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【人】 伊豆浦帆稀やがて電灯が落とされると、少しの間だけ 暗い天井を見つめた。 明日も起きたら、また皆と会えるかな。 祈りのような思いを小さく吸って吐いた 息にだけ乗せて。 目を静かに閉じる。** (72) 2023/02/05(Sun) 20:53:09 |
【人】 伊豆浦帆稀感謝の言葉を述べた後、早速園内へと入った。 それぞれ可愛かったりかっこよかったり 特徴ある被り物をしては写真を撮ったり>>88 いくつかのアトラクションを楽しんでは笑って。 けれど、意識の隙間の時間、ぼんやりしていたのか ふと気がつけば傍には大地しかいなくなっていた>>89 周りを見渡してもすぐには見つからない。 「 いないね? どこ行ったんだろ。 」 気をつけろと、迷子になったら大変だと その言葉は聞いたから、迷子にならないで探すには どうしようか考える。 なにかその後も大地がごにょごにょ言っていたけれど 判然としないので首を傾げた。 (95) 2023/02/06(Mon) 16:41:14 |
【人】 伊豆浦帆稀とりあえず大地の手を取って隅の方に移りながら LINEで伊緒に連絡することにしたけれど。 移動途中くらいで見つけてもらったかな。 連絡してから合流したかもしれない。 それでも、はぐれたら良くないと言われていれば そういうものかと思って手は繋いだまま。 春の陽気が少しづつ近づいているとはいえ まだ寒さの残る頃。 アトラクションへの興奮のためか、大地の手は あったかかった。 (96) 2023/02/06(Mon) 16:42:42 |
【人】 伊豆浦帆稀はぐれた人たちと互いに顔を合わせたなら ほっとして息を小さく吐いた。 不安というほどのことではなかったが、 人混みの多い中、見つからないという可能性も ないこともないこともなかったかもしれないから。 声を掛け合って、繋いだ手を離そうとしたところ 盛大なパレードが始まる>>91 「 わ。 」 思わずパレードに目を向けていたら、声を上げた大地が 繋いだままの手を引っ張り始めた。 合わせるように足を動かし、パレードへと近づく。 またはぐれないだろうかと少し思って 後ろを振り返りながらも。 視界に入ったパレードの演出にやがて 意識はそちらへと持っていかれて。 繋いだ手を離すことも忘れてしまえば 綺羅びやかな夢の世界へと誘われる。** (97) 2023/02/06(Mon) 16:43:41 |
【人】 伊豆浦帆稀言葉の途中で大きな音が鳴った。 予想していなかったのでびっくりして ぎゅ、と繋いだ手に力を込めてしまう。 そこでやっと、まだ手を繋いだままだったことに 気がついて視線をそちらへと向ける。 先程よりも多い人垣の中で、 今離して良いのかわからなかったから 結局そのままにしといた。 (105) 2023/02/06(Mon) 19:59:35 |
【人】 伊豆浦帆稀「 そういえば、大地。 旅行、遅刻してきたよね? 」 と、弁当を食べる段階になったときのこと。 既にお金は渡してあるので、要求はそちらではない。 「 えい。 」 大地のお弁当に箸を伸ばせば、一品中身を 奪い取った。そのまま食べてしまったら もう返せないところに行ってしまう。 (109) 2023/02/06(Mon) 20:00:40 |
【人】 伊豆浦帆稀これが罰ということである。 一回は一回なのだ。 他の皆はどうしていたか。 少しした後に自分の弁当に入っていた 一品を大地の弁当に入れた。 「 交換。 」 育ち盛りは終わりごろかもしれなくとも まだまだ続く旅行でお腹が空いては困ったもの。 自分と違う内容の弁当を食べさせてもらう、 というのが罰の内容であった。 (110) 2023/02/06(Mon) 20:00:48 |
【人】 伊豆浦帆稀美味しい弁当に舌鼓を打って。 物珍しい景色を眺めながら雑談や遊びに興じる。 ちなみに、私が買った弁当はだるま弁当だ。 初めて食べた駅弁は、青春の味として ずっと記憶に残ったら良いなと思う。** (111) 2023/02/06(Mon) 20:00:54 |
【人】 伊豆浦帆稀温泉はなんか効能があるらしく白濁としていた。 色がついている方がそれっぽいとは思っていたので まひろと隣合わせで浸かっている時、珍しさに 掬っては落として、掬っては眺めて。 「 いい湯だね。 」 きゃーあなたの胸大きいわね〜〜 みたいなきゃらきゃらしたことは 多分言わない性格同士。 男湯の方がどうなっているのかは知らないけれど>>102 落ち着いた雰囲気の中景色を眺めて雑談をぽつぽつと。 その間、大地との関係について探りをもし いれられでもしていたら>>114 なんの後ろめたいこともない私は 不思議そうな顔をしていたことだろう。 (134) 2023/02/07(Tue) 8:26:00 |
