【人】 楊 宇静[空の話をしていたはずなのに、パンダの話をしだした穂村の意図を掴めずに眉をひそめてしまった。 けれど、彼が全く突拍子もない話を持ってくるようなタイプではないだろうことも予想が付いたからこそ、ほうじ茶ラテを啜りながら耳を傾けては、相槌を打つ。] ……えーと?うん、良いよ? [話を聞いていれば、唐突に。話が纏まらないらしい穂村が、スマホを使うと言い出して。 この国の人なのにこの国の言葉が難しそうなのは何故?なんて新たな興味が沸いたものの。 そんな皮肉めいたジョークを挟む様子ではなかったので頷いた。 むいむいとスマホとにらめっこしながら何かを打ち込む穂村の姿を見ているのも、飽きるものではなかった。 飲み物のお供として、指の動きに合わせて揺れる髪の先を眺めてみたり、伏せがちになる瞼の形や、まつげの様子を観察してみたり。 していたら。 唐突に目があって>>270思わず目を丸くしてしまった。もしかしたら、小さく奇声を発してしまったかも知れないけれど、何だか面白くなって笑ってしまった。 気にしないで続けて。と、穂村の意識を元に戻させた後、また同じように穂村の姿を観察していれば、やがて。 スマホが震えた。] (97) 2020/05/24(Sun) 23:31:43 |