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【人】 OL 奈々やだ、すぐにわからなかったのは… 私変わっちゃったのかしら。 [ とはいっても、彼女も名前を聞くまで 彼のことがはっきりとはわかっていなかったので これは軽い冗談。 少しだけ眉を垂れ下げ、 およよ、と言わんばかりに悲しそうな 表情を彼に見せれば、ころりとすぐに その表情を変えて、彼を安心させようとした。 ] (94) 2021/07/02(Fri) 10:40:10 |
【人】 OL 奈々えぇ、とっても大きくなってるわ。 最後に会ったときは私の…… おなかくらいの身長だったかしら? [ 実際のところ、そこまで低かったとは 思っていないけれどこういうときは 少し誇張して話すほうが話しやすくなる。 彼女はバラの花束をそばに置いて、 空いた手で「これくらい?」と 小学生のころの彼の身長を手で表してみた。 これは彼と離れてから身に着けたこと。 けれど、本当に成長著しいとはこのことで 彼はすっかり男の人になってしまっていた。 あの小学生のころのかわいい彼のままでは ]もうないのかもしれない。 (95) 2021/07/02(Fri) 10:42:55 |
【人】 OL 奈々[ どこかさみしい気持ちも覚えつつ、 話の始発をどこにしようか彼女も一緒に考える。 少しして、彼がまだ考えているのなら、 先ほどの話でも掘り返そうか、と彼女は 口角をあげ、彼を見つめながら口をあけた。 ] いつ、お姉さんのこと……好きになったの? (96) 2021/07/02(Fri) 10:43:35 |
【人】 OL 奈々[ 最後に会ったのは、まだ彼が小学生のころのはず。 そんな彼が、10年近く歳が離れた彼女のことを 好きになるようなタイミングがあったとは あまり思えなかった。 というよりも、思いたくなかった。 思ってしまえば、彼女は彼の人生を大きく 狂わせてしまった張本人になるわけで、 胸の高鳴りを止められなくなるから。 彼との物理的距離を縮めるように、 彼女はよいしょ、っと一瞬腰を浮かせ、 彼の横にぴったりと座りなおした。 手をつないでいるからか、とてもとても 恥ずかしさもこみあげてくるのだけれど。 ]* (97) 2021/07/02(Fri) 10:43:52 |
OL 奈々は、メモを貼った。 (a1) 2021/07/02(Fri) 11:01:04 |
【人】 OL 奈々────受付嬢のお話 [ 彼女が企業の顔である受付嬢になったのは 入社して、1年後くらいのこと。 総務部に所属し、様々な部署と関わりをもち 1年で広く浅く会社の仕組みを覚えた。 本当は、受付嬢になるつもりなどなく 毎日オフィスカジュアルな服を選ぶ楽しみを ひとり、かみしめていたのだ。 ひょんなことから、受付嬢がひとり退職すると なぜか彼女に白羽の矢が立ち、 あれよあれよで受付嬢として現在に至る。 ] (108) 2021/07/02(Fri) 15:30:15 |
【人】 OL 奈々顔と名前を覚えるのが早いだけなんだけどなぁ。 [ 特別、彼女は多言語話せるわけでもなく、 たまたま記憶力が良くて愛想が良かったから、 ポストに入れられてしまっただけ。 そうとはいいっても、 受付嬢だけでは最低限しかいただけないので もう一個くらい業務を増やしてもらおうと、 受付嬢に慣れたあたりに上司に頼めば 与えられたのは、チーフ職。 (昇格試験を受けろなんて面倒だったわぁ) つまり、シフト管理と新人育成。 それだけで、今までよりは幾分生きやすくなった。 その頃あたりだったか。 会社を訪れる人々から名刺をもらい、 食事に誘われ、なかなか高価なものを プレゼントとして渡されるようになったのは。 ] (109) 2021/07/02(Fri) 15:38:52 |
