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人狼物語 三日月国


202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】

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【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空

[アスルの瞳は空のようで。
彼の気持ちと一緒に、こちらの想いまで映し出すようで。
いつだって何も隠せなくなってしまう。]

 でも、私が、そうしたかった。
 本当は全部、私が、アスルに、あげたかった。

[自分がアスルにあげられるものなんて。
もう、何も残っていない気がしてしまっていた。]

 嫌いなんかじゃない……。
 でも、嫌いじゃないから、……つらく、て。

[ひくっとしゃくり上げる。]

 ……本当に、……待っていても、いいの?
 私、アスルの言うこと、すぐ本気にしてしまうから。

[子供のように、何度も確かめて。*]
(-386) 2023/03/04(Sat) 0:09:31

【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月

 何言ってんだ…俺の目に映ってる押し殺した顔の女の子は幸せそうになんてちっとも思えないぞ。

[綺麗な笑みの内側に潜む、複雑にない交ぜにした苦し気な生々しい表情。
叫ぶような心の告白を黙って聞きながら、視線を逸らさずに力が弱まったような淡い紫色の瞳を見つめる。]

 いいお父さん…か。

[ペルラの中で自分はどうなっているのか。と苦笑しつつ思った、父。といわれれば意識してしまう相手はいるんだが、それを口にしたら彼女を追い詰めてしまうだろう。]
(-389) 2023/03/04(Sat) 1:26:15

【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月

 でも…ペルラとしかもらえない幸せもあるんだ。
 だからもっと寄越せ

 …知ってるか?空を一緒に飛ぶのって…怖がるやつ多いんだぜ。今更一人乗りの練習をさせるなよ。

[縛り付けているかも。という言葉を聞いて、不可思議そうに首を傾げながらも、しゃくりあげるようなに続ける言葉を聞きながら、頬に手を当て、涙をぬぐうのではなく受け止めるように触れて、頬から移るようにペルラの涙が自分の手に滑り落ちていく。]
(-390) 2023/03/04(Sat) 1:27:06

【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月

 ああ、それでいいんだよ。

 ずっと残していくイヤリング渡しといて、離れましょう。なんて…下手な嘘つきやがって。

[いいの。と何度も確認する言葉に当然だ。というようにいって、ようやく柔らかい笑みを浮かべる。]

 …傍にいろ。
 仮に、消えちまうんだとしても、ずっと俺の中に残っているようにしておけ

 ……じゃないと、待たせるだけ待たせて浮気しちまうぞ。

[それでいいのか?なんて意地悪な笑みを浮かべながら、手で覆っていないほうの頬に、涙の痕を隠すように唇を上から下へと這わせ、唇の近くで止まり]

 後悔しないように…傍にいろ。

 俺の巫女……俺のペルラ。

[静かに熱をこめて囁き、そっと口付けをした*]
(-391) 2023/03/04(Sat) 1:29:36

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空


 ……、

[アスルに言われ、彼の瞳に映る自分を見る。
本当だった。浮かべられているのは笑みではない笑みで。
隠しきれない感情でぐちゃぐちゃの顔。

いいお父さんか、と呟く姿をじっと見つめる。
苦笑されるのはなんとなく予想できていたけれど、彼が心の内になにを思い浮かべたのかを知ることはできない。
だって、仕方ないのだ。
この人の子供をと願ってしまう心があるのは。]

 ……私からだけの幸せ……?

[うん、と頷く。
ほっとしたように、でも素直に不安そうに。]
(-448) 2023/03/04(Sat) 16:01:40

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空


 もっと……。
 うん、空を一緒に飛ぶのなら、たくさんできるわ。

[涙に潤んだ目を細める。]

 私もアスルと飛ぶのがなによりも好き。

[そういえば怖がったことなど一度もなかった。
初めてともに飛んだあの日から心は楽しさと幸せに溢れていた。
アスルと一緒だから。空は自由で。
風は時に気まぐれで、激しい時も、なかなかいうことを聞かない時もあったけれど、いつも最後には優しかった。
アスルみたいね、と笑ったこともあったっけ。]
(-449) 2023/03/04(Sat) 16:02:46

