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【人】 宣伝係 "ている"[ 従業員が描いた落書きから生まれたマスコットキャラは、 今日も今日とてSNSで宣伝ツイートを行っているようだ** ] (1) 2024/05/04(Sat) 22:45:03 |
【人】 会社員 雷恩ただいまーっと。 [誰も居ない部屋に向かってただいまと言うのは癖だ。 幼少期から親に帰宅時の挨拶を口にすることを 何度も強く言い聞かされてきた結果、一人暮らしになっても 怒る親も居ないのに、つい「ただいま」と口にする男になった。] …………。 [とは言え独り言は多い方ではない。 一度部屋に入れば無言で帰宅後のルーティンをこなすだけだ。 スーツをハンガーに掛けて消臭スプレー。 シャワーを浴びて首にタオルを掛けた状態で冷蔵庫を開ける。 男の一人暮らしらしい中身の寂しさ。 350mlのビール缶を開けて飲みながらスマホを弄る。 恋人はここ半年いない。 予定のない夜を持て余す気持ちももう薄れている。] (2) 2024/05/04(Sat) 23:10:51 |
【人】 会社員 雷恩[今は仕事も落ち着いている。 出版社に営業職で採用されて、今年から一人で担当するが、 教科書部門なので頻繁に客先の高校に行くことはない。 教科書の改訂は昨年度だったので今年は大きな変化もなく、 各高校の選定時期に合わせて顔を出し、教科書準拠の 問題集もどうですかと売り込むくらいものだ。 学生時代、特に真面目という訳でもなかった自分が どうして教科書部門なのか最初は戸惑ったが、 ライトノベル部門の同期の残業量を知った今は、 教科書部門で良かったと思っている。 他人に振り回されて睡眠や食事が儘ならない生活なんて、 自分には到底向いていない。] (3) 2024/05/04(Sat) 23:28:18 |
【人】 会社員 雷恩[特別に薄情な心算はない。 目の前に困った人がいて、それを平気で無視出来る神経はない。 ごく普通の男だと思う。 善行をいちいち数えないが、善行の後に気分が良くなる程度の。 ただひとつだけ――というか一人だけ。 親切を与えた女の子のことは覚えている。 放っておくと死にそうだなと思っていた。 ずっと面倒を見てやれる程の善人ではないから いつしか会わなくなったけれども。 死んでいなければ良いなと思う。 思い出したついでに、次の帰省の機会にでも あの公園に寄ってみようか――――――**] (4) 2024/05/04(Sat) 23:37:08 |
【人】 従業員 ルミるる@フェアリーテイル おきゅおわです! 今日もたくさんの王子様たちのお迎えありがとうっ 今月のお給仕シフトはこんな感じだよ〜 [ 白雪姫を模した制服を着た少女の自撮り画像と、 お給仕日程♡と書かれたシフト表が添付されている。 ] (5) 2024/05/04(Sat) 23:52:24 |
【人】 従業員 ルミ[ 童話系コンセプトカフェ" フェアリーテイル "。 営業時間は17時から23時。 土日祝のみ昼間も開店し、客を独自の名称で呼んだり、 イベントごとにシャンパンやチェキを扱ったりと 至って普通のコンセプトカフェである。 同僚たちが次々退勤していくのを見送って、 るる──もといルミはSNSのリストを切り替えた。 ] …… [ 自分を推している、所謂" オタク "のアカウントを漁り 営業を掛ける度合いを見計らって選別していく。 この人は他店に通い始めた。 あの人は最近通う頻度も増えたけれど厄介さも増した。 それから、あれもこれも、ああそういえば──…… ] (6) 2024/05/04(Sat) 23:52:48 |
【人】 従業員 ルミ…………どいつもこいつも…… 新しい女、新しい店、……すぐわたしを忘れていく…… [ 見て。漁って。見つけて。掘り起こして。 探る。なぞる。 わたしじゃない、わたし以外を愛した痕跡を洗い出す。 ネイルで彩った爪先が画面を強く叩いた。 薄桃のリップだけ乗せたはずの唇に赤が滲む。 くだらない。くだらない。────なにが王子様だ。 こいつらは" ずっとわたしだけ "だと嘘を吐いて、 呆気なく他の女に靡いただけのこと。 メッセージアプリを起動して、トーク画面を遡る。 自分の顔がかわいいことなんて知ってるの。 だって皆口を揃えてそういうから。 自分の性格が面倒なこともよーく知ってるの。 だって皆目の色を変えて逃げていくから。 ] (7) 2024/05/04(Sat) 23:53:42 |
【人】 従業員 ルミ[ どうして愛されるために偽らなくちゃいけないの? 過去の傷も、今の痛みも知らん顔して笑い続けるなんて、 わたしにはきっと到底出来ない。 だからお金を積めば対価を得られる夜の世界に来た。 お客さんからお金という名の愛を受け取って。 稼いだお金をホストに流して、愛されようとしたけど、 上手くいかなくてそのうち通うのをやめた。 でもね、今のわたしにはそれでもいいの ────落ち着くために呼び出したSNSアカウント。 アイコンもプロフィールの設定もない。 フォロワーに紛れていても気付かないような、これは。 ] (8) 2024/05/04(Sat) 23:54:20 |
