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人狼物語 三日月国


260 【身内】Secret

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【人】 従業員 ルミ



[ 過ぎ去った日々に特別を今更見出すことは叶わない。
  そんな都合の良い魔法はないの。

  片方の気持ちだけでは弱すぎるのなら。
  忘れてしまえる程に脆いのなら。
  あの時甘すぎて食べられなかったりんご飴みたいに、
  飲み込めないくらいのをあげる。 ]


 
(6) 2024/05/07(Tue) 12:50:07

【人】 従業員 ルミ

 

[ 「さて、どうでしょう」と彼の言葉にまた笑った。>>3
  釘を刺しているつもりは実際ない。
  そのつもりが少しでもあるのならば、きっと、
  彼は折衷案を出さず家に来てくれたはずだから。

  ねえ、そうだよね?
  わたしだけの、お兄さん王子様。 ]


  うん! 預かっておくね。
  保冷剤、送ってもらうなら返せば良かったね。
  ごめんね?


[ そう言いながらプリンの箱を受け取り、冷蔵庫へ仕舞う。
  保冷剤も一緒に冷やして、
  中身が見えないように扉を閉めた。

  一度だけ、同じ味を知りたいと思って飲んだ缶ビール。
  苦くて舌が痛くなるような大人の味。

  アイスを食べて笑った少年はもういないのに。 ]

 
(7) 2024/05/07(Tue) 12:50:12

【人】 従業員 ルミ

 

[ アイスかホットか好みを聞いて、コーヒーを淹れる。
  紅茶やお茶も用意自体はあるのだけれど。
  ──ああでも、この夜を飾るにはやっぱり、
  味の濃いコーヒーがよく似合いそうだから。 ]


  ああ……そうだね。
  初めてお兄さんと会った時は、小学生じゃなかったな。

  五歳差。お兄さん、24でしょ?
  わたし19なの。
  でも小学校は、三年生になるまで行ってないから。


[ だから結局同じところに通えなかったね、と笑う。
  ──言ってから、しまった、と内心舌を打った。
  彼が今何歳か知らない方が自然だったのに。

  緊張しているのは此方も同じ。
  気取られないようコーヒーを彼の前へ置いた。 ]

 
(8) 2024/05/07(Tue) 12:50:17

【人】 従業員 ルミ

 

  ランドセルとか教科書、買ってくれなくて。
  まあ友達いなかったり色々あったから、
  結局その後もあんま通ってなかったんだけど……

  あ、でも、高校はちゃんと卒業したよ!
  通信制だけど、学費稼いで通い切ったんだ。


[ 幼い頃は無知ゆえに、彼を繋ぎとめる術を持たず
  今はそもそも" 繋ぐ "糸すらあまりに薄い。

  室内には年齢を考えれば不相応のブランド物が並ぶ。
  売れば数百万は手元に入るだろう。
  これで利用価値のある女だと思ってくれれば、
  事は簡単に進むのに。 ]

 
(9) 2024/05/07(Tue) 12:50:33

【人】 従業員 ルミ

 

[ お姫様蜘蛛は笑う。

  肝心の話を誤魔化すように話を続け、
  今か今かと、その時を待っている。** ]


 
(10) 2024/05/07(Tue) 12:53:07

【人】 従業員 ルミ

 

[ 無垢な少女とは掛け離れた打算の色。
  人畜無害な顔して笑う絡新婦のように毒を纏って、
  美しい色彩を帯びて咲く花々のように棘を隠して。

  女はにこ、と絶えず笑う。 ]


  ……ううん! まず先に飲み物とか用意しちゃうね。
  お兄さん、明日も用事あるんでしょ?
  長引かせるのも申し訳ないからさ。


[ 暗に長く拘束する気はないという意図を手渡し、
  獲物を捕らえるための糸を張る。

  家の中に誘い込んでしまえばこちらのもの。
  足なんて今更丁寧に怪我の虚飾を飾る必要もない。
  熱すぎないよう温度へ気を配り、
  ミルクと──" お砂糖 "を混ぜて差し出した。

  悪意なんて微塵もない振る舞いと声音。 ]

 
(17) 2024/05/07(Tue) 19:06:27

【人】 従業員 ルミ

 

  …あはは、お兄さん忘れちゃったの?
  昔教えてくれたのに。
  わたしのこと忘れちゃうなんてひどいなぁ。


[ ──勝手に解釈してくれて助かった。
  植え付けられた偽りの記憶に乗っかって、
  努めて明るく、冗談めかして拗ねてみせる。

  わたしはお兄さんのことを忘れられなかったのに。
  忘れようと思わずとも、記憶から消してしまえたのか。

  ────分かってる。
  所詮これは名前も無いNPCの馬鹿みたいな妄執。
  頭と理性では分かってて、でも、引き下がれない。
  だから今、二人はここにいるんだもの。 ]

 
(18) 2024/05/07(Tue) 19:06:46

【人】 従業員 ルミ

 

  ……他の大人とか、学校とか、どうでもいいよ。
  " かわいそう "だから助けるんでしょう?

