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人狼物語 三日月国


75 【身内】星仰ぎのギムナジウム【R18G】

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進み続ける。手の中にあるものを、優しく、そして確かに握り締めながら。

スピカの望む答えは出せない。

けれど、そこにいる彼女を"一番星"だと思っている。

深夜、一つの復讐を終えた。少なくとも、自分はそう思っている。


「イクリールみたいな子が、苦手になったのもそのころかなぁ……」

一区切りついてしまった恐怖、ああけれど。

これから
「こっちは……これからのいえないこと。いったら。
 
ルヘナ僕らのこと、
じゃあ
って、置いていっちゃいそうで。


「……兄さん、この体がカストルなのは、間違いないんだよね、だったら」

「今まで悩んできたけど、さ。僕らは、どうやっても死ぬ間際には二人でいられるから、死ぬのは恐くなかったんだ。でも、今は別。元々の僕らなら、まず」

「僕らが、この環境を許すはずがない」


ここにいるから。息を吸い込んで話をつづける。

 シェルタン
「死ぬつもり、だったんだけどな。
 内通者も見つからなければ、ぼく自身も隙だらけだった。

 ……なあ」

連れていかれたこと、それ自体は自分も気にしてはいない。
思っていたよりも、というだけだが。

所在なさげに、手袋の嵌った手を近くの床に滑らせる。

「……"治療"するっていうのは、本当だったんだな。

 ああ、あいつらは何でも分かってたんだ。そして、ぼくたちの望む望まないに関係なく治療を行う。そういう場所なんだな、ここは」

分かっていたはずなのに。今更、理解してしまって。

スピカをまた傷付けた。

それでも、"特別な望み"が叶う日が来るのを希う。

 カストル・ポルクス

 自分が誰かを置いていくことは、ない、とは言い難い。
 だからそちらに対しては沈黙のみを答えとして、
 あなたの言葉の続きを聞いていく。

「お前の身体は間違いなく『カストル』のものだ。
 『ポルクス』の肉体は……病院にあるはずだな」

 以前大人達が聞いているのを盗み聞いてしまったのか、
 それとも何かしらの書類を盗み見てしまったのかは覚えていない。
 けれど、
 
『ポルクス』が過去の事故以降『植物人間』で病院にいる

 その事実を自分は知っていた。

 あなたがカストルを『ここにいる』というのなら。
 自分もその前提で話をしよう。

「……行くのか? 
『ポルクス』を取り戻しに
」 

ルヘナの腕の中で泣いている。

シトゥラは、アルレシャに      と伝えた   
(a52) 2021/05/31(Mon) 23:06:37

シトゥラは、レヴァティに頼み事をした
(a53) 2021/05/31(Mon) 23:07:38

シトゥラは、深夜、   に手を伸ばしてる、『      』
(a55) 2021/05/31(Mon) 23:11:49

深夜、血に濡れた棒を焼却炉に投げ捨てた。

シトゥラは、深夜、血の中に沈んでいる
(a57) 2021/05/31(Mon) 23:17:00

シトゥラは、一刻も経たずにその場から消えていた
(a59) 2021/05/31(Mon) 23:17:42

徒然 シトゥラは、メモを貼った。
(a66) 2021/05/31(Mon) 23:30:07

メモを貼った。

決心をしたようだ。

メモを貼った。

図書室を去っていく。そこにスピカを置いて。

ルヘナを笑顔で見送った。

メモを貼った。

誰もいない図書室で、もう一度泣いた。

誰も居ない部屋の前を後にした。きっと、良い子の『悪い子』との約束を果たせる明日を探しに行こう。

図書室から立ち去った。


「……――――」

 図書室からゆっくり離れていく足は次第に早くなり、
 最終的にはどこまでもどこまでも駆け出していく。
 誰かに会いでもすればその走りも止まるだろうが、
 よく慣れ親しんだ人気のない道ばかりを足は選ぶ。

