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人狼物語 三日月国

70 【第36回TRPG村】百鬼夜行綺譚


【人】 京職 一葉

>>4
サービスシーン
■状況:野良あやかしに遭遇
■解決:調物で解決
■アイテム:牛車


 * * *

   ぴちゃ、ぴちゃ、
   ────────くちゅっ、

それは、腐臭を放つ小動物の死骸に齧り付いていた、小さな黒い塊。

尋常ならざる災厄である百鬼夜行は、文字通りに"地獄の釜の蓋が開く"ようなもの。
常には決して現れない強大かつ危険な妖が数多あらわれる。

が、このような小者の妖は釜の蓋が開かずとも、平常時にこうして時折見ることがあった。
鬼一一門の加護が薄れる郊外においては、尚の事。

「お前は知らぬのだよな。腐肉より美味なるものが山とあることを」

人を襲うほどの力はない妖怪と見て取り、青草を踏んで近付いて行く。

それはほんの気紛れだった。
手元には、数刻前に購入したばかりの餅菓子の包み。

「"団子"と言う。────旨いぞ」

言葉は届いたのかどうか。
だがボロ雑巾で象った兎のような態の妖は、一粒取り出し落としてやった小さな団子に齧り付いていた。
(34) Valkyrie 2021/04/21(Wed) 10:11:18