  一緒にいてくれないなら、
  途中で役目はおしまいって消えちゃうなら、
  かわいそうじゃないわたしを見てくれないなら、
  最初からそんなのいらない。


[ 水底の澱みの様にまっくらな声だった。
  彼の言葉や感覚はきっと、社会人として真っ当で
  絶対的な大人の意見だ。

  欲しいのはそんな遠巻きな距離と温度じゃないのに。
  ここにあって当然なのは、その関係でしかない。

  会わずに重ねた何十回の夜が
  あの頃の楽しかった毎日を冷やしていく。
  小さいまま、小さかった頃のまま大きくなりたかった。

  胸になにかが込み上げてくる。
  今すぐに痛みでこの感傷を流してしまいたいような、 ]

 
(19) 2024/05/07(Tue) 19:07:05

【人】 従業員 ルミ

 

  ────うん。
  ルミ、頑張ったよ。お兄さん。


[ ああ、でも。

  死にたくなるような痛みを与えるのが彼ならば、
  生きたくなるような温度をくれるのも貴方なの。 ]


 
(20) 2024/05/07(Tue) 19:07:12

【人】 従業員 ルミ

 

[ 本題に入る彼がどれほど飲み進めたかを確認し、
  警戒させないよう一人分の間をあけてソファへ座る。
  画面越しではない、大人になった好きな人。
  ──奇跡一度きりなんかで終わらせない。 ]


  あのね。
  ……えっと、えへへ、ちょっと恥ずかしいな。

  わたし──好きな人がいるんだけど。


[ 小さな頃は絶対に話題にも上らなかった恋の話。
  お兄さんは──半年前が最後だもんね?
  SNSの内容を思い出しながら言葉を続ける。 ]

 
(21) 2024/05/07(Tue) 19:07:45

【人】 従業員 ルミ

 

  でも、わたし……今まで人と上手くいったことなくて。
  その人もね、半年くらい前まで恋人がいたりしてたし
  " 今は "全然関わりもないくらいなんだけど。
  ……けどね、その人以外好きになれないの。

  ……わたし、友達もいなくて、親も頼れないから
  将来どうしようって……一人の家が心細かったの。
  こんな格好だと余計に、人の目も厳しいし……。


[ これは全部嘘じゃない。
  実際問題、わたしは人と関わるのが下手だから。

  他の店に行った痕跡を見るたび裏切ったと思い込んで、
  いつもと違う匂いがすれば他の女だと怒りだして。
  愛される錯覚を得るために営業を頑張れば
  同じ店の女の子から距離を置かれるばかり。

  夜の女だと馬鹿にされたことだってある。
  傷が増えるたびに、彼との時間だけを思い出して、
  二度とあんな時間は来ないのかと不安になって。 ]

 
(22) 2024/05/07(Tue) 19:08:14

【人】 従業員 ルミ

 


   ────お兄さん、そろそろ効いてきた頃じゃない?


[ 体内に取り込んだ毒は、あたたかな血に混じり巡る。
  もう指先から力が抜けるくらいは起きたかな?

  大丈夫、怖いお薬じゃないからさ。
  少し思うように動けなくなってしまうだけ。 ]

 
(23) 2024/05/07(Tue) 19:11:26

【人】 従業員 ルミ

 

  ……ふふ。
  仕方ないな、許してあげる。お兄さん。


[ ────この時だけは、ね。

  懐かしさに緩む頬と、憎らしさが胸を打つ。
  ちらりと上目でこちらを伺う様は
  わたしが絆されると信じて疑わないみたいだ。

  そう、あんなに小さい頃の想い出に固執する方が
  きっとおかしくて、馬鹿だよね。
  お兄さんにとっては家族との会話より些細で短くって
  ──すぐ忘れてしまえるものだったのに。

  お祭りの光を見て、私を思い浮かべもしないんでしょう
  あの時甘すぎると言って渡してくれたりんご飴。

  懐古の海に沈めることに躊躇いがない貴方。 ]

 
(30) 2024/05/07(Tue) 22:28:02

【人】 従業員 ルミ

 

[ どんな人だってずっと片時も離れず、なんて出来ない。
  けれど、不可能でも" そうありたい "と思うのが、
  それを出来る限り伝える努力をするのが愛じゃないの?

  見知らぬ愛を探そうと思える人間なら良かった。
  そうすれば貴方を傷付けることも無かったのに。

  でも、一度味わったが欲しかった。
  どうしても忘れられなくて、手離せなくて、
  ──誰に何を言われたってこれは戀だった。

  愛されないなら、二度と交わらないくらいなら
  わたしのトゥルーエンドはここで散って
  その先でバッドエンドを迎えるの。  ]

 
(31) 2024/05/07(Tue) 22:28:16

【人】 従業員 ルミ

 

  無理だよ。


[ わたしはひどく落ち着いた声音でそう返した。
  何の確証があって、と言われるかもしれない。 ]


  ────そんな希望、とっくに捨ててる。


[ 力になろうとはしてくれているのだろう。
  けれどその解決策は有効性を失って、
  今や毒を巡らせる以外になくなってしまった。

  間抜けな声を上げる彼に、思わず無邪気に笑う。 ]

 
(32) 2024/05/07(Tue) 22:28:21

【人】 従業員 ルミ

 


  っふふ、あはは、……ほんとうに可愛いね。
  お兄さん。
  ────鈍感で、優しくて、無防備で。

  …………ね。


 
(33) 2024/05/07(Tue) 22:28:31