【人】 OL 奈々……どうしましょ。 もらわなかったら一方的に怒られそうだわぁ… [ ピアス穴はあけていないので、 イヤリングを頂いてしまえば、 きちんと1回はつけて業務に挑む。 とはいっても、くれた本人が来る日だけ。 物欲もそこまでないので、 いつも何がほしい?と聞かれても 特に何もないの、なんて答えばかり。 たまに「新しい携帯にしようかと…」って 言ってしまえば、プライベートで会う時に なぜか渡される。 なぜほしいものがわかるのかはさておき、 そういうものはありがたいのでしっかり使う。 ] (110) 2021/07/02(Fri) 15:39:58 |
【人】 OL 奈々こうじゃないのよねぇ…… [ そうロッカーで呟いていると、 耳に聞こえてしまったのか、彼女の後輩が 何があったのか聞きたそうに視線を向ける。 彼女は派遣社員で、それこそ玉の輿を狙って 受付嬢一択で働きに来ている。 いろんな意味で、立場を変えられたら お互いにメリットばかりだったなぁ、と またふふっと笑ってごまかす。 アオハルを求めて、彼女の乾いた人生は 一日一日とさらに過ぎていくのだった。 そう、数奇な運命によりまた彼に会うまでは。 ] (111) 2021/07/02(Fri) 15:40:35 |
【人】 OL 奈々───303号室 お調子者?いいじゃないの。 昔はもう少しおとなしかったイメージがあるから 明るい子に成長してるみたいで 私今、すっごく安心しちゃったわ。 [ ふふふ、と彼が冗談を受け流しているのを見て 口元の笑みを締めることができなくなった。 どうしてそんなにかわいいのか。 彼女の心の中には、白羊が黒羊に変わる瞬間を 待ちわびている感情がふつふつとわきあがる。 ] あら、私もう少し高かったと思うけれど? ヨウくんまだ身長が低かったから、 覚えてないってことにしておくわぁ。 [ 少しむぅっと頬を膨らませながら、 彼女は笑って会話を続けていく。 けれど、彼の成長にしてみれば スズメの涙くらいの成長でしかない。 彼女はすでに成長が止まりかけだったのだから 致し方ないといえばそうなのだ。 ] (112) 2021/07/02(Fri) 16:15:44 |
【人】 OL 奈々ふふっ、そんなに緊張しないで? 思い出話を、聞かせてほしいだけなの。 [ 距離が縮まって、彼女の白くて陶器のような 肩から指先がさらに視界に入りやすくなった。 彼女は脚を組んで更に体を傾けただろう。 けれども、彼は視界を閉じて 昔を思い出しながら質問に答え始めた。 ] (113) 2021/07/02(Fri) 16:16:08 |
【人】 OL 奈々うん……うん、………… 本当に一目ぼれだったのね……… [ 彼の一言一言に、相槌を打ちながら 話を聞いていると、様々な感情が沸き立った。 それは慈愛のような、感謝のような、 言葉では表しにくい感情で、 彼女は彼の話を聞いて彼の人生の一部分に なっていた彼女自身のことを恨めしく思う。 なぜなら、それは高校生だった彼女だから。 ] 好きだと思っていれば、伝わる…… かわいい… でも、ヨウくんの宿題見てるとき だぁり…なーりん、熱い視線感じてたかも。 その視線の意味は分からなくて、 ただ年上でちょっと成熟しかけの女の人に 興味があったくらいなのかなって、 その時は思っていた気がするなぁ…… (114) 2021/07/02(Fri) 16:17:33 |
【人】 OL 奈々[ 過去の、小学生の彼はかわいらしくて、 学校帰りに宿題を見てあげることも多かった。 だからこそ、距離はとても近くて ひとりでしっかりとけたなら よくできました、ってご褒美に何かあげていた。 それから大人になって出会ったふたりなのだから また、関係性というのは変わっていくと 彼女は期待をしてしまい、目を開いた彼の頬に そっと手を添えて、その言葉をねだる。 ] (115) 2021/07/02(Fri) 16:18:16 |
