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人狼物語 三日月国


260 【身内】Secret

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【独】 従業員 ルミ

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お、オタクくん…!
(-0) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 0:01:37

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 覗き込んだ彼の顔が僅かに歪んでいたから、
  尚のこと声には窘める色が増した。
  そもそも元凶は自分が盛った薬なのだけれど。

  過去を搦めとることを望みながら、
  いま大人になった彼を体を繋げようとしたのは
  目的だけを考えればおかしな話だ。
  ──閉じ込めて脅して洗脳でもする方が確実なのに。

  心が駄目なら体だけでも、なんて有名で陳腐なフレーズ。
  結局わたしは、過去だけ欲しかったんじゃなくて
 今の自分の恋すら叶えてしまいたかった。 ]

 
(*5) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 8:40:39

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……だって、そうでしょ
  ずっと傷を抉って、死ぬまで覚えててくれるなら
  未来も一緒にいられるんでしょう?


[ だから全部、わたしのものだ。
  過去も今も未来も貴方の全てを食べてしまって、
  わたしに依存して一緒にいようよ。

  二人でハッピーエンドの幕が閉じるまで。 ]


  うん! わたしが食べる!
  だからずっと痛がってね、お兄さん。
  ────他の人で痛くなくなったりしないでね。


[ あの頃よりも低い声。
  もっと聞きたい、と欲が顔を覗かせる。 ]

 
(*6) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 8:40:44

【赤】 従業員 ルミ

 

  ────約束だから、ね。


[ 本当は誰かと飲みに行くのも許したくないし、
  何だったら仕事を辞めて貰いたいくらいなのだが。
  朝から働く一般的な社会人の彼と、
  会社員の退勤後から働く自分のすれ違いを思えば。

  幸いなことに客はたくさんついているし
  ここに住んでもらえば生活に不自由はさせない。

  考えれば考える程名案のような気がしてきて、
  思考を割いている間に。
  「ところで」と変わった話題へ一瞬ついていけず
  ぱちぱちと目を瞬かせる。 ]

 
(*7) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 8:40:50

【赤】 従業員 ルミ

 

  続き?


[ 実際に腕を切る実演でも…?
  などとあらぬ誤解をしそうになったけれども、
  その意味はすぐに理解出来た。 ]


  す、好きだもん! 好き、大好き、
  嘘じゃない……ッ


[ 本当は好きじゃない?という言葉に首を横へ振り、
  縋りつくように彼の服を握り締める。
  とんでもないあらぬ誤解だ。
  女は好きな人とセックスさえ出来れば
  無条件に興奮して濡れるタイプの性格ではない。

  それ以前に、 ]

 
(*8) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 8:40:59

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……セックスって、濡れないのが普通じゃないの?
  いきなり挿れたがる人以外は
  確かにローションとか使って慣らしてたけど……。


[ でもこの家には用意がない。
  即物的なセックスなら無くてもいい、と思って。

  けれど、今の彼と自分は、こいびとというやつで
  ──後ろ暗さも無くなった今
  続きをしたい気持ちはあるのだけれども。 ]

 
(*9) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 8:41:13

【赤】 従業員 ルミ

 

  ちょっと痛かったけど……今はもう痛くないよ。
  慣れてるから平気。
  お兄さん、は?


[ 背を支える手は、自分が不意に倒れないようにと
  気遣ってくれているだけだと信じている。
  もう片方の手が下肢へ滑らされる感覚に、
  少しくすぐったいような、そわそわするような。

  視線を彷徨わせて息を吐く。
  ローションがないから、痛かったなら今日は出来ないと
  あくまで彼を気遣うトーンで。** ]

 
(*10) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 8:45:43

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 痛みも傷も他人には決して見えない。
  どれほど交わってもどんなに近付いても、
  言葉にし難いものだってあるのだろう。

  経験していないことを警戒出来ないように
  得たことのないものは想像出来ない。 ]


  …うん、わたしだけ。


[ 満足げにふにゃ、と頬を緩めて頷いた。
  後は住居や仕事のことを決められれば完璧だ。

  ──この後今後について話し合うことになれば、
  必然的に自分の" 夜のカフェ "も話すことになるか。
  さすがに恋人には胸を張って言える気はしないので
  店の詳細がバレないことを祈るのみである。 ]

