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人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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視点:

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【秘】 笑わない カンターミネ → 幕の中で イレネオ

暴れる。その言葉通りの事だけをしていた女は、
それこそ"けだもの"程度の行動しか取る事が出来なかった。
下肢を抑えられるまで、アドレナリンの齎す興奮に
酔ったまま、ありもしない『外』の動きを呼ぼうとした。
それはカンターミネが自身を弱者として認識していたからに
他ならない行為でもあった。これは、激情を持ち、
マフィアとしての多少の暴力に馴染んでこそいたが。
所詮は、組み敷かれる程度のか弱い女でしかなかった。

故に、それは実に簡単な事だったに違いない。
見越す事もせず、両手も塞がれ、怒りのままに暴れるのも
抑えていれば何の障害にもなり得ない。
まざりもの・・・・・が舌と共に口内を踏み荒らす頃、
ようやく女はそこに嫌悪の音を含めたうなりをあげた。
きっとそれは、"それなりに"あなたの欲を満たした事だろう。
(1/2)
(-77) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 3:29:19

【秘】 笑わない カンターミネ → 幕の中で イレネオ

……そのまま厭だ嫌だと喚くだけの虫や獣であったならば、
そもそもあなたは負傷などしてなかったはずだ。
アドレナリンがなければこの行為に至れなかっただろうが、
同時にアドレナリンがあるからこの後に至るはずだ。

だからきっと、これもまた"天秤"なのだろう。
『正義』は言った、お前達マフィアに法はないと。
だが、その言葉は残念な事に間違いだ。
『正義』が存在する以上。

もう一方の正義・・・・・・・も存在する。
そうしてそれらは、共に天秤にかけられる。
優位であった天秤は、僅かな薬剤の効果が切れると共に
冷静さ、否、残酷さを取り戻した女によって再度、傾けられるだろう。

それは明らかな変化だった。
女から抵抗が失われた。諦めを感じさせるような変化だった。
あなたがそこで興味を失い、或いは何かを感じて身を引けば、
「その後」は来ない。だがそこでまだ、続けるのであれば。
これ幸いと、『正義』の執行を続けたのであれば。

女は、あなたの舌を奥へ誘ってから、

ぎぢ。


と。その一部に穴を空け、あるいは
咬み千切るだろう。

けだものが如く。

(2/2)
(-79) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 3:29:42

【秘】 笑わない カンターミネ → 幕の中で イレネオ

もし、体内の音を聞けたなら、今この女からは
水音と同時にブチブチと血管の切れる音が響いただろう。
それも、相当に大きく。だからこそこれは一度誘った。
そうしてなお、獲物が逃れるなど許せなかった。
相手の考えや信念など、今この瞬間はどうでもいい。
これが考えるのはあなたと同じだ。鏡のように。
お前には罰が必要だ。

離れようとしたのが、不味かった。
きっと、近すぎたが故に瞳に爛々と燃えるライムグリーンが
見えなかったのだ。苛立ちに唆されたのだ。
そうでなければ、あなたのような警察が、
これに後れを取るはずがない。

カンターミネは、離れていく頭にもう一度頭突きを見舞った。
また口の中が少し切れたが、厭いはしない。
緩んだ手、指の拘束を大きく首を振って"ずらした"。
そうして、ずらされた先は――罰を執行するのには、
余りに原始的な。人体で作られた、
断頭台
だった。

まず、ごり、と音がする。それは右か左か、ともかくあなたのどちらかの親指が断頭台に嵌まり込んだ音だった。次いでめき、と音がする。それは丁度親指の付け根、第二間接が軋む音。そのままなら根元から捩じ切られるだろうが、抵抗しない訳もあるまい。

抵抗したなら、第一関節程度までは抜けたかもしれない。だが、このけだものは、一度憎んだものを決して逃がしはしなかった。ばぎ、と音がした。丁度、それは七面鳥の骨をへし折るような音だ。或いは、警察であるあなたにはより耳馴染みがある音かもしれない。そう、人骨の折れ、砕ける音だった。
(1/2)
(-91) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 4:31:51

【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオ

もう、誰が殴ろうが、叫ぼうが。
このけだものには、関係なかった。
怒り狂った女は、きっと少し離れた体の隙間から、
手錠で繋がれた手を抜け出させ、その拳を握って。
自らの顎を下から思い切り打ち抜いた。


