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【人】 櫛田三四子[痴話喧嘩 【ちわ-げんか】 男女の間で行われる喧嘩。 主に恋人や夫婦などの関係にある者同士がする 色恋絡みのたあいない喧嘩を指す。] (2) 2021/06/25(Fri) 17:38:48 |
【人】 櫛田三四子[大学を卒業し、社会人になって早1年。 編プロでの仕事にも少しずつ慣れ、 ちょこちょこと先輩のお零れを貰いながら 要領を掴み始めてきた頃合い。 同時期に付き合い始め、 そのまま同棲・婚約と相成った 恋人との交際も頗る順調であり――― まさに人生の春と言ってもいいだろう。 ふつうの人間とは言い難い身ではあるものの それなりに人並みの幸せを享受し生活を送っていた。] (3) 2021/06/25(Fri) 17:43:43 |
【人】 櫛田三四子[休みを合わせて温泉に行こう、と言うのは どちらが言い出したんだっけか。 一つ屋根の下で過ごしはじめて数ヶ月 お互いのこともそれなりに知り やや慣れが出てきたとはいえ、 恋人になってからは初めての旅行。 うきうきと指折り数えて楽しみにしていたし それはもう記念すべき思い出になる ……………… 筈だったんだけどなあ] (4) 2021/06/25(Fri) 17:45:34 |
【人】 櫛田三四子………ふぅ。 [ぶすっとした顔で、小さくため息をついた。 外は憎らしい程に快晴で、絶好の旅行日和である。 宿泊予定の旅館もレトロな風情があり、 夜はきっと幻想的な風景になるのだろうなと感じさせた。 (当然だ、だって私が選んだんだからね!) にも拘わらず互いの間には 何とも言えない微妙な空気が漂っていて。 何でこんなことになったんだっけな、 なんて本日何回目かの文句を心の中で零しつつ 受付でチェックインを済ませる。] (5) 2021/06/25(Fri) 17:47:29 |
【人】 櫛田三四子[荷物を部屋まで運んで貰い、 女給さんに笑顔で礼を言った後。 畳の個室。 せっかく奮発して内風呂つきの部屋にしたのに 何となく今ははしゃぐ感じにもなれなくて、 もくもくと簡単に荷ほどきをする。] 大浴場。 さっそく入って来ようと思うんだけど、 宙どうする? [まだ日は高いが、明るいうちの風呂もオツなものだ。 ……というのは口実で、空気に耐えかねただけだけど。 ちらりと様子を窺って尋ねる。**] (6) 2021/06/25(Fri) 18:02:13 |
【人】 櫛田三四子[―――話は少し前に遡る。 お互い最近仕事が忙しく、 職種が違うのもあり、 なかなか共に過ごす時間が取れずにいた。 休みがあっても家でだらだらして終わってしまうことが多く… それはそれで嫌なわけではないけれど、 「宙、温泉に行こう!」と いつもの突飛さで言い出したのは リフレッシュがてら偶には新鮮な気持ちで デート気分を味わいたいなと そう思っての事だったのだ。 向こうだって何だかんだ言いながらも 乗り気でいてくれていた、と思う。多分。] (14) 2021/06/26(Sat) 11:03:43 |
【人】 櫛田三四子[休みを捻出するために根を詰めた恋人の帰りが 益々遅くなって顔を合わせなくなったことも、 弥子から聞いた流行の情報を元に 旅行プランをあれこれ相談しても (6割くらいは脱線して、親友とどこそこに遊びに行った話になってたかもしれないけど) どことなく気のない返事をされることも、 帳尻合わせの為には仕方のないことだ。 そう思っていたのに。] (15) 2021/06/26(Sat) 11:07:25 |
【人】 櫛田三四子『宙く〜ん、何してるの〜?こっち来て飲もうよぉ』 [携帯越し、すぐ近くで甘ったるい女の声がして一瞬固まった。 詳しく問い詰める前に通話は切れてしまい、 その後何時間か悶々と過ごすことになる。 ………帰って来た彼曰く ただの飲み会だと騙されて連れて行かれたこと。 電話の向こうの女性とは初対面でありなんでもないこと、 その弁明は受け、一応は納得したものの……] (17) 2021/06/26(Sat) 11:14:30 |