【人】 伊豆浦帆稀我慢大会をしていたならきっと 出てくるのは女子勢より男子勢の方が遅くて。 真っ赤になった大地と栄純にびっくりしながら 扇げるものもないのでとりあえず牛乳を飲んでいた。 腰に手を当て、ぐいっと一杯! 飲み終わりには口に白いひげがつくのがお約束で 携帯で写真を撮っては笑い声が響いただろう。 (135) 2023/02/07(Tue) 8:26:07 |
【人】 伊豆浦帆稀「 暴れるのはよくな、わぶ 」 先程のは仲裁のための枕投げのつもりだったけれど 栄純が枕を投げてきたので(確定) 諫める声は顔にぶつかった枕によって中断される。 そうしたらあとはやり返しにやり返しが重なる 大乱闘の始まりだ。 止める先生がいない若い者たちの戦いが いつ止まることになったのか。 これも青春の1ページではあったのだろう。 (137) 2023/02/07(Tue) 8:26:37 |
【人】 伊豆浦帆稀たどり着いた終点、終わりの時間。 LINEは出来ても、それぞれ次への準備で忙しくなる。 これから顔を合わせることは少なくなって やがて何ヶ月も会わない日が出来るのだろう。 僅かに感じる寂しさを胸に、一人、また一人と別れて 大地とは道が一緒だったか、暗いから>>122 送っていってもらっていたか。 「 ……? もう貰った、 」 よね? 首を傾げたけれど、渡されたから素直に受け取る。 可愛らしい型で抜かれたクッキーと、 花模様の描かれたしおり>>130 期待して、と言ったからにはということで 特別に用意されたのだろうか。 傾げた首を戻して勝手に自分で納得して。 (141) 2023/02/07(Tue) 8:27:15 |
【人】 伊豆浦帆稀「 ………………? 」 しかし、誤解がないからといって 飲み込めるかというと話が違うのだ。 全く考えもしていなかった方向からやってきた ストレートボールに、私は握られた手をそのまま 真っ赤な顔をした大地を見つめていた。 そうして一つ言葉を落とすのだ。 (143) 2023/02/07(Tue) 8:27:33 |
【人】 伊豆浦帆稀疑問形なのは未だに内容が 認識しているもので正しいのか不明なため。 この場に誰かがいたのなら 間に立ってくれたかもしれないけれど 残念ながら一先ず今間に立ってくれることは なかったのだろう。 大地の反応はどんなものだろうか。 うーんと悩むように唸った声は それでも握られた手を振りほどかない。 「 えっと。 」 (145) 2023/02/07(Tue) 8:27:55 |
【人】 伊豆浦帆稀「 恋の話だよね。 合ってる? わたし、恋ってよくわからなくて。 」 幼い頃から男女別け隔てなく接してきた。 それは性差が出来ても 思春期と言われる時期になっても 全く変わることはなく。 男と女が違うことは知っていた。 恋というものも、結婚というものも、知識として。 でもそれは自分にとって遠いものだった。 膜を貼ったように、どこか違う世界の話。 「 ええと、だから。 」 (146) 2023/02/07(Tue) 8:28:06 |
【人】 伊豆浦帆稀「 もし。 それでいいのなら。 」 お付き合い前提の結婚は断るけれど 一緒にいること自体はできると思うので。 つっかえながら、悩みながら。 それでも真面目に考えた言葉たちを 彼がどう受け取るかは、神様と 楢崎 大地だけが知っている。** (148) 2023/02/07(Tue) 8:28:36 |
【人】 伊豆浦帆稀ちなみに。いつか考えていたように 引っ越し前に伊緒に餞別は渡した。 これは旅行の終わった後の話。 なにがいいか考え、悩んで。 渡されたのは 「 はい、これ。 」 手のひらサイズの木彫りの熊だ。 (162) 2023/02/07(Tue) 8:41:00 |
【人】 伊豆浦帆稀家のことは知っているので、もしかしたら もっと立派なものを見ているのかもしれないが 食べてなくなるものだと寂しい 身につけるものは学生が買えるものだと そこまでいいものにはならない。 そうした思考を経由しての結果である。 魚を咥えた木彫りの熊。 「 わたしだと思って大事にしてね。 気に入らなかったら捨てていいよ。 」 写身というのに気軽に捨てろとも言う。 伊緒の形を忘れないように手を取れば なでなでと撫で擦って別れを惜しんでいた。** (163) 2023/02/07(Tue) 8:41:06 |
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