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【人】 衝撃波 ポルクス処刑の時間。男は今日も自室にいる。 自室に居るにも関わらず扉は薄く開きっぱなし。 動く人の音の行く先を心臓で追っていた。 「…………、」 どうしても気になってしまう。 完成した曲の楽譜を乱雑に片付け、中継を繋いだ。 (1) 2022/03/05(Sat) 21:48:50 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 人形師 シェルタンあなたの考えの通り、嘘は音で分かる。そして今の話には嘘の音が含まれていないと分かる。 だからきっと素直に話を聞いていた。"繕う"のが上手い人の考えは個人的にとても気になるので、少し前のめり気味に。 「ンーンン、そういうのって慣れるもんなのかー……いい印象、は……そう、だな……、そうだ……アンタの言う通りかもな」 悪いイメージはない方がいい。 できるだけ波風を立てない方が都合がいい。 裏をかくため弱いくらいに見えるのが丁度いい。 いつだったかに言われた言葉を思い出す。 ――それと似たようなものだろうかと、やっと解を得る。 「……ン? ああ……兄貴、は……いるよ……親には捨てられたらしいけど、兄貴とは……ずっと一緒だった」 そうして兄の話になると途端にぎこちなさが浮き彫りになる。 ずっと黙秘をしていた。存在をひた隠しにしていた。 話をするのが怖かった。理解されないのも怖かった。 何をどう言えばいいのだろうか。 「ここ入ってからは……どうしてるか、……わかんない、けどな」 尚、失礼発言とそれに伴う謝罪に関しては、しれっとされても別に何とも思ってないようにこちらもしれっとしている。 本人は「なんか、よく子供みたいに扱われるんだよなーなんでだろうなー」くらいの認識なので……。 (-6) 2022/03/07(Mon) 1:25:24 |
【人】 衝撃波 ポルクス自室で中継を見ていた。静かに中継を見ていた。 中継を見ていた。中継を見ていた。 中継を見ていた。中継を見ていた。 中継を見ていた。 中継 を、 「……、…………う゛、あ゛……」 画面から大きく響き渡る叫びに。 空いた扉から伝わる微かな振動に。 胸を、頭を抑える。身体が震える。 心臓が苦しくなる。恐怖心が流れ込む。 思考回路はぐちゃぐちゃだ。ギターを手にした勢いのまま扉にぶつかり崩れ落ちる。 ――処刑室にはもう絶対に来るなよ 思考回路はぐちゃぐちゃだ。震える手と身体で扉を開き動き駆け始める。 「……る、……れしゃ…………、ッ!」 思考回路はぐちゃぐちゃだ。間に合う、間に合わない、関係ない。考えられない、分からない、分からない事も分からない。 ただ頭にあるのは。 ――一刻も早く愛しの魚が陸へ打ち上げられてしまった舞台へ 出来損ないの機械は。 制御不能のまま恐怖を辿り処刑室へと向かう。 (41) 2022/03/07(Mon) 2:49:55 |
【人】 衝撃波 ポルクス「……ッ、ある、れしゃ、」 ギターを背にした出来損ないの機械がひとつ。 心臓を抑えたままに。フラつく足取りのままに。 荒くなる呼吸に身体を震わせ現れる。 ――最後くらい華やかにやろうと思ってさ 穏やかな笑みを浮かべていたあの時の音はどんなだったか。 自室で中継を見ていた。だから知っている。 あの部屋には炎も、赤い空も、崩れた瓦礫も、焦げた跡も。 何もなかった。 狼の首を討ち獲ろうと舞い踊る 処刑人達 と。夢を攫うのを代償に赤に沈んだ 鎖の蛇 と。恐怖に掬われ打ち上げられた 歪な魚 と。凶器と血溜まりがあるだけだ。 端から周りなど見ていない。目もくれない。 魚に歩み寄る英雄も、銃を構える悪魔も認識しない。 その機械は真っ直ぐに愛しの魚まで駆け抜ける。 死に抗い跳ね続ける身体の傍まで。 この機械は此処に辿り着く前から己へと強化を施している。 身を軽くする振動により駆ける動きは素早く。 筋力を底上げする振動により抑え込む力は強く。 脳に無理やり信号を送り続ける。 己を襲う激しい頭痛など知らん顔だ。 アルレシャの痛みに比べたらこんなもの。 (48) 2022/03/07(Mon) 22:04:29 |