 ……息を切らして、壁に手をついて、崩れ落ちる。
 ひゅうひゅうと鳴る喉が苦しさを訴え、
 はくはくと開かれる口が酸素を求めている中で、
 零れ出した言葉は、

 「ありがとう」

 の一言だけ。

想ってくれてありがとう。
救おうとしてくれてありがとう。
諦めないでいてくれてありがとう。
そのどれもが自分勝手で、
より彼女を傷付けるとわかっていて、
それでもやめろとは言えなかったものばかりで。


 自分の望む救いが訪れるまで、まだ呼吸が続けられる。
 まだ呼吸が続けられるし歩いて行ける。
 まだ、続けられる。
 まだ。

「……よし、」

 俺は、まだ、待てる。

まだ、『いない』。それでも確かにここにいる。

"その時"を待ち続ける。いつもたらされるものかもわからずに。

ギムナジウム中を巡る。見付けなければならないものを、捜し人を求めて。

イクリールから、  を、震えを隠しもできないまま受け取った。

 シェルタン
「……お前が嬉しいなら、良かったのかもな。
 だけど、ぼくは…………、……ぼくは、怖いんだ。

 これから先、どう生きていけばいいのか。今のぼくには……分からない」

ずっとずっと、覇気がない声になった。
迷子の子供のように、酷く不安げで。

「死んだってしたくなかったことを、させられて……結果的に満たされて、……本当に嫌な場所だ。治療が成されるのが本当だと分かっても、ぼくは…ここが、嫌いだ。

 シトゥラも言っていたが、本当にぼく達が変わればここは変わるのか…?」

 ポルクス

「そ、っか」

 ……友人の、友人の完全な『死』を聞いて。
 思わず漏れたのは本当にそれだけの返答だった。

 カストルの精神が死に、ポルクスの肉体が死に。
 歪な彼らは、本人の望まぬ形でひとつになってしまった。

「……完治おめでとうとは言わない。それだけは絶対に言わない。
 それで、『お前』を取り戻しに行けないのなら、ポルクス。
 お前はこれからどうするんだ」

 問いの示すものはなんでもよかった。
 ギムナジウムに残るか出ていくのか、園芸部をどうするのか、
 明日は何をして過ごすのか、
 飲み終わったお茶のカップをどうするのか。

イクリールから受け取った  を開いた。


 それは夜の帳が下りて暫くした頃のことだった。

 恐る恐る目を通した  は、    からのものだった。
 緊張しながらそっと目を通した  の一文目を見た瞬間、
 『いなくなる』前に交わした約束を彼が
 律義に守っていてくれたことが分かって、少し笑ってしまった。
 彼が自分を見てくれていたからこその精度の高さに
 やはり彼は尊敬に値する人物だと認識を改める。

 そこから更に目を通して彼の考えの一端に触れて。
 ――ある一文を見た瞬間、もうそこにはいられなかった。

 走り出す。『いなく』なった自分がずっと『見て』もらうことを待ち続けた彼のもとへ。

図書準備室へと走る。


 そうして、非力な自分で駆け抜けて、
 ローブの重さにこの時ばかりはもどかしさを感じて、
 ようやくたどり着いたその場所に駆け込む。
 通常の生徒であれば入る機会のないこの場所に
 こんな時間にいるのは、
 あの手紙の差し出し人だけだと思ったから。

「――シトゥラ!」

【人】 徒然 シトゥラ

>>ルヘナ
>>+45 >>+46


 
シトゥラの姿はそこに無かった

 だがここで交わされたいくつもの話を
 あなたは覚えているだろうか
 好きな本のはなし、まだ読んでいない本のはなし。

 ずっと知識だけを追って人に興味を持つことも多くなく
 ただ、異変が見えるとすぐに調べたくなるような
 ちょっと奇妙な知識人達がここにいた。

 誰かが座っていた椅子、一冊の冊子がある。
 委員の交換日記がわりにされる日誌には、
 当番の名前やおすすめの本、
 時々落書きが書かれたりしていて
 真面目にやっている人間とそうでない人間がよくわかる

