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【赤】 旅人 J[自分を襲うものは、何も、見えなかった。 重力に従って落下して、 ぼとぼと、ぼとり、 地に着いた。テディベアのように石の床に座り 鋭利過ぎる糸による傷の痛みは 短くなった手足を認めた瞬間に襲ってきた。] (*75) 2022/03/23(Wed) 20:15:02 |
【赤】 旅人 J[イタイ。手が。脚が。 イタイ。胸が。頭が。] あっ……アッ、あっ、 ア゛ッ!!!! [パニックを起こした全身が ビクンビクンと異様に痙攣し 傷口からは夥しい量の血が噴出する。 全身が燃えるように熱くその熱いものが 外に流れ出ていくのが嫌でもわかってしまった。] (*76) 2022/03/23(Wed) 20:16:10 |
【赤】 旅人 Jハッ、ハァッ、おぅ、ぇぇ……ッ [身体の色々な機能に不具合が起きたように 女の小さな口は吐瀉をした。 先日の昼間から何も食べておらず 吐いたのが胃液のみなのは幸いなことなのだろうか。 太腿の切断と共に短くなったドレスの裾。 下着を履いていない股を温かいものが濡らした。 それは漏らした小水であったが、 熱い身体からするととても冷たく感じられた。] (*77) 2022/03/23(Wed) 20:16:50 |
【赤】 旅人 J[元に戻るまで見ていてくれる。 それってすごくうれしいことだ。 飛びそうな意識を繋ぎ止めようと、 口と共に小さな体を動かした。] わっ、 私…… 貴方の声が、すき…… 優しいときも……意地悪なときも…… 身体の、真ん中にひびくみたいで…… すごく、かっこいいの…… [離れていた右足が皮一枚で繋がる。 繊維と繊維を繋ぎ合わせながら、次へ這う。] (*79) 2022/03/23(Wed) 20:18:12 |
【赤】 旅人 J[頭が痛い。息が苦しい。] あ、貴方の……っ 私のより、大きな手が、すき…… 頼もしくて……だけどすこし、冷たくて…… あたためてあげたくなるの…… [右腕と、左腕が繋がる。 ぎこちなく手が開閉するのを確かめて 僅かに安堵の息を漏らす。 もう貴方に触れる機会はないかも知れない。 だけど万が一。そんな幸運を手にできたなら、 いま伝えたことを逃さずに叶えたいの。] (*80) 2022/03/23(Wed) 20:18:42 |
【赤】 旅人 J[血の海を泳ぐ。 頭痛が激しさを増して前が良く見えない。] 私……、私………… 目を見せてくれた、貴方がすき…… こんな私の我儘をきいてくれた、貴方が こんな私に我儘を抱かせてくれた、貴方が…… わた、し…… [左脚を繋ぎながら、ぐらりと頭が揺れる。 だめだ。抗えず床に横たわった。 もっともっと、頑張っている所、見て欲しいのに。 誰かに買われてもこんな風に頑張ってるって 偶にでも思い出してくれたらうれしいのに。] (*81) 2022/03/23(Wed) 20:19:51 |
【赤】 旅人 Jはぁ、はあ…… 御免、なさい ……[これほど多く深い傷ははじめてだった。 不出来な人形は謝罪し意識を手放す。 眠りが疲労を回復し分断された四肢の修復を助ける。 少し経てば手足は元通りとなる。*] (*82) 2022/03/23(Wed) 20:20:47 |
【独】 旅人 J/* じょんさんてグロお好きだったのかな? 私のはヌルいけど血とか臓器とかだいすき…… 無理に付き合って下さってないかな…… ひーん.°(ಗдಗ。)°. なんでストーカーしてるのに性癖わからないんだ それは、なんでもお上手だから! (-44) 2022/03/23(Wed) 21:41:56 |
【赤】 旅人 J[意識を失うまで、約束通り、 彼のたくさんの目は 自分を見ていてくれた。 もしかしたら、意識を失った後も。 自分の視界が暗くなっても、 見てくれているってわかったの。 それはとても……、うれしいことだった。] (*87) 2022/03/23(Wed) 22:57:38 |