【人】 衝撃波 ポルクス駆け抜けるそれが魚へと近付くことが叶ったのならば。 崩れ落ちた身体の目の前で両の膝をついて。 片方の手をアルレシャの頬へと添え。 もう片方の手でアルレシャの愛銃を。 震える手と一緒に包み込むように握るだろうか。 撃たせぬよう引き金にある指を指で浮かせ。 強い握力と腕力に導かれ銃口は天を仰ぐ。 一般的な人間であれば容易く抑え込めるくらいの強化はしてある。 それでも足は取り押さえていない。暴れようと思えば暴れられるのだろう。 尤も、この拘束を解く力は今のアルレシャには無いのかもしれないが。 己の震えと共にアルレシャの震えが伝わる。 そして音、振動でその感情の全てが伝わる。 「アルレシャ、迎えに来た」 それでも、この機械の声と瞳は揺るがない。 「大丈夫、怖いのはもう……終わるから」 口だけを動かす。 「――――…………」 ▼ (50) 2022/03/07(Mon) 22:23:37 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 白昼夢 アルレシャ掠れた声は。 「――――……だからおやすみ、」 酷く穏やかで優しい音で、あなたの耳へと届けて。 「アルレシャ」 その際に振動を操ってあなたの脳内を揺さぶり。 僅かでも安らげるようにと丁寧に丁寧に信号を送る。 恐怖に脳内を揺らされたままの、あなたに効くのだろうか? 静かに眠りを誘うこの振動が。 もし届いたのならば。 ふっと柔らかく緩やかな眠気があなたを襲うだろう。 (-17) 2022/03/07(Mon) 22:24:11 |
【人】 衝撃波 ポルクス機械は夢を見ない。 機械は魚を愛でる。 愛しの魚の額へと口付けを落としたその後は。 天を仰いでいた銃口をその魚の頭、米噛みへと突き付け。 体温をなぞり絡めるよう動かした手。 己の指を引き金へ添え。 引く。 ――バン!!! いのちの終わりの音。 銃声をひとつ、轟かせた。 そばにあるのはもう。 音の無くなった身体だけ。 (51) 2022/03/07(Mon) 22:25:15 |
【人】 衝撃波 ポルクスぐずっていても仕方がない。 ――理解している。 仰向いて口をきゅっと結び。 ――もう零れ落ちないように。 か細い溜息が長く空を揺らした。 ――心臓が寂しいな。 やがてそれは。 抱き締めていた身体をゆっくりと引き剥がし。 床へと寝かせ。乱れた髪を、服を整えてから。 運ぶのに邪魔になるといけないから。 ……それは漸く、愛しの魚から離れていく。 それでも。 運ばれていってしまうまでは。 寂しくないように。 そばにいるよ。 (55) 2022/03/07(Mon) 23:50:22 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャ――――処刑が終わり。 フラついたままの重たい足取りで。 音の無くなった身体を追い蘇生室まで辿り着く。 その際に、テンガンと入れ違いになるだろうか。 首を傾げて。だが目で追うだけに留めた。 蘇生装置のすぐ近く。 部屋の中で佇む出来損ないの機械は。 愛しの魚が眠りから覚めるのをただ待っている。 (-33) 2022/03/08(Tue) 1:40:51 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャどんなに長く時間が過ぎようが。 それはずっと近くにいただろう。 機械の振動のパターンを覚えてしまうくらいには。 「…………、……、ッ!!」 機械の音に混じり、命が跳ねる音が響いたと分かる。 安堵に息を吐き、力が抜けて足が縺れ。 「よかっ……た……………」 このまま生き返らないのではないかという恐怖心。 少なくともそれからは逃れることが出来る。 ポッドへと身体を向けたまま壁際まで下がれば。 