その衝撃を最後に、
ぶつり。

あなたは喪失感を覚えるだろう。
生まれてからずっと一緒だったはずの十本の内、
大きく太い一本を失ったのだから。

赤い液が勢いよく、その後はリズミカルに吹き出す。
止血しないのならば、辺りは大変な事になる。
そうしてライムグリーンに赤を浴びた女は、笑う。
口内で転がした指を、あなたの混ぜた液を、絡めて、

「ベッ!」

音を立てて、部屋の隅へ向けて吐き出した。
口元は真っ赤に化粧をしていて、頭もまだらに染まり。
日頃の子供達が見たなら、一生のトラウマになるような。

けだものはそこに立つ。自ら入れた一撃で朦朧としながら。
それでも、怒りと残酷さを手放すことなく。笑っていた。
(2/2)
(-94) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 4:36:53
カンターミネは、血を吐き、笑う。多分、後で酷く痛む。
(c16) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 4:54:15

【秘】 けだもの カンターミネ → コピーキャット ペネロペ

視力が悪くない限り、それなりにボロボロの女が目に入る。
廊下に背を向けて床に横たわっている白衣は
よく見れば血が結構ついているし、
面倒臭そうに転がる最中明らかに痛みに顔を顰めるし。
その顔だって「は?誰だコイツ」みたいな顔を一瞬したのは
さておいても、口元は切れてるし顎は痣があるしで
かなり"やりあった"のが見て取れるだろう。

「おかげさんで退屈はしてないよアメリア。
 ご覧の状態なんでベッドの代金支払いは今度で頼むわ」

軽口のキレもいまひとつな様子。
あーいってえ、とぐちぐち言いつつ、口元を一度拭った。

「次来ることがあったら消毒液と絆創膏、
 あと湿布と鎮痛剤持ってきてくれ。
 ……んで、伝言って何?あ、待った。
 あんまり笑うような内容じゃなくしてくれ。
 今腹が死ぬ程痛いから笑ったら多分死ぬ」

どいつもこいつもおてんばな奴しかいねえな。
内心でそう思いながら、人の事は言えないな、と。
ぼさぼさの髪を鬣のように揺らしつつ、耳を傾けた。
(-99) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 5:10:32

【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオ

ゆらり、ゆらり。立ち姿は幽鬼のよう。
口元から血を垂らし、頭を揺する。
ぎひ、と笑うけだものは、それでもまだ頭は動いていたようで。
掴まれる寸前で後頭部を守るような姿勢をとった。
そうしておきながら、やはり笑い、
鷲掴まれた向こうからあなたを見下す。

「自分から仕掛けた癖に」
「人のせいみたいなツラすんなよ、クズ」

どこまで言えたのやら。
或いは、その腕にこちらも腕やら手錠やら絡ませて。
隙があるならその利き手の指すら食い千切ろうとした。

けだもの二匹だけなら殺し合いになるだろう。
止めに入る者は来るのか、来ないのか。
来ないのならば、どこまでこのけだもの達がやるのか。

少なくとも女から牙が抜ける気配は、まだない。
(-103) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 5:37:34

【墓】 けだもの カンターミネ

「あ〜いってえ……」

腹の辺りを抑えながら収容所をよたよた歩く。

「あのバカ野郎マジで蹴りやがったな……
 肋骨とか折れてたらどうすんだっつの……
 いや、怪我はお互い様か……」

呟く顔にも傷はあるし、白衣のあちこちに血はついてるし。
包帯は巻いてるし、髪も所々くすんだ赤が付着している。
何をやったのかはさておいて、ふらつく足取りから
まあ"それなりに"やりあったのは確実だ。

