[微笑みを交わして、返ってきたのは同じ言葉。
行きたいと言ったのはこちらの方。
だから、ゆっくりと首を振り返して湖へと視線を移す。
海よりも穏やかな波。
漢字は違えど、凪とはこういうものかと感じながら。
昼食の話になれば、同意するように一度、頷いて。
彼が座れば、水際から戻って隣へ並ぶように腰を落ち着けた。
話を切り出す声に、視線を一度交えた後に、また湖へ。
隣合うから、自然と同じ方向を向いた。
聞いて欲しいという時だけは目を見合わせてまた頷きを。
ゆっくりと紡ぎ出される話に、耳を傾けていく。]