【人】 OL 奈々お姉さんがフリーなことは、 最初に聞いてしまってるでしょう? [ 焦りが出たような気がしたけれど、 まずはゆっくりそこから教えてほしい。 彼が何を求めてここに来たのかは、 あの質問でなんとなくわかったのだし、と 頬が少し赤くなっている彼と視線を合わせて。 ]* (116) 2021/07/02(Fri) 16:19:37 |
【人】 OL 奈々────303号室 そっかぁ…シャイだったのかぁ…… そんなヨウくんもすっごく可愛い。 背伸びするほど、私のこと… 好きでいてくれたんだ? [ 可愛くて、可愛くて仕方がない。 背伸びをして少しでも歳の差を埋めようとしていた。 そんな事実に彼女は胸を打たれる。 恋人になった人たちは、 ひとまずお金で色んな感動を作っていたけれど 彼といると、そんな感動は薄れていった。 この1秒が感動を作り出すのだ。 お金なんてかかっていない。 気持ちだけで、感動は作り出される。 つむじも見えなくなってしまった彼は 座っていても少し見上げなければいけない。 成長が、はっきりしているなんて、ズルい。 ] (130) 2021/07/02(Fri) 20:12:59 |
【人】 OL 奈々今までの、どんな一目惚れよりも嬉しい。 過去の私が羨ましすぎるなぁ。 [ 分からなかった、と返事をして そういえばふと、過去のことを思い出した。 彼の両親に「悪さされてない?」なんて 聞かれたような記憶が曖昧にもある。 はっきりと覚えているわけではないけれど 悪さをされていてもあの時の彼女は それを言うわけがなかった。 可愛い彼の悪さを、やめさせたくないと 絶対に思っただろうから。 ] (131) 2021/07/02(Fri) 20:13:40 |
【人】 OL 奈々ふふ、冗談。今日は何をし……… [ 冗談で済ませようと、 彼女は笑みを浮かべて頬から手を離そうと したけれど、それより早く 彼のほうが、その手を掴んでしまった。 じっと見つめて、聞かされたその言葉は 彼女の体温を上げるのに十分で、 彼女はどうしよう、と考えてしまった。 ] (132) 2021/07/02(Fri) 20:14:12 |
【秘】 OL 奈々 → 神原 ヨウわ、私……行き遅れて… もうすぐ30歳になるけれど、 そんな私でも、いいのかしら…… 好き、になってくれる? (-22) 2021/07/02(Fri) 20:15:07 |
【人】 OL 奈々[ そう、彼女は既に30歳手前で、 彼の初めての恋人になるには 少し歳がいっている。 自分から誘導したくせにいざとなれば こうやって足踏みしてしまう彼女。 それは彼の幸せが彼女といることで 作り出せるのかどうか不安だったから。 けれど、彼が言ってくれたのだから 彼にはその気持ちがあるということと 解釈するしかない。 ] (133) 2021/07/02(Fri) 20:15:41 |
【人】 OL 奈々それでもよければ、…喜んで! [ 彼の胸に飛び込むほど若くはないので 彼を上目遣いで見つめ、 笑みを浮かべれば、了承の言葉を口にする。 乾いた心は彼によって潤される。 けれど、まだ昼過ぎ。 それだけで終わるほど彼女も優しくない。 なぜなら彼女は、刺激的な夜を求めているから。 だから、言ってみればここからは 彼女の願望を叶えてもらうための時間のはず。 ]* (134) 2021/07/02(Fri) 20:16:05 |
【人】 OL 奈々────303号室 ふふふ、ヨウくんは可愛いよ? 昔からずっと可愛い私の弟みたいな子。 [ かっこいいところはまだ見せてもらえていないけれど 可愛いところは沢山見せてもらっている。 幼い頃の彼からも、今目の前にいる彼からも。 でも、その可愛さと言うのは、 他の誰にも見せたくないような可愛さ。 だから、彼女は少し声が小さくなっていった 彼に更に体を近づけるのだった。 それは、彼女なりの意思表示。 そばにいたい、という彼女の想いが詰まっている。 ] (155) 2021/07/02(Fri) 23:55:53 |
