263 【ペアソロRP】配信のその先に【R18/R18G】
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
[ソウマくんは、
そんなこと訊いてどうすんだよって
突っぱねたり笑って流したり
不機嫌になったりしない。
茶化さないで、穏やかな声で
まっすぐに私の話を聴いて
ひとつひとつ丁寧に、
ちゃんと言葉を返してくれる。
それどころか、
ソウマくんから見たら
とことん素性の知れないだろう私にも
目を合わせてふわっと微笑みかけてくれる。
幸せすぎていっそ怖い。
うっかり『え、好き』とか
真顔で口走りそうな自分も怖い。
ていうか既にもう何回か言いかけてる。
さっきだって言いかけた。
……やっぱり優しいな、ソウマくんは。
家で好き放題に愛を叫んでいたのが
申し訳なく思えてくるくらいに。]
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素敵、ですか……!? そんな風に言ってもらえたのは初めてです ふふ、嬉しい
ソウマくんのとっておきは これから見つかるのかもしれませんね! 見つけたら、教えてくださいねっ
[もし私の本性を知ってしまったら、 こんな風に微笑みかけてはくれないでしょうね。 今こうして向かい合って食事をしている最中でも 本当は、美しいコースのディナーよりも それを口に運ぶ人の方を見つめていたい。
隙あらば写真に収めてこの時間を永久保存したい。 料理の写真を撮るふりをして撮れば、 なんて考えなくもなかったけれど……
だめだめ、今夜の私は淑女でいるの。 第一印象は大事よ華音。 万が一ソウマくんに嫌われでもしたら 文字通り生きていけなくなるわ。]
(22) 2024/05/23(Thu) 20:49:13 |
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ピアノのお話も、それ以外のお話も 今夜はぜひたくさん聴かせてください! ……あっ、もちろんソウマくんが お嫌でなければ、ですけど……!
[失礼があっちゃいけない。 ベストを尽くしたい。
間違っても 「きゃーーーっっもしかして今 照れてくれたの!!?!!?!??」 などと声に出してはいけない。 終わる。人生が。
ソウマくんが望むことならなんだって叶えたい。 話より先に、と彼が言うのなら 素直に肯く以外の選択肢は最初からない。]
へっ……? 今日からは……?? そ、それってどういう意味で
(23) 2024/05/23(Thu) 20:49:29 |
| [意味深な一言を添えられた上で 運ばれてきたのは、 話題に挙げたばかりのお料理。]
えっ、うそ! ラザニアだ……!! さっき話したところなのに!? わ〜〜〜!! 嬉しいです!! すっごく!!! えへへ お言葉に甘えて、 熱いうちにいただきますね!
[とっておきの日の象徴たるラザニアに 美味しい白桃ジュースに テーブルを挟んだ向かいに大好きな人。]
はふっ……む…… ──美味し〜〜〜!!
[私の夢を具現化したような現実に、眩暈がする。]
(24) 2024/05/23(Thu) 20:49:41 |
| [熱々のお皿に手が触れてしまわないよう 気を付けつつナイフを沈ませて、 ひとくち口に運んではソウマくんの方を見た。
ねえ、さっきのってどういう意味ですか? ソウマくんも同じ気持ちでいてくれてる……って 少しは期待しちゃってもいいんですか?
盆と正月と誕生日がいっぺんに来たとしても ここまでの感動を覚えなかったと思う。 今日は私にとって生涯忘れられない日になる。 間違いない。]
しあわせ…… ソウマくんと一緒にラザニアを 食べられる日が来るなんて……! 夢を叶えてくださって ありがとうございま……
[すこぶる上機嫌で美味しいラザニアを 三分の二ほど食べ進めた頃だった。]
(25) 2024/05/23(Thu) 20:49:50 |
|
……っ、…………??
[ぐらり、と。 唐突に、瞼が重くなった。]
(26) 2024/05/23(Thu) 20:49:56 |
| (……、なん……で…………?) [必死に欠伸をかみ殺そうとしても 冷えたジュースで身体を叩き起こそうとしても、 抗おうとすればするほどに押し寄せてくる睡魔。 退屈な授業中や暇で仕方ないバイト中でも ここまでの猛烈な睡魔に襲われたことはない。 ましてや生身のソウマくんを目の前にして この私が眠ってしまうなんて有り得ない。 有り得ない、のに──…… 瞼はどんどん重くなる。] ごめ、なさ…… なんか、……急、に 楽し、のに…… わたし……ど……して………… [ふっと全身の力が抜けてがくんと頭が落ちた。] (27) 2024/05/23(Thu) 20:50:39 |
[昨日ちゃんとベッドで寝なかったから?