一応、見知った顔を幾つか見つける度、
両手に嵌められた手錠ごとふりふり手を振った。

#収容所
(+19) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 12:18:43

【墓】 けだもの カンターミネ

>>+20 黒眼鏡

「カフェのマスターは元気そうだな……羨ましいぜ。
 散々喋ったんで疲れたんだよ、はーあ……」

手を振り返し、のそのそ寄る。いや、距離は遠いけど。
だってバンバンされたら今流石にキツいし。

「嫁入り前の乙女にこんな傷負わせる奴いるか?
 信じられねえよなあぁ〜……」

#収容所
(+21) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 12:32:36

【墓】 けだもの カンターミネ

>>+22 黒眼鏡

「よく言うなホントに」

主に現状を指している。
座り込むのにものそのそ、一旦壁に背中をつけてから
ずりずりと降りていくようなザマだ。

「俺だって手当したいんだけどねちゃんと。
 死ぬ程痛いし。マジで。また腹立ってきたな。
 じゃああんたは結婚式には呼んでやらん。」

痛くても軽口を言ってないと死ぬ病にかかっているのかも。
げほ、と咳き込んではいってえ、と呻いている……。

#収容所
(+23) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 12:52:31

【墓】 けだもの カンターミネ

>>+27 黒眼鏡

「悪いな、俺の口が素直に褒める相手は
 可愛げのある奴だけって決めてるんだ。
 ちなみにひん剥いたらあんた食い千切ってやる」

物騒極まりなく、ため息を零す。

「そうか、じゃあ今度存分に泣いてくれ。
 盛大にするかはさておき、泣けるようにはしてやるよ」

こっちもお手玉。遠くから見る色男に何見てんだオイ色男、
そんな風な視線を送ってやった。

「いーえ結構。寝過ぎて体中痛いんでね。
 あっちの怪我した色男の介護でもしてやったらどうだい」
(+30) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 13:07:30

【墓】 けだもの カンターミネ

「なーにがうわ、だおちびちゃんめ」

自分のせいでそうなっている、という事情は置いといて。
わしゃわしゃされてるのを眺めて、
どいつもこいつもよお、とため息を吐いた。

なんだこの平和な感じは。
もしかして尋問で外れを引いたのは俺だけか?
そんな風に肩を落とした。

#収容所
(+31) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 13:11:22

【墓】 けだもの カンターミネ

>>+32 黒眼鏡

「あんたに可愛げって言われるとゾッとするわ。
 生憎ここの牢屋に歯磨きセットは置いてないんでな。
 歯は磨きたいんだけどね、俺も。今すぐ。」

へらへら、いつもの笑みがやっと返ってくる。
……口の中も幾らか赤い。

「腹立ってきたな。ほんとにボロ泣きさせてやろうかな。」
「ふうん。あ、あいつと今度メシ食いに行くから
 旦那も来て珈琲淹れてくれ。あとアレ、ニコロ。
 あいつも引きずってこよう。逆ハーじゃん、笑うね」

わっはっは。

#収容所
(+33) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 13:33:00

【墓】 けだもの カンターミネ

>>+34 黒眼鏡

「どっから持ち込んでんだよあんたは……貰うわ」

受け取り、……一応キャップを見て臭いをかいで。
大丈夫そうなら、口に含んで洗い流し吐き出す。
床が赤く汚れるのはもう諦めて欲しい。

「あーそうかい。じゃああんたは泣かずに済みそうだな、
 嫁入りする予定はないからな」

こっちもこっちで大概無礼な物言いだが、
まあ軽口には丁度いいんだ、たぶん。

「そりゃいいね。色とりどりのイケメンはどうでもいいが、
 あんたのオリジナルブレンドは楽しみだわ。
 ん〜?そうだなあぁ。そん中じゃ、ニコロじゃね?
 あんたは年齢、あそこの色男は口説きすぎ。
 ニコロの奴はからかい甲斐があるんでな!」

へらへら笑いながら、一応あなたもその中に含めて。

「だが、どいつもタイプじゃないね。
 俺が好きなのは可愛げがあって、したたかで、
 寂しがりで、あとなんだろうな。
 ああそうだ、信用出来る奴!そういう奴なんでね」
(+35) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 14:11:39

【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオ

「がっ、は……」

今日だけで何回の荒事分の傷を負ったのか。
少なくとも、女がファミリーに入ってから負った傷の
「合計」より今日一日の負傷の方が大きいに違いない。

まして、自分の首を絞めるような相手はそういない。
居たとしてもすぐに取り押さえられるような、
そんな状況ばかりだった。
目を白黒させたのは今日が初めてかもしれない。

そうした行動と、血の不足。朦朧とした頭に加えて、
その目に映った物は『けだもの』を僅かにでも
寝かしつけるには充分な冷や水だった。

『アレ』は不味い。ここで使われるのは勿論、
他人に使われるのはもっと不味い。
カンターミネは多くの薬を錠剤にしていたが、
それは混ぜ物にしても露見し辛くする為と、効力調整の為。