 座っているだけでいい委員で、
 普段から図書館にいるルヘナやシトゥラは
 格好の当番の押しつけ役になっていただだろう。
 まったく二人とも文句を抱いていなかったのだが。

 冊子を覗くと、折られた紙が挟まっていて
 一枚の絵が、ルヘナが本を読んでいる姿が描かれていた。
 触ると指に黒い粉末がつき、時間がたってないのを思わせる
(45) 2021/06/01(Tue) 5:01:27


 うんうん。なるほどポルクスらしい選択だ。
 ……と思ったのはついさっきまでのことで、
 それから滝のようにあなたの口から飛び出していく言葉の密度と
 ところどころに生じているツッコミどころの多さに
 何も言えなくなった。

お嫁さん……?養う……??家に無理やり……???

 
言えた。やったね。


「……とりあえず、俺はお前達の嫁にはならないのと、
 お前の教養レベルは間違いなく高いのと?
 養われるつもりがないのと……ふむ。
 俺は俺の自由に動かせてもらいたいよ、ポルクス」

 愛の重さも執着の重さも知っていたが、
 これだけ具体的展望を語られてしまうと
 ほんの少しだけでも修正したくなってしまう。
 自分が愛を向ける先がもう決まっているから、というのもある。

 ……そんなちょっとしたことはともかくとして、
 彼の語る展望の姿を、自分は少し見て見たくなって。

「何かを始めることに遅いなんてことはないさ。
 俺達はここで多くを学び成長していく子供だし、
 卒業までいるならあと4年もある。色々変わっていけるはずだ」

 自分が誰かを想うことができたように。
 自分が誰かに想われることができたように。

 シトゥラ

「いない、……っは」

 息を整えながら入るその部屋は、
 自分達にとってとても馴染み深い場所だった。
 多くを語り多くを学び、舌の上に乗った本の名前は数え切れず。

 そうして知識を追い求めた者同士の、
 互いの知識欲を認め理解しあった者同士の、
 思い出ばかりが真に溢れた部屋。

 日誌に書かれた本の名前とその内容がほとんど思い出せるほど、
 自分達二人は多く目を通していたことだろう。
 図書室に住んでいる、という言葉も過大評価ではなく、
 普段からいる自分達はある意味ここの名物だったかもしれない。

「ふふ、……?」

 冊子に挟まれた紙を見る。
 そこに描かれた者と描いた者との関係性を思えば笑みが漏れ、
 愛おし気に指がその上を滑る。
 ……描いてそこまで時間が経っていないが故の黒が指を汚して。  

【人】 徒然 シトゥラ

>>ルヘナ 

バサバサバサバサ…ドシーーーーンッッッ
キシキシキシ

(扉の外で本がなだれ落ちて雑誌用棚が地面に引き寄せられるように倒れ床がきしんだ音)

うわ


 轟音と小さな声が夜の静寂響いて目の前の扉が開かれる。
 シトゥラは、そこに立っていた。
 そしてあなたと前髪越しに目が合い、――――手を取れば部屋の少し奥、入り口からは死角にになるような場所に二人で座り込むことになるだろう。

「……ルヘナが来たから隠れて慌てて帰ろうとしたんだ。
 そうしたら―――
大惨事
になった。
 大人が来たら嫌だから少し隠れていようか」

 一体何をしているんだ、この最高学年は
(46) 2021/06/01(Tue) 6:05:32
 シトゥラ

 突然の轟音に思わず肩をすくめて驚いてしまう、が、
 そこにいたあなたの存在が、
 あなたが自分を『見て』くれたことが、
 本当に嬉しくてくすくすと小さな笑いが零れた。
 手を引かれるままに向かう先が容易に想像できてしまったのも
 やはりこの部屋で過ごすのに慣れていたからだろう。
 大人しく座り込んだ後、あなたに握られた手をこちらからも
 握り返して逃がさないように捕まえる。