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空

[アスルの柔らかな笑みに悪戯な笑み。
視界がぼやけていてもはっきりと分かるのは、これまでの年月で何度も何度も見てきて笑い合ってきたから。
ずっと一緒にいたんだなぁ、と思う。]

 ……うん。

[これからも傍にいたい。
ずっと、傍にいさせて。]

 アスルが浮気したら、水が溢れて大変なことになるかも。
 
[泣き顔が笑みに変わるのは自然だった。
頬に触れる大きな手は変わらず濡れたまま、もう片方の頬へは柔らかなぬくもりが涙の跡を癒していく。
くすぐったそうに肩が揺れ、淡い紫が瞬いて。
唇が重なり合うときにはそっと瞼を伏せた。]
(-450) 2023/03/04(Sat) 16:03:22

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空

[月と星明かりが明るい夜だった。
波の穏やかな湖に光が映り込み、すべての境界が曖昧だった。

触れるだけの口付けはどこか神聖で。
でもいつものようにあたたかく。
別れではなく、これからを約束してくれる。]

 アスル、ぎゅっとしてほしい。

[アスルの腕の中が好きだった。
彼の翼の中と同じように自由で、でも身動きができないくらい包まれるのが安心できて、彼だけを想える場所。
胸元に頬を擦り寄せるように潜り込んで。
綺麗な景色も何も見ずに、オイルと鉄のような匂いに澄んだ風のような気配の混じるアスルを感じていた。

よく自分の髪は花の香りがする、みたいにアスルは言ってくれた。
とても嬉しくてそのまま受け取って、彼と会う前に花畑で時間を過ごしたり、本当に髪に花を飾ってみたり、もっといい香りって思ってもらえるように頑張った自分がいたっけ。
懐かしいな。たくさん思い出がある。
これからは、どれくらい積み重ねていけるのだろう。]
(-453) 2023/03/04(Sat) 16:21:33

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空


 ……私、本当はね、

 …………消えたくない。……こわい。

[彼にだけ聞かせる声で。
しがみついて。]
(-456) 2023/03/04(Sat) 16:39:04

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空

[でも、顔を上げた時には瞳に輝きが戻っている。]

 少しでも長くいられるように頑張るわ。
 アスルがもっと大きくなったところ、見たいもの。

[もう成長期は終わったと突っ込まれそうだけれど。
おじさんになっておじいさんになって。
本当は、本当は、複雑な心の中でも、アスルには色んな幸せを掴んでほしいと思うのも全部本当だから。

……アスルの中に残る自分があるなら。
怖さが薄れて、心の中にランプが灯ったように温かかった。

消えてから待つ間はひとりで寂しいかな。
でも大丈夫、きっと風はどこでも吹いてくれるから。
あなたの言葉を届けてくれるように。]
(-457) 2023/03/04(Sat) 16:40:53

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空




 ずっと、貴方だけを想ってる。
 私の、アスル。


[巫女にとっての守り人は当然だったから。
自分にはこれが、唯一の告白だった。

こちらから顔を寄せると、綻ぶように微笑む。
夜は星と月の光のように輝く銀の髪に触れ、耳元を掠め、そっと頬を撫で――誓うように口付けをした。**]
(-458) 2023/03/04(Sat) 16:51:19

【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月

 その時はペルラに暖めてもらわないとな。

[初めの頃、溢れた水に濡れたのは幾度もあったことだ。そのことを思い出しながら、自分からも応じるような答えをくれたペルラに嬉しそうに笑みを浮かべ、触れた唇の柔らかさは初めてをもらったときのような愛おしく甘美な響きと、自分の熱で染め上げたいような気持ちでいたから、恋人のお願いは自分もまた望むものであった。

無言でペルラを腕の中に抱きしめた。
強く、離さないという意志を込めて、互いにその熱を想いを刻み込むように。
それに機械交じりの中で生活することが多いアスルには、今日も好きな花の香りを堪能する時間は心が安らぐものであった。

