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【赤】 よろず屋 シラサワ沙華の張りつめた言動に海眼を細める。 まあ、その驚愕が見れただけしてやったり、 といったところかもしれない。 「確かにそうか、 二匹の"子狼"のお守りはちょっとな。」 道化を言いつけられた自分には 荷の重い話だ。 神狼は呼び起こす。 人間の根底に澱む衝動を、 飽くなき飢えと渇きを、引き摺り出す。 戸隠の歩みは止まらないだろう。 まるで祠に導かれるように、呼ばれるように。 見えるだろう? 灯をもった、飢えた同胞達が。 匂うだろう? 印に焼き付けられた、熟れた果実の匂いが。 「…可哀想に。忘れられたらいいのにな。」 戸隠を見て零した。 歩みを彼に合わせるように再開する。 (*24) 2021/07/21(Wed) 16:32:30 |
【赤】 よろず屋 シラサワ「ひとつ"喰えば"、まずは治まるさ。」 道化の男は謳う。 それは五十鈴が求める林檎のよう。 禁断の果実。楽園の知恵の実。 一度齧れば、追放者の出来上がり。 最早楽園には、二度と戻れない。 (*26) 2021/07/21(Wed) 17:56:11 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>32 モクレン >>33 沙華 >>36 ユヅル 「隠したかて、いつかバレるもんやろ? 神狼はんに直接問えるとは思わんけど…。」 情報は大切な"商品"だ。 言葉を紡ごう、経済を回し流通させるように。 遠くに居たモノは近くに。会話を始めたシキと五十鈴。 良い傾向なのではないだろうか? 商人とはこういうモノだ。周りを煽り、動かそう。 言葉という資金の循環を回そうではないか。 …島外の子かて、せめて覚悟ぐらい出来た方がええやろ? モクレンはんもユヅルはんも分かっとるみたいやな。 「ユヅルはんはやっぱええこやな…。 ちょっとぐらい反抗期起きてもええんやで?」 (46) 2021/07/21(Wed) 19:48:09 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>50 「かわええ子には旅させぇ言うやないか沙華はん。」 全くもって油と水。 とことん気質が合わないのか、喧嘩するほどなのか。 まぁ、ある意味変わらないやりとりに安堵しているとも。 扇子をパチンと畳み、帽子のツバを突きあげる。 「商人は美味しいとこ摘まむもんやで。 そないな言うて…この状況で、何の責任が取れるんや。 状況としては皆同じやろ。 何知っとるか違うぐらいで。」 あの状況で不確実な断片だけで混乱させるより、 どういう状態か説明した方がマシではないか、と。 言葉と言葉で斬り合う。 「まぁ、足りんもんがあったら うちの店から出すぐらいはするけどな。」 (51) 2021/07/21(Wed) 21:30:28 |
【独】 よろず屋 シラサワ/* これで沙華はんと味方同士なんやなぁ思うと しみじみしてまうんやけど。 なんなんやろなこの状況。いや毎年のことなんやけどな。 身内切りいうレベルやないやろ。 (-54) 2021/07/21(Wed) 21:56:19 |
【赤】 よろず屋 シラサワ「…俺も、あんなんだったんだろうか。」 戸隠を見て、男は沙華に聞こえるよう、そう呟いた。 「今年ばかりは全員島民だと思ってたよ。 島長も神狼様も、惨いことをするね。」 ああ、無責任か。どうにか出来る責任を持てるなら、 こんな状況になっていないよ。 俺も、沙華も、…この子も。逃げられないんだ。 ▶ (*32) 2021/07/22(Thu) 2:07:58 |