【人】 櫛田三四子[その後もすれ違いは解消されず、 微妙にぎくしゃくしたまま今に至ると言うわけだ。 距離を保ったまま声をかければ ゆっくりと彼が距離を詰める。>>13 顔を覗き込まれれば ドキリと心臓が跳ねるのが分かって 慌てて目を逸らした。] …………それは分かってるし。怒ってないし。 宙がまじで浮気するとは思ってないし。 [言葉とは裏腹につっけんどんな言い方になってしまう。 そう、分かってるとも。 そもそも我々は自然に恋が出来ない種族であるし、 それを差し引いても彼が不貞を働くような 不誠実な奴じゃないってことくらい。 そりゃ最初はどういうこと!? って怒りをあらわにしたけれど、 今は別に本気で疑ってるわけでもない。 頭では分かっているのだ、] (18) 2021/06/26(Sat) 11:18:16 |
【人】 櫛田三四子[ (でも、仲良さそうだったじゃん。名前で呼んじゃってさ。 恋が出来なくてもセックスは出来るんでしょ? 男女が飲みに行って何があるかなんてわかんないし) ―――違う。 (大体誤解されるようなことする方が悪いんじゃないか。 私が分からずやみたいな言い方してさ) ―――これも違う。 (行きだって話しかけても寝てるしさ。 楽しみにしてたのは私だけみたいじゃないか) …………… ] (20) 2021/06/26(Sat) 11:23:52 |
【人】 櫛田三四子[――――駄目だ。 碌な台詞が出てこない。 余計喧嘩になってしまいそうだ。 もにょもにょと口元を蠢かせた挙句 ふう、とまたひとつ溜息を吐いて、 諦めたように首を横に振った。] ………なんでもない。行ってくる。 [備え付けの浴衣とタオル、 自前のお風呂セットを持って 身体をすり抜け、そのまま部屋を出ていこうと**] (21) 2021/06/26(Sat) 11:40:26 |
【人】 櫛田三四子…………はぁ―――――――。 [衣服を籠の中に入れ、 タオルで髪を纏めて女湯へ。 ざっと体を流して湯に浸かり 深くため息をついた。 昼間なのでそこまで人は多くなく、 広々とした浴場は開放感を感じさせる。 少し熱めの湯が心地いい。 でも、心はちっとも晴れなくて 膝を抱えて浸かったまま俯く。] (30) 2021/06/26(Sat) 19:21:29 |
【人】 櫛田三四子[私の恋人は優しい。 優しくて、いい奴で、面倒見良くて ちょっとぶっきらぼうで誤解されやすいとこもあるけど、 辛抱強く向き合おうとしてくれる。 そう言うところが人としても異性としても好きだ。 だから彼がその気にならなくても 好意を持つ女の子は少なくないんじゃ… じゃなくて、 あんまり態度悪いと流石に愛想尽かされてしまうかな。 天使の矢の補正ってどれくらいかかるものなの? ちょっとやそっとで嫌われたりはしないかな、 でもありえないとも言い切れないし……] (32) 2021/06/26(Sat) 19:24:40 |
【人】 櫛田三四子はぁ…………… [さっきから溜息ばかりついている気がする。 思考は散漫な上に堂々巡りで、ちっとも結論は出ない。 自分はこんなに女々しい奴だっただろうか。 延々と考えていると冗談抜きで のぼせてしまいそうだったので 自己嫌悪に陥りつつも湯船からあがる。 とにかく、だ。 何にせよこの状態は良くない。 良くないことは分かる。 せっかくの旅行を暗い気分で過ごすなんて、 自分も彼も望んでいなかったはずだ。] (33) 2021/06/26(Sat) 19:26:22 |
【人】 櫛田三四子……よし。 [何はともあれ着いたんだ。少し気持ちを切り替えよう。 身体を拭きながら内心そう決意する。 ぺたぺたと化粧水をつけ 長い髪をドライヤーでざっと乾かして ヘアゴムで纏めポニーテールにする。 備え付けの浴衣は紺色の花柄で 赤い帯を前で蝶々結びにした。 下着は……一応この旅行のために新調したのは内緒。] (34) 2021/06/26(Sat) 19:28:29 |
【人】 櫛田三四子ん、そーだね。 私も今回は温泉で のんびりメインのつもりだったから そんなにガツガツ欲張る気はないんだ。 温泉街、いーね。 お土産の下見とかもしたいし。 [今日は特に着いたばかりだし、あまり遠出する気はない。 それに温泉街を回るのも温泉旅行の醍醐味だ。 彼の提案には快く頷き、 ポーチに財布とスマホ、貴重品を入れて肩からかけ 差し伸べられた手を取った。] (42) 2021/06/26(Sat) 22:18:57 |