つまりアンプルは、『未調整』なのだ。
中身の液が何にしろ、それなりに危ない。
万一、身内に使われたら。そんな事をさせる訳にはいかない。
女のけだものは、まだ眠りに落ちていなかった。
平時なら見分けがついただろうに、今はまだ難しかったのだろう。

(1/2)
(-158) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 15:05:59

【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオ

ならば、どうする?少し前までなら、
自分で飲み干してやるという選択肢もあった。
だが、今のこの状況で気絶でもしたら、
そのまま殺される可能性を捨てきれなかった。

男が正義の徒だと確信していれば、自ら服用して
倒れる事を間違いなく厭わなかったが、
今は無理だ。ここにいるのはけだものだけだから。
ならば、もう道はそう多くない。時間も。
あなたの膂力であれば、片手がなくとも気絶、
或いは首をへし折られてもおかしくない。
視界にレッドアウトの気配が迫る前に――。

女に残ったけだものを使って、のしかかるけだものに
出来る事。きっと、馬乗りにしろ、なんにしろ、
首を絞めに来たなら体勢は変わっているはずだから。
今度こそ、冷静に。冷徹に。冷酷に。"男の急所"に一撃を。
どすっ、と。音が響くほどに、全力で。

……その痛みは、男にとって比肩するものがないと言う。
めり込ませた膝なり、拳なりの感触が最悪と言うのもあって、
或いは弱っている力を補助する為に、何度も入れる。
これでどうにかなってくれるなら。

アンプルの下へ走り、容器を握り潰しながら悶絶する男の口に
叩き込むだろう。色を見る限り、強力な睡眠薬のはずだ。
偽物でなければ。或いは、偽物でも効果が同じなら。
(-162) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 15:13:13

【墓】 けだもの カンターミネ

>>+36 黒眼鏡

はいはい、とペットボトルの残りを返す。
あんたと違って持ってたら何言われるかわからないし。

「ふーん。さしもの黒眼鏡の旦那も、ここじゃ鈍ってるな」
「嫁入りしないとは言ったが、結婚しないとは一言も
 俺は言ってないんだけど?」

にんまり。してやったり、という顔だ。
果たして、冗談の内か、本気かは相変わらず
張り付いたにやけ顔でわからないけど。

「ま、早い所ここから出てから全部考えるさ。
 という事で俺の理想の男性を探すより、
 さっさとバカ騒ぎが終結する事を祈っといてくれ」

へらへら笑い、あーどっこらせと立ち上がる。

「傷治すのにどれくらいかかるかなあぁ……
 いってえ〜……伸びも出来ないぜこれ……」

軽口と共に、歩いていくか。
だって、『兄弟の時間』の邪魔はしない方がいいだろうしな。

#収容所
(+37) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 15:20:17

【秘】 けだもの カンターミネ → コピーキャット ペネロペ

「半々だよ。あー痛え。」

本題を聞けば、へえ、と唸る。

「何かあれば、ね。」
「りょーかい。助かるよ」
「まったく、無茶するな。どいつもこいつも」


なんとも。誰も信じてないって直接言ったのに、
それでもまだきちんと伝言してくれるんだから。

「そりゃ俺も泣きたくなってきたな。
 はいはい、ぼったくりは勘弁しろって言っておいてくれ。
 お疲れさん。ありがとよ。
 ……たまにはメイク落としてすっぴんで勝負したらー?
 あんたならいい線行くと思うけどー」

余計なお世話か。ごろり、また牢に寝転がった。
(-166) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 15:28:03

【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオ

咳き込み、肩で息をしながらそれらを実行に移す。
移すしかない。少なくとも止められなければ、
また同じようけだもの同士の戦いになると考えている。

容器を握り潰した拳を噛み切る事は難しいだろう、
とはいえ歯を立てれば出血くらいは見込めるはず。
女も、ここで喉に膝蹴りでも入れてしまえば
それこそ再起不能にくらいは出来ると踏んでいた、が。

「おい、『警察』!」

恐らくは、捕えられながらもそう、呼ぶ。
睨みに怒りは混じれども、狂乱の色は少し薄めて。

「ここが分水嶺だくそったれ。乙女の大事なモン奪った罪は、
 お前のムスコを蹴っ飛ばしたので帳消しだ。
 そしてお前が俺に働いた『尋問』関係ないただの暴力は、
 指を食い千切った俺の罪で帳消しにしてやる。
 だからいいか、よく聞けよ」
(-191) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 17:17:56