【赤】 よろず屋 シラサワ──島民には、島長を筆頭に神狼を崇める一派がいる。 祠の出入り口で三人を出迎えたのは、 そういった複数の島民だ。 中へ通される。リェンは言っていた、"何も無い"、と。 いいや、あるのだ。 神狼の遣いと呼ばれる"狼"には、 今の戸隠のように、頭へと刷り込まれる。 シラサワのようなモノには、一派から教え込まれる。 さぁ、新たな"狼"の誕生を祝おう。 島民が囲む白い布に横たえられた柔肌に吸い寄せられるように、 戸隠が覆い被さるのを見ている。 どれだけ掟だ風習だ伝統だと言っても、 いざ当事者になれば、少女も少なからず抵抗するだろうか。 島民が腕と脚を押さえたのが見えた。 使いが舞でなく肉を要求するのなら、そうなるのだろう。 (*33) 2021/07/22(Thu) 2:09:10 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>52 ユヅル >>54 沙華 「急に引きなさんなや、押した手ぇがどっか行くわ。 どないしたんや沙華はん?」 跳ね返ってくると思って出した言葉が そのまま受け入れられてしまうと拍子抜けだとばかり。 「充分か……俺はな、物事を知らんで怪我して それを後悔するぐらいなら、 知った上でなんなりした方がええ思うとる。 その上で怪我するんやったら、まだ納得いくやろから。」 そう、海を瞳に湛える男は言う。 無知が罪だとまでは言いたい訳ではない。 知ることは誰にだって権利としてあるのだと。 「不躾なんはわかっとる。これはあくまでうちの信条や。 せやし、俺が言うんはただの戯言。 聞く聞かんはユヅルはんの自由やからな。」 (56) 2021/07/22(Thu) 2:24:28 |
【赤】 よろず屋 シラサワ薄暗い祠に響く、鈍くも熱い、粘つく水の音。 そのうち島民が捕まえていた手脚は離され、 少女は熱に呑まれるまま、眼前の狼に縋るより他無い。 もしかすれば、地の白布を染めるのは、 白でなく、初めて牙を突き立てられた傷口からの赤色か。 ああ、人も結局して獣なのだ。 ▶ (*36) 2021/07/22(Thu) 10:16:18 |
【赤】 よろず屋 シラサワ「…"ありがとう"。沙華」 異様な雰囲気の中に混じって告げられる、 澄んだ海の煌めきたるや。 「記録をしている沙華がそう言うなら、 俺も同じだと、信じられるよ。」 言葉を向けられた沙華以外、 誰も道化の言葉など聞いてはいないだろう。 最初は眼耳を疑ったモノだ。 毎年犬猿の仲のようなやりとりをする沙華と、 こうして仕事をすることに。 己は狼ではなく、ただの人間として二人の隣に在る事に。 「救いがあると? 俺はもう、諦めているだけだよ。 沙華の言うような"御伽噺の主人公"を、 ……でも、沙華がそう言うだけで、救われてるさ。 沙華ぐらいだからね。 俺にぶつかって来てくれるのは。」 (*37) 2021/07/22(Thu) 10:17:20 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>57 「寒い中温まる火ぃ大きいしたい思うただけやで。 俺が水かけんかて、誰かがかけてまうからな。 まぁ、うちが選ばれたら"次の日の二人" 一緒に面倒見るぐらいはするわ。」 そもそもに今日神託に選ばれてしまえば、 このシラサワという男はただの放火魔と成り果てる。 きちんと色々責任の取り方を考えた所で、 途中で道を塞がれてしまえば、 どう足掻いても成立のさせようが無いのだ。 だからと言って、何も知らず小さな火を見つめるよりも、 祭なのだから花火を見た方が良いだろう? 様々な角度から見える花火を、だ。 男なりの器用で不器用な親切心だった。 (58) 2021/07/22(Thu) 10:37:01 |
【独】 よろず屋 シラサワ/* …まぁ二人や言うて、二人分の吊とは言うてないけどな。 襲撃されたんと吊られるん二人のことやで? さぁてさて……"本物の陽動者"はんは、これ見て何思うやろな? (-62) 2021/07/22(Thu) 10:46:50 |
