![]() | 【秘】 リヴィオ → 花浅葱 エルヴィーノ「…あぁ、とても美人で俺には勿体ないくらいだった」 本当。それが誰だとは言わないし言えやしない。 でも君はきっと聞かないでいてくれる。 そう信じているから、男は緩やかに微笑んだ。 それで怪我の嘘、その笑顔は "いつも通り"に振舞っていたつもりだが、 君が察してしまうのなら何も言えるはずがない。 だとして、その詳細を明かすことは一生、ないだろう。 聞かれたら答える男ではあっても、 それだけは語ってはならない真実だった。 「はは、これが真実だよ。俺を疑うのかい? こんなにも正直者で無敵の俺だと言うのに」 今まで散々リヴィオ・アリオストに騙されてきたんだ。 君は、何も知ることなく未来を歩いていくべきだ。 例え歪んだ道だとて、その道が途絶えない限り、ずっと。 ただ、出来ることなら本当は、 その歪みがいつか、真っ直ぐになればいいと。 君のことが大切な先輩は未来に期待している。 例えその未来を、この海のような翠に映すことがなくとも。 (-345) 2023/09/30(Sat) 20:34:04 |