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人狼物語 三日月国


267 冬暁、待宵の月を結ぶ

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視点:人

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【人】 宮崎暁



 [ いつか、さよならを言い合う時
   不幸だと何かを責め立てたりしないように
   それが思い出として残せるように

   彼女ならそれが出来ると思ったんだ。

   だから僕は、彼女を、利用してしまっている。

   僕と一緒で、寂しい目をしている彼女が…
   こうして手を繋いでいないと消えてしまいそうで
   そんな彼女の儚さが、僕の目を引いたんだ。   ]


(24) 2024/06/09(Sun) 3:09:00

【人】 宮崎暁



 [ 僕は絶対に周りには隠さない。

   いつか僕の居なくなった世界で
   幸阪の名前に傷がつかないように

   転校が決まっていた僕に都合よく遊ばれた
   可哀想な女の子じゃなくて
   僕の転校に仕方なく巻き込まれただけだって。

   こんなこと彼女には、絶対言えないけど。    ]*



(25) 2024/06/09(Sun) 3:10:04

【人】 宮崎暁



 [ あの日も僕はずっと、独りだった。
   テスト期間ともなれば皆すぐに帰るし
   人なんてほとんど残ってやしない。

   世界に置いていかれるような虚しさを背に

   自習用に開放された静かな図書室
   英単語帳を見るのも飽きてきた頃

   ふと窓の外を眺めていると
   聴こえた、ほんの微かに心地よいリズム>>15

   部活なんてどこもやってないし
   今の期間は自主練だって禁止だ。

   それなのに
   床を蹴りあげる音、ゴムが跳ねる音
   僕以外の誰かがまだいるんだって。

   たったそれだけの事で心が踊ってしまって
   気づけば僕は導かれるように音の元へと…。  ]


(26) 2024/06/09(Sun) 3:14:43

【人】 宮崎暁



 [ 烏が鳴き始める夕暮れ
   僕は体育館へとやってくると
   ちょっと重い鉄の引き戸を開けた。


   音の鳴る方へ
   誰かが…いる方へ。


   そうして、扉の向こうで
   一人バスケに浸る姿に


         勝手に自分の背を重ねてしまう。]


(27) 2024/06/09(Sun) 3:15:50

【人】 宮崎暁



   あ、ううん、忘れ物とかじゃないんだ。

   こんな時間に体育館に誰かいるの
   珍しいなって思って。

   図書室で勉強してたら音が聞こえたんだ。

   
 [ 邪魔しちゃったかな、そりゃそうだよなぁと、
   慌てた様子で手を振りながら
   僕は体育館の中へ歩を進める。

   ここにいるのがたまたまなんじゃなくて
   始めっから居るのが分かってて来たんだって。

   初めましての彼女に、僕は笑みながら尋ねたんだ。]


(28) 2024/06/09(Sun) 3:16:24

【人】 宮崎暁



     ねぇ、僕も一緒にやってもいい?


(29) 2024/06/09(Sun) 3:16:55

【人】 宮崎暁



 [ 相手の名前もクラスも知らない
   僕はまだ名前すら名乗っていない。

   それなのに
   開口一番に出た言葉は

   君の世界に僕を入れてという
   立場を弁えない勝手なお願いごとだった。 ]


(30) 2024/06/09(Sun) 3:19:09

【人】 宮崎暁



 [ 好きでもない人と付き合うなんて普通じゃない。

   普通でありたいと思っていなくとも
   上手く学校生活を乗り切るためには
   普通に擬態することも必要だ。

   と言っても僕の幸阪への好感度は
   決して低くない。>>33

   それが恋愛的かどうかはともかく、
   彼女のことを魅力的と思ってるのも本当だ。 ]


   そうなんだろうけどさぁ
   なんか嵌められた気分…

   幸阪はテスト大丈夫そうなの?


 [ 僕とは対照的に幸阪は落ち着いている。
   まさかこうなることも予想してたのかなって
   疑ってしまいたくなるくらい。>>33

   僕が考えすぎなのかもしれないから
   ついつい幸阪にそう尋ねてしまった。      ]


(43) 2024/06/09(Sun) 20:32:55

【人】 宮崎暁



 [ 二人で手を繋ぐその姿も
   こうして他愛のない話で盛り上がる姿も

   幸阪はこの学校誰よりも幸せなんだって
   僕は周りに証明したかっただけ。     ]



(44) 2024/06/09(Sun) 20:33:23

【人】 宮崎暁



   そうだ。
   幸阪って今日の放課後、空いてる?

