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【人】 世界の中心 アーサー[ ソファに沈んでからも、頬を揉んでいた。 表情筋が悪いのだろうか。 顔色が悪いのは、寝不足と日照不足と、 ──生活習慣が悪い。 随分と久しぶりに窓際に座っている。 今日は晴れているから、居るだけで焼けそうだ。] ( 結局赤くなるばかりで、 そう日焼けもしないのだけれど… ) (18) 2020/05/21(Thu) 21:31:47 |
【人】 世界の中心 アーサー[ 光を浴びている。低い位置に置かれた鏡が、 かんばせの半分を強く照らしている。 ──間接日光を遮ったのは、 質の良いブランケットであった。 金も、紅も、 陰に隠され、] (21) 2020/05/21(Thu) 21:35:16 |
【人】 世界の中心 アーサー[ 薔薇色が僅か、細く。不機嫌の色だが、 ──そんなのは見上げる先の碧に向けてでない。 それでも声は、低かった。 ] (24) 2020/05/21(Thu) 21:49:48 |
【人】 世界の中心 アーサー賭けに負けたのはあっちさ。 負けたから、負けたことを喚きに来た。 全く“礼儀知らず”だよ。 ──どうやら 飲んでる暇は無いようなんだよね。 (25) 2020/05/21(Thu) 21:50:15 |
【人】 世界の中心 アーサー[ 花嫁 と 言うから、 ブランケットの下から、手を差し出して、 ──君がエスコートしてくれるかい? …なんて、“暇”で“退屈”そうな彼女に聞いてしまう。 世界で一番、うつくしい妻であるなら、 妻は “妖精”に救われるのだろう。 羽はぼろぼろで、今にも墜ちてしまいそうな──] (26) 2020/05/21(Thu) 21:51:05 |
【人】 世界の中心 アーサー[ ────キィン と 耳に残る破裂音。 割れた鏡の破片が散っていた。] ……パチンコかな。 小石でも人間怪我するのにねえ。 [ ブランケットの下、 にんまり笑っている。 薔薇色ばかりは、何かに燃えて、 ] (28) 2020/05/21(Thu) 21:53:18 |
世界の中心 アーサーは、メモを貼った。 (a7) 2020/05/21(Thu) 23:44:18 |
世界の中心 アーサーは、メモを貼った。 (a17) 2020/05/22(Fri) 22:45:53 |
世界の中心 アーサーは、メモを貼った。 (a18) 2020/05/22(Fri) 22:45:59 |
【人】 世界の中心 アーサー[ 鏡の破片を払いつ、薔薇は笑んでいる。 温度を感じさせないかんばせに、唯、焔の揺らぐよに。 扉の外からは割れた音に気づいたのだろう、 使用人の足音がしている。 ブランケットの向こうにそれらの“環境”を聞いた。 それでも紅い薔薇は重たくくちびるを開く。] (167) 2020/05/23(Sat) 3:46:34 |
【人】 世界の中心 アーサー[ 自然な位置取りに、満足げでさえあった。 別段、盾として“飼って”いるわけでは 無かったけれど、 “思われる”のは嫌いじゃない。 次ぐ言葉の早さからも、安堵さえ想い。] (169) 2020/05/23(Sat) 3:47:32 |
【人】 世界の中心 アーサー石の飛び込んでくる未来が見えてね。 カップが割れるのは嫌だから、鏡にしたのさ。 良い音がするし。 ──君にも怪我がなくて何よりだよ。 (170) 2020/05/23(Sat) 3:48:30 |
【人】 世界の中心 アーサー[ ──元々、男は元いた場所からほとんど動いていない。 窓の近くに座ったのは失態であれ…狙いは“悪戯”だ。 “所有物”に傷でも付けてやろう、 と 言う。 嗚呼、“きぞくさま”独特の価値観だ。 …嫌になる。 ] (171) 2020/05/23(Sat) 3:49:39 |
【人】 世界の中心 アーサー[ その頃には、薔薇色は多少の落ち着きを取り戻していて、 逸る“銀色”を抑えていた。 部屋を覗いた執事に破片の処理を頼みつ、 去るものの足音を、確かに捉えている。 馬の駆ける足音、車輪の音、 ──急ぎなさい!と 叫ぶ、 どこかで聞いた 声。**] (173) 2020/05/23(Sat) 3:50:23 |
【人】 世界の中心 アーサー[ 責任の所在など、唯1人にしかないと思っている男は、 ──否、寧ろ擦り付けたのだ。 本来“にんげん”の被る筈であった傷を、 鏡に押しつけて、 音を出すことで知らしめた。 騒ぎにしない方法だって、有った。 ──窓を閉めていたら、それで良かったのに。 何にもしていないよな、男の手に、 使い込まれたおんなの指が滑る。] (209) 2020/05/23(Sat) 19:30:29 |
【人】 世界の中心 アーサー( ──その後特別大きな騒ぎもなく、 リドルと、かの“おひめさま”の父親の間で 問題のある程度は解決されたと言う。 障りがあったものと言えば、 おひめさまが“部屋にいたもの”を完全に勘違いし、 ──小間使いなんかと! とか叫んだおかげで 暫く“そういう”噂が立ったことと。 久しぶりに外に出た為に 次の日まで使い物にならなかった主人が、 懲りることなく“小間使い”に膝枕を要求するなど… ) (212) 2020/05/23(Sat) 19:33:28 |
【人】 世界の中心 アーサー* [ ここ数日の、日記を書いている。 全くだらしの無いもので、 たった一回の外出と交渉ですっかりやる気を無くし、 日記のみならず“リドル”としての仕事も 数日分溜めていた。 その仕事を、総て片付けた後の話。 この間彼女にひとつの依頼もしていた筈だ。 それだから過去を思い出しつ、暗い窓の外を見ている。] (214) 2020/05/23(Sat) 19:35:19 |
【人】 世界の中心 アーサー[ 執務室の上には、紅色の満ちたワイングラス。 薔薇に、葡萄の香りが混ざる。 犬の足音に聞き耳を立てながら、 細いステムをそっと 摘み上げた。**] (215) 2020/05/23(Sat) 19:37:25 |
【人】 世界の中心 アーサー──“彼処”の男を。 久しぶりに仰々しく用意された紙には、 整った文字と簡潔な“依頼”。 結局この紙なんか、 灰も残さぬよう焼べられるのだけれど。 形に拘るおとこだった。 理由なんか、それだけ。 (274) 2020/05/24(Sun) 1:37:55 |
【人】 世界の中心 アーサー[ 暖炉の火を顔に受け、 揺れる炎を薔薇色に宿す。 ──この時期に暖炉は暑過ぎる。 誰に向けるわけでない薄いだけの笑みを、 唯、 炎に向けていた。 此処最近の、 ひとりの記憶。*] (276) 2020/05/24(Sun) 1:41:36 |
【人】 世界の中心 アーサー[ リドルであった父は、若くして死んでいる。 二十年は昔、現リドルの僕はまだ10に満たない頃、 リドルの名を継いでいた。] (277) 2020/05/24(Sun) 1:43:07 |
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