すとん、と力なく座り込んだ。 (-38) 2022/03/08(Tue) 2:19:03 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャ壁際。イヤーマフに手を伸ばし身に付けて。 これは音楽を聞くモノではなく。 耳を塞ぎ、振動の感知に集中するためのモノ。 響くあなたの音、振動を拾うためのモノ。 あなたの音を心臓で受け止めている。 穏やかな眠りの音と、俺のだいすきな音。 疲れが溜まっていたのだろうか。 或いは安心感からか。或いはあなたのそばだからか。 その全て、かもしれないが。 座ったままに、この機械も小さく寝息をたて始める。 それでも。 愛しの魚の目覚めと共に。 この機械も動き出すのだろう。 無意識に、あなたの音を拾い続けながら眠るのだ。 (-43) 2022/03/08(Tue) 2:52:18 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャ小さく、小さく寝息をたてていた。 浅い睡眠。それでも心地の良い眠り。 ……の途中で響き渡る声に肩を跳ねさせながら頭を上げ。 それに続く形で響き渡る軽めの打撃音を感知する。 数回続く音もしっかりと心臓で受け止めた後は。 「えっ……な、に…………?!」 小声ドン引きボイス。なにがどうなったんだ??? 音で分かっても流石にこれは理解が追いつかないよ。 でも完全に目が覚めた。ので、ロベリアのポッドを見つつ。 アルレシャのポッドまで近寄るだろうか。 「 あーあーあー…… 怪我治ったばっかなのに…………、大丈夫か?」 (-47) 2022/03/08(Tue) 3:39:14 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャ頭を押さえたままの姿を見ればくすり、あなたには届かないくらいの音で笑うだろうか。その際に、もし目線が合うならば少しだけ首を傾げ。 「…………ン、」 ノックの音で理解する。きっとぶつからない位置まで移動して、蓋が開く様子を見守ってから再びあなたの近くまで行き。 「おはよ、アルレシャ」 へにゃりと、曖昧な笑みを浮かべあなたの名を呼ぶ。 ちょっと行儀が悪いかな。でも我慢できないからいっか。 ポッドの端、片膝を乗せて両方の手を伸ばして。 ぼんやり気味のあなたを抱きしめてしまおうか。 (-50) 2022/03/08(Tue) 4:15:33 |
ポルクスは、二度寝を感知した。 (a28) 2022/03/08(Tue) 4:30:10 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャ虚勢を張ろうとしたことも。 微弱な音で分かってしまうだろうか。 どの道、あなたへの態度はそんなので変わりはしないけど。 「…………、 ! 」そうして回される手には少しだけ驚きはするけれど。 音や味覚が分ったりしなきゃ伝わらない範囲だ。きっと。 自身に移る体温と熱に、安堵し。 くすくす、からからと喉が鳴り。 「…………あはは、あるれしゃだー……」 音と熱を噛み締める。 暫くはそのままだったかもしれない。 どこか甘えるような動きで擦り寄った後は。 ゆっくりと身体を引き剝がし、それでも二つの身体は大きく離れるわけでもない。 あなたの顔を優しく包むよう、頬に両手を添えて。 その存在を確かめるように親指で数回、撫でるだろうか。 (-55) 2022/03/08(Tue) 5:03:40 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャあなたから響く音を心臓で受け止めている。 いつもの音も愛おしいが。 素直な音は狂おしいほど愛おしく感じて。 逆にちょっとよくないかも。 このまま掻っ攫ってしまいたくなる。 「なんだー……? まだ眠そうだな」 求められる音に応えるように、楽しそうな喉の音は続いている。まあこの状況なのだ、応えようとしなくともきっと無意識に鳴ってしまうのだろうけど。 