【独】 よろず屋 シラサワ/* 煽動者やわドアホ。 これやから自分は狂人やねんやわ。 ──まぁ、沙華が突っかかってくれるのは嬉しい話だけどね。 うちのやっとる事って 反応する人間おらんと始まらんからな。 (-63) 2021/07/22(Thu) 10:50:48 |
【赤】 よろず屋 シラサワ澄んだ海を湛える瞳を濁すような、灰色の髪。 肌の露出を控える服装と見た目は、 己が真意を隠したい表れでもあるのか。 「そりゃあね、知り合いが誰も居ない島に、 訳あって単身商売しに来てるんだ。 不安を表に出してちゃ商売にならないだろ? 堂々と構えてないと、商品にまでケチをつけられる。 俺自身も商品なんだよ。」 まぁ、中身の分からないパンドラの箱か。 逢った時から真っ向と開けようとしたのは。 「……仲間が沙華じゃなかったら、 此処まで言わなかっただろうな…。」 やはり今年は何かが違う、と。 (*39) 2021/07/22(Thu) 15:55:58 |
【独】 よろず屋 シラサワ/* 今日まで種まき、明日からやな、本番は。 実際に神託降りるん誰か分かってから……。 狼はもっと忙しくなるやろな。 俺が演じとる役職が落ちたらお笑いや。 …まぁ、その時はせいぜい笑ってやられるしかあらへんが。 (-66) 2021/07/22(Thu) 16:59:49 |
【独】 よろず屋 シラサワ/* 悩むんよな、俺は悪人か? 善人か? ……ま、善人ではあらへんよな。 他所様のお株奪って、上澄みを掬い上げ、 ええ顔しとるだけの狂人や。笑えるな。 せいぜい神託下ったもんには優しくするぐらいしか、 俺には贖罪の道はあらへんわ。…地獄やなぁ。 しかも優しうするんは自分の為やろ言われたらなんも言われん。 滑稽な道化やな。 (-67) 2021/07/22(Thu) 17:12:19 |
【赤】 よろず屋 シラサワ沙華の言葉にはふと自嘲のような笑みを零し、 その背を見送った。 既に目覚めた狼にも、渇きと飢えはあるのだろうか? この余所者の記録さえ残そうとしてくれている、 心優しき薄桜色の狼にも。 次の夜に、誰かを喰らうはどちらだろうか。 徐々に徐々に、男は島に馴染みはしてきている。 現にユヅル、リェン、モクレンのようなモノもいる。 言葉を装うのは、 そちらの方が、島民それぞれが自分にとって どういう対応をするか分かりやすいからである。 まるで、酸を調べる青い紙。 …ああ、慎重なのだよ。この男は。 海の上に流れる薄氷を歩くように。 (*42) 2021/07/22(Thu) 17:39:41 |
【赤】 よろず屋 シラサワぬちぬち、ぐちぐちと、輪の中で水音は続いている。 一度突き立てられた牙。 そのうちに彼女の産む音にも、 快楽の嬌声が宿り始めることだろう。 君が彼女の胎の道を、開いたのだから。 未だ混乱しているとはいえ、最早戸隠の脳裏には、 神狼から、これから何をするかが刻まれているのだろう。 受け入れるのには時間がかかるかもしれないが。 「…腹ぁいっぱいになったか? 戸隠はん。」 傍の島民が持つ布束の一つを取り、 言葉の装いを戻した男が、地に崩れる戸隠の元へ歩み寄る。 触れる事が可能なら、爛れた身体の残熱を拭おうとする。 乱れた綺麗だった舞服を正そうともするかもしれない。 (*43) 2021/07/22(Thu) 17:53:39 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>59 沙華 >>60 五十鈴 >>61 シキ 「伊達に商人やってへんで? ええねん、どうせ答えの出ぇへん問答や。 全員が同じ方向なんぞ向けせんのやからな。」 そう言って男はにっこりと笑うのだ。 