【人】 “観測者” 処暑―― 白露の彼女 ―― [ そういえば、と思い出す。 『白露の灯守り』の彼女をこの会場で見掛けるのは初めてではないかと。 彼女が『白露』を継いだのは……そう前の事ではないと思う。 彼女の歳からしてもそうだが、数年の間は霜降の彼女の元で蛍をしていたのだから。>>479 彼女との交流が薄いのはそれもあるのだろう。 隣人として過ごした期間がまだ圧倒的に少ない。 私は一方的に“見て”知っているけれど、実際言葉を合わせたのは一度きり。>>434 故に人見知りが和らぐこともなく。 私からしてみても、彼女は『隣の灯守り』以上のものはない。 灯守りの先人として面倒を見たり、様々な事を教えたり、可愛がったり、 そういう関係性は灯守りの中ではよく見られるけれど、私がそれをすることはない。 ……向いていない。私はそういう性質ではないのだ。 その為、私から話しかけることは恐らくないだろうけれど、 もし 私と話したいと思う 白露の彼女の視線と目が合えば、会釈ぐらいは返しただろう。>>435* ] (490) 2022/01/18(Tue) 20:52:48 |
【人】 “観測者” 処暑―― 冬至の彼女 ―― [ 「冬至の雪兎端末が会場内を伺っている。何をしているのだろうか? 何を見ているのだろうか?」 手元の手帳にはそんなように記されている。 人より小さい瞳の上に、距離もあるため、見つめ合っている意識は私にはなかった。 彼女が私を“観測”していると知っていたなら、“観測結果”がどうであったかを聞いてみたいとも思ったけれど、 私が視線を外し、動けば、 手帳に目を落とす間に、彼女は飛び跳ねながら素早く此方へと近付いてきた。>>450 ] …………………… [ 器用に机の上に跳び乗る様を、手帳から顔を上げ眺めながら、しかし言葉は発さなかった。>>451 「目玉焼きか?」との問い掛けに何も言葉が出なかったからである。 悪戯めいて肯定することも、本当にそう思うのか?と呆れることも私には出来なかったからだ。 単純に「違います」とはっきり否定することも放棄して、手帳へと視線を戻す。 ……が、跳ねた兎は手帳の上に綺麗に着地し、私は記録用紙を失ってしまった。 ] (535) 2022/01/18(Tue) 23:42:59 |
【人】 “観測者” 処暑……………………… ……ええ……こんにちは、冬至さん ……そうですか、それは、良かったです [ 鎮座する白く丸い物体を戸惑いながら見つめ、暫く沈黙。 いくら雪兎が白いからといって、そこには書き込めない。 それから漸く挨拶を返した。 処暑域は田園地帯。そして比較的温暖であるから、冬でも農作物の収穫は盛んと言ってもいい。 ……冬至域の冬は厳しいと聞く。だから、という訳でもないが、先日も米だったか、統治域の作物だったかを渡したのだったか。 尤も、私に料理して持ってくるなどという可愛げはないため、何時も素材丸ごとである。 ]何時ぞやは改良を重ねた“食事口”にも入らず、メイドか誰かに分けてもらったこともあったか。 ええ……そうですね、色々と [ さて、雪兎端末というものは持ち上げることは可能だっただろうか。 問い掛けに答えながら、触り心地の良いその白い丸を手帳の上から移動させた。 ] (536) 2022/01/18(Tue) 23:43:43 |
【人】 “観測者” 処暑……大寒さんと、それから大雪さんの姿が見えます ……冬至さんも、春分さんにご挨拶してきては? [ 現状の観測結果で目を引いたものと言えばまずは、珍しい二人の姿が見えることだろうか。 ひとつの問いにひとつだけ、ぽつりと返すことすら、人見知りが和らいでいるということを表す。 それから雪兎と、春分の彼女に順に目を遣った。 私とこれ以上話を続けるよりも、他の人と交流した方が良いのでは?ということである。 ……彼女と話すのが嫌という訳ではない。 只、彼女は交流好きなのではないかと思うし、それを観察するのも面白いから。 あまり引き止めるのも良くないだろうと、思う。* ] (537) 2022/01/18(Tue) 23:44:26 |
【人】 “観測者” 処暑 「 雪兎の姿で話す灯守りが居るんだけどね 」 [ 先代処暑も、冬至たる彼女に色々と品を贈っていたらしい。 それこそ、餌付けでもするかのように、望まれれば色々と。] 「 あの愛らしい目で見つめられると甘やかしたくなるというか 」 [ 本人が雪兎でも子供でもないことは知っているんだけど、と言いながら、照れたようにそう言うのが常。 そしてそれを聞いた私が、内心で拗ねるのも。 ] (539) 2022/01/18(Tue) 23:50:01 |
【人】 “観測者” 処暑―― 月夜、金色の領域にて ―― [ それが当代の私に代わってからは、それは暫く途切れていただろう。 だが、私も見つめられたのだったか、どうだったか、 気紛れに冬至の彼女に“米”を渡すことにした。 ……しかし、いたく感動したらしい彼女が、私の領域までやってくるのは完全に予想外だった。>>452 私の領域には、誰も人を入れないが、灯守りだけは他灯守りの領域に許可なく立ち入ることが出来る。 それは私の“観察”にも大いに役立っており、領域内に風を吹かせては“覗き見”するのが常なのだが。 ……立秋の彼以外に、態々私を訪ねてくる者がいるとは思わなかった。 処暑の領域の時間はあまり外と変わらない。夕方が少し長いぐらいか。 とはいえ、気儘な引きこもり生活、彼女が訪ねてきたその時は、まだ起きていた。 ] ……………………はあ…… ……そうですか……お好きにしてください [ 長い沈黙の後、出たのは溜息ではなく、相槌の言葉。 この時間の訪問に対しては何も言うことはないが、色々と言われてどう反応して良いのか分からなかったというのがある。 彼女は暗闇の中でも収穫をしようとしただろうか。 私は……手伝うことはせず、唯彼女を“観察”していた。 そんな果たして彼女の手によるおむすびをご馳走になれたかどうか。 領域に誰かが居るということ。そんな時間は居心地が悪くはなかった。 ただ……この出来事をどう受け取るべきか分からなくて、彼女には私の反応は淡白に見えていたのかもしれない。 もし彼女がそれからも訪問を続けたならば、私の態度も徐々に軟化していったのかもしれないが。 ** ] (541) 2022/01/18(Tue) 23:52:48 |
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