【人】 OL 奈々んぅ、……やだやだ。 今が綺麗って言って? ………じゃなきゃ、やだ。 [ 年甲斐もなく、というより 過去の自分とひとまとめにされたのことが 気に入らなくてむっと拗ねた表情で 首を横に振り、ちらりと彼を見つめる。 けれども、彼に手を握られて 嬉しい返事がきてしまうのなら、 拗ねた表情なんてすぐに溶けてしまう。 ] (156) 2021/07/02(Fri) 23:56:28 |
【人】 OL 奈々だぁりん、じゃないわなーりんの席… ヨウくんに座ってほしいなぁ…… [ だぁりんと呼ぶ相手になるまでに そう時間は要さないだろうけれど まずは恋人の関係から愛をしっかりと 育んでいくことで、 彼と幸せになれそうだな、と 肩の力が抜けてしまったような彼は ひどく可愛くて悶えそうだった。 ] え?………やだ、私まだ言ってなかった? んふふっ、ヨウくんちゃんと聞いてね? (157) 2021/07/02(Fri) 23:57:25 |
【人】 OL 奈々[ 純粋な瞳で見られると、一瞬躊躇うが 彼女の願望は残念ながらまだ1ミリ程度しか 叶えられていないのである。 組んでいた脚の反動でなだれ込むように 彼の胸元に手を添え、体を押し付けながら 耳元に唇を近づけて彼女は願望を呟く。 今まで恋人がいなかったなら、 彼はピカピカな新車とイコールだろう。 遊び人でなければ、ではあるものの。 だから、彼女は順序立てて 彼が驚かないように誘導していこうと まずは女性の体に慣れてもらうために 彼に体を押しつけてみるところから始めたのだ。 ]* (158) 2021/07/02(Fri) 23:58:52 |
【人】 OL 奈々────303号室 ふふっ、わかればよろしい。 ……ヨウくんにそんなに褒めてもらえるなんて、 まったく思ってなかったわ。 こんな未来がくることも、想像してなかったし。 [ 私も好き、と言いながらはにかんで見せる。 彼女の頭の中は今の彼と過去の彼、 両方を思い浮かべてしまっていることは 絶対に内緒にしなければならない。 何を考えているのかも、教えられない。 あのときに思いを伝えられていたら ]かわいいかわいい彼に手を出さない自信が 彼女にはなかった。 確実に味を覚えさせて離さなかったろう。 (181) 2021/07/03(Sat) 9:48:43 |
【人】 OL 奈々慣れないなら、慣れてしまえばいいのよ? ふふっ、ヨウくんはどれだけ長く座れるかな? お姉さんも、わくわくしちゃう。 [ 彼女の隣の席に座った人物で 最長は1年。最短は3か月。 体の相性が悪くなければ、 それくらいは持つけれど、運次第。 運命的な出会いをしている彼女たちが どれだけ続くのか、とても興味がある。 運命という紗幕が邪魔をするのか、 それとも彼女たちを一緒くたに包むのか。 彼女としては後者を希望するはず。 ] (182) 2021/07/03(Sat) 9:49:12 |
【人】 OL 奈々………ふふふっ、ヨウくんってば。 お姉さんが、どういうことが好きなのか たくさん覚えてもらいたいなぁ。 [ 体を寄せただけで、ゆでだこのように 顔がみるみる赤くなっていく彼は 彼女が願った人物像そのものだった。 これは、彼女の望む刺激的な夜になりそう、と ぎこちなく肩を抱かれながら、 満面の笑みで首を縦に振って見せる。 ]* (183) 2021/07/03(Sat) 9:50:00 |
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