   駅前に美味しそうなパン屋を見つけたんだ。


(45) 2024/06/09(Sun) 20:34:40

【人】 宮崎暁



 [ 教室に入ると手を離して、
   僕は幸阪の予定を尋ねる。

   流行りのお店も、デートスポットも
   いつだって調査は欠かさない。

   幸阪を誘う理由作りは
   常に五つはストックするようにしているんだ。
   幸阪の予定があると事前に知った日以外は
   ほぼ毎日こうやって誘っていたはず。

   僕はそれだけ幸阪との時間が欲しくて
   幸阪にだけはわがままになっていたのだと思う。 ]*


(46) 2024/06/09(Sun) 20:36:35

【人】 宮崎暁



   ううん、僕も勉強飽きちゃったから
   体育館で遊んでるのが羨ましくなっちゃった。


 [ 僕の邪魔をしたんじゃないかと
   謝る彼女に僕は首を横に振る。

   手を止めなくても
   もう僕は勉強する気もないから
   それが誠意を欠くとは思っていない。>>39  ]


   勝負?いいね!やろっか!


 [ むしろ入れてもらえた喜びの方が勝ると
   僕の意識はそっちに引っ張られる。

   まだ会って日は浅いけど
   あまり感情が表に出ない子なのかなって
   そう思ったりもしたものだから

   その意外な姿に僕も楽しくなってしまって。 ]


(47) 2024/06/09(Sun) 20:50:17

【人】 宮崎暁



   へぇ、それなら僕も負けられないな。>>41
   せっかくだから飲み物でも賭けてみる?


            僕こう見えて結構強いよ?


(48) 2024/06/09(Sun) 20:52:25

【人】 宮崎暁



 [ そう言って僕は上着を脱ぎ捨てて腕まくりすると
   意気揚々とバスケットボールを手に取り
   彼女の世界に一歩、足を踏み入れていった。

   勝敗はどうだったかと言われれば…
   僕がエアボールをやりまくって
   悔しさで床を転げ回ったことはあったかも。
   僕の渾身の
「うわぁぁぁ!!クソエイム!!」

   聞けるのは僕が彼女に負けた時、だったかな。
 ]*


(49) 2024/06/09(Sun) 20:55:08

【人】 宮崎暁



   えぇ…落ち着きすぎでしょ…

   言ったからね?
   マラソン一緒に走ろうね、のノリは無しだよ?


 [ 全てを受け入れた様子の幸阪は
   まるで無敵の人だ。>>51

   このまま幸阪もいるからいっか、って
   いざ追試を受けたら僕だけなんてことになれば
   きっと泣くことになるだろうね。

   だって君との時間が減ったら
   僕はとてつもなくショックを受けるんだから。
  ]


(59) 2024/06/10(Mon) 1:49:45

【人】 宮崎暁



   ほんと?よかった!
   じゃあ放課後、幸阪の教室に行くね。>>53

   あ!後でお店の情報送るよ!


(60) 2024/06/10(Mon) 1:50:17

【人】 宮崎暁



 [ こうして予定が埋まると
   僕は常にアプリのスケジュール帳に記帳していた。

   埋まっていくカレンダーが
   僕の灰色の学校生活を彩ってくれて
   それをこの目で知ることができるからだ。

   いつものように放課後が待ち遠しくなると、
   幸阪から渡されたのは貸した教科書と、
   可愛らしく包まれた美味しそうなカップケーキ。

   貰った僕は子どものようにはしゃいで。>>54   ]


(61) 2024/06/10(Mon) 1:52:26

【人】 宮崎暁



   うん、どういたしまして。

   これ、は……ありがとう!
   後で大切に食べるね!


 [ 幸阪にお礼を伝えたことだろう。
   彼女との付き合いはただの思い出作り。
   シミュレーションゲームと同じだって。
   頭の中では理解していても
   彼女からの贈り物にはいつだって心が弾むんだ。
]**


(62) 2024/06/10(Mon) 1:53:40

【人】 宮崎暁



 [ 意気揚々と臨んだバスケ勝負の結果は惨敗。>>55
   最初こそお互い外して泥試合だったのに、
   彼女は途中からだんだんフォーカスを合わせて、
   僕は相変わらずのクソエイム。

   最後の方はそれはもう悲惨な光景だった。>>56 ]


   ぐぅぅ…次はリベンジしてやる…>>57


 [ 今でこその彼女と得意気に笑った顔も好きだけど
   当時は悔しさの方が勝って
   しれっと再戦の機会を求めてしまって。

   付き合ってくれるなら
   もう一度同じルールで勝負してもらったりして
   でもきっと負けるのは僕で。


   なんにしても楽しい時間はあっという間。>>58

   だけどそれだけじゃない。
   どうしてかな、僕は君と一緒に
   自販機に飲み物を買いに行こうとしながら。   ]


(63) 2024/06/10(Mon) 2:00:22

【人】 宮崎暁



  言うねぇ、僕だってやられっぱなしじゃないからね!


(72) 2024/06/10(Mon) 22:10:53

【人】 宮崎暁



 [ そんな風に血気盛んだった僕は
   自販機の前でカルピスとホットココアを
   彼女に献上する羽目になったんだけども。  ]


(73) 2024/06/10(Mon) 22:11:52

【人】 宮崎暁



   うん。そうだよ。
   だって幸阪だもん。


 [ なんの躊躇いもなく口にすると
   幸阪に目を逸らされてしまった。>>6

   あれ?恋人同士って
   そういうものじゃなかった?