これからそんな時間をどれだけ過ごせるだろうか。。

しがみつき、自分にだけ聴かせるか細いペルラの言葉には、自分も微かに首を縦に振るだけに留められた。]
(-465) 2023/03/04(Sat) 18:09:19

【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月

 そうしろ。俺だってまだ一緒にやりたいことがあるんだからな。

 って、でかくなるのを見守ってたのは俺だし、これ以上でかくなるかよ。

[流れるように突っ込みをいれて、ふふっと可笑しそうに笑う。

淋しさや怖さはあるけれど、だからといってそれまでの時間もこれからの時間も捨て去る気にはなれない。

思えば、ペルラを空に初めて誘ったとき、子供のように溌剌とした声をだして楽しんでいた姿を見たとき、自分はこの女の子に押し殺している奥の表情をもっとみたい。と思ったのだ。

だから、もし消えてしまうのだとしても、最後まで―――]

 ずっと、ずっと愛してるぞ…ペルラ。

[白金のような髪をそっと撫で、誓うようなペルラの言葉に胸を熱くして、自分もまた囁き返し、ペルラがいないと俺の幸せは得られないんだぞ。と教え込むように自らも唇を重ねた*]
(-466) 2023/03/04(Sat) 18:10:26

【人】 天原 珠月


 へ? 全部で70点?
 この料理は300点だけど。

[幼馴染>>398は何を言ってるんだ、という顔。
まさか先ほどの点数を合算されているとは思わなかった。]

 ああ、そういう計算……!?

 やっぱ雅空兄ぃ変なとこで真面目だよねぇ。
 幼馴染やお兄ちゃんとしての点数は別物なのに。

[吹き出して。
ぽんぽんと軍手をしてない手で肩を叩く。
まぁその点数は教えないけれど。

そもそも王子と騎士の点数をわざわざ覚えているなんて、自分にそう思われたい気持ちでもあるの?なんてね。
幼馴染のいうお姫様が末っ子の意味なのは知っている。
昔からよく言われていたし、幼馴染のお父さんも一緒に可愛がってくれ、とても自然に受け取ってきた。]
(462) 2023/03/04(Sat) 19:56:19

【人】 天原 珠月

[牛モモ肉はローストビーフになるのだろう。
自分自身の料理の腕は、美容師として忙しく働く母の代わりに簡単な料理をどうにか作ってきた程度だが、小さい頃から幼馴染の店に入り浸っていた――客でもないくせに、邪魔になりにくい観葉植物に隠れた端っこの席でジュースを飲みながら、彼が店を手伝う様子をよく眺めていた――ので知識はそれなりにあった。

どんなソースが用意されているのかも楽しみ。
料理に関してぬかりのない幼馴染ならば、とろみのある美しいソースを作り上げてあるのだろうから。]

 どれからって言われると迷うじゃん……。

[むむ、と唸って幼馴染にお任せする。>>399]

 すごい、豪華だね。
 ホタテにバター醤油ってなんでこんな合うんだろ?

[幼馴染の食材の焼き加減は何より信頼している。
渡されるのを受け取ったり、お皿にのせて貰ったり、これは雅空兄ぃが食べなよと箸で摘まんで口に差し出したり――しかけて数秒止まったが、結局は有無を言わせず強引に突っ込んだ。
少し冷めているのは選んだから火傷はしなかったろう。]
(463) 2023/03/04(Sat) 19:56:28

【人】 天原 珠月


 かんぱーい!

