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【人】 教会住みの娘 エヴィ[ ならば、お花屋さんに伺う予定を、少しだけ。 音楽祭が行われる宮廷をせめて、 一目だけでも見てみたい。 豪華な王宮で紡がれる輝く音たちの、 ほんの一筋でも漏れ出てきては 風が私の耳に運んでくれるかもしれない。 普段なら絶対に思わないそんなことが やけにクリアに頭を過ったのは、 やはり先程の異国の方との出会いが為した ことなのでしょうか。 ぎゅむ、と踵を返して、私は宮廷がある通りに 足を向かわせました。 ]* (99) 2020/09/20(Sun) 23:07:39 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン―1年前・誰も知らない過去の話― [ 第三王子・リジィ ――いやこの国では王子殿下と呼ぶべきか――は、 通っていた高等学校で、いっとき、 あまり"上品ではない"友人とつるんでいたそうだ。 その学校に通う生徒はみな王族・貴族出身で、 上質な制服に身を包み、身のこなしも美しく、 日々、礼儀礼節を重んじながら 学問に励んでいた。……のだが。 誰が最初に持ち込んだのか、一部の生徒の間で 海外の電子弦琴・電子洋琴、 それを使った4〜6人で構成される楽器編成、 その楽曲などが異様にもてはやされたことがあった。 リジィもその影響を受けた一人だったようだ。 ] (100) 2020/09/20(Sun) 23:11:35 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ 格式高いコンセールカリヨンでは、さほど 人気の出なかった電子弦琴は、 現在も、国民の目に触れるほど流通してはいない。 貴族の子でもなかなか手に入らないそれを、 リジィは自費で輸入業者に命じて 簡単に、電子六弦を取り寄せさせた。 他にも、音盤に描かれているぼろぼろの服を 仕立てさせたり、歌詞に書かれている "あまり上品ではない"ことになぜか憧れて、 仲間達とつるんで真似しようとしたり。 とにかく、なまじ王族という地位にいるだけあり、 彼の影響のされ方は半端なものではなかったらしい。] (101) 2020/09/20(Sun) 23:12:05 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ リジィの家族…とりわけ兄である第二王子レイズは、 弟のそんな趣味に業を煮やし、 『こんな下品な雑音は音楽じゃない』 と、電子六弦も、数々の音盤も全て捨ててしまった。 輸入業者を動かす権利まで剥奪されたリジィは、 しかし音楽をあきらめることはしなかった。 あるときリジィは、 とある物好きの宮廷楽士が、自らの知見を広めるために たびたび海外の音盤を大量に取り寄せている という噂を聞く。 機会を見計らって偶然をよそおって 彼女の部屋を訪ね、 失った音盤のうち、わずかばかりのお気に入りを 取り戻すことに成功したようだ。>>51>>52>>53 ] (102) 2020/09/20(Sun) 23:13:20 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ ――つまるところ、 リジィ王子殿下が6人組にはまり込んだのは、 いわば定められた道だったようで。 のちに宮廷楽士養成所とコネクションを持ち>>54、 編集長のバロー>>36とも知り合って めでたく電子六弦も手に入れるという、 音楽への愛が深いのか、はたまた懲りないのか、 とにかく行動力だけは人一倍の リジィなのであった。 ] (103) 2020/09/20(Sun) 23:14:23 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ もし万が一にも、どこかの平台奏者の 男爵令嬢が、リジィがいまの音楽趣味に走った 原因の一端を担っていることに責任を感じて いるのだとしたら、 それは要らぬ心配である。 (貸した音盤が返ってくるかは怪しいところだが。) >>55>>56 …もっとも、常識や新旧に囚われずに "音楽"そのものを愛して止まぬと噂される、 『大変人』>>30の彼女のことだ。 リジィの兄上のような凝り固まった価値観ではなく、 もっと違った考えを持っているかも分からない。 もし、この先彼女と6人組が相対したとき…。 どのような評価が下されるのか。 こちらは、まだ誰も知らぬ未来の話である。 ] (104) 2020/09/20(Sun) 23:15:32 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ* [ 身体の傷は日が経てば癒えます。 少々の折檻なら慣れましたし、 私に矛先が向いている間、小さな妹や弟には 充分な食べ物や暖かい寝床が与えられ ましたから、さほど辛くはありません。 ただ、皆が寝静まった夜に訪れる その伽だけは、いつまで経っても ねぇ、皆様はご存知ないでしょう? まさか神職にお仕えのあの人が 人々に慕われ尊敬され、畏敬の対象でさえ あるあの人が 夜な夜などんな瞳を宿しているのか。 ] (105) 2020/09/20(Sun) 23:17:58 |
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。 (a22) 2020/09/20(Sun) 23:18:57 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ そんな時、私は決まって歌を歌います。 もちろん心の中で。 ] ( 主よ御許に近づかん ) ( いかなる苦難が待ち受けようとも ) ( 汝の為に我が歌を捧げん ) ( 主よ御許に近づかん ) [ こんな時さえ、歌える歌は限られていて。 だって知る歌は賛美歌しかないのだから。 心も、身体も、汚れた自分が歌うには あまりにも相応しくないというのに ]** (106) 2020/09/20(Sun) 23:21:50 |
教会住みの娘 エヴィは、メモを貼った。 (a23) 2020/09/20(Sun) 23:23:48 |
宮廷楽士 ウェールズは、メモを貼った。 (a24) 2020/09/20(Sun) 23:24:56 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン─宮廷・宴の場 壁際─ さて、と。いよいよね。 そろそろ明日の支度始めましょ。 [コンペまで時が近づいたのを悟り、 宴の場を退いて準備をしようとファラリスに声を掛けました。] 審査員は決まりにより、宴が始まると 事前に出場者へ声を掛けたり街へ出たりして こちらから積極的に接触を図ろうとするのは 禁止ですものね……。 [不正防止のため理解出来るとはいえ、 街などの様子を見ることが出来ないのは少々残念ですわ。 宮廷で宴が繰り広げられるこの時、 外ではどんな景色でどんな人々がどんな様子でいるのか。 どんな才能が紛れ込んでいるのか。 この目で見たいと思った時も幾許かはございますもの。] (107) 2020/09/20(Sun) 23:34:43 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン[明日からコンペが始まれば 私たち審査員は出場者に向き合う位置で 横並びに席に座り音楽に耳を傾け…… 審査のお勤めが始まります。 出場者から見て私は一番右端、 夜空のような藍色のドレスと腕章を着用して 皆様と対峙する形になることでしょう。 なお左端には楽士を束ねる宮廷楽長がいらっしゃいますわ。] じゃ、行きましょうか。 [審査員は宮廷にコンペ会場に向かうまでに滞在する 控え室なるものが存在し、そこで準備を整え 翌日審査員席まで移動をする決まりが定められておりますの。] (108) 2020/09/20(Sun) 23:35:03 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン[誰が、どのような順番で演奏するのか。 何を演奏するかは審査員の私達も 当日までは知らされることは全くございません。 それもまた一つの楽しみというもの。 審査員には今年も王族の方々始め、 各専門分野の楽士の中でも熟練の者達が 出場者達を見極めることになるのでしょう。 ひょんなことで何かしらが起きることさえ無ければ] ────嗚呼、楽しみね!! [控え室に入った途端、 その顔が大いににやけてしまったけれど 控え室に入るまで我慢出来ただけでも良しとしましょ!!]* (109) 2020/09/20(Sun) 23:35:43 |
(a25) 2020/09/20(Sun) 23:38:05 |
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