白桃ジュースを二杯も飲んでしまったから?
久しぶりにラザニアを食べたから?
ソウマくんに逢えて、安心したから?
ちゃんと昼寝しておけばよかった。
ううん、今日だけじゃなくて
普段からもっとしっかり寝ておけばよかった。
ソウマくんともっと一緒に居たいのに。
話したいこともまだたくさんあるのに。
どうしよう、身体に力が入らない。
目が開かない。]
| ソウマ、く………… [身体ごと椅子から崩れ落ちそうになった瞬間 誰かが抱きとめてくれたのを感じた。 最後の力を振り絞って瞼を抉じ開け 我が身の置かれた状況を察すれば] [意識は強制的にシャットダウンされた。*] (28) 2024/05/23(Thu) 20:51:20 |
|
……幸せそうに召し上がりますね
[ラザニアを美味しそうに頬張る彼女ほど 愛らしいものがこの世に存在するだろうか。 居やしない。 こちらまで幸せな気持ちになって、 いつまでも眺めていたくなる。 暫く見惚れてしまってから、 思い出したように自分も手をつけた。]
本当に、美味しいですね
[一番上のチーズはこんがり焼けているし 平たいパスタと二種のソースが何重もの層になっていて 料理に明るくない自分でも手間のかかるものだとわかる。 祝い事のたびにこの一皿を用意されてきた彼女は ご家族に大切にされていたのだろうと想像した。] (29) 2024/05/24(Fri) 16:31:01 |
| [互いの誕生日だとか、クリスマスだとか、 先の祝い事は二人でこの料理を頂こう。] 夢だなんて……、どうかしましたか? [ そう、夢は覚めるものだ。 ラザニアを半分ほど腹に収めたところで 彼女の方には異変が生じた。 どうやら効いてきたようだ。 膝に載せていたナプキンをテーブルに戻し 椅子から立ち上がる。 彼女の肌に火傷などさせられないし 彼女の髪を料理で汚させるわけもない。] (30) 2024/05/24(Fri) 16:32:02 |
| [彼女は何ひとつ悪くないのに謝罪を口にする。]
……いいんだ、抗わなくて
[暫くおやすみ、俺だけの眠り姫。] (31) 2024/05/24(Fri) 16:33:02 |
| [崩れ落ちそうになった身体を腕で支え そのまま横抱きに抱え上げた。 羽根のように軽くて吃驚する。 長い睫毛が伏せられた寝顔は美しい。 本当に物語のお姫様みたいだ。 ……などと間近にある顔を無遠慮に眺めていると 不意に目蓋が開いて。] えっ [いや、気のせいか? 目蓋が開いて目と目があった気がした。] (32) 2024/05/24(Fri) 16:33:26 |
| [規則正しい寝息が聴こえる。 家族に大事にされてきただろう彼女は 今日から自分がそうするのだ。]
……連れが体調不良のため 料理の途中ですが失礼します
タクシーの手配をお願いできますか?