   それはそれとして、
   楽しみって言ってもらえたら。

   前に理由も教えたスケジュール帳に>>68
   幸阪との新しい予定表にいれて。
   その日記の存在は、彼女が教えてくれなきゃ
   僕が知ることは無かったかもしれないけど。
  ]


(74) 2024/06/10(Mon) 22:44:26

【人】 宮崎暁



   大切に食べるよ。
   だって幸阪が作ってくれたんだから。


 [ 食後のデザートにしようかな
   それともおやつにしようかな。

   考えているだけで楽しくなって。
   僕は満足気な表情で、彼女と別れたんだ。  ]


(75) 2024/06/10(Mon) 22:44:46

【人】 宮崎暁



   お待たせ幸阪。

   あ、見てくれたんだ!
   メロンパンにも色んな種類あるみたいだよ!


 [ 関係の始まりが本来在るべき形とは違うせいで
   幸阪が乗り気じゃないのに
   無理をさせてしまうのではないかと。

   そんな不安はいつとつきまとってくるから。
   幸阪の何気ない仕草に心が救われることも
   実はかなりあったりする。


   すっかり顔なじみになったB組の女子から
   「お姫様のお迎えかな?」って言われた時には
   「そう!十二時になるまで、
    やりたいことが沢山あるんだ!」って。


   その女子が赤面するレベルの
   青臭いセリフを吐いて、
   幸阪の手を引いて教室を出ていったんだ。  ]

(76) 2024/06/11(Tue) 23:42:36

【人】 宮崎暁


 [ 思い返してみれば
   幸阪と付き合い始めてから
   周りの色恋に巻き込まれることが減った。

   思い切って聞いてみたら
   「二人の仲に割って入ったら罰当たりそう。」って。

   きっとこれは応援してくれてるんだよね?

   新聞部が定期開催するアンケートの
   校内で応援したいカップルランキングで
   連続不動の一位を獲得したこともあるし。

   僕達のことを皆が受け入れ始めた、証拠なのかも。]


(77) 2024/06/11(Tue) 23:44:25

【人】 宮崎暁



 [ 学校を出ればもう自由な時間だ。
   幸阪の手を引きながら

   何気ない会話を重ねて。
   なんの身になるか分からない
   この他愛のない会話の時間が

   僕はたまらなく好きだった。

   今日も僕は幸せだな、なんて。
   噛み締めるように頬を緩ませていると、
   幸阪が何かを見つけたみたいで、

   指さしていた方を向いたのだけれど。 ]


(78) 2024/06/11(Tue) 23:44:50

【人】 宮崎暁



 [ 僕達の吐く言葉は本物か、紛い物か、
   それは吐いた本人にしか分からない。>>79

   それが僕達が特別な関係である象徴で、
   普通の恋人とは違うところ。>>82

   だからこそ恋人同士の当たり前は
   僕達にとってはかけがえないのない思い出行事で
   幸阪もつけるようになったという日記も
   僕が大切に保管しているスケジュール帳も

   僕達が歩んできた道を不器用に綴っている。   ]


(85) 2024/06/12(Wed) 21:24:23

【人】 宮崎暁



   あ、わかる。
   僕も気になってたんだよね。


 [ パンは気軽にシェアができる
   思い出を作りたい僕達にはちょうどいい。>>82

   楽しかったよって、彼女の言葉は
   自信がある時ほど素直に受け止められるし
   自信が無い時ほど受け止めきるのが難しい。

   疑いたいわけじゃないんだけど
   やっぱり初めての、恋人だったから。     ]


(86) 2024/06/12(Wed) 21:26:37

【人】 宮崎暁



 [ 当たり前、が当たり前じゃない。>>84
   それを尊ぶことが出来た僕達は

   きっと誰もが羨む関係だったのだろう。
   終わりが来る事を知らない人達には
   この関係は上澄みしか見えていないのだから。]**

(87) 2024/06/12(Wed) 21:27:31

【人】 宮崎暁



 [ たどり着いたパン屋のイートインで
   ついつい買いすぎてしまったパンを並べて
   僕は君との時間を堪能する。

   彼女が選んだクリーム入りのメロンパン
   美味しそうだなと思っていたら
   あーんとしてくれるみたいで
   口を開けたら幸阪がそのまま自分で食べてしまい
   僕の間抜け面が見られてしまったり。

   こういう時、幸阪に振り回されることが多くて
   なんだかそれも楽しいからと
   こそばゆくなる僕がいたわけだけれど。


   やっぱり彼女といる時間は
   僕にとってはかけがえのないもので
   一緒にいればいるほど
   その想いは強くなっていくばかりだ。   ]


(88) 2024/06/13(Thu) 0:51:42