【人】 櫛田三四子……なんか、手ぇつなぐのも久々な気がする。 [人肌の温かさが掌からじんわり伝わって来て、目元が緩んでしまう。甘えるように指を絡め、きゅ、と握って。**] (43) 2021/06/26(Sat) 22:21:17 |
【人】 櫛田三四子さて、どうしよっか? 晩御飯も結構ボリュームありそうだから あんまり食べ過ぎないようにしないとね。 [温泉街は観光地らしく それなりに人で賑わっていた。 温泉卵にまんじゅうやせんべい、 ソフトクリームやコロッケなどなど、 所々に買い食いの屋台が出ていて、 食べるものには困らなさそうだが 後を思えばあまり満腹になるのは避けたい。 自分はそこまで大食いな方でもないし。 手を引く形で先を行き、 あっちこっち屋台を吟味し 良さげなものがあれば立ち止まるつもりで。**] (49) 2021/06/27(Sun) 11:06:55 |
【人】 櫛田三四子そうそう。 私たちの場合、結構すぐ 一緒に暮らし始めたから余計ね。 格好が変わるとまたちょっと別人みたいに見えるだろ。 ......惚れ直した?なーんて。 [そんなやり取りもありつつ温泉街へ。 もともと観光地で物色するのは好きな方。 色とりどりの屋台に目移りしてしまうけど、 あまり欲張るのも宜しくない。 うろうろしながら迷った末、 温泉まんじゅうとせんべいを買うことにした。 分けやすそうだしね。 茶色い饅頭の皮をふたつに割って、 はふはふしながら片方を頬張る。 もう片方は彼にあげよう。おせんべいも同様に。] (52) 2021/06/27(Sun) 15:52:25 |
【人】 櫛田三四子[そうこうしながら歩いていると ふいに彼が足を止めた。 振り向いた視線の先にあるのは一軒の土産物屋。 綺麗なガラスの工芸品が軒先にも飾られており目をひく。 この季節なら風鈴もいいよね、と思ったけど、 彼が気になるのは物作り体験コーナーのようだ。 興味津々、といった様子にくすりと笑って] (53) 2021/06/27(Sun) 15:55:29 |
【人】 櫛田三四子へえ。 自分で作ったりもできるんだ。 面白そうだね。 よし、やってみようじゃないか。 どっちがうまくできるか勝負しよう。 [まあ、とは言え向こうはプロの専門職だ。 勝てる気はあんまりしないけど。 気合いは負けないぞとばかりに口角をあげて**] (54) 2021/06/27(Sun) 15:57:29 |
【人】 櫛田三四子軽口に噎せる姿をにまにま眺め。 コロッケと温玉シェイクの方も一口ずつ分けてもらう。 さくさくした揚げたてコロッケの食感を楽しみながら、 帰りの土産の相談などしてみたり。 そうして土産物屋の前で勝負を持ちかければ 彼も乗ってきてくれたので] ふふん、いーよ。 じゃあ私が勝ったらマッサージでもしてもらおっかなー。 デスクワークだと肩凝ってさ。 宙が勝ったらどうすればいい? なんか聞いてほしいことある? [などと尋ねつつ店内へ。 二名体験希望の旨を話せば快くテーブルの方へと案内された。] (59) 2021/06/27(Sun) 22:10:42 |
【人】 櫛田三四子宙、結構こういうとこ 一人で参加しにくるんだ? 仕事でもこういうのやってるの? [口調が慣れた感じだったので、なにげなく尋ねる。 美術制作会社で道具を作っていることは知ってるけど、詳しい内容までは知らないし。 付き合って一年、といえどまだまだ知らないことはある。 色とりどりのガラスビーズを眺めて吟味していると お互い作って交換しようという提案。 口許を緩めると頷いて] (60) 2021/06/27(Sun) 22:13:49 |
【人】 櫛田三四子(………って、心狭! 楽しい旅行にするって決めたばかりだろ私) [いつもはこんなこと考えないのに! 1人で百面相していると不意に視線があって 色んな意味でドキッとしてしまった。] …、そっかあ。 宙はいい感じに出来た? [照れ臭そうにはにかむ顔を見ると それ以上何も言えなくて言葉は飲み、 曖昧に笑顔を浮かべて相槌を打つ。 身体ごと顔を寄せて手元を除き込めば 彼の作品はどうなっていただろうか。 自分の完成品が微妙だったのは 多分色んな煩悩のせい。**] (63) 2021/06/27(Sun) 22:47:42 |