 
(*15) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 22:14:51

【赤】 従業員 ルミ

 

[ ここにきて好意を疑われているのかと思ったけれど、
  自分の思い違いだったらしい。
  縋りついていた指先から力を抜いて、息を吐く。 ]


  よ、よかった……
  セックスは別に、好きじゃない。
  でもお兄さんとならしたいって思うよ。


[ 処女ならあんな凶行には流石に及べなかっただろう。
  客とは決してそんな関係になったことはないが
  それ以外の男とは何度かしたこともある。

  内臓を押し上げられるような、妙な感覚だった。
  ああそういえばシフト載せてないなあとか
  次の自撮りどうしよう、と考える余裕があるほどに。

  " 好きな人とするもの "だという知識はあった。
  自分には適用されなかった言説だが。 ]

 
(*16) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 22:14:56

【赤】 従業員 ルミ

 

[ ところで今、彼はかわいいと言ったか。
  今まで飽きる程に聞いてきたその言葉が鮮明に聞こえて
  なにも言えず、聞こえなかったふりをする。
  頬がじわりと熱を持った。

  平常を保とうとして、今度は両腕で背を抱き締められ
  否が応でも体がぴしりと固まる。

  なんだこれは。夢を見ているのかもしれない。
  毎日見ていた叶う筈もない夢が現実になって
  雨のように降っている。 ]


  ……お兄さんもさっき、痛かった?
  ご、ごめんね……。

  でも今までわたし、気持ちいいってなったことないし
  たぶん、不感症……とか……


[ しかしそれでは彼が一生セックスをしてくれないのか。
  自分が気持ちよくなったら挿れたいと言われても、
  そんな経験は一度も──── ]

 
(*17) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 22:15:01

【赤】 従業員 ルミ

 


  ッひゃぅ、


[ 肩に心地いい重みが乗っかって、
  次に首筋へ彼の唇が軽く触れ、くすぐったさに声を零す。

  背中を撫でられるのは好きだ。
  けれど、何にも守られていない首筋や耳を啄まれると
  なんだか背筋や体がそわそわする。 ]


  ん、ふふ、 
  くすぐったいよ、お兄さん…


[ 大型犬が甘えているように見えて、
  思わずやわい皮膚を啄む彼の頭をふわりと撫でた。
  えっちなことが出来ないから甘えているのかと
  勘違いをしたまま、こそばゆさに身体が跳ねる。

  少し身じろいで、目が瞬いた。 ]

 
(*18) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 22:15:05

【赤】 従業員 ルミ

 


  …………お、お兄さん、って
  わたしで勃ってくれるんだ……。


[ 決して押し付けられたりしたわけではないが
  当たってしまえばさすがに気付く。

  動揺を露にして、反射的にそう零した。
  てっきり刺激しなければ兆さないと思っていたのに、
  触れなくても固くなっていることに驚いて。* ]

 
(*19) 鬼葉 2024/05/11(Sat) 22:16:13

【赤】 従業員 ルミ

 

[ あの時覗き見たパスワードは" 計画 "のためで、
  崩れ去った今、使う発想を持っていない。
  今はもう連絡手段を奪う必要もないからこそ
  実家への連絡を気にするのを忘れていた。

  さて、物語を現実で続けていく為の話し合いの一つに
  自分の仕事があるとして。
  抵抗があると伝えられたら、どうだろう。

  この仕事でなければ、というわけではない。
  けれど辞めて他の仕事が出来る気もしない。
  店用のSNSアカウントを教え、
  彼が許せる範囲の営業方法を探していくことになるか。

  ────そう、それから。 ]

 
(*26) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 0:01:53

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 大切に扱われるセックスの経験がないことを、
  不幸に思ったことは一度も無い。
  " 関心を失う "ことに対してはひどく敏感だったが
  セックスにおいて静かだったのは、
  前提となる経験が乏しかったおかげだろう。 ]


  ……? うん。
  したいって思ったの、お兄さんが初めてだよ。
  だって、ほんとは好きな人とすることなんでしょ?