そもそもどうして帰ろうとしたんだよ

 あんな手紙寄越しておいて俺から逃げるな、シトゥラ」

 大惨事を引き起こしたあなたに追い打ちをかけるように
 はっきりと文句を垂れるあたりも含めて
 (小声で話しているという点はあれど)至って普段通りで、

「……俺は俺のままだから、ちゃんと『見て』くれ。
頼む


 けれど、そう告げる時だけはほんの少しだけ不安が滲んだ。

くしゃみをした。

【人】 徒然 シトゥラ

>>+49 ルヘナ

「帰っ……明日"以降"に会わないと、
 覚悟が鈍りそうだから、誰とも会うつもりがなかったんだ
 …大人に怒られる用事があってさ。
 巻き込まないようにしていた」

 恐る恐る少年に手を伸ばして頬に触れれば
 よかったと小さく言葉を小さく漏らす

「ルヘナは、あれから変わっていない……そっか。
 『見』る、なんてはじめて、
 どうして不安そうなんだルヘナ。大人になにか言われた…?」

 明確な見ないふり、
 大人の指示でやっていたし変わってしまったかもしれない
 あなた達を見たくなくて、本当に目を閉じてきた。
 同じクラスメイトでも、幼い後輩でも、友達でも、
 それがシトゥラに求められた"いい子"であるから。例外はない

「慌てて、声を荒げてルヘナらしくもない
 …まるで数日前みたいだ」
(47) 2021/06/01(Tue) 10:18:08
 カストルとポルクス

「……うん。ありがとう、ポルクス」

 あなたたちは狂っているが頭がいい。
 ……狂っていたが、頭はいい。
 自分の言葉の意味だってきっと分かっていて。

「俺がなりたいものになれるかは、ちょっと分からないけど」

 それでもこうして受け入れてくれることの優しさと、
 あなたたちの好意を利用してしまっている後ろめたさで、
 ほんの少しだけ眉が下がった。

「お前達のことを見捨てることはありえない。
 俺だってお前達とのお茶会は好きだし、二人とも大切だ。
 変わろうとするのならなおのことだ、
 どう変わっていくのかについて興味がある。
 ……これからもよろしくな」

 時間が来るまで。
 時間が来てからも、道が完全に分かたれるまで。

森の近くを歩く。

「あ、看板残ってる、よかった」

わざわざ、口に出して言う。
それは彼女が考えた決まり事の一つーー口に出すこと。
そこにいる、と主張するために。

ほとんど日にちは立っていないのに、
色々あったなあと思い返す。
突然大人に呼び出されて、
殴られて、他にも色々されて。
恋をして、失恋して。

「あっ……まずいまずい」

意中の相手のことを考えてたら泣きそうになったので、
慌てて思考を切り替えた。

「いない人に目を向けようとする人も増えたもんね」

こっそりと『見る』、それでもいいのだ。
それは確実な一歩だから。

しばらく、森の近くを散策しているだろう。

 シトゥラ

「そうだ、俺はそのことについてもお前に聞きたかったんだ。
 イクリールと食事ができなくなる、とは穏やかじゃないな
 ……明日"以降"に何がある?」

 恐る恐るといった様子で伸ばされた手を受け入れた頬に
 いつかのように少し擦り寄ってもあまり表情は晴れない。
 ――――明日"以降"には何かがある。
 その"何か"の内容が読めない。分からない。不安だ。

