【人】 XIV『節制』 シトラ── みんなの幸せを心から願うひとと そう、……ですね わたしは、この世界が……大切だった。 その気持ちは、いまも…… 変わって、ません。 [ 『わたしはこの世界をほんとうに愛せているのか』 それは、神様に選択を突き付けられてから 何度もわたし自身に問い続けてきた問いだった。 ……ちゃんと大切に想えているのか 本当のところ、まだ自信は持てなかった。 世界を呪うより、神様や他の誰かを呪うより 己を呪う感情の方が強かっただけかもしれない。 短い人生の中で間違いなく幸せだと思える今 すべて終わらせられるならそれも良いのかも、なんて 一瞬でも思ってしまったわたしもいた。 今は守りたいと心から望んでいる世界を恨む日も、 いつか来てしまうのかもしれない。それでも ] (376) 2022/12/25(Sun) 13:38:20 |