【墓】 幼い スピカ「……やめてください」 『―――――』 殴打音。 「っ……」 どうして自分があんなに食べなければいけないのか、わかっていた。 自分の身体だ。 ――風紀委員の身体は、消耗も回復も、早い。 だから、多少乱暴に扱われても、平気だ。 身体は。 (+4) serikanootto 2021/05/28(Fri) 20:41:39 |
スピカは、殴られた。 (c11) serikanootto 2021/05/28(Fri) 20:42:24 |
【墓】 幼い スピカ殴打音。 殴打音。 布が擦れる音。 肉がぶつかる音。 もう風紀委員だなんだなんてことは、関係なかった。 多少無理をされてもすぐに"治る"病気。 今は、己の身体を、少し呪った。 (+5) serikanootto 2021/05/28(Fri) 20:48:52 |
【墓】 幼い スピカ模範的な子供であれと、言われたのはいつだっただろうか。 ここにきて、 『スピカ』が『風紀委員』になってから、 こんな目には合わなかった。 だから、ここはお家よりも好きだったし、 ひどい目にあいそうな子には目をかけてきた。つもりだ。 『風紀委員』は、ただの幼い『スピカ』だった。 (+8) serikanootto 2021/05/28(Fri) 21:06:21 |
幼い スピカは、メモを貼った。 (c12) serikanootto 2021/05/28(Fri) 21:18:14 |
【墓】 幼い スピカああ、『風紀委員』だけが、 私の居場所だと思ったのに! 結局、どうしたって世界は変わらないのだ。 こんなものが治療であるはずがない。 スピカは、判断を下した。 【――それでも風紀委員でいたほうがマシだ】 抵抗する。制止しようとする。 そんな態度だから、大人の治療は激しくなる。 平気だ。私は『風紀委員』だから。 そして、この体は多少の暴力を苦にしない―― でも、心は? (+11) serikanootto 2021/05/28(Fri) 21:24:05 |
スピカは、抵抗している。物音がする。 (c13) serikanootto 2021/05/28(Fri) 21:25:05 |
スピカは、―責め苦から解放され、部屋に戻された。 (c18) serikanootto 2021/05/28(Fri) 22:33:16 |
スピカは、放心している。 (c19) serikanootto 2021/05/28(Fri) 22:34:01 |
【墓】 幼い スピカ「私は……」 視界に映るのは天井。 「……どうして」 何をされたのか思い出そうとすると、 思考にノイズが走る。 『風紀委員』は、思い出すことを拒否した。 『風紀委員』として失敗した? もしくは食べすぎ? そのどちらでもない、ただ彼女は不幸なだけだったが。 傷一つ残っていない体が、不気味で疎ましい。 暫く、声を殺して泣いていた。 (+20) serikanootto 2021/05/28(Fri) 22:46:12 |
スピカは、背負うつもりだったのに。 (c20) serikanootto 2021/05/28(Fri) 23:00:51 |
スピカは、自分の手首をカッターナイフで切ってみた。 (c24) serikanootto 2021/05/28(Fri) 23:53:40 |
スピカは、痛みに顔を顰めた。 (c25) serikanootto 2021/05/28(Fri) 23:55:39 |
スピカは、すぐに傷が塞がるのを見て、嫌悪を示した。 (c26) serikanootto 2021/05/28(Fri) 23:56:39 |
【秘】 幼い スピカ → 寡欲 ルヘナ「……ルヘナさん?」 弱々しい返事。 いつも食堂などで聞いている声とは、 別物かと聞き間違えるほどだ。 「……そう、あなたもなのね。 私達、どうすればいいんでしょうね。 私が風紀委員であるうちに、 もっといろんなことに 気をつけていればよかったのかしら」 そして、扉を開く。 いつもより、彼女は、きっと小さく見える。 /* ⁽⁽꜀(:3꜂ ꜆)꜄⁾⁾ (-64) serikanootto 2021/05/29(Sat) 1:57:25 |
【秘】 幼い スピカ → 寡欲 ルヘナ「そうね…… 神隠しでもなんでもなく、私自身は 大人に酷いことをされたのが実情だけど。 それでも、『本当に』森で迷子になるような子が 減ってるといいわね」 自虐と嘆息。 己の行動の根幹が崩れた今、 何物にも自信が持てなくなってきている。 「……あら、ごめんなさいね、気が利かなくて。 大したおもてなしもできないけれど」 あなたを部屋に招き入れる。 整理整頓が行き届いている部屋だ。 (-66) serikanootto 2021/05/29(Sat) 2:40:28 |
スピカは、元気がない。 (c30) serikanootto 2021/05/29(Sat) 2:42:27 |