 そういった不安の蓄積があったからこそ、
 数日前を思わせる問いについても隠し事ができない。
 あなたと離れた時間だけでも多くのことがあった。

「……
少し、大人の甘言を飲みこみそうになりもしたけど

 結局のところ、『いなく』なってからの俺も、
 ほんの少し『知る』ことに恐れを抱いただけで、
 貪欲であることに変わりはなかったんだ。

 お前が無事であることを願いながら他のヤツに協力する。
 お前の味方だと言いながら友達の願いを応援する。
 相手が傷付くと分かっても手を放すことができなくて」

 俺は何人の好意を受け取ろうとしなかったんだろう。

「ああ、でも……そのおかげで自覚できたこともあって、
 それがこの不安の原因だけど悪い感情はないんだ。
 単純な話だ、お前に何もかもが届かなくなってしまうのが
 怖くて仕方ない。
お前のこと、好きだからな

サルガスを探している。

【人】 徒然 シトゥラ

>>+52 >>ルヘナ

「いつもの、ルヘナに聞こえる。
 なにか落ち込んでいそうだが」

 あなたのいつもを詳しくも知らない。
 知るためならなんだってする、
 何でもかんでも一口かじるそんなイメージだろうか。

ボクだってあなたのことが好きだ……?

 みんなが変わってしまって忘れてしまうことが嫌だった、でももしかしたら思ったよりも早く見れることもあるのかもしれな、いから希望は持ててきて……」

 妙な違和感を感じる、
 なにか大切なことを勘違いしているような。

「……、……それで手紙の件は。あー

 
……喧嘩を。

 上級生が喧嘩して朝食に派手な傷を作ってきたらみんな怖がったり心配するだろう、だから…しばらくはみんなの前で食事を取るのをやめようかと思っている。
 イクリールを驚かせてしま……
うかもしれないし


 途中までいって驚かないなと思ったが。
 その上今までも食事とっていなかったが。小さくうなずいて

「それだけだ」

 
(48) 2021/06/01(Tue) 11:59:54
ずっと復讐の事ばかりを考えてきた。

その結果の空回り。空回り。失敗。

間違っていたのだろうか?

自分は、姉さんの仇を取りたかっただけで。
その為に生きてきたのに。

それは間違いだったのだろうか。

―――やり方が良くなかったんだろう。分かっている。

 シトゥラ

「そりゃあ落ち込むに決まってるだろ。友人の好意をふいにして
 その上泣かせてもいるんだ、気分はあまりよくない。
 明日になったら各所に謝罪に駆け回るべきだろうか」

 結構本気ではあるが、そもそも自分の内情を打ち明けても
 特段自分を責めもしなかったお人好したちのことだ、
 しれっと許されてしまうんだろうなとも思う。

「……喧嘩で派手な傷を負う前提なんだな、
 
なるほど、なるほど。

 いいよ別に、それをお前の望んだことなら俺は止めない。
 怒りはするし不安になりもするけど許す。
 ただし死んだら本当に許さないからな。
本当に


 しっかりと念押しするくらいは自分にも許されていいだろう。
 あなたの全てを許すことと比べたらきっと、小さいことだから。

「それと、あー、と。これ絶対伝わってないなお前」

 他人に興味をあまり持たなかった同士、仕方ないかもしれない。
 自分からもあなたの頬に両手を添えてぐいと顔を近づける。

「俺の言いたい好きはそういう方向じゃなくて。
 愛してるのほうの意味で、言ってる」

シトゥラにキスをした。

【人】 徒然 シトゥラ

>>+54 >>c79ルヘナ

「……、うん。
 
(十中八九殺されるとだろうと言えないな)


 ルヘナにまで許されないのか、と念押しをされながら
 正直者の鳥はうそぶく

愛し

       」

 一瞬思考が止まったが塗りつぶされるような口づけで目が覚めていく、逃げも隠れもこれ以上はするつもりはなかったが反射で後ずさりそうになってあなたの体を支えた。

「…………
ありがとう?