【赤】 旅人 J……。……ジュダス、様…… [手が繋がれた状態で目を覚ます。 拭ってもらえたのか、 肌がさっぱりしている。 真っ先に視界に入ったのは彼。 目が覚めて最初に見るのが 好きなひとの顔だなんて こんな幸福なことってあるのかしら。] (*88) 2022/03/23(Wed) 22:57:42 |
【赤】 旅人 J[売られる定めだとか、 世間の常識だとかも度外視した。 私。私の望み。 誰の指示も受けずに私自身が抱く望み。 女の意思が喜ばれない環境に育って 導き出すのは苦労する気もしたけれど 私はしあわせを知ってしまった。 それがずっと続くと良いと愚かにも願う。 これがこの先ずっと一番の私の望み。] (*90) 2022/03/23(Wed) 23:03:21 |
【赤】 旅人 J[照れながら口にした願い。 嗤われようと、馬鹿な娘と言われようと、 その声に聞き惚れ、その顔に見惚れた。 貴方はいつでも美しく格好いいのだわ……。] (*95) 2022/03/24(Thu) 10:04:06 |
【赤】 旅人 J[手枷が砕かれ、きょとんとした間抜け顔のまま 引き寄せられ長い髪が揺れ距離が縮まる。 四肢が裂かれたとき以上に 心臓がいかれそうに高鳴った。 近い、近いわ────。 しかも彼は驚くことを口にする。 私、それを名乗っていいの?] ……はい。……誓います。 何があろうと貴方の妻です……っ 決して、裏切りません……っ [これがあれば何だって乗り越えられそう。 瞳が潤む。 人って嬉しい時も泣いたりするのね。] (*96) 2022/03/24(Thu) 10:04:38 |
【赤】 旅人 J[一層距離が近づいて、彼の体温を唇に感じた。 すぐに湿った何かが入ってきて生き物のように蠢く。 それらが彼の唇と舌なのだと遅れて気づくと 目も開けたまま硬直した。 自らの舌は奥で縮こまる。 頭の中、沸騰してしまいそうだ。 私、いま、キスをして、 すきなひとの一部が、私の、中に……。] ……っ、…… んぅ、ぅ ……っ[粘膜を擦られ胸を揉まれて漏れる声と吐息は 唇を吸う彼の中に吹き込んでしまう。 お腹の奥がきゅんきゅんと切ない疼きを覚えて 細める瞳、濡れた銀の睫毛が小さく震えた。] (*97) 2022/03/24(Thu) 10:05:41 |
【赤】 旅人 J……っっ、 ……はぁ…… [離れる前、柔らかな唇を舐められ 背筋にゾクゾクとした震えが走った。 呆っと彼を見つめながら酸素を取り込む。 頬も、くちびるも、 化粧をしたわけでもないのに血色良く色づいた。*] (*98) 2022/03/24(Thu) 10:05:59 |
【赤】 旅人 J[足が持ち上げられれば倒れぬようしがみ付く。 髪と同じ色の茂みと淡い色の性器が覗く。 彼のも取り出されて近づけられれば 顔が燃え上がるように熱くなった。 それは凶器でもあるが、 きれいで逞しく、愛おしいものだった。] あ、ぁ……。 [自分から受け入れたいかのように 口を開いたあわいの奥から蜜が溢れて矛先を濡らす。 擦り付けられる動きにぐち、ぐちゅと卑猥な水音が立つ。 自分でも触れたことのないその中が熱く切ない。] (*101) 2022/03/24(Thu) 12:30:23 |
【赤】 旅人 J……っ、……っっ [ズブリと入り込んできた熱いそれは 処女の証を傷つけ、赤い色を纏った。 この膜は女の再生力をもってしても治ることがない。 この痛みと痛みを与えてくれる彼は とても尊いもののように感じられた。 否、尊いのである。 愛の言葉などなくとも、その心が少しも掴めずとも。] (*102) 2022/03/24(Thu) 12:31:18 |
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