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人狼物語 三日月国

184 【R-18G】ヴンダーカンマーの狂馨


【人】 略奪者 ラシード

─ 銀鷹公の屋敷 ─

[ 

   だ


       た ん。

 吹き抜け階段の巡る広間。
 其処に次から次へと降り注ぐものがある。
 死体。いや違う。衝突する瞬間までは生きていた。
 虚な目を、否、”居場所を見つけた安堵”に満ちた
 泣き疲れて安堵した子供のような、
 さかさまの人間ひとりふたりさんにんよにんごにん、
 だ   たん。だ  たん。次々と堕ちてくる、堕ちてくる。
 広間を塗り潰さんばかりに、赤い血液が広がっていき、
 ああ、また”おかわり”の追加だ。
 だ  たん。 だ  たん。]

  自殺願望持ち、か。
  ……確か銀鷹公の屋敷では、
  若手の研究生を奨学生として受け入れて
  小さな研究室を与える……
  みたいな慈善もやってたのだっけ。

[見上げる螺旋階段。壁際には開け放たれた部屋の数々。
そのひとつひとつに若き研究者が住まい、夢を追って、]

  どいつもこいつも行き詰まりで、
  正直死にたい気持ちで一杯だった、ってことかな。
(47) 2022/11/08(Tue) 2:07:02