ある程度の反応は織り込み済みではある。 「そらぁありがたい話や。 せいぜい派手に束ねた線香花火、見せたるで。」 意外やったんは沙華はんが一度引っ込んだぐらいやな。 「放火と花火の点火は違うやろ? 俺は別に、他所様の家焼こう思うとらんで?」 聞こえた悪態に、青緑眼だけがそちらを向いた。 ブレスレットを着けているモノは皆当事者だ。 火を付け、そこに材をくべれば、色は変わる。 シキのその瞳に宿る色もまた、そうやって変わっていく。 (62) 2021/07/22(Thu) 18:32:29 |
【赤】 よろず屋 シラサワ逆らえたらいいんだけどね。 今まで誰も逆らえなかったんだよ、『神狼』には。 俺だって沙華の記録通りなら、 狼になった時同じ様相だったんだ。 だから、直前まで俺は何も言えなかった。 楽しく笑っていた戸隠を、 …俺の手では穢せなかったんだ。 「ほんまな、島外の人間やのにやらなあかん。 服は後で新しいの用意するわ。」 やっていることに無防備ならば、 するりとシラサワの手が戸隠の頬を撫でる。 ブレスレットが首筋に触れる。 きっと、そちらと比べて冷たいことだろう。 少しだけ力を込めて、顔を上げさせる。 「……俺に神託が下らんうちは面倒は見る。 沙華はんかて助けてくれる。…俺らは同胞や。」 ……それでも、日中の間だけでも忘れていた方がマシなのかな? なぁ、沙華。それが彼の助けになるのなら。 (*45) 2021/07/22(Thu) 18:48:45 |
【独】 よろず屋 シラサワ/* 結構喋っとるけど 誰が何の役職持ちかは全然わかってないんよなーー この考えがある言うんこわいな。 なんか中身透かされてたりするんやろか。 (-75) 2021/07/22(Thu) 18:59:55 |
【赤】 よろず屋 シラサワ/* そういや俺は狂人やから無いんやけど、 時間近いし襲撃もランダムチェック忘れんようになーと、 一応アナウンスしとくな? まぁまだ魔術師はんっぽいの分かってないんやけど。 石蹴った子見えせんな。誰か見たかいな? (*46) 2021/07/22(Thu) 19:24:13 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 左方舞 五十鈴「……そんな覚悟で毎年来とったんかいな、五十鈴はん。」 全く、この天真爛漫な娘のどこに、 そんな覚悟を抱いていたのだというのだ。 「そらぁ俺は元々余所者やからな。 この島の異様さは分かっとるつもりやで。」 それに、と、男は続ける。 「……俺はな、前の祭で神狼はんに "神狼の遣い"にされたことあるんや。 あんときの俺は……人間やなかったよ。」 覚悟には覚悟で応えよう。 告げる言葉に嘘偽りをしているようには思えない。 通る声に淀みは無い。 「遣いとはいえ獣として生贄を呑み下し、啜り喰うた。 …軽蔑されてもしょうない。 せやし、五十鈴はん。『人間が人間でなくなる』言う事は、 もっと大事に思うた方がええで。」 今は確かに人間として、理性を瞳に持ったまま。 ああ、ヒトがヒトでなくなる時、ヒトは何を想うのか。 (-77) 2021/07/22(Thu) 19:46:08 |
【赤】 よろず屋 シラサワ/* 了解やで、日付変更から俺らは大忙しなるやろうしなぁ。 これで俺当たったらほんま笑うな… (上の自分の赤会話見ながら) (*49) 2021/07/22(Thu) 20:19:08 |
【独】 よろず屋 シラサワ/* あーーーーーはーーーーーーんーーーーそうくるーーー。 そうくるー????? 焚きつけたしりから外側や思うてた子に当たったなぁ (-82) 2021/07/22(Thu) 20:22:49 |
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