  今までの人には思ったこと、ないなぁ。
  しなきゃ、はあったけど。


[ 捨てられて、他の女に関心が向くよりは、と。
  埋まらない穴を体温とちっぽけな愛で埋めようとした
  バカな女の自傷行為だ。 ]

 
(*27) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 0:02:18

【赤】 従業員 ルミ

 

  ──────……ありがとう、お兄さん
  …………やさしいね、ほんと

  そういうとこも、昔と変わんないな……。


[ 長い間頑張って今日を作った。
  そう言われるだけでも、何故か泣きたいような心地になる。

  おとぎ話のお姫様よりも傷だらけで、
  なんでもしてみせると誓って来た道を汚して、
  何度も何度も夢見た大事な人。

  ──可愛いの四文字は聴こえなかったことにした。
  かわいくないと否定するのも違う気がするし
  かといって、仕事のように素直に受け取れもせず ]


  ……期待外れでも捨てないでね。


[ 気持ちよくなるなんて無理だろう、と思いながらも
  口にはせずにくすぐったさを受け入れる。
  そもそも不感症なら戯れに反応しないというのを、
  知識のつまみ食いで構築された女は知らない。 ]

 
(*28) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 0:02:22

【赤】 従業員 ルミ

 

  ひだり、
  ……────ッ、んん、くすぐったいてば……っ


[ 頭が反対の肩に移動するのは良いのだけれど、
  やわらかな髪が肌を掠める感覚に声が震える。
  間を置かず、今度は音が鼓膜を伝って神経を揺らした。

  かすかに首筋を吸い立てるような音。
  近くで鳴るのを聞いていると、
  耳から神経をくすぐられているみたいだ。 ]


  み、 みみ、ぞわぞわする……


[ 決してそれは不快だなんて類ではないのだけれど
  ──適切な言葉はまだ、経験には無い。 ]

 
(*29) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 0:02:33

【赤】 従業員 ルミ

 

  男の人が擦られたらおっきくなるのって、
  そういう理由だったんだ……?
  すごい、お兄さん。物知りだね、

  ………………ぁ。ぇと、……わたしに……。
  ……ぅ……うれしい、けど、
  あたまおいつかない ……かも……


[ 何ならずっと今の言葉がリフレインしている。
  信じていないとか嘘だとか言うつもりはもうないが、
  「わあ嬉しい、ありがとう!」などと
  素直すぎる反応が出来るほど子どもでもない。

  蜘蛛の糸よりも細い粘性の糸がちら、と見えて
  漂う夜の気配にたまらず目を逸らした。

  そのまま彼の手が背を撫でてくれるのを
  最初は「宥めてくれているのか」と
  なにも咎めず、むしろ喜んでいた──が ]

 
(*30) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 0:02:39

【赤】 従業員 ルミ

 

[ どうにもこれは、擦っているわけでもなさそうだ。
  落ち着かせるためなら一定数同じ場所を触れるべきで、
  あちらへこちらへと動く手は
  別の目的を伴っている気がしてならない。

  窺うように彼を再度見上げた。
  おず、と服を握り、問うための言葉を探している。 ]


  お兄さん、あの、背中────
  ──────ッん、ぁっ!?


[ 尾骶骨と脇腹の部分を撫でられた瞬間、
  妙に甘ったるい声が零れて、ば、と口をふさいだ。

  くすぐったい、と笑っていた時とは違う色。
  僅かだけ電流が奔ったような心地がして、
  彼の手の動きを止めようと
  空いている手で、咄嗟に彼の腕を取ろうとした。** ]

 
(*31) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 0:05:15

【赤】 従業員 ルミ

 

[ そう、自分にとってはパスコードを盗み見ることも、
  例え何度変えたってそれを見破るのも容易い。
  毎日毎日勝手に覗いて女の痕跡を洗い出しはしないが、
  知っておけば怪しい時に取れる手段が増えるから。

  とはいえ合法的に浮気や類似するものを探れる今、
  疑っていようとそうでなかろうと
  定期的にスマホは見せて貰おうとするだろう。
  元恋人と繋がっていやしないか、飲み会に女はいるか
  不安の種はそこらにあるもので。