 嬉しい、一方的かなと思っていたしすぐに次の人を知りにいってしまうと思っていた」

 何か、何かが明確にねじれて歪んている。
 あのときのような手応えを全く感じさせないし、欲が見えない。
 好意は伝わってもいるし伝えているつもりだが、真意が知らされているかは別問題。
 単に思考が全く他所に行ってしまっている場合を除くが、大惨事になったカウンターとか。

「でも、……この間のようなことをするなら時間がなくて。
 教えてあげたいのは山々なんだが、
 もう少し待っていてくれないか」

 近付いた瞳からはうっとりとしたような碧の双眸が覗く。
 それに相反して声も態度もいつもどおりの穏やかさだ
(49) 2021/06/01(Tue) 13:08:39
シトゥラは、口付けを受け入れる、そして『お腹が空いていた』
(a84) 2021/06/01(Tue) 13:15:36

シトゥラは、死んではいけない、約束の為にも死ぬつもりなどなかった
(a85) 2021/06/01(Tue) 13:16:28

 この日、シトゥラは朝食以外姿を見せなかった。
 先生に会いに行き、
 レヴァティに頼み事をして、昼間の放送を聞きながら
 体調不良で授業をサボってこの部屋で眠っていた。

 そして、
 
明日の朝に自分は姿を見せられないと思ったので

 イクリールのために手紙をかいていた。

 だが、いい子の自分は連れて行かれた彼らへの
 干渉をするつもりがない。
 シェルタンにあいにいったのも、
 犯人であることを明かすためだけだった。
 だから、もし自分の部屋を訪れる人がいたら
 彼らに手紙が届くようにほんの少しだけ手回しをした。

 自分はいい子でいつづけなければいけない。

 あの子がいつ部屋から出てくるかわからない。
 みんなが何されているかわからない。
 ひどいことをされて傷ついていたら?
 自分のことをどこかで知って嫌いになっていたら?

 知りたいけれど、知りたくない。

「……深夜は流石に、迷惑だったか」

 裏切者はどうしているだろう。任せっきりで、
 また明日をここで皆で迎えられるのかが不安でまた瞳を閉じた

 シトゥラ

「……シトゥラ、お前、今の返事
『味』がしなかった


 『味』がしないと思った最初はレヴァティの言葉だったか。
 それがあったからこそ彼に興味を持ち、
 あなたに相談を持ち掛けたのが始まりだった。
 ここで、ただ二文字だけの言葉で、『味』がしない理由は。

死ぬのか?
 誰と喧嘩して? どういう理由で?

 
それでお前は満たされるのか?
 ……それでお前はいいのか」

 あなたが歪んでいることなどとうに理解している。
 けれど、あの時のあなたは、自分を欲しがったあなたは、
 少なからず『人間らしい人間』であるところが見えたのに。
 満足いくまで『食った』ら離れてしまう自分が、
 散々互いに『食事』をしておいてなお留まり続けたいと思えた
 ……それがルヘナにとってのシトゥラだったはずなのに。

「これから『喧嘩』するならこんなところで体力を使うな。
 そもそもお前ってどれくらい動けるんだ……?
 ……お前のこと、まだまだ『食い』足りてないな俺」

 先程、絵に触れて指についた黒い粉末は
 あなたの頬を汚してくれていただろうか。

【人】 徒然 シトゥラ

>>+55 ルヘナ

「昼間は寝ていたから体力はあるか?
 お腹は空いているけど、明日まで大丈夫だし。
 ルヘナは何を気にしているんだ……」

 わからない、なんの言葉を続けていいのか。
 ルヘナの求めている言葉は何だろう?

 『味』に関しては、やらかしたと内心思った。
 嘘をついたほうがよっぽどルヘナは見逃してくれたのかもしれない

「死なないよ、誰かは内緒、その子の為に喧嘩をする、別にボクが満たされるためじゃない
――――……いや、
セキレイ
がしてあげたいことだ」

 いい子のボクがそうしたいらしい、
 それが誰かにとっては悲しいことで間違いだとしても。
 
「ボクなんかを殺して殺人犯になったら可哀想だろう、
 魔術師ならセキレイに怒りたかった人がいるのもわかるはずだ。
 その一人に会いに行く。
 ちょっと殴られるつもりなだけだから心配しないでくれ」

