【秘】 小さな サルガス → 強い意志 メレフ「……そうなのかな。みんな、ぼくに良くしてくれるばかりなのに。 さいきんはへんな事ばかり起きて、みんな、どうしていいかわからないんだね……。 ブラキウムも、……ちょっとへんだった」 まだ、この施設の何もかもを疑いきれない。 だって確かに彼らは―― 一番場を乱したのは自分だと理解はしているが、さておき皆それを中心に不安を抱いている。 ひとりひとりのことを憂い、案じているようだった。 「だれにでもは、しないよ。いつもおやつ食べてるわけじゃないもの。 メレフが来てくれたらいいなあって……」 やや飛び乗るような形で椅子に腰掛け、対面に座った。 中等部用に入れ替えてもらったのだろう椅子は、サルガスには逆に大きめだ。 飲んでおいしいくらいに薄めた温かいシロップの入ったカップを持ち上げ、 薄い煙の向こうに見える顔に、照れくさそうに笑ってみせた。 「なんだか、メレフのことばかり考えちゃうね。 きのう、苦しそうだったから。なにかできないかなって……おせっかいだね」 (-142) 2021/05/27(Thu) 7:16:48 |
サルガスは、干し場の生け垣にヘイズが隠れてないか、頭を突っ込んで探しています。 (a86) 2021/05/27(Thu) 7:24:26 |
【置】 小さな サルガス 深夜の中庭。 ほかのみんなよりも遅くかもしれないし、ひょっとしたら帰りに会えるかも。 けれど、サルガスは誰かに会いに来たわけではない。 「怒られちゃうかな……でも、見つからないんだもの。ねむってなんか、いられないよ」 いつも通り、消灯時間ぴったりに眠りについて。にがいコーヒーが効いてきた頃に起きた。 こっそり部屋を抜け出して。寝間着にケープだけで、月だけが照らす中庭に出る。 まだ怖がっているのか、周縁を回っていたばかりの足は、少しだけ森に踏み入った。 「しかたないよね……だって だれも巻き込みたくはないもの 。これは、ぼくのエゴだから……ぼくだけで、めいわくかけないようにしなくちゃ」 だから、誰にも会わないかもしれない。おそまつな抜け出しは、気づかれているかも。 もしかしたら、夜闇の下で一人きりかも。或いは、無防備な一人きりかも。 少なくとも言えるのは、何が起きても、 誰にも助けを求められないこと。 (L15) 2021/05/27(Thu) 7:37:05 公開: 2021/05/27(Thu) 10:30:00 |
サルガスは、今日もケープの背中に「給仕さん」の張り紙をされました。 (a87) 2021/05/27(Thu) 7:37:35 |
サルガスは、冷やかすようなからかいの声を受けました。 (a90) 2021/05/27(Thu) 7:56:45 |
【人】 小さな サルガス>>115 レヴァティ 昼の廊下 「ぼくはだいしょうぶだよ、食べられないものないもの。 レヴァティは、食べられないものが少しあるんだっけ。大変だよね……」 それから、指摘されたものを見ようとして軽いステップを踏んだ。それからああと嘆息する。 剥がそうか迷って、指をかけて、結局そのままにしてしまった。 「たまにあるんだ、こういうこと。ぼく、悪目立ちしてるみたいで。 やる人、たぶんいつも同じなんだけど。確証はないから」 結局、剥がしたことを咎められる方がいい予感がしなくって、張り紙はそのままにされた。 少しもしゅんとはしているが、強いショックを受けたようではない。 (116) 2021/05/27(Thu) 8:42:28 |
【人】 小さな サルガス>>117 レヴァティ 昼の廊下 「お肉もデザートももともとたくさん用意されてるよ、レヴァティからもらえるのがいい人もいるかもだけど。 でも、うん、問題ないなら、いいんだ。少し気になっただけなの」 健啖家ばかりではない食卓の面々の食事の様子は、わかる範囲ながら記憶しているようだった。 けれども無理に踏み入って是が非でも解決したいなんてことはないようだ。 病気に纏わるものなら先生が見てると信じてるし、快適に過ごせるのが一番だと思っている。 「いやか、好きかなら、 いや、かな……。 ぼくが誰の頼まれごとも聞くから、変なのって、思われてるみたい」 決して甘んじてその扱いを受け入れているわけではないようだった。 むしろ快くは思っていないようで、声はひそめられ、僅かに顎が傾いて俯く。 「レヴァティはルヴァの団には入らないの?」 (119) 2021/05/27(Thu) 9:10:41 |
