【人】 異国の道化師 マッド・リヒターガシッ [掴まれた瞬間、背筋が痙攣した。>>88 完全に予期していなかった事態では無いが、可能性は極低く考えていたのだ。自分より背丈も大きく鍛えられた腕力を持つ腕。それに掴まれ、彼女は尋ねる。「たこ焼き屋」という露天の場所を。] たこ焼き……?東の外れの食物のですか? 嗚呼、屋台が……出ているのですね。 申し訳ないがぼくも"今日"来たばかりで。 言葉すら満足に話せないのですよ。 [とはいえ、慣れ親しんだ国の言語だ。気がつくとこの長いセリフを流暢に話していた。未だ女騎士に腕を掴まれている彼は帽子の鍔を少し下げ、なるべく顔を合わさない様に話した。しかし、直感、この会話は運命の分かれ道の如く選択になると兆しがあった。今でこそ一市民として接しているものの、意を害し、変に疑惑を持たれても……。思慮が綾玉の様に巡った。] 興味ありますね、『たこやき』。 残念ながら場所は存じ上げませんが……良ければその道のり、ご一緒させて頂いても宜しいでしょうか? ぼくはマッド。旅の道化師です。 [胃を固め、長身の女騎士と目を合わす。新兵だろうか?まだ若々しさがある青葉の様な顔付きに裏表の無い目をしている。マッドは帽子の鍔を少し上げ、にこりと微笑んだ。*] (100) 2020/05/16(Sat) 20:41:36 |