[ふたり分の声が夜に染まっていく森に響いた。>>400
そよ風と静かな波の音。ぱちぱちという火の音。
耳に届く声が幼馴染の声だけで、それが楽しげでリラックスしていているものだから、なんだかほっとした。
幼馴染という関係は変わらなくて、心地良い。

タレで濃いめに味付けられた鳥は炭火の風味がきちんとついていて香ばしく、口の中でほろほろと柔らかすぎない感触が楽しい。
あえて塩とわさびだけを効かされた牛肉は噛めば噛むほど甘いような、これぞ牛!という感じの味がした。
最後の方はわざわざ言葉にして食レポしてあげたのだが、幼馴染の評価はどんなものだったのか。]

 ご飯が何杯でもいけちゃいそう……。

[これは最大の褒め言葉である。]

 この焼き鳥を入れたお握りとか、あー、お茶漬けも美味しそうだなぁ……朝から贅沢すぎるかな。

[和食もいいけど洋食もいい。
幼馴染が作ってくれるなら、尚更の話なのだ。]
(464) 2023/03/04(Sat) 19:57:42

【人】 天原 珠月

[焼き肉の後の焼きトマトは口直しに最適で。
じつはちょっと苦手な青臭さもなく、トマトってこんなに美味しかったんだなぁと思わせられる。]

 ……。

[ピーマンはおもわずじっと焼かれている姿を見つめた。
幼馴染用なんだろうとは思ったから箸を伸ばす気はなかったのだが、あれ、鶏肉を詰めたものも現れた。
ちらっと幼馴染の顔へ視線をやり、もう一度網の上へ。
数分後、ピーマンのくせにこんなに美味しくなるなんて、と唸っている姿があったことだろう。

何度かタイマーの音の度にコテージへ戻る姿を見守りつつ。
その後、しいたけの山椒にやられて涙目になっていたら、幼馴染の穏やかに問う声があって、そのまま顔を上げた。
あ、口の周りについているかも。子供みたいに。]
(465) 2023/03/04(Sat) 19:58:59

【人】 天原 珠月


 学校は、さすがに慣れて落ち着いてるかな。
 最初は焦るばかりだったから。

[つい最近まで課題で大忙しだったのだが。]
 
 今でも上手くいかないことばっかりだし、周りに比べても色々下手くそだなーって思うけど……練習をちゃんとすれば少しずつでもマシになるんだって、どうにかやる気出してるところ。

 あとね、色んなヘアスタイルを考えるのは楽しいの。
 まだまだ技術が追いつかないのはもちろんでも、いつか、本当に形にしたいって頑張れてる。

[まぁお母さんの美容院のお客さんでそんな髪型を頼む人見たことない感じなんだけど、とくすくす笑って。]

 ……今度、雅空兄ぃの髪も切らせてよ。

[練習台になって欲しいと頼んだことはなかった。
幼馴染の今の髪型は母が仕上げたもので、飾り気なく見えてシャープさがあり、眼鏡の奥の目元が前髪の隙間から覗く、絶妙なラインがきちんと考えられている。
自分だったらどんな風に切るだろう、何度も考えてきた。]
(466) 2023/03/04(Sat) 20:05:07

【人】 天原 珠月


 コックコート。
 あれ着たら雅空兄ぃでも格好良く見えるよね。

[にやにやと笑って。>>401
続く台詞は目を細めながら黙って聞いてから。]

 そっかぁ。
 学校を卒業してからも修行の日々だ。
 
[それは自分も全く同じなのだろう。]

 期間限定の料理、もう春のかな?
 私、春野菜のパスタが食べたいー何か考えて!

[なんて、冗談半分、実は本気半分。
今からメニューを考えるなんて間に合わないだろうけど、幼馴染なら来年にでも叶えてくれると思ってしまうから。
このキャンプの後は隣のお店に食べに行くね、と言って。
レシピ当てってどんなの?から、新しいメニュー案を尋ねたり、ここなら誰も聞かないからって常連さんの噂話なんて聞き出そうとしたり、テレビで見た白いオムライスの話をしたり。
お互いの近況から始まり、話題は尽きることなく、かといって相手が黙って食べていても気にならない、当たり前の時間。]
(467) 2023/03/04(Sat) 20:19:23

【人】 天原 珠月

[幼馴染との時間は日常だから。
バーベキューの時間も、そのひとつで。
楽しくてあっという間でも、寂しいということはなかった。
――明日からも当たり前にそばにいると思っている。

最後のお楽しみはデザート。
またお姫様、なんていう呼び方とともに。]

 わぁ……きれい。

[こればかりは美味しそう、より先にそちらが出た。
ちゃんとガラスの器に盛り付けられたシャーベットは、火の明かりに氷がキラキラしていて、涼しげで。
しっとり柔らかそうに漬けられた桃の甘やかな香り。
思わずガラスの器を両手に持ち、見つめてしまいたくなったけれど、それではすぐ溶けてしまいそうで我慢する。]
(468) 2023/03/04(Sat) 20:37:54

【人】 天原 珠月


 ……専属コックさん?