【秘】 小さな サルガス → 懐疑心 メレフ「あした、ヘイズがぱっと帰ってきて、なんでもないよって言ってくれたらいいのに。 このまま帰ってこなくても、何かあっても、みんな安心してられないでしょう。 みんなの不安を、取り除くことができたらいいのにな」 一度覚えた不信を簡単には拭えないこと、解決にはならないこと、わかってる。 その中で、自分にできて、過剰にはならない働きかけを探しているようだった。 「……おちつきそう? エルダーフラワーのシロップ漬け。 いつも不安だったりおちつかないのを、なだめる効果があるんだよ。 うん、でも……あのね、おせっかいだったら、いいの。そう言ってくれて。 メレフは、おさまるまでのあいだ弱ってたり、近づかれてわって反応しちゃうの、あんまり好ましくなく感じてるのかなって。メレフ自身も、きずついちゃうでしょう。 もし、急にわって反応しちゃうのだけ表面上でもがまんできたら、いつものメレフでいられるのかなって。 人にさわられて、いやなのだけ、なれる練習してみない?」 サルガスは頭はいいけれど、親や医者ほどの経験なんてなかった。 だから一晩中考えて、どうしたらいいのかひとつでも策を考えてみたのだろう。 自信のなさそうに足がふらふらと揺れて、ちらりと緋色の目を覗き込んだ。 (-168) 2021/05/27(Thu) 9:40:40 |
【人】 小さな サルガス>>121 レヴァティ 昼の廊下 「そっか……レヴァティは、いろんな子たちのこと、見てあげてるものね。 レヴァティがいいなら、いいかな……」 もしくは彼を取り囲む人々が。ここではよき教育が行われていて、よく見てくれている。 そういう場所だと思っているから。 何も知らないみたいに。 「うんと……高等部のみんなも、参加してたから……? 団のみんなと、仲がいいものだとおもってたから。みてあげるのかなって」 あれだけこぞって集まっている様子を見た後だと、レヴァティの反応は意外なものだったようだ。 もっとも、サルガスはレヴァティがそれほど親身に接するようではないことをわかっている。 それだけがよき触れ合いではないことをわかっているから、追い縋ったり、むっとしたりはしないのだ。 (122) 2021/05/27(Thu) 9:46:24 |
【人】 小さな サルガス>>132 レヴァティ 昼の廊下 「なりたいもの……みんな、そう言うけれど、大人になったときのこと、ちゃんと考えてるんだね。 とうさんやかあさんみたいな、りっぱな薬師になれたら、一番いいけど。 だれかとそっくり同じにはなれないもの」 ブラキウムの言葉、レヴァティの言葉。同じような輪郭が二人から話される。 彼らの頭の中にある物を見つめようとするように、細目の向こうへとじっと視線が投げかけられた。 「ふふ、そしたら半分だけまねしようかな。うん。また、しょくじの席でね」 レヴァティの軽口は、サルガスを心易くしたようだった。くすりと笑って、てのひらだけで手を振ってみる。 自分の行き先はどこだったか。つまさきは、また誰かの頼み事のほうへと向いた。 (137) 2021/05/27(Thu) 11:09:32 |
サルガスは、知らない生徒の荷物を運んでいます。 (a100) 2021/05/27(Thu) 11:10:07 |
【秘】 小さな サルガス → 褐炭 レヴァティ 肩口から微かに伝わった心臓の音は、小動物のようにとくとくと早く刻まれていた。 けれど貴方は去って行ったから、そんなつまらない話は、これでおしまい。 (-180) 2021/05/27(Thu) 11:12:08 |
サルガスは、知らない生徒の足に躓きました。 (a105) 2021/05/27(Thu) 11:54:29 |
サルガスは、知らない生徒に謝りました。 (a106) 2021/05/27(Thu) 11:55:04 |
【置】 小さな サルガス >>L15 深夜の中庭 美しい噴水の底を覗いて、水の溜まる箇所に手を突っ込んで。ベンチの下をしゃがんで覗いて、見えない場所を探り当てて。 それでも何も見つからない。靴にスカーフ、見つからない方が安心なのかもしれないなんて思うけれど。 影さえ見えない探し物に身震いしたのは、秋風が濡れた手先につめたいからではない。 「中庭や森に、いったわけじゃないのかな。でも、先生たちのばしょにはあんまり立ち入っちゃいけないし。 いつかは……いかなきゃ、ならないかな。あぶなくても、だれか知ってるかもしらないし。 ……みんな、これだけじゃ終わらないって、いってたな」 目を伏せれば不安を掻き立てるような推測が水を掻き回して泥が舞うように浮かんでくる。 自分たちの中に……ああでも。それより先は考えてはいけない。愚直なままでいられなければ。 頼りを探すように草木の色に指を沿わせて、赤みの橙colorのツルバキアflowerに口付ける。手折った色をきゅうと食んで、花の匂いに擦り寄った。 「ぼくひとりで、やらなくちゃ。 みんなを、これいじょう不安にさせちゃいけないんだ」 勇気を振り絞り眠い目を擦って、足音は看板の横をすり抜けていく。 唇からこぼれた花の一片だけが、そこにあったものを知らせている。 (L16) 2021/05/27(Thu) 12:27:57 公開: 2021/05/27(Thu) 12:30:00 |
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