あなたの傷を開きたくないから思い出さなくていい、なんて気持ちは我儘だろうか。 手を重ねられても拒みはしない。 じ……と見つめ。 「…………、あーるれしゃ」 いつの日だかに呼んだみたいに名を口にした後は。 包んでいた手で少しだけあなたの顔を引き寄せる。足りない距離は自分から迎えにいってしまおうか。 「…………、ん」 あなたの唇へと、自分の唇を重ねて。 ぼんやりだからたぶん、避ける余裕もないよな? イタズラっぽい音を心底、楽しそうに響かせた。 (-58) 2022/03/08(Tue) 5:54:27 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャ「ねむい」の肯定の一言にはどこか困ったように笑ったのだろう。 悪夢を見ていた寝付の悪いあなたが眠りを欲するのは良いことなんじゃないか、と思うのだ。たくさん、眠ってしまえばいい。 でもここだと一緒に寝れないから嫌だな、とも思った。 あなたの二度の瞬きの後、軽く重ねただけの唇は離れていく。 きっと不思議そうな顔で首を傾げている。 想像してた反応と随分違う、予想外、というか。 …………いいの? そんなんじゃ、 「…………、 ごめん、 もっかい、 」やっぱり我慢なんてできなくて。 周りに人、フツーにいるんだけどさ。 目を閉じ再び顔を寄せた後は、はむ、と唇で甘噛みしてむさぼるようにキスをしてしまおうか。軽く合わせただけじゃ伝わらない感触を欲しがるように、火照る熱を求めるように、何度か繰り返し。 …………いや、よくないな、これ。 ちゃんとやめないと。 唇を離す頃に。離す前に。 ……最後に、ちょっとだけ、一度だけ下唇を噛むかも。 じゃれるように。痛くない甘噛み程度に。 (-63) 2022/03/08(Tue) 7:43:38 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 人形師 シェルタン「あー……そういうやつ……演奏と同じようなもん、かな。演ってる内に身体が、覚えて……考えなくてもある程度……できる、感じ」 同意。今回は自分の身にも覚えのある話だった。 理解は先程 『音がおかしかった兄』を連想した時 より早かっただろう。「――――兄貴、は…………」 兄について聞かれれば、きっと分かりやすく視線を逸らす。俯く。己を落ち着かせるために心臓に手を当てて深い呼吸をひとつ。 隠さないと決めた今でも話をするのは怖い。 「どう、だろう……知ってる、かも? しれないし、知らないかも、しれない、……俺が捕まった時に、離れ離れに、なったから……どこに居るのかも、何をしてるのかも、……わかン、ない」 それでも分かることもある。 「でも此処には、……来てない、から……だったら、まだ、」 言葉が途切れる。言葉の先は脳内に留まった。 まだ外の世界にいるのだろう、と。 (-68) 2022/03/08(Tue) 11:58:31 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャ「! ……っ……ん、……ぁ、」 漏れ出す声に熱を帯びた吐息が混ざる。 閉じていた目が微かに開き、視線は音を追う。 反撃を食らうなんて考えてすらいなかった。 触れ合っていた自分の唇を無意識に中指でなぞり。 呟いた言葉を聞く、ちょっと前くらいに思考する。 すぐここから出た方がよかったな、これ。 ならば話は早い。 いや気付くのは遅いが…… 横目に周囲を確認。この場の音を認識し。 「……アルレシャって重さどんくらいだろ」 囁くような声のままに喋る。 まあ、どんくらいでも関係ないか、と。 「――――……Boost」 己の脳へと信号を送り強化を施す。 狛犬を迎えに来た彼の真似、という訳でもないが。 未だポッドから起き上がっていないであろうあなたの膝裏に腕を通し、背中を支え掬い上げてしまおう。悠々と。 横抱き。いわゆるお姫様抱っこだ。 「…………、俺の部屋、行こうか」 さっきは"よくないかも"って考えが頭をよぎったけど。 ……このまま本当に掻っ攫ってしまおう。自室まで。 (-72) 2022/03/08(Tue) 13:13:11 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 人形師 シェルタン「日常的に…………、でもやっぱ、それだとつらい、というか……さみしい、気もする」 すぐに、それってやっぱり辛いのでは、と思考が巡った。 自分の演奏は、趣味、好きなものであり、呼吸でもある。 でも"繕う"のは違うだろ。"演じる"事があるから分かる。 あれは己が折れないため足を踏ん張る行為だ。 「…………、会いたいよ」 小さく言葉を溢す。これは無意識の音だ。 俯く顔を上げる。見開く瞳。 それはどこまでも真っ直ぐに。 自身の領域に踏み込んで来たあなたの顔、目を。見据える。 「 会いたい。 聞きたいことがいっぱい、あるんだ……言いたいことも、いっぱい。アイツが何を考えてるのかは、今も前も、わかんないけど。 でも、もしかしたらアイツもそう思ってるんじゃないかって、そうじゃなくても、俺は…………、」 「――――……もう逃げるのは、嫌だから」 ぽつりと言葉を落とす姿はない。 それは明確な強い意志を示すように。 出来損ないの機械は。高らかに己の音を響かせた。 (-85) 2022/03/08(Tue) 21:55:24 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャあなたが笑ったのを見てじわり、顔が熱くなる。 声出さないようにしてたんだけどなあ。 持ち上げれば存外、軽い身体に強化は要らなかったかな、と思ったが……こっちの方が安定するからいいか。 落とさないよう、苦しくないよう、しっかりと己の身へと添えて。 そうして愛しの魚を運べば廊下、自室の扉前。 それはいつも通り薄く開きっ放し、 「 うあぁ…… めっちゃ扉開いてる……!」なんてことは全くない、誰がどう見ても全開だった。 あの場に駆け付けるため、勢いのまま飛び出していってそのままだったのだ。まあ、開く手間が省けて丁度いいけどさ。 つま先を扉に引っ掛けながら自室に入り。 扉が枠にぶつかる際に音、振動を操り。 動きに勢いが付けられた扉はバタン、と閉じられる。 「アルレシャ……部屋、ついたよ」 一先ずはベッドの上へと運ぶだろうか。運びました。よいしょ。 (-86) 2022/03/08(Tue) 22:12:05 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャあなたの腕が伸びてくるのも、全く考えにはなくて。 「わ、…… びっくりした 」素直な感想をひとつ。 それでも喉はくすくす、からからと鳴っているが。 身体と顔は容易くあなたの方へと引き寄せられるだろう。 「んー……? あはは、……じゃあ一緒に寝ちゃおうか?」 自分もベッドに乗り上げて。 後ろに体重かけていいよ、と声をかけながら。 背にあった手はそのままに。膝裏に差し込まれていた手をあなたの後頭部に添えて。ゆっくりと倒していくだろうか。 「俺どうすればいい? 何かして欲しいことある?」 寝る時の体勢、とか。他にも何かあればしてあげるつもり。 (-93) 2022/03/08(Tue) 23:20:11 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 歪な魚 アルレシャ黙り込む様子を見れば首を傾げながら目を細め。 開かれた口から続く言葉を聞けば。 「…………、っ」 強く跳ねる心臓の音。……自分のだ。 「……、ン……わかった」 心をかき乱す、とはこういうことを言うのだろうか。 息苦しさの音。普段の二人を真逆にしたみたいだ。 けれど。このどろりと熱を持ち絡みつくような独占欲の音は、あなたのモノではないのだろう。 後頭部に添えていた手を動かして、隣に寝そべって。 いつもの、腕枕をするみたいにあなたを包み込んでしまおう。残った方の手で布団を被せた後は、あなたの頬に添えて、撫でて。 「ゆっくり休みな。……ずっとそばにいるから」 (-110) 2022/03/09(Wed) 2:07:19 |