[今日の幼馴染はもちろんコックコートなんて着ていない。
キャンプに来ているのだから当たり前だ。
なんなら向こうもこっちも、顔に煤がついていたり、髪に葉っぱがくっついているかもしれない。

でも、綺麗な一礼に。少しだけ、変な感じがした。
顔を上げた幼馴染は相変わらずもさい眼鏡をかけていて、せっかくの髪型の整え方も自分から見たらまだまだなのに。

焚き火の近くにいすぎて、熱くなったのかもしれない。
なんで今更幼馴染に照れたりしているのだろう。]
(469) 2023/03/04(Sat) 20:39:44

【人】 天原 珠月


 美味しい! ……けど。

[一口。文句なく味は最高だ。
そのくせ、ちょっと不満そうに見上げて。]

 私はお客さんじゃないもん。
 ほんとのお姫様でもないの。

 ほら、雅空兄ぃの分も用意しなきゃ。
 私の溶ける前に! 一緒に食べるんだから!

[隣に座ってほしい。並んで星空を眺めながら食べたい。
そんな風に我が儘を言い、またせっついたのだった。**]
(470) 2023/03/04(Sat) 20:45:30

【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月

― 別れの時 ―

[炎が燃え盛るように、二人きりの時は愛することをより遠慮しなくなった。
抱擁の回数が増えた。キスの回数が増えた。ちょっとしたことで愛するもの同士の繋がりを求めるようになった。

それでも脳裏には消えないものはある。
力を使い果たしたら巫女は消える。そういう言い伝えがある。実際先代の巫女は消えていった。

だが全ての巫女が消えたわけではない。力を使い果たす。というところは変わらないが
三つ前の巫女なんかは消えなかったそうだ。
彼女もそうだといいな。と思わなかった日々はない。だが島のこともある。次代の巫女も育ってきているが、投げ出していいわけではない。実際ペルラが巫女になったときも最初の頃は失敗ばかりだったように未熟ではあったのだ。少しでも長く――そして無事に巫女としてのお勤めを終えられるように。

怖さを覆い隠すように、そして後悔せずに忘れられないにいられるように、強く優しく熱情的に出来る限りの時間一緒にいた。

そうして日々が過ぎて、アスルは30歳に、ペルラは25歳になっていた。]
(-483) 2023/03/04(Sat) 20:52:28

【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月

[本日も途中に二度、野営地と村とで宿泊をとって、祈りの場の一つ、大地の裂け目のような谷をトンボ型飛行機に乗って降りていく。
その途中川から流れ滝のように落ちていく水を途中に掬い上げるように水筒にいれて]

 ん…飲ませてくれ、ペルラ。

[隣にいるペルラへと、その水をくれるか。という。別に自分でも飲めるのだがそこは恋人としてのものであった。

そうして祈りの場近くへと無事に着陸をする。飛行機の羽根がゆっくりと畳まれて内臓されていくなか。ペルラを抱き上げて、頬にキスをした。
甘やかしてるともいえるが、最近はペルラの身体はより消耗しているように思えての気遣いというのもあった。]

 さて、夜になるまではのんびりするか。

[幾度も使ったことのある湖の前に広がる庵までペルラを運んでいく。
広がる湖はやはり谷底のほうにあるからか少し湿っぽく薄暗い。
だがその分、秘密の場所のようだ、なんて笑っていたものだ]
(-485) 2023/03/04(Sat) 20:53:22