【秘】 救われたい スピカ → 寡欲 ルヘナ「……ふふっ。ありがとう」 立て札以下の男が目の前にいる事実と、 自らの行いが救われた気がして、 少しだけ微笑んだ。 ありがとう、一緒に食べましょう、などと言いながら、 着席を促す。 二人用のテーブルセットだ。 「私、実は諦めてるわけじゃないの。 ただ、少しだけ休みたかっただけ どうすればいいかは、思いつかないけど」 (-68) serikanootto 2021/05/29(Sat) 3:22:02 |
【秘】 救われたい スピカ → 『使える人間』 ルヘナ「へえ、メレフさんの目的って、 気になりますね。 ……あ、ごめんなさいね。 詮索するようなことをして。 『普段』はこんなじゃないんですけど。 行動指針の一つにでもなったら いいなとは思いますが」 同じ身分だから気になるのかもしれませんね、 と言い訳もして。 (-97) serikanootto 2021/05/29(Sat) 10:30:04 |
【秘】 救われたい スピカ → 『使える人間』 ルヘナ「……へえ、なるほどね。 ………いえ、いいのよ。 個人の目的や病気の治療を優先するのは 当然なんだから。自主性、自主性」 ギムナジウムのモットーたる自主性を掲げる。 明らかに本心ではないが……。 告白を、赦すでもなく、激昂するでもなく、 ただ事実として受け入れる。 努力をした。 「そりゃあ私だって、 こんな目には合いたくなかったけどね。 頼まれたこともあるし……あ」 そして、気づく。 「誰が"繋がってる"かわかるんでしょ? じゃあ、そもそもコレは無効なのかもしれない」 (-106) serikanootto 2021/05/29(Sat) 11:21:23 |
【秘】 救われたい スピカ → 『使える人間』 ルヘナ「一体、誰なの? 私達の家を荒らしている子は」 「教えて」 (-107) serikanootto 2021/05/29(Sat) 11:23:08 |
【秘】 救われたい スピカ → キシ の ポルクス と カストル「あなたたちはいつも通りね」 救いなのか、何なのか。 「……別に食あたりじゃないわ。 ちょっとひどい目にあっただけ」 そうはいっても、まともな人間なら 『いなくなった』大まかな理由を察せられるだろう。 あなたがまともかは別の話だが。 ともかく、この双子に正直に説明してもしょうがないなと、 彼女は判断したようだ。 事実をぼかして言う。 (-108) serikanootto 2021/05/29(Sat) 11:25:33 |
スピカは、告白を受けた。受けただけだ。 (c36) serikanootto 2021/05/29(Sat) 11:27:30 |
【秘】 救われたい スピカ → 『使える人間』 ルヘナ「……権利があっても、行使する理由がない。 それをしても何の解決にもならない」 首を振る。 ま、それはいいのよ、と座り直した。 ……真意かどうかはともかく、 彼女には罪を清算させる気はなさそうだ。 「さて、じゃあ私の話をしますか。 ブラキウム さんに頼まれたのよ。自分がいなくなったら、 ルヴァ さんの面倒を見て、ってね。だから、私には裏切者を知る理由がある。 そう思わない?」 個人を強調するように。 あなたの動揺や反応を見逃さないように見ている。 (-111) serikanootto 2021/05/29(Sat) 11:50:42 |
【秘】 救われたい スピカ → 『使える人間』 ルヘナ「……あなた、殴られたいの? そういうのは、私のことが 好きな大人に頼むといいわ」 なんて、笑えない冗談を。 「うーん……ルヴァさんのことが、 わからないのが辛いですね。 彼が大人に付き従ってるのなら、 私はこの約束を気に病む必要もないんですけど」 『いない』立場から話が通じそうなのは イクリールさんだけかぁ…… とも言った。 唸りながら考えてはいるが、妙案は浮かばない。 そもそも浮かぶのならば、立て札なんて使っていないのだ。 (-125) serikanootto 2021/05/29(Sat) 13:34:23 |
【秘】 救われたい スピカ → キシ の ポルクス と カストル「生きてます生きてます。草も食べてます」 草は食べないほうがいいらしい。 大人に近いあなた。 そして、治療された人間にも別け隔てがない (もしくは)そもそも人間に興味がないあなた。 だが、話ができるだけ、 今の彼女にはマシなのかもしれない。 「そう、酷い目よ。 ……説明はしなくてもいいわよね? お願いよ」 お願い。 そう、スピカはこのことについてあまり語りたくない。 (-131) serikanootto 2021/05/29(Sat) 13:48:42 |
【秘】 救われたい スピカ → 『使える人間』 ルヘナ「あらそう? さっきから誘ってるのかと思ったけど…… 待って、抱く?……サラリと言うわね」 まあ、それに比べたら私は暴力で済んだだけ マシかもしれないわね、と内心では思った。 口には出さないし、『治療』を掘り下げもしないが。 「……うん、そうね。 いろいろな人に話を聞いたほうがよさそう……」 そして、閃く。 「……そもそも治療された人を集めるべきなのでは? みんな、孤独に苛まれているでしょうに。 だったら、これを救うのは、みんなで集まることだと思うの」 (-137) serikanootto 2021/05/29(Sat) 14:11:30 |