【秘】 衝撃波 ポルクス → 人形師 シェルタン>>-103 音には気付く。言葉が続かないのなら、こちらも表情に出したりはしない。聞こえた音に知らん顔するのは慣れているから、出来てしまうのだ。 でも、アンタもそう思うのかな、って。少しだけ親近感を覚え始めたのは確かで。 人間らしさを感じたのも、確かで。 「…………、ああ、……ウン、話を聞いてくれたみんなのおかげ! いわゆる予行練習ってやつ? 自信ついてきたのかもな」 なんて、調子よくイタズラっぽく笑う。 きっかけは色んな場所にあった。 色んな人に背を押して貰えた気がしたんだ。 その内の一人にはあなたの愛する"コヨーテ"も含まれていて。 「……ン! アリガト! ……シェルタン!!」 そしてたった今、あなたもその内の一人になったのだろう。 嘘の音が含まれていないと分かる。取り繕うのが上手いあなたから向けられたホンモノの肯定の言葉は、この機械の心臓を確かに揺さぶった。 後はもう。 前だけを見て。進んで。 失敗なんて選択肢はない。 自分の望む結果を勝ち取りに行くまでだ。 (-111) 2022/03/09(Wed) 2:08:48 |
【秘】 鳴動の機械 ポルクス → 歪な魚 アルレシャ笑った顔には、男も笑みを浮かべた。 胸元に来る動作が愛おしくて、 苦しくて。 手放したくない、ずっとそばにいたい、閉じ込めて、 あなたに届く鼓動は、振動は、騒がしく。 長い間、強く、早く、跳ね続けていたのだろう。 あなたが目を閉じる頃、あなたの頭。 届く場所へキスを落としてしまおう。 いつもより長く、それを贈った後は。 「おやすみ、アルレシャ。……、 愛してるよ 」あの時、脳を撫でた声と変わらぬ音で おやすみの挨拶と愛の言葉を。最後の言葉は微睡むあなたの耳に届いたかどうかも分からないが。魚の安らかな眠りと共に、機械も眠りに就こうか。 いつも通りに戻ったあなたには。 男はまた曖昧な笑みを向けるだろうか。 撫でられればくすくす、からからと喉を鳴らし。 今回は自分から扉を開けて、廊下を歩いていくあなたを見送っただろう。 (-114) 2022/03/09(Wed) 2:59:11 |
【独】 衝撃波 ポルクスアンティーク調の家具で飾られた自室。 端末をぽちぽちしてひとつずつ家具を申請し、運び込まれ、作り上げた"俺の理想の部屋"ともそろそろお別れかな、首を傾げ。 「もうすぐで、ここにも来れなくなる……らしい?」 いつエリア閉鎖されるかの認識が曖昧だねえ。 それでもこの宴の "終焉" を音で 感じていた。「クラッシュ! お前ともお別れか〜! ……やっぱ寂しい、かな……」 スツールに座りながら、そばにあるギターを撫でる。 コイツも今じゃ大事な相棒なのだ。返すのやだな、思いつつ。 「…………、行こうか、クラッシュ」 ――それでもまだ、"終演"はしていないだろ! いつものようにギターを背にし。アンプを手に持ち。 出来損ないの機械は高らかな音で部屋から出ていく。 (-131) 2022/03/09(Wed) 20:08:25 |
【人】 衝撃波 ポルクス男は演奏を行うためステージへと向かう。 だがその歩みはまだ。 まだトレーニングルームには向かわない。 気まぐれに散歩をするように。 わざと遠回り。廊下を巡回する。 「…………〜♪ 〜♪ 〜♪」 ギターを背に。アンプを手に持ち。鼻歌まじりに男が歩く。 「演奏中」の札、紐を人差し指に引掛け肩に乗せたそれが歩くリズムに合わせ揺れる。 今の男の姿を見た者は気付くだろうか。 気付いたらいい。これから演奏をするのだ、と。 もちろん声を掛けられたら言うつもり。 「最後のライブをするから、良かったら来なよ」ってね。 (69) 2022/03/09(Wed) 20:47:29 |
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