【人】 従業員 ルミ[ 知ってるよ。 次のお兄さんの長期休暇がいつからなのか。 どんな会社に勤めていて、何時に帰っていて 同期の誰と仲が良いのか。 営業先はどこか。 ──恋人の遍歴まで、なにもかも知ってるよ。 ] ……次のシフト、調整して貰わないと、ね [ この次のお給料で、目標にしていた金額に到達しそうなの。 お金ってさ、必要でしょう? お兄さんを養っていくためなんだものね。 不便はかけられないから、ちゃんと頑張るよ、わたし。 ] (10) 2024/05/04(Sat) 23:55:15 |
【人】 従業員 ルミ[ でも、長期休みに帰省先で、なんて待てないな。 いつから休暇があるのかもう知ってるよ。 インターネットって、本当便利に発達したんだね。 おかげでお兄さんのこと調べるの、苦労しないや。 長期休暇に入る前日、前夜。 それがわたしの、勝負の日。 ] (11) 2024/05/04(Sat) 23:57:46 |
【人】 従業員 ルミ[ ねえ。わたしを思い出した夜は、ありましたか。 わたしにはたくさんあったよ。 間違った夜と、歪な朝と、嫌気が差すような傷と一緒に 貴方のことを思い出した。 歩くのが却って不便そうな厚底の黒いブーツ。 フリルやレースで飾られた可愛いお洋服。 いつも以上にばっちり結んだツインテール。 きっとお兄さんは、休暇前の出勤を終えた後。 目前に迫った帰省のことで頭がいっぱいかな?>>4 それとも別のことを考えていたのかな。 私はわざとらしく見えないように注意を払って、 お兄さんの前で転んでみせた。 転んだ人間を気遣って声をかける、くらいは 日常の些細な善行でしょう?** ] (13) 2024/05/05(Sun) 0:07:11 |
従業員 ルミは、メモを貼った。 (a0) 2024/05/05(Sun) 0:10:22 |
【人】 会社員 雷恩ええ…… あー、大丈夫……? 具合悪い? [雨でも雪でもない、地面がつるつるな訳でも逆に凸凹し過ぎている 訳でもない。 だから、最初は気を失って倒れたのかと疑って近寄った。 周りに他に誰か居れば態々自分が声を掛けることはないが、 見回してみても他に誰も通りがからない。 病気で倒れたなら、救急車を呼ぶのも自分しかいないだろう。 服装から年下と決めつけてタメ語で話す。 この段階で、記憶に残っていた女の子と彼女はまだ結びついていない。**] (17) 2024/05/05(Sun) 0:37:54 |
会社員 雷恩は、メモを貼った。 (a1) 2024/05/05(Sun) 0:39:42 |
【人】 従業員 ルミ[ 作られた運命でも、気付かなければ贋作じゃない。 偽物でも、思い至らなければそれは本物じゃない? 精密に。緻密に。秘密裏に。 現実はおとぎ話ほど優しくも綺麗でもないけれど、 だからこそそれを演出しても良いでしょう? 貴方が気を付けていることすら、 あまり気を配らない同僚がいて大変ね。>>14 貴方のアカウントだけでは特定しきれないことも、 他のフォロワーが載せた情報から探ることが出来る。 少しずつ、少しずつ。 急いては事を仕損じる……って昔の人が言ってるもの。 私はいきなり毒林檎を食べさせるような馬鹿じゃない。 ────だから。 ] (18) 2024/05/05(Sun) 11:31:03 |
【人】 従業員 ルミ[ ねえお兄さん、私知ってるよ。 誰といつ飲みに行ったのか。 どこに遊びに行ったのか。 恋人はどんな人で、いつ付き合って、いつ別れたか そのひとが、誰なのかまで、ぜんぶ。 ] (19) 2024/05/05(Sun) 11:31:17 |
【人】 従業員 ルミ……ううん、大丈夫です ごめんなさい。 履き慣れてない靴だから…… [ ゆっくり、早まる心臓を抑えるように顔を上げた。 いきなり自分の近くで人が転んで、 すぐに立ち上がろうとしない不自然さを覆うように。 はにかんで彼を見上げ、立ち上がる。 ] ………… [ 白い、雪の結晶をモチーフにした髪飾り。 靴のビジューは街灯を反射して煌めいている。 膝上丈の黒いワンピースをふわりと揺らして。 私はお兄さんを、じ、と見つめた。 ] (20) 2024/05/05(Sun) 11:32:09 |
【人】 従業員 ルミ[ 公園でひとりぼっちだったあの頃は。 こんな綺麗な格好は出来ていなかったけれど。 明らかな問題物件と見てわかる私と、 関わろうとした人なんていなかった。 ──あの、たった一人を除いて。 それは最後まで続いてはくれないやさしさで。 でも、それでも、わたしは── ] (23) 2024/05/05(Sun) 11:40:57 |
【人】 従業員 ルミ………………お兄さんって 私の昔の知り合いに、少し似てるかも。 [ 気のせいかな、と笑ってみせた。 貴方の記憶の芥になって、 もうそこに私がいないのかを探る為に。** ] (24) 2024/05/05(Sun) 11:43:02 |
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