【秘】 また、歌う カンターミネ → 幕の中で イレネオ

肩で息をしながら、この女はやっと唸り声ではなく、
取り戻しつつある人間としての『言葉』を紡いだ。

「あの指を氷で包んで、急いで処置すればまだギリ繋がる。
 薬が効いてぶっ倒れる前に署員を呼んで処置して貰え。
 次に『まともに取り調べする』気があるんなら、
 少しはまともに答えてやるから、この下らねえ喧嘩は
 ここで手打ちにしろ。これで嫌だってんなら、
 お前は今度こそ路地裏のチンピラ以下の、糞野郎だ!
 薬が効いた後ぶっ倒れたお前の手足指喉目舌全部潰す!
 どうする、正義の警察官さんよ……!」

そうやって、カンターミネは選択肢を提示した。
今、天秤はこちらに傾いている。このままにするのは簡単だ。
だが、そうすれば揺り戻しが来る。今の男のように。
だから、傾きを平らに、とまでは言わないが。
『正義』の下に、平等に。問うくらいは、する。
それが例え、損得勘定からなるものだとしても。
再度、歌った。
(-193) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 17:19:14

【墓】 また、歌う カンターミネ

>>+45 ニーノ

「ちょっとじゃなくてしっかり心配しろ。
 こっちは拷問受けた乙女だぞ」

乙女らしいので、もっと心配しろと文句をつけた。
こっちも大概身長は低いんだけども。

「あー痛ぇ。俺は休憩するから、
 そこでおにーちゃんと話してな〜」

ひらひら、手を振って歩いていく。

#収容所
(+47) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 18:24:37

【秘】 また、歌う カンターミネ → 幕の中で イレネオ

表情、いや目を見ればわかる。
これは睡眠薬俺のじゃない!

「クソッタレ!なんで違うモンが混じってんだよ!!」

自分の薬ならここで止まっていただろうに。
だが、この効果なら。余程薬物に耐性でもないなら。
突っ込んだ拳の表面を削られながら、握りを強くする。
一滴、一滴。男に流し込む。恐らく、あなたが嫌う血と共に。
掴まれた腕が嫌な軋みを上げる。
もう数秒遅ければ粉砕骨折、下手すれば腕を失くしていた。

幸い、そうはならなかった。ヒビは間違いなく入っているし、
代償に酸性の強い体液やらはかなり浴びる事になったが。
それでも、やっと終わる。人間が床に落ちた音。
饐えたにおい。どろどろだ、血だのなんだので。
だが、ともあれ、なんとか。この場は一旦、鎮静した。
(-206) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 18:58:17

【秘】 また、歌う カンターミネ → 幕の中で イレネオ

「……はぁー……」

最悪だ。汚されるのは勿論、傷だらけで。
さらにこのけだものは、下手すれば自分の話は聞いていない。
聞いてたとして覚えているかも怪しいもんだ。
だから、ここで見逃せば絶対復讐に来るだろう。
だが、ここで本当に全部を潰せば警察殺しだ。
自分の人生がメチャクチャになるのはどうでもいいが、
自分の周囲を巻き込むとなればそうもいかない。

つまり、選択の余地がないのだ。見逃すほか、ない。
最悪の一言に尽きる。せめてこのけだものが人間に戻った時、
死んでない事を天秤にかけて、頭を働かせるのを願いつつ。

「おい!見てんだろ!失血と怪我!指の切断!
 まだギリギリ壊死しないで済む!神経系が終わる前に
 とっとと拾いに来い!下らない喧嘩で死なせんなバカ共!」

カンターミネは、それ以上男を痛めつけなかった。
正直な話、両手両足くらいは破壊しておきたかったが。
『天秤』を考えると、或いは、己の正義として、
人間として、そうする訳にはいかなかった。

ガンガン!扉を蹴り、職員を呼ぶ。尋常ならざる呼び方をすれば、流石に駆けつけてくるだろう。千切れた指を男の傍に置いて、やってきた職員に捕まりながら処置を指示する。
まだ指は繋がるはずだ。リハビリは必要だろうけど。とにかく、自分よりそいつに輸血と感染治療、指の処置を。そう、ある程度必死に伝えて、ようやく、カンターミネはこの部屋を後にする権利を得た。