【秘】 月島 雅空 → 天原 珠月

[そうして儀式の時間。新月のこの日は星灯りしかなく、普段よりもより暗く感じる。
そんな中でも薄く輝くような巫女の姿を、守り人は常のように邪魔にならないように遠目で見守る。

ただここ最近の恒例として、巫女が祈る傍らでアスルも祈っていた。

巫女のようにこの浮遊島でもなく、ただただペルラの無事を祈るように、あの時にもらった真珠のイヤリングを手にしたままじっと祈っていた*]
(-486) 2023/03/04(Sat) 20:54:07

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空

― 別れの時 ―

[あの別れようとした日から幾年も過ぎた。
力の調整を心がけ、常に島のために力を蓄え注ぎながらも、アスルとの時間を諦めることはなかった。
25になるペルラはもうどこから見ても大人で。
悪戯っぽさとやんちゃさのなくならないアスルもまた30となり、見つめる者をドキリとさせる深い魅力を漂わせていた。]

 ……仕方ないわね。

[役目へ向かう道中。
水筒から自分で飲めるくせに頼まれて苦笑してしまった。
でも笑みには甘やかさが添えられている。
この前は照れながらそのまま水筒を口に運んであげたのだけれど、今回は――唐突に自分の口の方へ、そして含んで。]

 ん、……

[アスルの腕を引き、つま先立ちになる。
多少揺れても大丈夫。きちんと抱きつくから。
岩肌に映る影がそっと重なった。
ペルラが想いを込めた水が、アスルへと届いたことだろう。]
(-489) 2023/03/04(Sat) 21:52:26

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空

[楽しい空の旅は終わり。
あっという間に感じるのが少しさみしくて、でも、帰り道もあるのだからといつも自分に言い聞かせる。

ふわりと抱き上げられて、頬に落ちるキス。
くすぐったげに微笑んで身体を委ねた。]

 うん、そうしましょう。
 今回は多めに真珠も作れているから……あまり無理をしなくても大丈夫じゃないかと思うの。

[新月の夜の祈りはより力を使うことが多い。
一説によると月光の助けを得られないからというが、自らの真珠は月のような光を帯びているし、その通りかもしれない。
首から提げたガラス瓶に真珠が幾つも揺れている。
日々時間をかけて作り上げたこの島への祈りの結晶だった。]
(-490) 2023/03/04(Sat) 21:52:31

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空


 アスル、行ってきます。

[祈りの間はすぐ傍に居ることはできない。
太陽が沈み、空が夜の色に変わっていく頃、身体を離す。

最近新しく仕立てられた巫女装束のローブは深い青の生地に銀色の糸で細やかな刺繍がされていて、星明かりに煌めく。
そして淡くなり白にも銀にも近くなった月色の髪と、赤みが薄れ紫というよりは空色のようにもなった瞳。

湖へ裸足で踏み出そうとして、一度止まり。
珍しく振り返ると、アスルを探して――まるで祈るように自分を見つめる彼を見つけて――綻ぶように微笑む。

そうして、幼い頃と同じ。
片手を上げてひらひらと手を振ったのだ。]
(-491) 2023/03/04(Sat) 21:52:36

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空


 ……。

[湖を、水の中を、歩いて行く。
腰ほどまで冷たくも温かな水に浸すと、瓶から手のひらに移していた真珠の粒たちを――星を散らすようにまいた。

ぱぁっと広がる光の粒。
いつもより暗い夜に、まばゆく優しい光が灯る。

祈りの言葉を紡ぐ。
いつも、夜通しそうし続ける。

――でも、気づいてしまった。意識の片隅で。
気づいていたけれど、もう、どうすることもできない。

足の感覚が消えていく。
泡になるように、真珠が溶けるように。]
(-492) 2023/03/04(Sat) 21:58:16

【秘】 天原 珠月 → 月島 雅空



 ――…………。


[ぱしゃん、と水音を残して。

月の映らない湖から、巫女は姿を消していた。**]
(-494) 2023/03/04(Sat) 21:59:39