  自分の仕事が快く受け入れられるものではないことは、
  一応自覚もしている。
  知られようとそうでなかろうと、
  今の色をかけるような営業はやめていくつもりだった。
  ────歪んだ承認欲求はすぐには治らない。

  並べてみれば、過去も感性も何もかも違うけれど
  おとぎ話のようにすぐさま解決することは何もない。
  続いていくには、続ける努力が必要なのだ。 ]

 
(*38) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 21:56:35

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……──、うん。
  お兄さんが教えて。ぜんぶ。


[ 大事にされなくてもいいと思っていた。
  夢を見ない方が、現実に傷付かなくて済むからだ。
  やっぱり自分にはこの道しかないんだ、と
  一本道しかないと諦める方が楽だった。 ]


  ────……優しいとこ、好きだよ。昔から。
  お兄さんなのに子どもっぽかったとこも
  名前で呼ばれるのとか、
  嫌なことは嫌って教えてくれたとこも好き。

  でも、例え優しくなくなっても
  お兄さんのことは、ずっと好きなままだと思うな。


[ 過去に執着していただけなら、
  忘却を" 優しくない "と捉えて嫌いになっただろう ]

 
(*39) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 21:56:41

【赤】 従業員 ルミ

 

[ こんな自分に好かれて執着され続ける彼を、
  可哀そうだと思う気持ちが無いわけでもない。
  けれど手元に手繰った運命がここにあるのなら
  今更聞こえの良い言葉で手放してもやれない。

  これは、誰が何を言おうとも運命だ。
  あの日貴方がわたしに声を掛けなければ。
  わたしが貴方を好きになどならなければ。

  例え人から獣に変じたって愛している。
  ────そう、例え意地悪を言われても、だ。 ]


  …こ、言葉のあやってやつだもん……


[ 揚げ足を取られて思わず言葉に詰まる。
  喉奥で笑うような、聞き慣れない笑い方が揺れた。

  途端に気恥ずかしくなって、
  それ以上を紡ぐのをやめ、ふ、と息を零す。 ]

 
(*40) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 21:56:46

【赤】 従業員 ルミ

 

  ん、んん、……笑っちゃうより
  くすぐったいの、感じないように意識する……から…。

  というか、くすぐったくなったこと自体
  今まであんまりない、し……。


[ 今まさに身を捩って感覚を逃がそうとしたわけだが、
  上手く逃がせずに、返事は時折不自然に途切れた。
  そもそも今までけらけら笑った経験と言えば
  幼い頃くらいしかないような気もする。

  子ども同士の戯れのような触れ合いの気分で、
  彼の困ったような笑みに「ええ?」と笑い返した。 ]


  なぁにそれ、適当?
  ……あは、お兄さん調べならそれが正しいでしょ。


[ 自分には彼が世界に等しい。
  あっけらかんと見解を受け止め、知識を上書きして。 ]

 
(*41) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 21:56:52

【赤】 従業員 ルミ

 

  わたしはお兄さんが夢中になってくれるの、
  嬉しいけどな。
  ……わたしもべつに、余裕あるとかじゃないし……


[ 彼が絡むだけで何に対しても余裕など失われ、
  まるで毒殺を試みた白雪姫の魔女のようだ。
  目的を成すにはもう殺すしかない、と
  りんごに毒を塗った短慮さを咎められない。

  他愛ない会話にすこし力が抜けていた。
  ────だからだろうか、
  高い声を抑えられずに零してしまったのは。 ]

 
(*42) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 21:56:57

【赤】 従業員 ルミ

 

  ぇぁ、 あ、ぅ、


[ 声は言葉の輪郭を保てなかった。
  気持ちいい、を教えてほしいとは確かに言ったが
  自分のものではないような声が出るなんて聞いていない。

  唇で声を抑える手をつつかれ、
  言葉でも促されると、困ったように眉を下げた。

  例えばここで彼が手を外してくれたなら、
  声を聞かせることへの言い訳も出来ただろう。
  自分から外すのは。
  つまりそうすることを、自分で選んだというわけで。 ]

 
(*43) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 21:57:46

【赤】 従業員 ルミ

 


  …………………ひかない……?
  