「……なあ、このニオイで歩くの流石に不味いだろ。
 バケツの水一杯でいいからぶっかけてくんね?」

そんな言葉を呟きながら、けだものと別れた。
(-207) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 19:09:36
カンターミネは、自分に出来るだけ天秤を平行にした。
(c21) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 19:12:25

カンターミネは、バケツ一杯の水を浴びながら考える。
(c22) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 19:14:19

カンターミネは、絶対退所祝いの前に、温泉に行ってやる。
(c23) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 19:14:41

【独】 また、歌う カンターミネ

「あー」

ふと、収容所の壁際に寄りかかり。

「そういや、そうだったな。
 エーコが万一捕まった時の事を考えると、」

先にやりあったけだものの顔を思い浮かべながら。
その唇と舌の蹂躙にまた、怒りを燃やしながら。

「あいつ、殺しとけばよかったかな?」

ああ。あいつが余計な事をしたなら、その時は。
俺以外に手を出す卑怯な奴だったら、その時は。
ネロ辺りと一緒に、本当の尋問を教えてみるか。

そんな考えを、……かぶりを振って、打ち消した。
お互い様、そういう事にしたんだから。一方的に。
(-210) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 19:26:21

【墓】 また、歌う カンターミネ

「は〜ぁあぁ〜〜〜」

でっかいためいきを落とす。

「帰りてぇ〜……風呂入りてえ〜……
 情報聞きてぇ〜………………」

仕事中毒な女は午後からの検診に備えて
大人しくしている。やりあった結果受けた傷、
そういうもののちゃんとした処置をやっと受けられるのだ。

その診断の結果。
右拳咬傷、右前腕にヒビ、肋骨二本にヒビ、
鼻軟骨骨折、後頭部軽度切傷、他内出血多数。
まあ、相手よりは軽傷だけど、それなりにボロボロで。

「……え、何その棒。あっまさかあれ?鼻の骨折?
 いや知ってるよ待て待て待てそれ突っ込むんだろ?
 突っ込んでぐりぐりやって骨の位置整えるんだろ?
 待てってそんなん絶対痛いじゃんいやうんわかるよ
 今の内にやらないと不味いってのはわかるが待っ」

それらの治療の結果、尋問中より大きな歌が響いた、とか。
(+48) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 19:53:42

【独】 また、歌う カンターミネ

「……はあ?」

思わぬ《情報》に女は耳を疑った。
看守の噂、じゃなきゃ収容室の噂だ。
ダニエラ・エーコが『自首』した、と。
その正体こそA.C.Aであった、と。
それを聞いてこの女はと言えば。

「ほんとにおてんばだな……俺のお姫様は。
 ……尋問、されるんだろうな。
 ……いや〜〜〜〜尋問されないでくれねえかな〜〜〜〜」

大変自己中心的に、そんな風に呟いていた。
ぬあー、と頭を抱えた時に、肋骨が軋んで痛かった。
(-238) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 22:43:12
カンターミネは、自分の身体のにおいを嗅いだ。まだ臭い気がする。
(c26) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 22:56:39

【秘】 また、歌う カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

刻む音。響く音。ここは牢獄で、隅の区域だ。
この区域に、檻はあなたのと隣のを合わせて二つしかない。

執行チームの全員が捕まっただとか、自首したとあれば、
これ以上人は増えないものの、それらの処理に追われ
署内の状況は想像するに大変な事となっているのだろう。

であれば、大人しい女の監視に裂く手が余ってるか、と
言われると、そこまでの暇はない訳で。
結果として見逃されたモールス信号に、
同じように壁を叩く音が隣の牢から聞こえるのも、
ある意味では必然に思われた。

さて、壁を叩く音はと言えば。
トン、トトトン、トン、トントン。
……T.U.T.M.……?
モールスにしては意味のない羅列。
これはどちらかというと、おふざけのノックのような。

「今時モールスはないだろ、モールスは」
(-293) shell_memoria 2023/09/25(Mon) 3:40:25

【秘】 また、歌う カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

気の抜けたような声が、隣の牢から返ってくる。
幻聴、だったかもしれない。

「あと普通に今利き手の拳が痛いから勘弁してくれ」

幻聴にしては、はっきりと、いつもの声だ。

「ここ数日の俺は運が良いのと悪いのを
 交互に繰り返してる。今は運が……どっちだろうな」

署内は今、猛烈に慌ただしい。拘留中の者同士が、
どんな関係かなど、最低限しか考慮されない。であれば、
収容所以外では誰との関わりも口にしてこなかった女が、
収容所ですら徹底してその名前を出さなかった故に、
隣の牢に偶然収監されてもおかしくは、ないだろう。
或いは、これこそ『天秤』なのかもしれないが。


