【墓】 枠のなか 卯波>>14 編笠 「え〜、折角久しぶりのお祭りなのに。 楽しみなのはそりゃ当然として、 さらにテンションあげてきましょうよ」 先輩ら二人が普段着なのは何となく予想がついていた。瞬兄は良くも悪くも変わってないし、晶兄もまわりに流されたりするタイプじゃないように見えたから。 「これじゃあまるで俺だけが望んで……違うな、楽しそうみたいじゃないですか。普通逆ですよ、俺は撮る側」 ほら、とインスタントカメラを掲げてみる。 今なら、空気のなかで弾けるような、賑やかでどこか寂しい笛や太鼓の音までも切り取れそうな気がする。気がするだけだけど。 (+12) backador 2021/08/15(Sun) 17:55:03 |