 黒が少し頬を汚して、擽ったそうに笑う。

「あの絵、結構うまくかけてるだろ。
 先生にも内緒にしていたんだ、みんながいる所を今度は描きたい」

 外から教師の足音はしばらくなかった、
 きっとあの騒音は見逃されてくれたのだろう。
 離して良いかと身体をよじりあなたから抜け出し立ち上がろうとした
(50) 2021/06/01(Tue) 16:30:04
 シトゥラ

「俺が気にするのはお前のことだよ馬鹿。本当馬鹿。馬鹿」

 誰かに興味を持ってもらうために、誰かを引き留めるために、
 そんな目的で言葉を探したことなんて全然なくて、
 だから何を伝えたらいいのかが分からなくて、揺れる。

 
俺が「行かないで」と言ったら応えてくれる?

 
俺がもっと求めていたら何か変わった?


 
伝えたいものは、ただ愛であったはずなのに。


 ……そうしてあなたが告げる言葉を聞いていれば、
 思い当たる人物の顔だってすぐに浮かんだ。
 『お前に殺されるのは痛そうだ』とあいつに話したな。
 ならきっと、とてもとても痛いのだろうな。

 感じる『味』がどれも
不味い。
クソ、クソ。

「お前からは俺がああ見えていたのか、と勉強になったよ。
 ……お前から見える皆はどういう姿なんだろう……
 描き終えたら俺に見せてくれ、ずっと待ってるから」

 静寂の中、立ち上がろうとしたあなたを引き留めるのは
 力のない指先が引っ掛けたあなたの服の袖だった。

「お前に伝えた"特別な望み"、
 いつ、叶えてくれるんだ」

子供だ。

「カストル、ポルクス、それにメレフ……
 どこにいるの…?」

携えた想いは、あと二つ。
届くべき先も、あと二つ。

或いは、屋上?
或いは、園芸同好会の花壇?
或いは…………

たとえやみくもでも足は止めない。
声を上げる事を、手を伸ばす事を諦めはしない。
大人に何度窘められようと、
傍から見れば気味が悪い程に優しく宥め賺され、諭されようとも。

その度に、我儘を言って屁理屈を捏ねた。
イクリールは大人にとって『都合の良い子』だったけれど
だからといって別に、良い子でなんかなかったのかもしれない。
初めから。

カストルとポルクス、そしてメレフの姿を探している。届けるべきものの為に。

【人】 徒然 シトゥラ

>>+56 ルヘナ

「………、………?」

 あなたからの特別な望み。
 果たして伝えられていただろうか、
 といくつもの記憶をさかのぼって。

「……??」

 どれを思いあたっても、
 それが望みだとは思えなくて

「………え?」


 随分味を持った困惑の言葉は僅かに図書室に響き渡り、
 ゆっくりと視線をそらすシトゥラの周りで霧散していった

 もしかして。
 随分と長く素っ頓狂な返答を
 彼にし続けていたような気がする。

「いつ……、それは―――」

 すべてのみこんで、今は道化でも。
 大人に褒められるいい子は
 そろそろ卒業しようとしていたところだ。

 引かれた裾を掴む手を包み込むように手を重ね
 口元だけ愉快そうに笑いかければ、その耳にそっと囁いた
(51) 2021/06/01(Tue) 17:41:27
 『カストルとポルクス』

「──ああ、よかった、ここにいたのね…
 ……この間?」

二人に謝られるような事をされただろうか。
記憶を手繰り寄せても思い当たる節は無くて、
それでも謝りたいという気持ちは受け入れたくて。
差し出された花を、素直に受け取った。

「……ありがとう、カストル。それからポルクスも…
 わたしも、あなたたちに渡したいものがあるの」

それから一歩、イクリールは歩み寄って
その小さな手に持っていたものを、『二人』に差し出した。

手紙を読んだ。嫌な予感がした。