[惜しまれるのはドルチェまでいけなかったことか。 ほかのどの祝いの投稿よりも嬉しかった 桃のパンナコッタを再現して貰っていたのだけれど。 "暁ソウマ"のその先の己を知ったなら 彼女はもうきっと作ってくれないだろうから。] (33) 2024/05/24(Fri) 16:36:08 |
[それでも良い。
きみにどう思われても構わない。
誰に狂っていると糾弾されようと
自分の愛し方で愛するだけ。
それが正しいと信じているから。]
華音……、俺だけの華音
愛
しているよ──……
[目蓋にそっと口づけて、
城とも監獄とも呼べる自宅へ彼女を連れ去った。**]
[愛とか、恋とか、よくわからなかった。
ソウマくんに出逢うまでは。]
[小さな頃から、はっきり言って
私は要領が良くはなかった。
私には3つ年上のお兄ちゃんがいる。
お兄ちゃんは私とは正反対、地元では
勉強でも運動でも右に出る人はいなかった。
私が数時間かけても理解できないような問題を
お兄ちゃんは、ものの数秒で解いてしまう。
私が一つのお手伝いを熟そうとする間に
お兄ちゃんは手際よく十を終わらせてしまう。
明るくて、友達も多くて、よくモテて
いつだって誰かに囲まれて笑っていた。
対する私は、泣きながら努力しても
お兄ちゃん以上になれるものは
ひとつもなかった。
年齢を重ねれば重ねるほどに
ケンカでも敵いようがなくなった。
そして、何一つ敵えない私を
お兄ちゃんはいつも小馬鹿にしていた。]
[『気にしなくて良いのよ、華音。
華音には華音の良いところがあるんだから』
ママはそう言って私を慰めてくれた。
一方で、
テストの成績でも運動会でも
褒められるのはいつもお兄ちゃんの方だった。
『お兄ちゃんは何でもよく出来るのにねえ』
『華音ちゃんは可愛いから、
ただそこに居てくれるだけでいいんだよ』
そういう台詞も、聞き飽きるほど聞いた。
遠回しに『役立たず』って言われてる気がした。
悔しくて、情けなくて、惨めで
言われる度に躍起になって、
でもひとつとして満足に身に付かないうちに
お兄ちゃんはどんどん先に行ってしまう。
ラザニアが好きなのは、こんな私でも
大切にされてる、って思わせてくれたから。
刻んで、煮込んで、重ねて、焼く。
幾重にも積み重なる手間暇を微塵も惜しまずに
私のためだけに懸けてもらえる時間が嬉しかった。]
[お兄ちゃんに勝ちたい。見返してやりたい。
ただそれだけの理由で受験した
お兄ちゃんの高校よりもレベルの高い高校。
私が合格した同じ年に、
お兄ちゃんは大学受験に失敗した。
そのまま、部屋から出て来られなくなった。
家では口は悪いし下品だし手も足も出るし
私の楽しみにしていたおやつまで食べちゃうような
最低の兄だったけれど、
どんなに馬鹿にされても
どんなに羨ましく妬ましく思っても、
心のどこかで尊敬もしていた。
だって実際、お兄ちゃんは凄かった。
頭が良くて足も速くて
話すのも、教えるのも上手かった。
自分の勉強も大変だったろうに、
私の勉強を見ようとしてくれたこともあった。
ずっと勝ちたいとは思っていたけど、
あんな弱りきった姿を見たかったんじゃなかった。]
[無理を押して入学した高校では、皆が皆
それぞれの夢にまっすぐ向かって
毎日真剣に勉強をしていた。
入学当初こそ名前も知らない先輩たちに
立て続けに告白されたりもしたけれど、
誰も私自身の話を聴こうとはしてくれなかった。
勉強ができないと、会話も続かない。
そのうちに飽きられて相手にされなくなった。
ついていくだけで精一杯だった私は、
自分の本当にやりたいことが何なのか
何もわからないままで三年間を過ごした。
他の何を捨てたって
全てを懸けたいと思えるようなもの。
そんな熱い想いを抱けるもの、
私には何もなかった。]
[ただなんとなく、毎日を過ごして
先生に勧められるままに大学を択んで
流されるままに一人暮らしを始めてみれば、
大学ってのは、やりたいことがないと
どこにも居場所が見つけられない。
生きていても死んでいても
変わらない毎日が淡々と通り過ぎていく。
くだらない色恋話が飛び交う大教室の中で
私ひとりが消えたって何の問題もない。
……なんか、疲れちゃったな。
私が何をどんなに頑張ったって
どうせなんにもならないんだから。
今日を終わりの日にするなら、
最期はピアノを聴きたいな。
パッヘルベルのカノン。
何も考えずに無邪気でいられた
あの頃に帰りたい。
動画を検索していて偶然見つけたのが、
ソウマくんのチャンネルだった。
配信を聴き始めて数秒、自然と涙が零れた。]
[一体どれほどの時間をピアノに注ぎ込んだら
一度も間違えないで、左右で違う指を動かして
こんなに綺麗な音が出せるようになるの?
凄く努力家で忍耐力もあって、
頭も良くて孤独にも強いんだろうな。
私とは大違い。
ピアノが好き……、なのかな。
でも何だろう、うまく言えないけれど
少しひんやりしていて硬質で
楽しそう、とは少し違うような……
鍵盤に向かう表情からは何も読み取れない。
ねえ、貴方は
完璧を求め続けて苦しくはないの?
毎週金曜日に生配信をしているらしい。
また来週も配信があるのなら、
もう少し頑張ってみても良いかなと思った。
翌週、初めて生配信を観た。
ピアノに向き合っている彼の姿を観て、
止めようとしていたはずの心臓がひどく高鳴った。]