【人】 櫛田三四子[納得はいってないが初めてだしこんなもんか、仕方ない。 ともあれ出来上がりは帰った後のお楽しみだ。 完成品を店に預け、店を出ようとしたあたりで ふいに彼が此方を向いた。] へ、 [ずいっと真剣な顔で覗き込まれて 思わず虚をつかれた声を出す。 そんなに顔に出ていただろうか。 …というよりは彼が聡いのか。 凹んでる時や怒ってる時は いつも気付いてくれるから。 今までそう言う所に救われて来たけれど… でも、今は。 誤魔化すように口元だけでへらっと笑って。] (71) 2021/06/28(Mon) 11:55:32 |
【人】 櫛田三四子……あー、ううん、そーかも。 ちょっと集中して作業したからさあ。 気力切れちゃったかも。 [案じてくれる声色も、触れる指先も温かい。 心を透かそうとするような瞳に 落ち着かなく視線を彷徨わせ 眉を下げてもじもじと指先で髪を弄る。] (72) 2021/06/28(Mon) 11:59:14 |
【人】 櫛田三四子……………………、 あの、さ、 [間に耐えかねて口を開いたけど、 やっぱり続く言葉は出てこなくて。 飲み会の事も、ここに来るまでのことも、今もそう。 だって言ってもどうにもならないことだし 別に彼に制限をかけたいわけでもないし。 重箱の隅をつつくようなこと、 言いたいわけじゃなくて。………。] (73) 2021/06/28(Mon) 12:26:05 |
【人】 櫛田三四子[少しの間のあと、勢いよくぱっと顔をあげる。] さて、じゃあそろそろ戻る? 約束通り膝枕してあげるよ……って、あ、そうだ。 その前に浴衣姿で写真撮っていこうよ。記念にさ。 すみませーん、ちょっといいですかー? [言うや否や通りすがりの観光客に声をかけ、 温泉街をバックにツーショットで 記念撮影をして貰うことにする。 その後は特に気になるものがなければ戻るつもりだけど、 夕食の時間までにはまだ少し余裕があるから ぶらぶらするならそれはそれで付き合うだろう。**] (74) 2021/06/28(Mon) 12:49:28 |
【人】 櫛田三四子[そんなわけで部屋に戻ってきた。 空気はここに着いた時みたいにぎこちなくって うわー嫌だなーって思ったけれど、 促されて渋々座布団の上に座る。 自分の態度に言いたいことが あるんだろうなとは察してたから、 彼の話を最初は黙って聞いていたけど。 言い方に思わず眉を吊り上げた] ……な………っ なにそれ、別に楽しんでないわけじゃ……… [そりゃ思う所がないわけじゃないけど、 笑って過ごそうと思って何が悪いのさ。 言いかけた台詞は謝罪で遮られた。 触れる掌に毒気を抜かれてしまって、 若干むくれた顔のまま続きを聞く。] (81) 2021/06/28(Mon) 23:42:44 |
【人】 櫛田三四子………………………、 [真剣な表情で見つめられると 不覚にもドキリとしてしまって。 ああそう言えば、 付き合い始めた時に そんな話もしたっけって思い出した。 嫌なことしたら言ってほしい、 我慢なんてしないでほしい、 一緒に幸せになりたいから…… そんな風に言ってくれた彼に 嫌なことあったら遠慮なく言うとも返した。 確かにこの件に関しては彼に分がある。 茶を一口飲み、観念したように深く溜息をついた。] (82) 2021/06/28(Mon) 23:43:19 |
【人】 櫛田三四子…………………べつに、 宙が頼りないとか信用してないとか、 そーゆーわけじゃなくてさあ……。 [拗ねたようにそっぽを向いたまま。 ぼそぼそと口火を切る] だって、………言っても仕方ないじゃん。 騙されて飲み会に連れてかれたのも、 仕事が忙しくて、それで寝落ちちゃったのも 宙別に悪くないんだから、蒸し返しても仕方ないし……… [そう、悪くないからこそ感情の行き場が無くて。 自分が酷く小さいことを気にしているみたいで。 言い訳みたいな口上は自然とだんだん小さくなる。 あーーーー言いたくないな。言いたくない。 じわじわ顔に熱が昇っていくのが分かる。 でも話すまで解放してくれる気はなさそうで、 もう一度はああ、と溜息をついた。] (83) 2021/06/28(Mon) 23:44:14 |
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