【秘】 救われたい スピカ → 『使える人間』 ルヘナ「……私に関しては気にしなくていいわ。 そういうの、遠慮するのめんどくさいでしょ? 会話も冗長になるしね」 ルヘナの反応が良いので、スピカも喜んだ。 「……そう、そうよね。 こうなる前に『いない』子に声をかけておけって話だけども。 うん、まだやれる気がするわ、私」 両手で自分の頬を叩いて、気合を入れた。 (-149) serikanootto 2021/05/29(Sat) 15:20:22 |
スピカは、気合を入れた。 (c40) serikanootto 2021/05/29(Sat) 15:20:27 |
スピカは、頑張れる気がした。 (c41) serikanootto 2021/05/29(Sat) 15:21:30 |
【秘】 救われたい スピカ → 『使える人間』 ルヘナ「ええ、私もあなたと話せて嬉しい。 なんにもする気が起きなかったもの」 「頑張るわ、私……っと」 席を立とうとするあなたの服を咄嗟に掴んでしまったが、 すぐに離した。 「あ、ごめんなさい、なんで? えーっと……また、話せたら嬉しいわ」 どうして手が出たのかわからない。 ……今は、素直に見送ろうとしている。 (-167) serikanootto 2021/05/29(Sat) 16:10:21 |
【秘】 がんばる スピカ → 『使える人間』 ルヘナあなたの反応に気づいたが、 しかし、何も言わなかった。 それを言うことが、そして謝ることが、 余計に傷を広げることぐらいはわかったから。 「 ……またね 」小さい声。 さて、行動しなければ。 彼にもらった小さな燃料が、己の中で燃え尽き、 諦観に変わる前に。 (-183) serikanootto 2021/05/29(Sat) 16:54:26 |
スピカは、お腹を鳴らした。 (c44) serikanootto 2021/05/29(Sat) 16:55:50 |
【独】 がんばる スピカ「と言ってもね」 ずっと腹ぺこなので保存食をかじりながら、 横たわる。 ルヘナの姿が頭から消えないのは、何故だろう。 結局、自分に踏み込んで来てくれる人がいなかったから、 かもしれない。 この来客用の椅子ははじめて使ったのだ。 (-195) serikanootto 2021/05/29(Sat) 17:52:58 |
スピカは、立ち去っていった人の姿を思い返している。 (c47) serikanootto 2021/05/29(Sat) 17:53:20 |
【独】 がんばる スピカ「実際、難しい問題よ」 どうにでもなる、それはそうだろう。 しかし、現実的に、 この立場で人間を扱うのは難しい。 風紀委員には、 『いない』人間と関わるのにそこまで抵抗しない者もいる。 それにしても、スピカ程度の、 つまり、積極的に声を上げて保護しようとまでは 思い浮かばなかった(もしくは避けていた) 者だけだ。 (-197) serikanootto 2021/05/29(Sat) 17:56:25 |
スピカは、身の振り方について考えた。 (c48) serikanootto 2021/05/29(Sat) 17:57:27 |
【独】 がんばる スピカ「一人で……か」 話を聞いた限り、 特に親しいものはいなかった…… もとい、そもそも親しい人間というものに 縁はなかった。そんなものだ。『風紀委員』は。 「助けがほしいな」 これは独り言。 今の立場でも、前の立場でも、 人に聞かせるわけにはいかないだろう。 堂々と立ち振る舞う? それとも、陰で仕事を進める? その指針すら、立たなかった。 漠然とした目標が見えた気がして、 気合を入れたけど、それだけだ。 何のビジョンもない。 『風紀委員』がしてきたことは、場当たり的な対応で。 今まで問題がなかったことが奇跡だった。 (-198) serikanootto 2021/05/29(Sat) 18:00:15 |
スピカは、泣き言を言いながら、誰かに助けを求めようとして、それはやめた。 (c49) serikanootto 2021/05/29(Sat) 18:01:00 |
スピカは、自分の軽薄さと心やすさ (c51) serikanootto 2021/05/29(Sat) 18:17:11 |
スピカは、自分の軽薄さと心安さに呆れた。 (c52) serikanootto 2021/05/29(Sat) 18:17:55 |
スピカは、己に呆れた。 (c54) serikanootto 2021/05/29(Sat) 18:28:52 |
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