[ しかしこのまま意地になっても仕方がない。
  まるで合意ではない行為のように見えてしまうし、
  ────きもちいい、を教えてほしいと思ったのも
  したいと言ったのも自分なのだ。

  そろ、と恐る恐るの仕草で手を下ろした。
  行き場を失った手はすこしの間宙を彷徨い、
  彼の肩をそうっと掴む。* ]

 
(*44) 鬼葉 2024/05/12(Sun) 22:00:40

【赤】 従業員 ルミ

 

[ " 知らない顔 "があることを許しがたく思うのは、
  自分の悪癖であり、同時に変えられない部分だ。
  正確に言えば「我慢をしろ」と言われれば出来るのだが、
  重ねていくうちに遠からず爆発してしまう。

  いつか暴くのではなく、
  自分にも見せてくれるようになればいい。

  何でもかんでもSNSで把握しようとしてしまう性分を、
  愛の実感を得るために相手の全てを知ろうという欲を、
  もし正せる日が来るのならば
  それもまた、運命の成せる技になるのだろう。 ]

 
(*50) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:26:14

【赤】 従業員 ルミ

 

  ふふ、そうだね
  かわいかったな、小さい頃のお兄さん。


[ 記憶の中を慈しむように目を細める。
  一緒に食べた美味しいものの味、
  凪いだ風の音、祭りの喧騒、手の温もり。

  降り注ぐ雨から守ってくれたのも彼だった。
  肌から熱を奪うつめたい雨。
  傘を差したかったけれど、わたしは持ってはいなくて、
  けれど濡れないでいられる道を諦めさせないでくれた。

  それなら。
  傷を抉って、わたしをずっと憶え込ませて、
  ────そんな中でわたしは貴方の何になれるだろう。

  痛い傷以外の何に、いつか、成れるのだろう。 ]

 
(*51) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:26:18

【赤】 従業員 ルミ

 


[ これは夢よりも優しい現実だ。
  嫌われて憎まれて然るべきのことをしたわたしに、
  貴方はずっと近くにいる許しをくれた。

  防衛反応、あるいはストックホルム症候群。
  傷付けてその痛みを食べ続けるという行為は
  ある意味洗脳だと言われても反論できない。
  ────罪に対する罰はどこにあるのだろう。


  けれども、食べていたいのだ。
  愛されていると思えるような蜜の味。
  貴方をこんなにも愛しているのは、わたしだけ。 ]


  
(*52) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:26:22

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……が、がんばる…… ッ、


[ ────いやそれにしては甘い言葉が出てくるな?と
  彼の経験値を推察し、過去の恋人の顔を浮かべ、
  わたし以外にはそういう顔も見せてたのに……と
  嫉妬の炎を燃やしてしまう。
  耳朶をやわく噛まれる感覚に、すぐさま鎮火したが。

  多くは言わないようにして、言葉を返した。
  どうせSNS越しにもう知っている情報だ。
  改めて肉声で聞きたい話でもない。

  過ぎたことを詰って責めたいわけでもないのだ。
  大声で喚いたのは関係が終わると思っていたからで、
  続いていくためには堪えるべきことも分かっている。
  過去は変えられないから過去なのだし。 ]

 
(*53) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:26:25

【赤】 従業員 ルミ

 

  ぁ、 当たってる……けどっ
  ……お兄さんの、そういう……
  えっちなことの対象に入ると、おもって、なくて

  …………し、しんぱい、なのっ!


[ そういえば当たっていることを遠回しに言及しても、
  特に位置をずらそうということはしていなかった。
  あまり自分が身を引こうと動けば余計に熱を感じるし、
  気にしないようにしていたのに。

  再度意識すると、後はもう気にしないなんて出来ずに、
  彼の熱から粘性のものが零れていることに気が付いた。
  流石に正体を知らないほど無知ではない。
  かぁ、と耳が熱くなって、
  神経を言葉に出来ない感覚が奔っていく。 ]

 
(*54) 鬼葉 2024/05/13(Mon) 0:26:31