「それで。自首、したんだって?『A.C.A』さん」

そんな声が続く。声音は……どうだろう、
怪我のせいか、内容のせいか、少しか細い声に思えるか。
ため息とともに、牢の壁を伝い、少しでも傍へ、と
廊下側の格子に寄りかかるような音が聞こえた。
貴女なら、わかるはずだ。か細い声には、
からかいの色が乗っている。怒ったり、
落胆しているような様子は、ない。
(-294) shell_memoria 2023/09/25(Mon) 3:51:19

【秘】 また、歌う カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

「そりゃそーだ、ハハハ」

返す言葉も、いつも通り。しっかり笑った明るい声。
本当は泣きたいくらいなんだけど、俺は王子様だからな。


「走らないでほしかったな〜、激震。
 大方俺の装置が見つかったんだろ?しくったなー。
 緊急用のフェイクも用意しとくんだったぜ、
 次からはバレないようなのを作るよ」

返すのは当然のように、あなたではなく
自分の落ち度と次を思う言葉だ。
やれ次はプラスチック製にする、だとか、
もっと小型化か、じゃなきゃ大型化して
街中に配備するかだなー、だとか。
そんな風にしていたけれど、尋問の話と、
零れた言葉を聞けば歌は途切れた。
(-388) shell_memoria 2023/09/25(Mon) 17:05:11

【秘】 また、歌う カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

「……。あのな、"エリー"。
 尋問についての注意もしたいんだけどさ、
 それより先に一個だけ言わせてくれよ」

カンターミネがあなたをそう呼ぶのは、
決まってあなたの傍に居ると決めた時。

「ここまでよく頑張ったな。偉かったぞ」

こん、こん。撫でたり、抱きしめたりする手は届かないから、
その代わりにせめて自分を伝えるように。
壁をノックしてみせる。少し骨に響いたけど、
まあ、もう処置はしてあるから問題はない。

本当は、ここからが山場なんだろうけれど。
でも、絶対に言っておきたかったから。
ここまで走って、走って、走り続けた君に。

「……なあ。ありがとう、エリー。
 お前が頑張ってるって知ってたから、
 俺も頑張れたんだ。……あと少し、頑張ろうぜ。
 そんで、終わったら、そうだな。温泉行って、
 美味い物食って……あとは、式の予約でもするか?」

最後のは少し冗談っぽく。
だけど、まあ、結構本気で。
(-391) shell_memoria 2023/09/25(Mon) 17:06:49
カンターミネは、こういうのフラグっぽいから言いたくはなかった。
(c27) shell_memoria 2023/09/25(Mon) 17:08:09

カンターミネは、でもさあ!しょうがなくね!?自分に言い訳をしている。
(c28) shell_memoria 2023/09/25(Mon) 17:08:47

【秘】 また、歌う カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

「……。」

小さく告げられた言葉に、続く笑いに、
こちらははっきりと間が空いた。
ふっ、と小さく吐く息の音。届くかは、少し怪しい。

「少なくとも、俺の事はちゃんと守ってくれてたよ。
 だって傍に居てくれたじゃないか、ずっと。……今も!」

「ふふ、いいな。退所祝いにメシ食いに行く時、
 そこにアレっさんも呼ぶ予定だったし。
 エリーもそん時一緒に行くか?ついでにその場で
 アレっさんに言って腰抜かさせようぜ、
 『俺達、結婚します』ってさあぁ!」

けらけら、笑う。海の近くかあ、なんて声。

「三日月島ってのもありだよな、そうなると。
 知ってるか?あの島の鐘は音がいいんだ。
 前休暇の時に行って聞いたのがよくってなあぁ……
 やーでもケーキも、ってなるとアレっさんの
 港の近くもありだよな〜。報告の時に相談するかあ。」
「勿論ですとも、俺のお姫様。いつでも、どこにでも。
 お傍に居ますよ、俺は。なんせ王子様だからな」

けらけら、声音に幸せを乗せて。運んでから、
少しだけ真面目なトーン。
(-415) shell_memoria 2023/09/25(Mon) 19:30:32
 


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