38 【身内】それから【R18】
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…んっ……ふっ…
[変わりに唇が重なり合う。
舌を出そうとしていたから、唇を噛まれるとき、相手の唇を突いてしまう。
それに気づかぬわけはないだろう。誘われていると取られたのか、舌が絡み合う。
混乱が続いているから、離さないとと男の肩に手を添えるが、落ち着けと言わんばかりに撫でられる。
撫でられると、力を籠める事は止めて添えるだけ。
その間に、脚の間に熱いものが差し込まれ、気づけば少し体制が変わっているような。
優しく囁かれると同時に、視界が明るくなる。
と言っても、薄暗い場所。
それでも全く見えなかった時と比べる、眩しく、改めて男の顔を確認する。
見るだけではなく、手を伸ばし頬に触れる。
顎先で両手を合わせるように動かすから、小指から人差し指までの順で男の唇を撫でる。
顎先で手を合わせて触れ、人差し指と、中指で、首から、首元まで撫で下げ
首元につけば、胸まですべての指で男の躰を確かめるように撫でた後、胸元に手を添え]
俺はほんと、君に弱い……。
いや、君が俺に優しくしてくれるから、君に最後まで厳しくできないんだろうな。
[彼女の指を頬に感じ、そして唇にも触れられる。
彼女の手が何かを確かめるように体中をまさぐられる。
この呪いがとけたのだって、結局はツリガネのおかげだから。
どこかその引け目のようなものが自分の中にあるのかもしれない。
いや、引け目ではなく感謝だろう。
そしてそれ以上に、彼女への愛も]
どこかずれてるお嬢さんにお仕置きしようと思ったけれど、ね。
[目を合わせて彼女にほほ笑む。
今度こそ彼女が自分を覚えていられるように、覚えていてね、と囁きながら彼女の顔をじっと見つめながら、また口づけをする。
これでは至近距離すぎて見づらいかもしれない。
しかし、自分もこうして彼女を見つめていたかった]
君の話を聞かせてくれないか?
俺と離れていた間、何かあったか?
俺に何か伝えたいことはあるか?
[彼女の太腿の間にねじ込んだものをさりげなく前後に動かしながら、今更彼女の方に話を促して。
そのまま唇は彼女の頬に首にと押し付け、髪を撫でる。
伝えたいことはたくさんある。
しかし、今はツリガネの話を聞きたい。
こんなに彼女は美しかっただろうか、と灯火の中のツリガネを見てそう思う。
同じように彼女も自分を見て、しみじみとどんな感想を持っているのだろうか。
自分の容姿は自信がある方ではあったけれど、彼女の好みではないかもしれないと思うといまさら不安になってきた*]
私もですよ。私も、空木様にはとても弱いです。
それに、それは私の言葉です。空木様が私に優しくしてくれますから、信じていられるのです。
[お互い様ですと微笑みかけて、改めて顔を触れる事が出来た事を喜ぶ。
胸へと降りた手は、再び男の頬に触れ、触れれる喜びを感じている。]
………?
ずれて……いました?
[意識していないから、きょとんとした表情を浮かべてしまう。
お仕置は、確かに恐かった…恐かったのは、違う誰かなのかもしれないと思ったからだが。
だが本人だと解ると、それも嬉しく思うのは、出来る距離に居る事だからだろう。
それを口にしたら、ずれていると言われそうなので、そこは秘密だが。
それでもこうして、目を合わせて微笑み合える事が嬉しい。
遮るものがないからこそ、近づける距離。
もちろんですと囁き返して、口づけを受ける。
口づけも簡単に出来るのが嬉しい。
近すぎて、解りにくいと言われても、この近すぎる距離に居れる事が奇跡のようである。
出来なかった分、この距離でいる事が何よりも、嬉しくある]
私の……ですか?
[戯れに擦り上げられるから小さく声を上げる。
何かと考えながら、口づけが嬉しくて、くすりと笑いかける。
なにか…何かと言っても、代わり映えはほとんどない毎日。
貰った手紙の返事は、一つずつ同じような手紙として保管してある。
それはあとで見せればいいとして……と一つ浮かんだことがある]
廓の帰り道に稲荷神社を見つけました。
見つけた日から、毎日、毎日、空木様の呪いが、解けるようにとお参りしておりました。
狐の悪戯なのでしょうかね。
[思い出すと、恐かった事、そして改めて覚えている喜びを噛みしめる。
男に抱き着き、温もりを感触を感じながら]
貴方の事を忘れて日々を過ごしていました。
どうして忘れたのか解りません。でも思い出す事が出来たのは、空木様…貴方から文が届いたからです。
それを見た時に、全てを思い出したのです。
あのまま、忘れていなくてよかった…貴方の事を覚えていて、思い出せてよかったと心底思いましたよ。
それに――。
[言葉をとぎらせると、瞳に涙がたまり]
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