![]() | 【墓】 新芽 テオドロ>>10 フィオレ 「笑わせてくれる。 本当に静かに咲く花ならどれだけ話しかけようと、 そっちから茎をのばしてくることはないだろうに」 ここから先はどこまで行っても言い合いだ。 なんなら、最初の時点でもう己が言っていたはずだ。よっぽどろくでもない相性≠ネのだ、と。 いよいよもってもう認めざるを得ないのだろう。 「……そうだな」 だからその都合の良い言葉も、ほんの一部分だけ。 ほんの端っこのところだけ認めてやらないでもない。 これは毒気にあてられたのではなく、 皿まで食らってやるほうに舵を切っただけの話。 元より枯れてくれるなと思っていたのはこちら側なのだから。 「あんたを特別に危険視しているのには違いない」 そうしてまた線を引き直す。 危険だから、何をしでかすか分からないから、 それはただ遠ざける以外にも道はあるのだと思って。 「見ていろ。何かしでかしたら迷わず捕まえてやる。 法の導きがなくても、その力は俺にはあるのだからな」 (+55) 2023/09/25(Mon) 8:11:28 |