れて届いてしまっただろうか。 『明日日が昇ったら、何があってもこの俺に会いに来い』 『愛しの上司より』 姿をくらました彼への会い方は少し厄介かもしれない。 情報の少ないその電子文にまだ書かれていたのは一つの店だ、そこに行けば会えるのだろうか。 (-676) 2023/09/23(Sat) 19:33:25 |
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